真っ白で綺麗な歯を手に入れられるインプラント。将来インプラントを検討している方は多いと思いますが、インプラントは治療費が高額で、なおかつ医院によって治療費にバラつきがあるのは気になりますよね。
インプラントは自由診療なので、医師が自分で治療費を決めることができるんです。ここでは、インプラントの価格相場やメーカーによる価格の違いを詳しく見ていきたいと思います。
インプラントの価格の相場
インプラントは価格にばらつきがある治療です。とはいえ、おおよその相場は存在しますので、まずは相場を把握していきましょう。
インプラント一本あたりの平均的な価格
インプラント1本あたりの相場は40万円〜50万円です。日本インプラントセンターが実施している「インプラント費用の徹底調査」では、治療平均費用は1本あたり32万円でした。2023年現在も、1本40万円〜50万円で治療を行っている医院が多いようです。
インプラントとは、歯茎の部分に埋め込むボルトのことです。40万円〜50万円は診察代、手術代などの全てを含めた合計の話になります。実際にインプラント治療をする際は何がいくらなのか、内訳を把握する必要があります。
インプラント治療の内訳は以下のようになります。
- 診察、検査 1万5000円〜5万円
- インプラントの手術 20万円〜30万円
- 人工歯の費用 10万円〜20万円
どの歯も同じ値段で治療している病院もありますが、中には奥歯と前歯でインプラント代がやや異なる病院もあります。これは前歯の方が人工歯の製作費が高くなるためです。
人間の歯は親知らずを除いて28本ありますが、その全てを失ってしまった場合は、28本分のインプラント治療の代金を支払わなければいけないのでしょうか。実は、そうとは限りません。全部の歯を失った場合は、「ALL-on-4(オールオンフォー)」と呼ばれる治療法を選ぶことができます。オールオンフォーの治療代の相場は上下合わせて400万円〜500万円程度です。高額ですが、通常のインプラントで28本治療しようと思うと400~1000万円程度がかかりますのでそれと比べれば安価です。
オールオンフォーは、前歯から奥歯までが一体となっているインプラントです。顎の骨に4本のインプラントを埋め込み、その上に上部構造を固定します。インプラントを1本ずつ埋入するのではなく、複数の義歯を4本のインプラントで支える治療方法です。
インプラントの価格の内訳
先ほど、手術や診察による治療費の内訳をご紹介しました。では、インプラント自体の価格の内訳はどのようになっているのでしょうか。
上部構造とアバットメントの価格
インプラントの構造は下記のようにパーツが分かれています。それぞれのパーツの平均的な価格をご紹介します。
・インプラント体
顎の骨に埋め込むボルトのようなものです。表面は骨と結合するようにデザインされています。
・上部構造
歯の役割をする人工歯で、セラミックでできているものが多いです。
・アバットメント
インプラント体の上に取り付けられる支台部分です。人工歯とインプラントを固定する役割を持っています。
それぞれのパーツに使用する素材などによって異なりますが、インプラント体の平均的な価格は10万~15万円となる場合が多いようです。上部構造は10万~20万円、アバットメントは5万~10万円が平均的な相場といえるでしょう。
インプラント部位による価格の違い
インプラントは奥歯より前歯の方が部品の値段が高くなることがあります。病院によっては奥歯と前歯で値段が変わらないところもありますが、前歯と奥歯での値段の違いをチェックしておきましょう。
患者さん個人の事情で変わるインプラントの価格
インプラントは、患者さん個人の事情でも払うべき値段が変わってきます。
インプラントの本数と価格
まずはインプラントの本数です。インプラントは1本40万円〜50万円しますので、インプラントにしたい歯が多ければ多いほど、治療費が高額になることが分かります。
位置による価格の変動
前述したように、前歯のインプラントは奥歯のインプラントよりやや高額になる可能性があります。前歯は人工歯自体の製作費に加えて、奥歯よりも高い技術力が必要なため、技術費用が加算され価格が高くなる場合があります。
審美性と価格の関連性
審美性は主に上部構造がどのようなもので作られているかによって変わってきます。上部構造はセラミックで作られているのが一般的です。その中でも強度が強いジルコニア、透明感のあるオールセラミック、プラスチックを混合したハイブリッドセラミックなど細かく種類があります。強度が強く長持ちするものは高価で、逆にプラスチックが混合されているものなどは安価になります。
また、上部構造には金属を用いることも可能です。いわゆる金歯、銀歯です。これはセラミックと比べとても安価ですが、白色ではないので目立ちやすいという特徴があります。そのため、奥歯などの目立ちにくい箇所で使用することをおすすめします。
人に見られることが多い前歯はセラミック、奥歯はハイブリットセラミックや金属、という風に素材を使い分けることを検討してみてください。インプラントの部位によって素材を使い分けると、費用を最小限に抑えながら綺麗な口元を手に入れることができるでしょう。
インプラントの価格を決定する要素
自由診療であるインプラントは、歯科医師が治療費を自由に決定できます。では、医師はどのような判断基準で価格を決定しているのでしょうか。
手術内容によって変わる価格
インプラントを何本埋め込むかで手術代は変わってきますが、埋め込む本数が同じでも、どのように手術をするかで値段が変わる可能性もあります。従来のインプラント治療は1次手術、2次手術と治療を2つに分ける方法が一般的でした。ですが、最近は2つの手術を1回でまとめて行う医院も増えています。2回分の手術を1回で行えば、手術前の検査代や麻酔代が1回分発生しなくなるため、その分安く治療できます。
保障制度の影響
・保険診療が適用されない
基本的に、インプラント治療には保険が適用されません。なぜなら、歯がなくなってしまった場合の治療法は入れ歯やブリッジ治療がメジャーであり、それらである程度歯の機能を回復できるためです。ただし、病気や事故で顎の骨や歯を広く失った人、先天的な異常で顎の骨を3分の1以上失っている人などは、インプラント治療でも保険が適用されます。もしそういう場合に該当するのであれば、治療の際には保険が適用されるかどうか確認してみると良いでしょう。
・医療費控除が使える
自分または配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合、その支払った医療費が一定額を超える際に控除を受けることができます。これを医療費控除といいます。医療費控除の金額は、最大で200万円です。ですが、いくら控除されるのかは人によって違うので、一度自分の所得と照らし合わせて計算してみましょう。
インプラントを価格だけで選ぶべきではない理由
最近はインプラントを相場よりお手頃な価格で行う医院も増えてきました。ですが、インプラント治療を実施する医院は価格の安さだけで決定するべきではありません。ここではその理由を解説します。
品質と価格のバランス
品質の高いインプラントはその分値段も高いため、そういったものを選ぶと治療費が高額になってしまいます。しかし、インプラントは外科手術によって自分の骨に埋入するものなので、品質や安全性が保証されているインプラントを選択することは重要です。歯科医師からの提案をしっかりと理解したうえで、自分に合ったインプラントを選定するようにしましょう。
まとめ
インプラントは自分の歯の代わりとなってくれる大切なもの。その治療をどのように行うかは治療後の長期的な満足度に関わってきます。インプラント治療を受ける歯科医院を比較検討していると、費用が安価なところの情報に目が向いてしまうかもしれませんが、価格とインプラントの質、治療内容などのバランスが釣り合っているのか、熟慮してから治療に臨むことをおすすめします。自分の口の中の状態にどのようなインプラント治療が適切なのか、まずはお近くの歯科医院に相談してみてはいかがでしょうか。
参考文献
- インプラント治療はいくら? 1本当たりの費用相場や高額な理由等を解説 | 高田馬場駅前デンタルクリニック高田馬場駅徒歩2分の歯医者
- インプラント1本いくら?料金相場と信頼できる歯医者の条件 | 戸田市のインプラント治療|北戸田COCO歯科
- インプラントの費用は?料金相場や内訳、適用できる保険を解説! | インプラントなら杉並区荻窪の歯医者 高田歯科クリニック
- インプラントの値段は?費用相場から保険まで治療費についてまとめました!|インプラントネット
- インプラント費用の相場と当院での費用 | ヒルサイド赤坂デンタルクリニック
- いくらかかるの?相場はいくら?気になるインプラントの価格
- インプラントメーカーはどこがおすすめ?メーカー比較 | 横浜市中区本牧の歯医者 秋元歯科クリニック
- どのメーカーのインプラントが長持ちするの?|インプラントをお考えの方へ / 埼玉県上尾市の歯科北上尾歯科監修 / 上尾のインプラント情報
- 超高齢社会からみたインプラント治療の将来予測
- 国税庁