インプラント

「インプラントは絶対ダメ」となぜ言われる?後悔しないために正しい判断を

歯を見せる女性

インプラント治療にはリスクがありますが、適切な診断、治療計画、手術技術、メンテナンスによって、リスクを最小限に抑えることができます。治療を受ける前には、自分自身の体質や持病をしっかりと把握し、リスクを理解した上で、慎重に検討することが大切です。

「絶対ダメ」と言われるインプラント治療について

インプラント治療はなぜ「絶対ダメ」と言われるのでしょうか?
「インプラントは絶対ダメ」という主張には、いくつかの理由が挙げられますが、これらの主張は必ずしも正確ではありません。一般的に、インプラント治療にはリスクがあるため、慎重に検討する必要があります。
インプラント治療は、外科手術であるため、手術に伴うリスクがあります。このリスクは、感染、出血、神経損傷、あご骨の損傷などが挙げられます。また、全身疾患やあご骨が少ない場合には、インプラント治療が難しい場合があります。治療期間が長いため、治療には時間がかかります。治療費用が高いため、費用面での負担が大きい場合があります。治療後には、インプラント周囲炎のリスクがあるため、定期的なメンテナンスが必要です。再治療が難しいため、治療前には慎重に検討する必要があります。しかし、これらのリスクを回避するためには、歯医者や担当医選びを慎重に行い、定期的な検診を受けることが重要です。また、禁煙やナイトガードなどの実践によって、再治療を回避することができます。治療前には、事前診断や血液検査、CT検査などを行い、持病や体質をしっかりと把握することが重要です。感染対策を行った環境下での手術が必要であり、手術技術にも注意が必要です。治療費用が高額であることも事実ですが、インプラントは他の治療法と比べ、きちんとメンテナンスすれば長持ちしやすい傾向があります。インプラント治療には、適切な診断、治療計画、手術技術、およびメンテナンスが必要であり、専門的な技術と知識を持った歯科医師の手で行うことが重要です。
外科手術のリスクについてもう少し詳しく教えてください。
外科手術は、手術前の検査や診断、手術中の麻酔、手術後の合併症など、多くのリスクが伴います。手術前には、担当の医師から手術のリスクや合併症について説明があるので、十分に納得したうえで手術に同意することが大切です。手術後の合併症とは、手術後の好ましくない症状や状態のことをいいます。高齢者は手術中や手術後の合併症のリスクを高めます。例えば、高齢者は若い人と比べて術後にせん妄を発症する可能性がはるかに高くなります。また、高齢者は術後の床上安静が原因で、重篤な合併症を起こす可能性も高くなります。
ある種の外科手術は、他の手術よりもリスクが高くなります。例えば、腹部または胸部の手術、前立腺の摘出、関節の大手術(人工股関節置換術など)はリスクの高い外科手術のランキングの上位に入ります。これらの手術は、手術中に出血や感染、または手術後に合併症が生じる可能性が高く、事前に入念な検査や診断が必要です。
慢性閉塞性肺疾患などの肺の病態は、手術のリスクを判定する際に懸念されることがあり、喫煙者の場合特にその傾向が強まります。喫煙は、肺の機能を低下させ、手術後の合併症のリスクを高めるため、手術前には禁煙が勧められます。
以上のように、外科手術には多くのリスクが伴いますが、正確な診断や入念な検査、手術前の十分な説明や準備、そして手術後の適切なケアにより、リスクを最小限に抑えることができます。また、高齢者や慢性疾患の患者には、より注意深いリスク評価とケアが必要です。医師との十分なコミュニケーションが大切です。
インプラント治療のメリットを教えてください。
インプラント治療は、歯を失った人々にとって有益な選択肢であることが知られています。インプラントは、人工の歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を取り付けることで、失った歯を補う方法です。インプラント治療のメリットは多岐にわたります。
まず、インプラント治療によって自信を持って笑うことができるようになります。歯がないことによって自己意識を持っていた人々が、インプラント治療によって美しい歯を手に入れることで自己肯定感を高め、自信を持って笑うことができるようになります。また、インプラントは左右でバランスよく咬めるようになるため、食事がしやすくなります。歯が失われると、噛む力が弱まり、食物を咀嚼することが難しくなります。しかし、インプラントによって人工歯が取り付けられると、噛む力が回復し、食事を楽しむことができるようになります。
さらに、インプラントは取り外す必要がないため、手軽で便利です。一般的な入れ歯は、取り外す必要があるため、毎日のお手入れが必要です。しかし、インプラントは人工歯が顎の骨にしっかりと固定されているため、取り外す必要がありません。

歯が抜けた際の治療法

インプラント以外の治療法には何がありますか?
歯の欠損や歯周病などの歯科疾患は、健康や自信に大きな影響を与えます。そのため、治療法の選択は重要です。インプラント治療には多くのメリットがありますが、それ以外の治療法にもメリット・デメリットがあります。治療法の選択には、初期費用やランニングコスト、使用感や見た目、治療期間や手術負担、周囲の歯や歯肉の状態などを考慮する必要があります。
ブリッジは、周囲の歯を削って人工歯を支える方法です。インプラント治療と比べると、手術負担が少なく、治療期間も比較的短いため、早期に歯を補うことができます。また、ブリッジの場合、治療費も比較的安価です。ただし、周囲の歯を削るため、削った歯の根元が露出してしまい、歯周病の原因となる可能性があります。また、ブリッジの支える歯に負担がかかるため、長期的な観点で見ると歯を失うリスクが高まることがあります。
入れ歯は、歯を失った箇所に合わせて作られた人工歯を、歯肉にかけて固定する方法です。インプラント治療に比べると、治療費が比較的安価であることが特徴です。また、治療期間も比較的短く、手術負担も少ないため、年配の方や健康状態の悪い方にも適しています。ただし、取り外しができるため、使用感が悪いと感じる方がいることや、食事中にズレたりすることがあることがデメリットとして挙げられます。
歯牙移植は、自分の歯を移植して、歯を補う方法です。自分の歯を使うため、見た目や使用感が良く、インプラント治療と同じように長期的に歯を補うことができます。ただし、手術負担が大きく、治療期間も長いため、比較的若い方に向いています。また、歯を移植するために他の歯を削る必要があります。
歯接着ブリッジは、通常のブリッジ治療とは異なり、隣接した歯を使うことなく土台となる歯の切削量が少ない治療法です。人工歯に薄いフレームをつけ、隣の歯と接着させることで歯を支えます。この治療法には、歯を削る量が少なく、患者の負担が少ないというメリットがあります。しかし、適応範囲には制限があるため、歯科医師に相談することが重要です。歯接着ブリッジは、歯の欠損を治療するための選択肢の一つであり、適切な治療法を選択するためには、患者の状態に合わせた個別の治療計画を作成する必要があります。歯科医師との相談を通じて、患者の健康と美しさを守る適切な治療法を選択することが大切です。
どの治療法を選ぶのが良いでしょうか?
歯を失った場合、治療法としてブリッジ、入れ歯、インプラントがあります。これらの選択肢は、個人の状況によって異なります。
インプラントは、人工的な歯根を口の中に埋め込むことで、新しい歯を作る方法です。一方、ブリッジは周囲の歯を削って支えにする方法であり、入れ歯は、歯を失った部分に合わせて作られた義歯を口の中に入れる方法です。これらの治療法を選ぶ際には、歯科医師と相談して、自分に最適な治療法を選択する必要があります。例えば、インプラントは、他の治療法に比べて自然な感覚を得ることができ、長期的に見ても経済的に有利な場合があります。しかし、インプラントをするためには、十分な骨の量と質が必要であるため、検査を受ける必要があります。また、入れ歯は、歯を失った部位に合わせて作られるため、簡単に作製することができますが、噛み合わせの調整が必要な場合があります。以上のように、治療法の選択には、個人の状況やニーズに応じて、適切な判断が必要です。

編集部まとめ

インプラント治療は「絶対ダメ」と言われることがあります。そう言われる理由は、インプラントは外科手術であるため、リスクがあるからです。しかし、適切な診断や治療計画、手術技術、メンテナンスによってリスクを減らすことができます。まず、治療を受ける前に自分自身の体質を把握し、リスクを理解したうえで慎重に検討しましょう。

この記事の監修歯科医師
山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

国立大学法人 鹿児島大学歯学部卒業 / 神戸大学歯科口腔外科 勤務 / 某一般歯科 7年勤務 / 国立大学法人 山口大学医学部医学科卒業 / 名古屋徳洲会総合病院  呼吸器外科勤務 / 専門は呼吸器外科、栄養サポートチーム担当NST医師

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