インプラントは適切なケアを怠ったり、過度な力が加わったりすると破損する可能性があることをご存知ですか?
インプラントが割れた場合に備えて、その原因や対処法についてしっかり理解しておくことが大切です。
本記事ではインプラントが割れた場合について以下の点を中心にご紹介します。
- インプラントが割れる原因や症状
- インプラントが割れたときに必要な治療法
- インプラントが割れたときに自身でできること
インプラントが割れた場合について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
インプラントが割れる原因や症状について
- インプラントが割れたときに考えられる原因を教えてください
- インプラントが割れてしまう原因はさまざまであり、いくつかの要因が関与する可能性があります。
- 強い衝撃
インプラントに使用されるセラミックなどの素材は耐久性があるものの、強い衝撃に弱い一面があります。転倒や事故、スポーツでの衝突など、外的な衝撃が加わると、インプラントが割れたり欠けたりすることがあります。 - 噛み合わせの不具合
噛み合わせがずれていたり、調整が不十分だったりすると、インプラントに偏った力がかかりやすく、破損のリスクが高まります。特に、歯ぎしりや食いしばりが強い方は、夜間に無意識のうちに力がかかるため、注意が必要です。 - 過度な噛む力
硬い食べ物を噛むと、インプラントに過度な力が加わります。氷やナッツ、硬いキャンディーなどを噛むことは、インプラントにとって負担となり、割れる原因になりやすいです。また、事故やスポーツで衝撃を受けた際にも、インプラントが割れる可能性があります。 - インプラントの素材や設置不良
インプラントの素材は強度がありますが、稀に製造過程で問題がある場合や、設置が適切でない場合、特定の部位に負荷が集中し、破損しやすくなることがあります。
これらのポイントを事前に確認することで、インプラント破損のリスクを減らせる可能性があります。
- 強い衝撃
- インプラントが割れるとどのような症状や影響がありますか?
- インプラントが割れると、患者さんにはさまざまな症状や影響が生じる可能性があります。まず、割れた部分から細菌が侵入しやすくなり、歯肉や骨に炎症や感染が広がるリスクが高まります。早期に対応しないと、インプラント周囲炎や歯周病などの深刻な問題に発展することも考えられます。
また、インプラントが割れることで噛み合わせが乱れ、隣接する歯やほかのインプラントに過度な負担がかかる恐れがあります。その結果、ほかの歯やインプラントにもダメージが生じ、さらなる治療が必要となる可能性があります。
さらに、見た目の変化によって心理的なストレスが生じたり、食事のしづらさや痛みから生活の質が低下したりすることも少なくありません。
インプラントが割れた場合は、放置せずに早急に対応することが重要です。
- インプラントが割れたまま放置するとどうなりますか?
- インプラントが割れたまま放置すると、治療の難易度が高まり、さらなる問題を引き起こす恐れがあります。
特に、破損部分が放置されることでインプラント全体の安定性が低下し、人工歯が外れやすくなる可能性があります。
また、割れた部分に噛む力が集中することで、隣接する歯やほかのインプラントに過剰な負担がかかり、ダメージを与える危険もあります。さらに、インプラントの破損状態が長期間続くと、周囲の骨や歯肉にも悪影響を及ぼし、治療が複雑化してしまう恐れがあります。
放置することで治療費や時間が大幅に増加するだけでなく、食事や会話にも支障をきたすことがあります。インプラントが割れた際は、早急に歯科医院へ相談し、適切な処置を受けることが重要です。
インプラントが割れたときに必要な治療法について
- インプラントが割れたときの対処法を教えてください
- インプラントが割れた場合、すぐにインプラント治療を行った歯科クリニックに相談することが重要です。
費用を心配する方もいるかもしれませんが、インプラントには保証期間が設定されており、定期的にメンテナンスを受けていれば、修理や交換が無料または低価格で行えることがあります。
また、破損した部品が再利用できる場合もあるため、割れた部分を持参することをおすすめします。
- インプラントが割れたとき、歯科医院ではどのような治療を行いますか?
- インプラントが割れた場合、歯科医院では状況に応じた適切な治療が行われます。割れた部位やその程度によって治療方法が異なるため、まずは詳細な診断が必要です。
以下で、通常行われる治療方法について説明します。- 上部構造の破損やヒビ
インプラントは、土台部分と上部構造で構成されています。もし上部構造のみが破損している場合、インプラント体には問題がないため、上部構造部分だけを修理または交換できます。これにより、再手術を避けた治療が可能とされています。 - アバットメントの緩みや破損
上部構造はアバットメントという部品でインプラント体に接続されています。もしアバットメントが緩んだり破損したりした場合、アバットメントを修理または交換することで、上部構造を再びしっかりと接続できます。緩みが原因の場合は、調整を行い、元の状態に戻します。 - インプラント体のぐらつき
上部構造やアバットメントに問題がないにも関わらず、インプラントがぐらついている場合、原因は顎の骨や周囲の組織にある可能性があります。インプラント周囲炎や骨の異常がないかを確認し、必要に応じて治療を行います。この場合、インプラント自体の修理は難しく、骨の治療や再手術が必要になることがあります。 - インプラント体の再手術
インプラントが深刻に破損した場合、修復が不可能なこともあるようです。この場合、新たなインプラントを埋め込むための再手術が必要です。
再手術では、骨の状態が十分でない場合、骨移植が行われることもあります。骨移植を行うことで、新しいインプラントがしっかりと固定できる基盤を作ります。 - ほかの治療オプションの提案
インプラントの修復が難しい場合、ブリッジや入れ歯など、ほかの治療方法を検討することもあります。
ブリッジは隣接する健康な歯を利用する方法で、入れ歯は取り外しが可能とされていますが、インプラントのような固定性や噛み心地はありません。
インプラントを再考する選択肢もありますが、再治療を決定する前に歯科医師とよく相談することが重要です。
- 上部構造の破損やヒビ
- インプラントが割れたときにかかる治療費用を教えてください
- インプラントが割れたときにかかる治療費用は、以下のとおりです。
- 被せ物が取れた場合の費用
被せ物が取れた場合、問題がなければ再度取り付けるだけで済むため、追加費用がかからないことが多いようです。
しかし、インプラント治療は健康保険の適用外となっているため、歯科医院によっては再診料や再接着料がかかることがあります
。通常は500〜1,000円程度の費用が発生することが多いようです。 - 被せ物が割れた場合の費用
被せ物が割れた場合は、修理または新しいものへの作り直しが必要になります。この場合、再度被せ物の費用がかかるため、1本あたり5万〜20万円程度の費用が発生することがあるとされています。
費用は、患者さんの状態やインプラントの状態、使用する被せ物の種類、歯科医院の料金設定によって異なります。
- 被せ物が取れた場合の費用
インプラントが割れたときに知っておきたいことや予防法
- インプラントが割れたときに自身でできることはありますか?
- インプラントが割れたときは自身で以下のことに気をつけましょう。
- 割れたインプラントを容器に入れて清潔に保管
- やわらかい歯ブラシで周囲を優しく磨き、口腔内を清潔に保つ
- 出血がある場合は清潔なガーゼやティッシュを用意し、患部に軽く押し当てて止血する
- インプラントの再治療を受ける際の注意点を教えてください
- インプラント治療後にトラブルが発生した場合、まずは治療を受けた歯科医院に相談しましょう。
しかし、その歯科医院で十分な対応を得られない場合や、不安や不信感がある場合には、ほかの歯科医院でセカンドオピニオンを受けて、今後の治療方法を考えることをおすすめします。
- インプラントが割れないための予防法を教えてください
- インプラントが割れるリスクを抑えるためには、次のポイントに注意することが大切です。
- 噛み合わせの調整
噛み合わせが不適切だと、インプラントに過度な力がかかり、割れやすくなります。定期的に歯科医師に噛み合わせをチェックしてもらい、必要があれば調整を受けましょう。 - 日常的なケア
インプラント周りの清潔を保つことが、割れを防ぐためには重要です。歯ブラシやデンタルフロスを使ってしっかりと歯を清掃し、歯科医師から指導されたケアを日々実践することが必要です。 - 硬い食べ物を避ける
インプラントに影響を与えるのは、氷やナッツのような硬い食べ物です。これらを直接噛むことは避け、インプラントに過度な負担がかからないように配慮した食べ方を心がけましょう。
- 噛み合わせの調整
編集部まとめ
ここまでインプラントが割れたらどうするのかについてお伝えしてきました。
要点をまとめると以下のとおりです。
- インプラントが割れる原因には、強い衝撃や噛み合わせの不具合などが挙げられる
- インプラントが割れた場合、すぐにインプラント治療を行った歯科クリニックに相談することが重要である
- インプラントが割れたときに自身でできることは、インプラントを容器に入れて清潔に保管したり、やわらかい歯ブラシで周囲を優しく磨き、口腔内を清潔に保ったりすることである
インプラントが割れた場合、放置せず早めに歯科医院へ相談することが大切です。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。