すべての歯を失ってしまった・歯周病で歯がぐらぐらして物が食べづらい・総入れ歯は外れやすい・単独インプラントを複数本入れたら費用がかかりすぎるなど悩まれている方は少なくありません。
オールオン4はそのお悩みを少しでも解決に導き、自然で快適な装着感と噛み心地を実感できます。
この記事では、オールオン4についての特徴をはじめ、取り外したときの対処法やその他の種類や違いについて解説します。ぜひ参考にしてください。
オールオン4について
- オールオン4のメリット・デメリットを教えてください。
- オールオン4を検討する際には、メリット・デメリットの確認が必要です。まずは、メリットから紹介します。
- よく噛める
- 埋込本数を少なくできる
- 身体への負担が少ない
- 即日で仮歯を入れることが可能(その日から固定式の仮歯で食事が可能)
- 高い成功率
- 治療期間が短い
- 顎の骨が薄い方でも治療が可能
次にデメリットを紹介します。
- 残っている天然歯を抜歯する必要がある
- 治療できる歯科医院が限られている
- 健康保険適用外の治療になる
メリットの方がデメリットよりも多く挙げられます。メリット・デメリットをしっかり理解し、ご自身の優先したい項目を見つけて歯科医師とご相談ください。
- オールオン4とその他の種類の治療法の違いを教えてください。
- インプラント治療の1つであるオールオン4の治療を決める前に、その他の治療法も3つ確認しておきましょう。
- 総入れ歯(部分入れ歯)
- ブリッジ
- 歯牙移植
総入れ歯では、食事や会話に苦労することはほとんどありません。しかし食事が制限されたり、入れ歯の内側に食べかすが入り込んでしまったり、ずれてしまい歯茎に痛みを感じる場合があります。
部分入れ歯では、支えとなる歯に負担がかかり歯を痛めてしまう場合があるでしょう。ブリッジは失った歯の入れ歯を両側の歯につないで支える治療法で、天然歯が残っている場合に行われる治療です。
ブリッジは両側の健康な歯を削る場合があるため、長期的には、削られた天然歯がむし歯や歯周病になりやすい傾向があります。また、すべての歯を失った方や、失った歯の本数によってはオールオン4の治療行えないことがあります。
歯牙移植では親知らずや骨のなかに埋まっている将来必要としない歯を、失った歯の部分に移植する方法です。しかし、前歯の代わりに親知らずを移植しても歯の形が異なるため難しい場合がありますし、ブリッジ同様すべての歯を失った方や失った歯の本数によっては行えない場合があります。
- オールオン4に向いている人の特徴を教えてください。
- オールオン4はすべての歯を失った方にはぴったりな治療法です。さらにオールオン4に向いている方の特徴をご紹介します。
- すべての歯を失った方
- 入れ歯が合わない・痛い方
- 歯がぐらぐらしていて食べ物が噛めない方
- 顎の骨が痩せてインプラントが難しいといわれた方
オールオン4はすべての歯を失った場合でも、数本のインプラントで全体的な人工歯を支える治療法です。総入れ歯が外れやすかったり、しっかり噛めなかったりするお悩みをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
そのような方は、顎の骨にしっかり結合し、一体化された義歯が固定されるオールオン4の治療が向いています。天然歯がむし歯や歯周病で状態が悪く、回復の見込みがない方は、無理に残すよりもオールオン4で噛む力を取り戻す方がよい場合もあります。
骨の量が少なくインプラントが難しいといわれた方でも、骨の残っている位置を選んで、インプラントを埋め込むことが可能です。骨造成手術を受けずにしっかり固定された人工歯で噛める喜びを取り戻しましょう。
取り外しができるオールオン4の特徴
- オールオン4は取り外しできますか?
- 4本以上のインプラントを連結させた固定性のボーンアンカードブリッジの場合は取り外しができません。
一方で、可撤性のインプラントオーバーデンチャー(IOD)であれば取り外し可能です。可撤性のインプラントオーバーデンチャー(IOD)は、長期間にわたり取り外しが行われるため、インプラント周囲や構造的な部分に隙間が生じるリスクが指摘されています。
- 取り外しが必要な場面はありますか?
- インプラントは治療後のホームケアが大切です。顎の骨に埋め込んだインプラントは取り外すことはできませんが、人工歯部分はアタッチメントで取り付けているためご自身で外すことが可能です。
口内環境をきれいに維持するため、従来の入れ歯と同様に、取り外して清潔に保つことが大切です。
- ンテナンスを怠るとどうなりますか?
- インプラントの1つである取り外しが可能な可撤性のインプラントオーバーデンチャー(IOD)は、固定式のインプラント同様に歯科医師による定期的なメンテナンスと日々のホームケアが大切です。
なぜならメンテナンスを怠るとインプラント周辺の歯肉が炎症を起こし、インプラント周囲炎と呼ばれる歯周病に感染してしまう可能性が高まるからです。そして重症化すると歯茎や骨が溶かされてインプラントを摘出しなければいけなくなったり自然に脱落したりする可能性があります。
さらに可撤性のインプラントオーバーデンチャー(IOD)は、長期的なメンテナンスリスクがあると指摘されています。それは長期間に渡り取り外し行為が行われるため、インプラント周囲や構造的な部分に隙間が生じる場合があります。
そしてその隙間に入り込んだプラークコントロール(歯周病の原因になる細菌の数を減らす)が困難になるためです。口内環境を清潔に保ちインプラントを長持ちさせるため、メンテナンスはしっかり行ってください。
- 食事や生活習慣上での注意点はありますか?
- 手術当日から食事は可能ですが、2〜3日は傷口を刺激しない味付けや、やわらかいものを食べた方がよいでしょう。そして生活習慣では、喫煙はインプラント体の残存率を低下させると認められています。
少しでも長持ちさせるために喫煙を見直すことも必要です。
オールオン4を取り外したときの対処法
- 自宅でできるケア方法を教えてください。
- ホームケアまたは日々のケアとして、食事後は人工歯を外して洗ったり、専用歯ブラシで丁寧に磨いたりしてください。就寝前には洗浄液に浸けておくことも必要です。
普通の入れ歯同様のお手入れで大丈夫です。そして顎の骨に埋め込んであるインプラント部分は、ご自身の歯を磨くように丁寧にお掃除してください。
舌の表面の白い汚れは、細菌や古くなった細菌の集まりなので、口内環境をよくするために舌ブラシを使った舌磨きも効果的です。
- 歯科医院で行なう洗浄方法を教えてください。
- 歯科医院での定期的なメンテナンスは、歯科衛生士によるプロフェッショナルケアでセルフケアでは行き届かない部分のクリーニングを行います。歯石やプラークなど歯ブラシだけでは届かない部分を超音波機器を使って口内洗浄を行う場合もあります。
- オールオン4で受診すべき不具合などはありますか
- 不具合は手術後や中期・長期にわたり出てくる場合があります。そんな不具合をいくつか紹介します。
- インプラントを埋入したが固定されていない
- インプラント周囲が細菌に感染した(インプラント周囲炎)
- 腫れ・痛み・しびれなどの症状が続いている
- 人工歯が破損する
不具合のなかでも、細菌の感染は予防によって発生率をさげられる場合もあります。また、感染症も含めインプラントがしっかり固定されていない場合や腫れ・痛みがある場合は、早急に歯科医院へ受診してください。
人工歯の破損なども誤って破片を飲み込むことのないよう注意してください。
編集部まとめ
この記事では、オールオン4の特徴や取り外したときの対処法・その他の種類と違いなどについても合わせて質問形式でお応えしてきました。
オールオン4は埋込本数が少ないため身体の負担も少なく、自然で快適な装着感と噛み心地を取り戻せるとても効果的な治療です。
少しでもオールオン4が気になる方は、まず歯科医院にて受診・相談してください。その際にこの記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
参考文献