オールオン4

オールオン4の術後の痛みはある?原因や対処法についても解説

オールオン4の術後の痛みはある?原因や対処法についても解説

オールオン4は身体的および経済的負担を軽減できる治療法として注目を集めている選択肢です。さらに従来の総入れ歯と比べ、安定性や快適性、審美性においても優れています。

一方で総入れ歯と比べて歴史は浅く、どの程度痛みがあるかなど不安に感じる患者さんも少なくありません。

この記事ではオールオン4の術後の痛みやその原因、対処法について解説します。

オールオン4について

レントゲン写真を確認する歯科衛生士

どのような手術を行うのか教えてください。
オールオン4とは片顎の歯をすべて失った患者さんに対して、4~6本のインプラント体を埋入し上部構造を装着する方法です。本来なら1本1本の歯に対して埋め込む必要のあったインプラントの数を減らしたことで、患者さんの身体的負担や治療期間・経済的負担を大幅に削減できます。また通常のインプラント治療と比較してもオペ後にすぐ仮歯を入れるので、治療当日から噛むことが可能で、手術も即日に終了する点が特徴です。
手術中は痛みが少ないと聞いたのですが……。
オールオン4の手術では基本的に我慢できないような大きな痛みを感じることはありません。一般的な歯科治療と同じように局部麻酔を行うため、手術中にゴリゴリと削られるような感触はありますが痛みはほとんど感じません。また通常のインプラント手術と比べて手術時間も短く済むので、手術中の不安やストレスも軽減されます。
その他、症状や希望によっては手術の際に静脈内鎮静法を行うケースもあります。静脈内鎮静法とは麻酔科専門医のもとで笑気ガスよりさらに効果の高い沈静薬を静脈から注入し、うとうと眠っているような状態で手術を受ける麻酔方法です。強い効果を得られますが、全身麻酔に準じた安全性の高い設備と技術が必要となります。

オールオン4の術後の痛み

歯が痛い女性

オールオン4の術後に痛みはありますか?
オールオン4はインプラントの埋入本数が少なく身体にかかる負担も抑えた治療法ですが、外科手術である以上、術後には多少の痛みがあります。痛みの感じ方は人によって違いますが、一般的に抜歯をしたときと同程度とされています。またほとんどの場合は痛み止めを服用することで症状の緩和が可能です。
術後に痛みがでる原因は何ですか?
オールオン4の手術を行う際には、歯肉の切開や術後の縫合など、外科的な治療は避けられません。このときに歯肉や周囲の組織に一時的なダメージが生じて腫れ、出血などの症状が現れるため痛みを感じます。一般的には術後に日数の経過とともに腫れは治まり、併せて痛みも緩和していきます。
ただし、あまりに痛みがひどいようであれば歯科医師に相談した方がよいでしょう。感染やほかの合併症の可能性があるため、速やかに対処する必要があります。
オールオン4の術後の痛みのピークはいつですか?
個人差はありますが、多くの場合オールオン4の術後の痛みは手術後から2~3日間経過するまでがピークです。手術中に使用した麻酔が切れるのに合わせて痛みが出始めるので、医師の指示通りに処方された鎮痛剤を服用しましょう。また手術後は冷却パックを患部に当てるなどすると腫れや痛みに効果があります。
オールオン4の術後の痛みはどのぐらい続きますか?
オールオン4手術後の痛みと腫れは軽く、回復も早いのが特徴です。個人差はありますが手術後2~3日間が過ぎると痛みは徐々にやわらぎ始め、1週間~10日程で術後の痛みはなくなるのが一般的です。ただし、完全に痛みがなくなるまでには数週間かかるケースもあります。

オールオン4の術後の痛みへの対処法

薬

オールオン4の術後に処方された薬は全部飲むべきですか?
オールオン4の術後、痛み止めや抗生物質が処方されます。処方された薬は飲み切るのが一般的です。痛みや腫れが早く引いたとしても、薬の効果で抑えられているに過ぎないケースがあります。そのため早くに腫れが引いたからといって抗生物質を飲むのを止めてしまうと、身体に残っていた細菌が再度増殖してしまう可能性があります。
痛み止めも同様です。痛みが引いているのは痛み止めの効果が出ているからです。途中で服用を止めた際にまた痛みが出てしまうと、痛み止めの効果が出るまで再度痛みを感じながら過ごす羽目になります。医師から出された処方薬は基本的に飲み切りましょう。
手術後にしてはいけないことがあったら教えてください。
手術後に避けるべき行動は、以下のとおりです。
  • 過度な運動や入浴を行う
  • 食事の際に刺激物を取る
  • たばこやアルコールを摂取する
  • 激しい歯磨きやうがいをする
  • 痛みを我慢する

過度な運動や入浴などの血流がよくなる行為は、出血の原因となる場合があります。特に手術当日は安静にし、身体の負担を抑えるのが大切です。また刺激物の摂取は患部に負担を与えるため腫れの原因にもなります。たばこやアルコールも同様です。特にたばこは控えた方がよい嗜好品です。たばこの煙は口腔内の環境を悪化させるため、インプラント周囲炎にかかる危険性も増えます。またたばこに含まれるニコチンやタールなどによって、手術部位の回復が遅れる可能性があります。禁煙できるのが理想ですが、少なくとも1週間は喫煙を控えることが重要です。
また手術後はお口のなかを清潔に保つ必要がありますが、その際に患部に強い刺激を与えると逆効果になります。歯磨きの際は患部に歯ブラシが当たらないようにやさしく磨きましょう。激しいうがいも傷口によくないので優しく行います。

術後は食べ物にも注意した方がよいのでしょうか?
術後すぐは歯茎に傷も残っており、強い負担をかけると傷口が開いたり細菌に感染したりする可能性も少なくありません。食事の際には極端に熱い・冷たい・辛いなどを感じる刺激物を避けるだけでなく、ナッツやせんべいなど歯茎に強い負担のかかる硬い食事も避けた方がよいです。
また炭酸飲料やレモン水のようなドリンクも控える必要があります。オールオン4の手術後2~3日間はおかゆや煮込みうどんなど、あまり噛む力の必要としない食べ物を取るのがよいです。またアルコールもよくありません。アルコールには血流をよくする効果があるため、傷口の治りが悪くなる可能性があります。元の食事に戻すには術後1週間ほど経過を見る必要があります。
痛みを予防する方法はありますか?
オールオン4の手術後の痛みの原因は大きく3つに分かれます。
  • 外科手術による痛み
  • 出血による痛み
  • 細菌感染による痛み

外科手術による痛みは麻酔や痛み止め以外の方法はありませんが、術後の出血や細菌感染の予防は可能です。例えば傷の治りが悪くなかなか出血が止まらない場合、原因の一つが喫煙です。喫煙を行うとニコチンなどの影響で血管が収縮し、血流が悪くなります。また免疫機能が低下したり傷を治す機能が低下したりします。その結果外科手術によってできた傷がなかなか治らず、出血が続く場合も少なくありません。
また喫煙は歯周病やむし歯の原因といわれています。歯周病やむし歯のあるお口のなかは雑菌であふれているため、インプラント歯周炎にかかる可能性も少なくありません。こういったリスクを減らすには、あらかじめ禁煙をしておくのが重要です。また細菌感染の予防には禁煙だけでなく、お口のなかを常に清潔に保つ必要があります。むし歯や歯周病などがあれば、あらかじめ治療しておくのが大切です。また治療後も丁寧な歯磨きをかかさず、常に口腔内環境を整えておく意識が必要です。

編集部まとめ

歯科衛生士

オールオン4の手術は痛みが少なく、術後の適切なケアを行えば、大きなトラブルにつながりにくい治療法です。

ですが、そのためには医者任せにせず、歯にとってよい環境をご自身で整える必要もあります。

片顎のすべての歯を代用するオールオン4は一生の付き合いになる手術法です。日々のケアと定期的なメンテナンスがその後の快適な生活につながります。

参考文献

この記事の監修歯科医師
箕浦 千佳歯科医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

箕浦 千佳歯科医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

朝日大学歯学部卒業 / 現在は長谷川亨歯科クリニック非常勤勤務

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