インプラント

インプラントの埋入について!治療の流れやメリット・デメリットなど徹底解説

インプラント 埋入

インプラントの埋入を考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。 そこで本記事ではインプラントの埋入について以下の点を中心に解説致します。

  • インプラント治療について
  • インプラント治療のメリット・デメリットについて
  • インプラント術前・術後の注意点について

インプラント治療について理解するためにご参考にしていただければ幸いです。 ぜひ最後まで御覧ください。

インプラント治療とは

インプラント治療とは

インプラント治療とは、歯を失った顎の骨に体になじみやすい材料で作られた人工歯根を埋め込み、それを土台にした上部構造(被せ物/人工歯)を取り付ける治療法のことです。インプラントは、顎骨に埋め込まれる歯根部、その上に取り付けられるアバットメント、そして上部構造から構成されます。人工歯根とアバットメントの材質には、チタンやチタン合金が主に使われており、上部構造には、ジルコニアやセラミック、金合金などが使用されます。

インプラント治療の歴史は古くからあり、紀元前から存在していましたが、現代に通じるものは、1900年代初めに貴金属を用いたものが登場しましたが、生体適合性に劣るためにうまくいきませんでした。1950年代、スウェーデンのブローネマルクらがチタンと骨が結合することを発見し、1965年にチタン製スクリュータイプのインプラントの症例を報告しました。その後、長期の臨床成績が発表され、世界中で承認され、多くのメーカーから発売されるようになりました。

インプラント治療の流れ

インプラント治療の流れ

患者さんがインプラント治療を希望した場合、治療の流れは以下のようになります。

STEP 01 カウンセリング
治療について丁寧に説明し、患者さんからの疑問や不安にも答えます。治療費用や希望に応じて、他の治療法を提案する場合もあります。

STEP 02 精密検査
歯型の採取や噛み合わせのチェック、歯周病の検査などをし、手術時のトラブルを回避するために顎骨の量や密度、血管や神経の位置も調べます。

STEP 03 診断
精密検査で得られた情報をもとに、インプラント治療が可能かどうか診断します。治療計画を患者さんに説明し、承諾が得られれば治療に進みます。

STEP 04 インプラント手術(1次手術)
歯肉を切開し、顎骨に穴を開けて、インプラント体を埋め込みます。インプラントを1本入れるだけであれば15分程度で、麻酔によりほとんど痛みを感じません。

STEP 05 治癒期間
埋入したインプラント体が顎骨と結合するまで、3~6ヵ月間待機します。

STEP 06 インプラント手術(2次手術)
歯肉を再び切開し、アバットメント(連結部分)を取り付けます。処置が完了したら、歯肉が整うまで1~2週間ほど待機します。

STEP 07上部構造(被せ物/人工歯)の取り付け
歯肉が回復した後、アバットメントに上部構造を取り付けます。もし噛み合わせや歯の形、色などで不快感を感じる場合は微調整をします。

STEP 08 メンテナンス
インプラントを長期間使用するためには、日々の歯磨きや歯科医院でのメンテナンスを継続することが重要です。1~6ヶ月ごとに定期通院し、検診やクリーニング、歯磨き指導を受けるようにします。

インプラント治療のメリット・デメリット

インプラント治療のメリット・デメリット

インプラント治療のメリット・デメリットにはどのようなものがあるでしょうか。 以下で詳しく見ていきましょう。

メリット

インプラント治療のメリットには以下のような点が挙げられます。

違和感が少ない
インプラント治療は自分の歯のようにしっかり噛められるという点があります。インプラント体を顎骨に埋め込むことで、歯根を固定源にし、天然歯と同じように噛めます。そのため、食事をおいしく楽しめます。

仕上がりが自然
口元が自然に見えるという点も大きなメリットです。金属の金具などを使わずに固定する為、口内が目立ちません。また、セラミックの材料を使用するので、天然歯の色合いに合わせた歯を装着できます。そのため、自然な見た目を保て、自信を持って笑ったり話したりすることができます。

長持ちする
メンテナンスを受ければ長く使えるという点もメリットです。適切なケアをしていれば、10年以上はインプランを使える方がほとんどです。定期的に歯科医院でメンテナンスを受け、ご自身でも丁寧に歯磨きをすることで、長期間にわたって美しい歯を維持できます。

以上のように、インプラント治療には自然な噛み心地、自然な見た目、長期間にわたって美しい歯を維持できるというメリットがあります。

デメリット

インプラント治療には、いくつかのデメリットがあります。

手術が必要
まず、手術が必要であることが挙げられます。人工歯根を顎骨に埋入するための手術を受ける必要があり、手術に関連した合併症のリスクがあります。また、手術自体は麻酔をすることで痛みはほとんどありませんが、手術後に痛みが出ることがあるため、処方された痛み止めを服用する必要があります。

治療期間が長い
また、治療期間が長くなることもデメリットの一つです。顎骨に埋め込んだインプラント体が骨にしっかり定着するためには、通常3~6ヶ月程度の時間がかかります。そのため、入れ歯やブリッジに比べて治療期間が長くなります。

治療費用が高額
治療費用も高額であることがインプラント治療のデメリットの一つです。インプラント埋入治療は、基本的に自費診療になるため、保険が適用されません。複数本のインプラントを使用する場合は、その分治療費用が高額になることも想定されます。そのため、自分の予算も考慮しながら、検討する必要があります。

インプラント治療における注意点

インプラント治療における注意点

インプラント治療を受ける際にどのような注意点があるでしょうか。 以下で詳しく見ていきましょう。

手術前の注意点

インプラント治療は外科手術を伴うため、手術前には以下の点に注意が必要です。

十分な睡眠をとる
手術前日は、十分に睡眠をとり体調を整えるよう心がけましょう。また、アルコール飲料の摂取は避けましょう。

歯磨きを丁寧に行う
手術前には、歯磨きを丁寧に行い口腔内を清潔にしておくことが重要です。手術当日も、清潔な状態で来院するようにしましょう。

楽な服装で来院する
手術当日は、血圧計などの器具を装着することもあるため、ゆったりとした楽な服装で来院するようにしましょう。

化粧やマニキュアは落とす
手術当日は、お口の周りを消毒したり、指先に医療器具をつけたりするため、化粧やマニキュアは落として来院するようにしましょう。

以上の注意点に従って、治療を受けることでよりスムーズに治療を進められます。また、治療前には担当医師との相談をし、不安な点や疑問点を解消しておくことも大切です。

手術後の注意点

インプラント治療後の注意事項については、以下の点に注意が必要です。

食事における注意点

  • 温度は熱すぎないよう、ぬるめのものがおすすめ。
  • しばらくの間は、手術していない側の歯で食べる。
  • 仮歯を入れていても、できるだけ使わないことをおすすめ。

「お口の中」についての注意点

  • 手術後の傷口を舌や指で触らないようにする。
  • 歯磨きの際は、歯ブラシで傷口を刺激しないようゆっくりみがく。
  • 歯ブラシをする際に雑菌が入り込む可能性があるので、できるだけ傷口に触れないようにする。
  • 手術直後は歯磨きがしにくくなるが、お口の中に汚れがあると傷口に炎症が起きてしまうため、必ず歯磨きをする。

日常生活における注意点

  • 手術後2~3日の間は、激しい運動は控え、安静に過ごす。
  • 同じく2~3日の間は、湯船につからずシャワーですませる。
  • 禁煙期間は指定された期間を守り、喫煙を控える。

これらの注意事項を守ることで、インプラント治療後の状態をよい状態に保てます。また、治療後の経過に不安がある場合には、遠慮なく歯科医師に相談することをおすすめします。

まとめ

まとめ

以上インプラントの埋入についてお伝えしてきました。 本記事の内容は以下のとおりです。

  • インプラント治療とは顎の骨に歯根を埋め込む治療法のこと
  • 違和感が少ない、長持ちするなどのメリットがあるが、同時に多くのデメリットもある
  • 術前はできるだけコンディションを整え、術後しばらくは傷口を気遣った生活を

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
遠藤 眞次医師(グランメゾンデンタルクリニック)

遠藤 眞次医師(グランメゾンデンタルクリニック)

長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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遠藤 眞次医師(グランメゾンデンタルクリニック)

長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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