オールオン4とは、4本のインプラントを埋め込んで歯を固定する治療法です。
奥歯から前歯までが一体となっているため、すでに多くの歯を失っている方におすすめの治療法として知られています。
40代ではじめてオールオン4の治療を受ける場合、身体への負担や治療費などの不安がある方も多いのではないでしょうか。
今回は、40代でオールオン4の治療を検討している方に向けて、ポイントや注意点を詳しく解説します。
40代で受けるオールオン4の治療法
- 40代からオールオン4の治療はできますか?
- 40代からでもオールオン4の治療は可能です。ただし、施術の前に持病の確認や歯周病など口腔内に疾患がないか診察する必要があります。
糖尿病などの持病がある方は、手術後に傷口からの感染リスクが高くなるなどの危険性があるため注意が必要です。また、インプラントを埋め込むことに耐えられる骨の状態であるかどうかも、診察の際に診られるポイントとなります。
診察の結果、施術をしても問題がないと判断された場合、オールオン4の治療が可能となります。
- 40代のオールオン4治療でのメリット・デメリットを教えてください。
- メリットとしては、少ない本数のインプラントを埋め込んで全体の歯を固定するため、痛みや腫れといった身体的な負担を軽減できるという点が挙げられます。
また、1日で抜歯から仮歯の装着まで行うため、他のインプラント治療と比較して施術期間が短縮できるのもメリットのひとつです。そして治療前よりも見た目や咀嚼力が改善し、食事の楽しみや若々しい笑顔を取り戻せることが、大きな利点として挙げられるでしょう。
デメリットとしては、奥歯から前歯までが一体となっているため、健康な歯が残っている場合でもすべて抜歯する必要がある点が挙げられます。また、インプラントを埋め込むには十分な骨の量や硬さが必要です。
40代でも骨量が不足している場合、処置ができない可能性があります。
- 40代がオールオン4治療を受けるための条件はありますか?
- まず重要なのは、顎の骨の状態です。インプラントを埋め込み支えるためには十分な骨量が必要となります。
口腔内の健康状態も重要なため、歯周病やその他の疾患がある場合は先に治療を行う必要があります。また、口腔内のみでなく身体の健康状態も大切です。
糖尿病の方や血糖値に問題がある方、骨粗しょう症の方の場合は治療のリスクが高まることがあるため、医師の事前の診察とカウンセリングが不可欠です。
- 40代がオールオン4治療を受けられない条件はありますか?
- 顎の骨が極端に少ない場合、インプラントを安定させるための土台が不足しているため、治療が難しくなることがあります。
重度の歯周病や口腔内の感染症が進行している場合、オールオン4の治療を延期し、先に疾患を改善する必要があります。なお、糖尿病などの慢性疾患がある方や免疫力が落ちている方も、手術後に傷口から感染する危険性が高くなるため注意が必要です。
また、オールオン4の治療後も、定期的にメンテナンスを行い歯の状態を維持することが大切です。歯科に通ってメンテナンスを受けられない方は、オールオン4の治療は向いていないといえるでしょう。
また、喫煙はインプラントの残存率を低下させると考えられています。治療後は過度な喫煙をやめることが望ましいです。
40代で受けるオールオン4の特徴
- 40代で受けるオールオン4の特徴を教えてください。
- オールオン4は、4本のインプラントで奥歯から前歯まですべての歯を支える先進的な治療法です。
通常、歯を失った場合はそれぞれの歯に個別のインプラントを埋める必要があります。オールオン4は、顎に4本のインプラントを埋め込み土台にすることで人工歯を装着します。
手術は基本的に1日で行うため、短い期間で治療できるのがポイントです。また、従来の方法と比べて治療費の負担を軽減できるのも特徴です。さらに、見た目や咀嚼力は天然歯に近く、食事や日常生活での快適さの向上が期待できます。
- オールオン4を装着しないといけない原因は何ですか?
- オールオン4を装着する主な原因は、歯周病やむし歯の進行、加齢による歯の劣化、事故による損傷などで、複数の歯を失うことが挙げられます。
これらの原因により、食事がしにくくなる、発音が悪くなる、見た目の問題などが生じることがあります。そうした問題を解決するために、オールオン4のインプラント治療を行う方が多いです。
インプラントの他にも、ブリッジや入れ歯といった治療法もありますが、それらの方法では安定感が不足したり咀嚼力が低下したりする場合は、固定式のオールオン4が効果的です。
- 40代でオールオン4治療を受けた場合の耐用期間はどのくらいですか?
- オールオン4は、適切なメンテナンスを行えば15〜20年またはそれ以上使用できるといわれています。インプラント自体はチタンでできているため体内で安定して保ちやすく、耐久性に優れています。
ただし、長く使用できるかどうかは、日々の口腔ケアや定期的なメンテナンスの有無が大きく関係します。特に、喫煙は治療後の経過に悪影響を及ぼすだけでなく、インプラントの寿命を縮めることになるため、治療した後は禁煙することがおすすめです。
インプラントを長期的に利用するためには、治療後のケアをしっかりと行い、生活習慣を改善する意識を持つことが大切です。
40代で受けるオールオン4の治療での注意点
- 40代のオールオン4治療での注意点を教えてください。
- 治療前の医師による診察で顎の骨の量が十分でないと診断されたり、糖尿病などの慢性的な疾患があったりする場合は、インプラント治療を受けられない可能性があるため注意が必要です。
投薬中の方は、薬の種類によっては治療後の経過が悪くなる恐れがあるため、事前に医師に相談をしておくことが大切です。なお、オールオン4の治療では残っている歯をすべて抜歯する必要があることも、あらかじめ理解しておく必要があります。
また、大変まれなことですが、治療後にしばらくは知覚障害が残ったり、深刻な場合はそのまま麻痺が残り続ける可能性があります。そうしたリスクについてしっかりと説明を受けたうえで、治療を受けるか判断することが大切です。
さらに、治療後も口腔内のケアは欠かせません。日々の歯磨きや定期的な歯科検診を怠ると、インプラント周囲炎を引き起こす可能性が高まるため、治療前にしっかりと把握しておく必要があります。
- 平均的な治療費について教えてください。
- オールオン4の治療費の相場は、片顎で2,000,000円(税込)前後といわれています。上下の顎を治療する場合はその倍の費用がかかります。
なお、一般的にインプラント治療は保険適用外のため、自己負担となる場合がほとんどです。また、治療費はクリニックや地域によって異なるほか、使用する設備や技術の違いによっても変動します。
オールオン4は、他のインプラント治療と比較すると、費用を抑えられる治療法として知られています。治療後のメンテナンス費用も考慮する必要があるため、長期的にかかる費用を含めて検討することが大切です。
- 治療期間はどのくらいかかりますか?
- インプラントの治療にかかる期間は、一般的に3〜6ヵ月程度といわれています。
オールオン4も全体の治療期間は6ヵ月程度かかりますが、仮歯を装着する施術自体は1日で行います。抜歯をしたその日に新しい歯で過ごせることが、オールオン4の魅力のひとつです。オールオン4は、事前の検査データをもとにインプラントを制作し、埋め込む位置などを決定する、とても高い技術を要する治療です。そのため、事前の検査やカウンセリング、治療計画の立案に時間をかけて実施するのです。
編集部まとめ
オールオン4は、多くの歯を失った場合でも見た目や咀嚼機能を回復させ、日常生活を快適にする手助けとなります。
40代であっても、顎や身体の健康状態に大きな問題がない限りは、治療を受けることが可能です。
治療費や治療期間、施術後のケアなどが気になるところですが、信頼できる医師と相談を重ね、自分に合った治療法を選ぶことが大切です。
参考文献