インプラント

インプラントが動く?動く原因と対処法を解説!

インプラント動く

インプラントは、一般的には長持ちする歯の置換手段です。しかし、稀にインプラントが動いてしまうことがあります。 本記事ではそんなインプラントのぐらつきについて、以下の点を中心に解説していきます。

  • インプラントが動く原因
  • インプラントがぐらつくときの対処法

もしインプラントがぐらついている方がいらっしゃれば参考にしていただけると幸いです。 ぜひ最後まで御覧ください。

インプラントが動く原因

インプラントが動く原因

インプラントが動いてしまう原因にはどのようなものがあるでしょうか。 以下で詳しく見ていきましょう。

噛み合わせが良くない

インプラント自体は、一度埋め込んだ場所から動くことはほとんどありません。しかし、噛み合わせが良くないことが原因で、インプラント周囲の天然歯がわずかに動くことがあります。周囲の天然歯が動くことで、インプラントと天然歯の位置関係が変化することがあります。

メンテナンス不足

インプラントが長期的に安定して機能するためには、適切なメンテナンスが欠かせません。定期的な歯科医院でのメンテナンスや、自宅での適切なケアが必要です。しかし、メンテナンスを怠ってしまうと、インプラント周囲の骨に炎症が生じ、インプラントを支えている骨が吸収することがあります。これらの症状が進行すると、インプラントがぐらついたり、最悪の場合は抜け落ちてしまうこともあります。 インプラント治療を受けた後は、定期的なメンテナンスを受けることが大切です。歯科医師が口腔内の状態を詳しく確認し、問題があれば早期に対処できます。また、自宅でのケアも重要です。適切なブラッシングや、フロス、マウスウォッシュなどを使用することで、歯周病や炎症のリスクを軽減できます。 さらに、喫煙や健康に悪影響を与える生活習慣も、インプラントの健康に悪影響を与えることがあります。これらの習慣を改めることも、インプラントの長期的な健康維持につながります。 総じて、インプラントのメンテナンスを怠ると、インプラントが動いたり、最悪の場合は失われたりするリスクが高くなります。適切なメンテナンスを受けることで、インプラントを長期的に健康に保てます。

インプラント周囲炎になった

インプラントが動く原因の1つに、インプラント周囲炎があります。この炎症は、歯周病と同じような状態になります。 インプラント治療後、歯磨きや歯科医によるメンテナンスが不十分になると、細菌が歯肉とインプラントの境目に侵入してきます。初期段階では、インプラント周囲の歯肉から出血がみられます。しかし、この状態が悪化すると、膿んできたり腫れたりしてきます。この状態になると、インプラントを支えていた骨が無くなっていることが多く、インプラントが動いてしまう原因となります。 重篤なケースでは、歯ぐきが痩せてしまい、インプラントを固定しつづけられなくなり、最終的にはインプラントが抜け落ちてしまうこともあります。インプラントを長期間使用するためには、定期的な歯科医院でのメンテナンスや、適切な自宅でのケアが必要です。

歯ぎしりする癖がある

天然歯にはクッションの役割を果たす歯根膜がありますが、インプラントは顎の骨と直接結合しているため、噛むと強い負荷が直接かかります。そのため、強い歯ぎしりや食いしばりの癖のある方は、無意識にインプラントに負荷をかけてしまうことがあります。長期間にわたってこのような状態が続くと、骨が吸収され、インプラントが緩んだりして、最悪の場合は抜け落ちてしまうことがあります。歯ぎしりの癖のある方は、対策を考えて、インプラントを保護することが必要です。例えば、歯ぎしりに適したマウスガードを使ったり、ストレスを減らすためのリラックス法を試してみたりすることが大切です。

人口歯と人工歯根と接合部の緩み

インプラントは、上部構造(人工歯)根とアバットメント(土台)を連結させ、上部構造(被せ物)を被せます。固定方法はメーカーによって異なりますが、スクリュー型の場合に、何らかの理由によりスクリューに緩みが生じると、上にかぶせている上部構造(人工歯)もガタガタと動いてしまいます。これは、上部構造(人工歯)根と被せ物を接合している部分に緩みが生じてしまったためです。原因としては、スクリュー自体が緩んでしまった、アバットメントが壊れたなどが考えられます。定期的なメンテナンスや早期の修理が必要です。

インプラントが動いたときの対処法

インプラントが動いたときの対処法

かかりつけの歯科医院を受診

インプラントが動いた場合、まずは治療を受けた歯科医院を受診することが大切です。自分で何とかしようとせず、専門家に相談しましょう。歯科医師はレントゲンや触診などを通じてインプラントの状態を確認し、原因を特定します。治療法は、緩んだ部分を締め直す、スクリューを交換する、インプラントを再度埋入するなど、症状によって異なります。また、治療後には歯磨きの方法やメンテナンスの重要性について再度説明してもらい、再発防止に努めることが大切です。治療を受けた歯科医院で適切な対処を行い、定期的なメンテナンスを受けることで、長期的なインプラントの維持につながります。

歯磨きを徹底的にする

インプラントが動いた場合、口内の清潔を保つことは非常に重要です。歯磨きやマウスウォッシュなどのケアで口内の炎症を抑え、インプラント周囲の骨の状態を維持することが必要となります。しかし、ケアの際にインプラント周囲を強くこすらないように気をつけることも重要です。インプラント周囲炎を引き起こす危険性があるため、インプラントをまったく磨かずにおくことは避けるべきです。

硬い食べ物を避ける

インプラントが動いた場合、硬い食べ物は避けるようにしましょう。するめやおせんべい、フランスパンなど細かく咀嚼が必要な食べ物は、インプラントを支える骨や歯肉に負担をかけることになり、状態を悪化させる可能性があります。そのため、受診までの期間は避けておくことをおすすめします。柔らかい食べ物であれば、うどんや白米などを中心に食事をするようにしましょう。また、歯を使わずに舌でつぶせるような食べ物であれば、食べても問題ありません。食事の際は、優しくかつ注意深く食べることが大切となります。

なるべく触らない

インプラントの歯を触ることは避けるようにしましょう。ついつい手や舌で触ってしまうことがありますが、力を入れると状態が悪化する可能性があります。また、触ることで細菌が入り込み感染症の原因となる場合もあります。そのため、なるべく触らずにそのままにしておくようにしましょう。

まとめ

まとめ

ここまでインプラントが動く原因とその対処法についてお伝えしてきました。 本記事の要点は以下のとおりです。

  • 歯ぎしり、歯周炎、調整不足など動く原因は様々
  • 兎にも角にもまずは歯科健診を

この情報がお役に立てば幸いです。 最後までご覧いただきありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
遠藤 眞次医師(グランメゾンデンタルクリニック)

遠藤 眞次医師(グランメゾンデンタルクリニック)

長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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