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インプラント除去費用の相場は?除去が必要なケースや予防方法も解説

インプラント除去費用の相場は?除去が必要なケースや予防方法も解説

インプラント治療はメリットが大きい治療法である一方で、インプラント周囲炎などのトラブルが起きた場合は、インプラント除去が必要となるケースもあります。

インプラント治療そのものはご存知でも、どのようなケースでインプラントの除去が必要となるか、詳しく知らない方も少なくないでしょう。

この記事では、インプラントの除去が必要となるケースや、除去にかかる費用の相場などを解説します。

インプラント除去について関心のある方は、ぜひご覧いただき、理解を深める一助としていただければ幸いです。

インプラントの除去費用の相場

経理、経費 ビジネスイメージ

インプラントの除去費用の相場を教えてください
インプラントの除去費用は、以下のケースによって異なります。
  • 保険適用
  • 自費診療

インプラント除去の保険点数は460点(4,600円)です。保険診療が適用される場合、3割負担では約1,400円、1割負担では460円の自己負担となります。
自費診療の場合、費用は大きく異なり、相場は100,000~200,000円(税込)とされています。ただし、金額を明示している歯科医院は多くはありませんので、具体的な金額は歯科医院への確認が必要となるでしょう。
この価格だけ見ると、自費診療の場合は、保険診療に比べるとかなり高額に感じるかもしれません。しかし、一部の歯科医院では保証制度を設けているケースもあります。
この保証内容を例に挙げると、インプラント治療をしてから10年以内に破損したら除去費用が保証される、などです。
この保証制度は歯科医院によって異なりますので、保証制度の有無や詳細については歯科医院に問い合わせるとよいでしょう。

インプラントの除去に保険は適用されますか?
原則として、インプラント除去は自費診療で行われます。ただし、上述したようにインプラント除去には保険が適用されるケースがあります。
それは、インプラント治療を実施した歯科医院とは別の歯科医院で、歯科医師がインプラント除去が必要と判断し、インプラント除去を行うケースです。同じ歯科医院でインプラント除去をする場合は、保険が適用されずに自費診療となるので注意しましょう。

インプラント除去が必要なケース

治療する歯科医師

インプラント除去が必要になるのはどういった場合ですか?
インプラント除去が必要になるケースは以下の場合があります。
  • インプラント周囲炎
  • インプラント体の破折・動揺
  • 神経損傷
  • 上顎洞炎
  • 金属アレルギー
  • インプラント部分の管理が不十分になったとき
  • MRI診断の妨げになりうるとき

インプラント周囲炎の状態になると、インプラント除去が必要になる可能性があります。ただし、インプラント周囲炎になったからといって、すぐに除去しなければならないわけではありません。
まずは非外科的な治療として、口腔衛生指導・インプラントの清掃・洗口液の使用・抗菌薬の投与などが行われます。また外科的治療として、粗面の潤沢化・エアアブレーション・レーザー照射が行われ、それでも改善が認められない場合にインプラント除去が検討されます。
次に、インプラント体の破折や動揺も、インプラントを除去する理由の一つです。インプラント体は噛む力が強力であることや、側方からの力などにより破折してしまうことがあります。
また、動揺が起きると患者さんが違和感を覚えやすく、このような場合はインプラントの除去が選択肢となることが一般的です。さらに、インプラント治療によって引き起こされる神経損傷も、インプラント除去の原因となります。
インプラント体を埋め込む位置が不良であった場合は、知覚麻痺・痺れ・痛みなどを生じることがあるため、インプラントの除去が検討されることが一般的です。また、インプラント体を埋め込む手術の際、上顎洞粘膜という組織を損傷した場合などに上顎洞炎が引き起こされることがあります。
この状態では鼻水や痛みといった症状が現れ、軽度であれば抗菌薬の投与で改善しますが、進行して炎症の範囲が広がってしまう場合はインプラントの除去が必要です。インプラント体には金属アレルギーを起こさないといわれているチタンが使われますが、まれにアレルギーを起こす人もいます。
アレルギーを起こした際に出現する症状が、口内炎・舌炎などであり、この場合も除去の検討が必要です。さらに、お口のなかの問題ではありませんが、加齢などでインプラント部分の清掃管理が不十分になった場合もインプラントの除去を検討せざるを得ないことがあります。
インプラント治療後は、ほとんどの場合でMRIの撮影は可能ですが、撮像方法によってはうまく撮像できないときがあります。MRIによる診断の妨げになる場合は、インプラントの除去が検討されるでしょう。

インプラント周囲炎とはどのようなものですか?
インプラント周囲炎はインプラント埋込後に起こりうる、炎症が周囲の骨まで広がってしまう、歯周病に似た状態です。
インプラント周囲炎の症状には発赤・疼痛・出血・排膿(膿が出る)・歯槽骨吸収などの症状があります。
インプラント周囲炎の原因を教えてください
インプラント周囲炎の主な原因は、インプラント周囲に蓄積する細菌性プラークです。
このプラークが炎症を起こし、周囲の組織を徐々に破壊していきます。また、体力が落ちていて感染しやすい方・糖尿病(高血糖)がある方・貧血気味の方・喫煙をしている方もインプラント周囲炎になりやすいといわれています。
インプラント除去に手術は必要ですか?
インプラント治療とは、骨のなかに埋め込んだインプラント体を土台として人工の歯を作る治療法です。
何かしらの理由でインプラントを除去する場合は、骨のなかに埋め込んだインプラント体を取り出す必要があるので、外科手術が必要となります。手術は麻酔下で行うため、術中の痛みはありません。
ただし、外科的な手術であるため、術後には感染予防のための抗生物質や鎮痛剤が処方されます。また、場合によっては数ヶ月程の期間をおいて、インプラントの再埋め込みを行うこともあるでしょう。

インプラント除去の予防方法

レントゲン写真を確認する歯科衛生士

金属アレルギーはどうやって調べればよいですか?
口腔内では歯科用金属材料によるアレルギー反応が起こる可能性があります。そのため、金属アレルギーが疑われる場合は、インプラント治療前にアレルギー検査が必要です。
金属アレルギーはパッチテストによって調べることが可能で、このパッチテストは主に皮膚科で行われます。金属アレルギーの不安がある方は、治療前に歯科医師に相談し、検査の必要性を確認しましょう。
インプラント手術の成功率は歯科医院によって違いますか?
インプラント治療は患者さんの年齢や既往歴、全身状態で難易度が変わります。また、歯科医院によって歯科医師の技術レベルや成功の基準が変わるため、一概に成功率を出すことは困難です。
しかし現在多くの文献では10年後の残存率は92〜95%と報告されています。今後、さらに長い期間での報告も期待されます。
インプラント周囲炎を予防する方法を教えてください
インプラント治療後は、歯周病と同様にインプラント周囲炎が発生する可能性があります。インプラント周囲炎が進行すると、結果としてインプラントを除去しなければいけません。
そこで重要なことが、インプラント治療後のメンテナンスです。歯科医師はインプラントの異常の有無・噛み合わせ・インプラント周囲の健康状態・口腔清掃状態・周囲骨の状態などを評価し、異常があれば早期に対応します。
一方で、患者さんによる自宅でのホームケアも欠かせません。口腔衛生状況が不良であるとインプラント周囲炎の原因にもなるため、歯ブラシや歯間ブラシ・デンタルフロス・電動ブラシなどを使用して、適切なホームケアの継続がとても重要です。
インプラントを長期間にわたって使用するためには、こうしたメンテナンスが不可欠です。インプラント治療後も、定期的に歯科医院に通院するようにこころがけましょう。

編集部まとめ

歯医者に通う女性

インプラント治療は失った歯を補うための画期的な治療方法ですが、治療後にトラブルが起きた場合は、インプラントを除去しなければいけないこともあります。

インプラント治療は自費診療が基本であるため高額であり、除去する費用も安くはありません。

ただし、保険診療でインプラント除去をできるケースや保証制度もあるため、まずは歯科医院に問い合わせることをおすすめします。

また、インプラント治療自体が外科手術である以上、除去にも同様に外科手術が必要となります。

そのため、手術に伴うリスクや費用への十分な理解が必要です。

また、インプラントを長期的に使用するためには、治療後の適切なメンテナンスが不可欠です。

インプラント治療後は、メンテナンスのために定期的に歯科医院に通院し、歯科医院の診断とケアを受けることをこころがけましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
箕浦 千佳歯科医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

箕浦 千佳歯科医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

朝日大学歯学部卒業 / 現在は長谷川亨歯科クリニック非常勤勤務

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