オールオン4

オールオン4は10年後も使い続けられる?寿命や長持ちさせる方法を解説

オールオン4は10年後も使い続けられる?寿命や長持ちさせる方法を解説

「オールオン4って何?」「長持ちするのかどうか不安」とお考えの方も少なくないのではないでしょうか。複数本の歯を同時に補いたいと考えている方は、インプラント治療のひとつであるオールオン4という治療法を選択できる可能性があります。今回は、オールオン4の治療方法や、メリット・デメリット、その寿命や長持ちさせる方法について詳しく解説します。複数の歯を失って治療法に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

オールオン4とは

オールオン4とはオールオン4という治療法を聞いたことはありますか。オールオン4は顎の骨に人工歯根(インプラント)を埋め込み、人工歯を取り付けるインプラント治療の一種です。詳しい治療方法やメリット・デメリットについて説明していきます。

オールオン4とはどのような治療方法ですか?
オールオン4とは、前歯から奥歯までのすべての歯が一体になっているインプラントのことです。一般的なインプラント治療は1つのインプラントに対して1本の人工歯を固定します。一方、オールオン4は4本のインプラントを顎の骨に埋め込むことで、12本もの上顎または下顎すべての人工歯を固定できます。つまり、複数本の歯を同時に補いたいときにインプラントの埋め込み本数をできる限りに抑えられる治療法なのです。
オールオン4のメリットは何ですか?
オールオン4のメリットは、通常のインプラント治療と比較して身体への負担が少ないこと、費用や治療期間が抑えられること、違和感が少ないことです。オールオン4は4本のインプラントで複数本の人工歯を固定するため、顎の骨にインプラントを埋め込む負担ができる限り少なく済みます。また、通常のインプラント治療ではインプラントを埋め込む場所の顎の骨が少ない場合、骨造成手術が必要となるケースがあります。しかし、オールオン4であれば、骨量がある部位を選んでインプラントを埋め込むことができるので、手術なしで治療できる可能性が高くなります。手術にかかる費用が抑えられ、治療期間も短縮できるのは大きなメリットといえるでしょう。さらに、オールオン4は顎の骨に人工歯がしっかりと固定されるため違和感が少ない治療法です。入れ歯のように外れたり、食べ物のカスが入れ歯と歯茎の間に挟まって痛みが出たりすることはなく、天然歯のように食べ物を噛(か)んだり発音したりすることができます。天然歯と人工歯が混在しないため見た目が美しいことも特長です。
オールオン4のデメリットは何ですか?
オールオン4のデメリットは、抜歯が必要であること、処置できる医療機関が限られること、費用が高額になりやすいこと、手術を受ける必要があることです。オールオン4は前歯から奥歯までが一体となった人工歯をまとめて固定します。そのため、健康な歯が数本残っていたとしても抜歯してから治療を行う必要があります。また、オールオン4はすべての歯科医院で受けられる治療ではありません。インプラント治療をしている歯科医院でも対応していない場合があるため、オールオン4の治療が可能で信頼できる歯科医院を探す必要があるでしょう。さらに、オールオン4は、インプラント治療と同じく健康保険適用外のため費用が全額負担となる点にも注意が必要です。また、インプラントを埋め込むためには外科手術を受けなければなりません。全身疾患がある場合や、金属アレルギーの場合などは治療が受けられない可能性があることも頭に入れておきましょう。
オールオン4は年齢に関係なく受けられますか?
オールオン4の治療に年齢制限はありません。外科手術を行う必要がありますが、インプラントを埋め込む本数が少ないので身体への負担もできる限り少なく抑えることができます。そのため、高齢の方にも適した治療法です。

オールオン4は10年後も使い続けられるか

たくさんの歯を補いたいときに有効なオールオン4ですが、気になるのがその耐久性についてです。せっかくオールオン4治療を行っても数年で使い物にならなくなっては困ります。ここからは、オールオン4の寿命や保証期間、長持ちさせる方法について説明していきます。

オールオン4の寿命はどれくらいですか?
オールオン4の寿命は治療後のメンテナンスや骨や口内の状態によっても変わりますが、通常10年以上と言われています。しかし、メンテナンスを怠ったり、過度なタバコや飲酒によって歯周病やインプラント周囲の炎症を引き起こしたりした場合には、オールオン4の寿命を縮めてしまう可能性があります。しかし、適切なメンテナンスを続ければ20年以上使い続けることもできるでしょう。
オールオン4の寿命は入れ歯やブリッジよりも長いですか?
オールオン4を含めたインプラントの10年生存率は90%以上と言われています。それに対し、入れ歯の10年生存率は約50%、ブリッジは60~90%と言われています。特に複数の歯を入れ歯で補った場合、歯のすり減りやアンバランスな噛み合わせによる入れ歯の変形、ガタつきが気になり、作り替えが必要になることが少なくないでしょう。 ブリッジは歯を失った部分の両隣の歯を削り、それを土台にして人工歯を装着するものです。そのため、土台部分の歯がむし歯になったり、割れたりするリスクがあります。
オールオン4の保証期間について教えてください。
オールオン4では一般的に5~10年程の保証期間が設けられることになります。インプラントの保証制度とは、インプラントの脱落や破損などにより再治療が必要になったときに、費用の負担を減らすための制度です。オールオン4は長期間にわたって使用するため、何かトラブルが発生する可能性も考えられます。保証制度がない場合には別途高額な治療費が必要となることもあるため注意しましょう。保証期間や保証の内容は医院によって異なるため、事前にきちんと把握しておくことが大切です。

オールオン4を長持ちさせる方法

オールオン4を長持ちさせる方法オールオン4はきちんとメンテナンスを行うことで、20年30年と長期にわたって使用できる可能性があります。オールオン4は通常のインプラントと違って4本のインプラントで複数の歯を固定しています。そのため、1本でもインプラントに不具合が発生するとすべてのインプラントを除去して再治療しなければなりません。ここからは、オールオン4をできるだけ長持ちさせるための方法について説明します。

オールオン4を長持ちさせる方法はありますか?
オールオン4を長持ちさせるためには、上下の噛み合わせを整えることが大切です。上下の歯の噛み合わせが悪いと人工歯がすり減って破損してしまう可能性があるからです。オールオン4の治療後に痛みや違和感がある場合には受診して相談するようにしましょう。また、タバコの有害物質は歯肉の血流を悪化させ、歯茎の炎症を引き起こすリスクを高めるため、喫煙者の場合は禁煙することもオールオン4を長持ちさせることにつながります。その他、歯垢(しこう)の増加や免疫力の低下も歯茎の炎症を起こす原因のひとつです。治療を機に歯垢の原因になる糖分の摂りすぎを控えることや、生活習慣を見直すようにしましょう。
オールオン4のメンテナンス方法について教えてください。
オールオン4を長持ちさせるためには、メンテナンスを徹底することが大切です。歯の汚れが蓄積しないように歯間ブラシやデンタルフロスで毎日のケアを行うようにしましょう。 また、オールオン4を含むインプラント治療を行っている歯茎はインプラント周囲炎と呼ばれる炎症を引き起こす可能性があります。インプラント周囲炎はインプラント周辺の組織が細菌感染を起こし、顎の骨を溶かす病気です。初期は自覚症状が少なく気付きにくいため、定期的に歯科クリニックのメンテナンスを受けて早期発見に努めましょう。
オールオン4の治療を受ける歯科医院の選び方を教えてください。
オールオン4は、難易度が高く、歯科医師の技術によって仕上がりが左右される可能性があります。オールオン4の治療を受ける前にはホームページなどでオールオン4の症例数をチェックし、豊富な経験を持っている歯科医院を選ぶようにしましょう。 また、CTや歯科用顕微鏡などの設備が整っているか、高品質なインプラント素材を使用しているかどうかも重要です。極端に治療費用が安い場合は品質が不十分な素材を使用していることもあるため、事前に確認することをおすすめします。

編集部まとめ

4本のインプラントで、12本もの人工歯を固定することができるオールオン4。治療の負担が抑えられるなどのメリットがあり、複数の歯をインプラントにしたい方にとっては画期的な治療法です。オールオン4の寿命は10年以上と言われていますが、適切なメンテナンスやお手入れを行うことで、より長く使用できる可能性があります。複数の歯をインプラントにしたいとお考えの方は、症例や設備、使用している素材などを比較して信頼できる歯科医院を選ぶようにしましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
遠藤 眞次医師(グランメゾンデンタルクリニック)

遠藤 眞次医師(グランメゾンデンタルクリニック)

長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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遠藤 眞次医師(グランメゾンデンタルクリニック)

長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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