インプラント

インプラントの治療に関して|治療費用や治療の流れを解説

カルテを持つ医者

歯を失った際、その部分の機能や見た目を回復するためには、インプラント治療が有効です。しかし、インプラント治療は治療費も高く、リスクも相応に存在すると聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回はインプラント治療の治療費用やメリットについて解説します。

インプラントについて

インプラントとは何でしょうか?
インプラントは、歯を失った箇所に人工の歯根を埋め込み、歯を補う治療法です。従来はブリッジや入れ歯が一般的でしたが、近年はインプラント治療を希望する患者が増えています。インプラント治療は、抜歯が必要な場合に行われ、差し歯は歯根が残っている場合に行われます。
歯科において、歯がなくなった場合には、顎の骨に人工歯根を埋め込んで、人工歯を装着することをデンタルインプラントと呼びます。インプラントは、主に、インプラント体(人工歯根)、アバットメント(支台)、上部構造物(人工歯)の3つの部品で構成されています。日頃の手入れやメンテナンス状況にも左右されますが、メンテナンス次第で数十年も持続することができます。
インプラント治療は手術を伴うため、治療前にはカウンセリングや術前検査が必要です。手術は麻酔をしてから行われ、虫歯治療などでも使用される局所麻酔のみで行われる場合もありますが、治療に対する不安が強い場合には全身麻酔を選択することもできます。治療後の経過観察や定期的なメンテナンスも必要です。
インプラントの治療費用を教えてください。
インプラント治療は、自然な噛み合わせや見た目を再現することができ、入れ歯やブリッジなどの他の治療法と比較して、非常に高い成功率を誇っています。ただし、その分高額な費用がかかるため、予算や費用面での不安がある方もいらっしゃるかもしれません。
インプラント治療の費用は、病院やクリニックによって異なりますが、一般的には1本あたり30万円から50万円程度が相場とされています。しかし、治療費用は診査・診断、手術、材料費、手術後のケアなどの項目によって算出されるため、個人の状況によって必要なトータルコストは異なります。
たとえば、口腔内の状態や治療内容、使用するインプラント製品によって必要な治療費用が変わる場合があります。また、インプラントの種類や材質、医師の経験や技術、病院の設備など、様々な要因が治療費用に影響を与えるため、かかりつけの歯科医院でお見積もりを提示してもらうことが必要です。
また、インプラント治療は一度行うと、数十年にわたって使用することができるため、長期的な視点で見ると、費用対効果は非常に高いと言えます。そのため、治療費用が高額であっても、費用面での不安がある方は、長期的な視点で見て、自分にとって最適な治療法を選ぶことが大切です。
インプラント以外の治療方法はありますか?
治療方法には、インプラント以外にも以下のような選択肢があります。
・ブリッジブリッジは、欠損した歯の両側の歯を削り、その上に人工の歯を取り付ける方法です。特に、隣接した歯が丈夫である場合には有効な方法です。しかし、削られた歯にはダメージがあるため、その部分を虫歯などから守るための定期的なケアが必要です。

・入れ歯
入れ歯は、欠損した歯を補うために口腔内に装着する義歯です。一般的に、入れ歯は安価であるため、財政的な制約がある場合には選択されることがあります。しかし、定期的に入れ歯を調整する必要があり、歯茎や口腔内の炎症や口内環境の変化による不快感がある場合があります。

・歯牙移植
歯牙移植は、自分の歯を移植して欠損した歯を補う方法です。移植する歯は、通常、他の場所から取り出され、欠損した歯の代わりに植え付けられます。ただし、歯牙移植には、複雑な手術が必要であり、移植された歯には他の治療方法と同様のメンテナンスが必要です。

・接着ブリッジ
接着ブリッジは、歯の表面に接着剤で人工の歯を取り付ける方法です。接着ブリッジは、簡単な手術で装着できるため、ブリッジや入れ歯よりも簡便な方法です。しかし、接着剤が弱く、割れたり外れたりすることがあるため、定期的なメンテナンスが必要です。

以上の治療方法は、インプラントと比べると費用が安く、手術が必要ない場合もあります。しかし、それぞれに特徴があり、適切な治療方法は、患者の状況によって異なる場合があります。適切な治療方法を選択するためには、歯科医師との相談が重要です。

インプラントのメリットを教えてください。
インプラントには、多くのメリットがあります。
・自分の歯にかかる負担が減って長持ちするインプラントは自分の歯にかかる負担を減らし、長期的な耐久性を実現することができます。通常のブリッジや入れ歯などの治療法では、周囲の歯に負荷がかかり、その結果、歯が抜けたり、むし歯にかかったりすることがあります。しかし、インプラントは、周囲の歯を傷つけることなく、自分の歯と同じように自然な咀嚼力を維持することができます。

・歯ごたえある食物の食感が楽しめる
インプラントは、歯ごたえある食物の食感を楽しむことができます。インプラントは、歯根に似た形状をしており、人工歯でも自然な歯のような噛む感覚を得ることができます。そのため、固い食べ物や、食感のある食べ物も楽しむことができます。

・取り外す必要がなく、​自分の歯と同じ扱いができる
インプラントは取り外す必要がなく、自分の歯と同じ扱いができます。一般的な入れ歯やブリッジのように、外して清掃する必要がありません。また、毎日のブラッシングやフロスでのお手入れも簡単にできるので、口腔衛生維持にも役立ちます。

・元々の自分の歯に近い機能や審美性を保つことができる
インプラントは元々の自分の歯に近い機能や審美性を保つことができます。インプラントは、自分の歯のように自然な感覚を提供するだけでなく、見た目も自然で美しい見た目を保つことができます。

インプラント治療に関するよくある質問

インプラントの治療期間はどのくらいですか?
インプラント治療の期間は、患者の状態や治療法によって異なりますが、一般的には3〜12ヶ月程度かかります。インプラント手術には、1時間半程度の時間がかかることがあります。また、インプラントを埋入した後は、2〜3ヶ月程度の回復期間が必要とされています。ただし、患者の状態によって異なるため、歯科医師との相談が重要です。
インプラント治療が「絶対ダメ」と言われる理由は何ですか?
インプラント治療は「絶対にダメ」と言われるほど危険な手術ではありませんが、他の方法と比べてデメリットがあるのは確かです。どのようなデメリットがあるか見ていきましょう。
・外科手術であることのリスクがあるインプラント治療は外科手術であり、手術に伴うリスクがあります。手術中の出血や感染、麻酔による合併症などが考えられます。

・再治療が難しい場合がある
インプラントは、歯を支える歯根とは違い、人工的な歯根です。そのため、一度インプラントを取り付けた後、再治療が難しい場合があります。

・顎の骨が弱い・薄い場合にはうまくいかない場合がある
インプラント治療には、顎の骨にインプラントを固定する必要があります。顎の骨が弱い場合、インプラントが固定できない場合があります。また、顎の骨が薄い場合には、骨量を増やすための骨移植が必要になる場合があります。

・治療期間が長い
インプラント治療には、通常3か月以上の期間が必要です。インプラントを固定するために、骨とインプラントが結合するのを待つ必要があります。

・治療費用が高い
インプラント治療は、歯科治療の中でも比較的高額な治療費用がかかります。また、治療期間が長いため、その分の費用もかかる場合があります。

編集部まとめ

インプラント治療は、歯の欠損や歯周病によって歯を失った場合に有効な治療法です。治療期間は、状態によって異なりますが、一般的には数か月から半年程度が必要です。治療費用は、治療の範囲や状態によって異なりますが、数十万円から百万円程度が一般的です。保険が適用される場合もありますが、自費診療が主流です。歯を失った場合は、インプラント治療を検討し、カウンセリングや検査を受け、専門医の指導の下、適切な治療を行いましょう。

この記事の監修歯科医師
山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

国立大学法人 鹿児島大学歯学部卒業 / 神戸大学歯科口腔外科 勤務 / 某一般歯科 7年勤務 / 国立大学法人 山口大学医学部医学科卒業 / 名古屋徳洲会総合病院  呼吸器外科勤務 / 専門は呼吸器外科、栄養サポートチーム担当NST医師

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