オールオン4

オールオン4の手術回数は何回?治療の流れや治療期間なども併せて解説

オールオン4の手術回数は何回?治療の流れや治療期間なども併せて解説

オールオン4は、少ない数のインプラントですべての歯を支える治療法です。手術回数や治療期間が短縮され、迅速に歯を修復できることから、忙しい方や短期間での治療を希望する方におすすめです。

本記事ではオールオン4の手術回数について以下の点を中心にご紹介します。

  • オールオン4とは
  • オールオン4のメリット・デメリット
  • オールオン4の手術回数

オールオン4の手術回数について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

オールオン4とは

オールオン4とは

オールオン4とは、前歯から奥歯までの歯を一体として補うためのインプラント治療です。オールオン4では、顎の骨に最少4本のインプラントを埋め込み、その上に入れ歯のような構造物を固定します。

上部構造は12本分の歯をカバーでき、従来のインプラント治療のように、歯1本ずつにインプラントを埋めるのではなく、少ない本数のインプラントで広い範囲の歯を支えられます。よって、効率的かつ短期間での歯の修復が期待できます。

オールオン4の治療の主な流れ

オールオン4の治療の主な流れ

オールオン4の治療はどのように進んでいくのでしょうか? 以下で治療の流れを解説します。

1.初診・カウンセリング

まずはカウンセリングを行い、患者さんの希望や悩みをしっかりと確認します。

カウンセリングでは、オールオン4やインプラントの治療法について、各治療法のメリット・デメリットを含めた説明を受けられます。また、治療にかかる費用や期間についても、予算や希望に応じた案内が行われます。不明点や不安がある場合は質問できる場でもあり、治療内容を十分に理解するための機会とされています。気になることがあれば遠慮せずに聞くことがおすすめです。

2.検査・診断から手術準備までに行う手順

治療の精度を高めるため、まず患者さんのお口の状態を詳細に検査します。
以下のような検査を実施し、治療に必要なデータを収集します。

  • 歯科用CT撮影
  • 口腔内の写真撮影
  • 歯周検査

など
さらに、外科的な処置を行うため、患者さんの全身の健康状態も確認します。高血圧や糖尿病、骨粗鬆症などの全身疾患で服用している薬があるか確認し、重度の歯周病がある場合には、治療を開始する前にその症状を改善することが求められます。そのため、必要に応じてかかりつけの歯科医師に確認を取る場合があります。

また、喫煙者の方は特に注意が必要です。タバコが原因で手術後の治癒が遅れたり、インプラントと骨の結合が難しくなったりする場合があります。そのため、手術前後の2週間は禁煙することが大切です。ご自身の健康を考えて、この機会に禁煙を続けることを推奨します。

3.インプラント埋入手術

治療計画および費用に同意が得られた場合、治療が開始されます。初めにインプラントの埋入手術を行い、手術後には一定の休息時間を設けたうえで、出血の有無を確認します。

状態が安定していれば、その日のうちに仮歯を装着することが可能とされており、術後直後から見た目や咀嚼機能を含めた快適な状態の維持が見込まれます。

4.経過観察

手術後は、担当歯科医師の指示に従い、指定された日に歯科医院を受診して消毒をします。また、その際に術後の状態を確認し、順調に回復しているかどうかをチェックします。
術後の経過を確認するため、2~3回程の通院が必要です。治癒の進行や痛みの状態を見ながら、必要に応じて調整します。この期間には個人差がありますが、1~2週間程度です。

5.仮歯の装着から上部構造完成

手術当日に仮歯を装着します。この段階で食事が可能となり、日常生活に支障がない状態が保たれます。

その後、セラミック製の上部構造を自然な見た目で仕上げるために、型取りや噛み合わせの調整をします。上部構造は、ご自身の歯のようにしっかりと噛めるような形に仕上げられて、完成します。

6.メンテナンス

オールオン4の治療が完了した後は、長持ちさせるために定期的なメンテナンスが欠かせません。日常的なケアに加え、年に1~2回の定期検診を受けることで、インプラントの状態をよい状態に保てるとされます。

オールオン4の通院回数は、初診から最終的な補綴物の装着までに5~6回程度とされています。これは、従来のインプラント治療より少ない回数となっており、患者さんの負担も軽減されます。定期的なメンテナンスを受けることで、より長期間、快適に使用できるでしょう。

オールオン4の手術回数と治療期間の目安

オールオン4の手術回数と治療期間の目安

オールオン4の手術回数や治療期間については患者さんの状態によって異なります。以下では手術回数や治療にかかる期間の目安について解説します。

手術回数

これまでのインプラント治療では、失った歯の本数分だけインプラントを埋めるため、手術回数や治療期間が長くなりがちでした。しかし、オールオン4では最少4本のインプラントですべての歯を支えられるため、手術は1回で完了します。

オールオン6も同様に1回の手術で完了しますが、オールオン6はインプラントを6本埋入します。いずれの治療法でも、手術当日に仮歯が装着され、その後すぐに機能の回復が期待できます。

オールオン4の手術は、1回の手術で終了することが多いようです。オールオン4の手術では、全身麻酔または静脈内鎮静法を使用し、患者さんの負担を軽減します。手術では、4本のインプラントを顎の骨に埋め、その上に仮歯を装着します。手術時間は2〜3時間程度で治療が進みます。

治療期間

オールオン4の施術は、わずか半日で完了し、全体の治療期間は6ヶ月程度です。手術後、インプラントを埋め込み仮歯を装着するまでが1日で終了し、その後、インプラントが骨と結合するまで約6ヶ月待ちます。最終的な上部構造がセットされ、治療が完了します。手術当日から仮歯を装着できるため、見た目や機能に不安が少なく過ごせます。

一方、従来のインプラント治療では、治療期間が6ヶ月〜1年程度かかることが多いようです。インプラント埋入手術に加え、上部構造をつなげるためのアバットメント装着や型取りが必要で、二次手術が行われる場合もあります。そのため、上部構造が完成するまでには時間がかかります。また、骨造成が必要な場合、さらに3〜6ヶ月の追加期間が必要です。

オールオン4の場合、最終的な上部構造を装着するまでにかかる期間は約6ヶ月で、上顎と下顎で治療期間に差はありません。これまでのインプラント治療では仮歯が装着できないことが多かったようですが、オールオン4では治療中でも仮歯を使用することが可能とされています。

治療回数はおおよそ15回程度で、通院は月に2回程度で進められるとされます。治療回数が多くないため、遠方からの通院でも負担を少なく治療を進めやすいです。ただし、治療期間は患者さんのお口の状態や骨の状態によって異なるため、個別に詳しい診断が必要です。詳細については、歯科医師へご相談ください。

オールオン4のメリット

オールオン4のメリット

ここまでオールオン4の治療の流れや手術回数、治療期間の目安について解説してきました。次はオールオン4のメリットについて解説します。

身体的負担が抑えられる

オールオン4では、インプラントの本数が少ないため、手術の時間が短縮され、患者さんへの身体の負担が軽減されます。インプラントを顎の骨に埋め込む際、骨に穴を開ける必要がありますが、オールオン4では最少4本のインプラントのみを埋入するため、開ける穴の数が少なく、手術時間も短縮されます。

さらに、これまでのインプラント治療では、顎の骨が不足している場合に骨造成手術が必要になることがありました。しかし、オールオン4では、骨の量が十分な部位を選んでインプラントを埋入できるため、骨造成手術を避けられ、身体への負担が軽減されます。

経済的負担が抑えられる

オールオン4は、必要なインプラントの本数が少ないため治療費を抑えられるとされています。歯を失った部分すべてにインプラントを埋め込む場合、費用が高額になりがちですが、オールオン4では4本のインプラントで全体を支えるため、コストの削減が可能とされています。

さらに、オールオン4では骨移植が不要な場合が多い傾向にあるため、その分の追加費用も削減できます。少ないインプラント本数で治療が完了するため、従来の方法よりも経済的に負担が少なく、費用面でも大きなメリットがあります。

骨が薄くても適応できる

オールオン4では、骨量が少ない部位を避け、十分な骨量がある場所にインプラントを埋め込むため、骨が薄い方でも治療を受けることが可能とされています。従来のインプラント治療では、骨の量が不足している場合、骨造成手術が必要となることが多いようですが、オールオン4では、骨の量がある位置を選んでインプラントを埋め込むため、骨の増加を必要としないことがほとんどです。

さらに、オールオン4はインプラントを特殊な角度で埋入することが可能なため、顎の骨が薄い方や骨量が少ない方でも治療が可能とされており、従来の方法では難しかったケースにも適応できる治療法とされています。

また、長期間入れ歯を使用していた方など骨が痩せている場合でも、オールオン4は骨移植を行わずに治療を進められる場合が多い傾向にあるため、身体的な負担や費用を抑えることが可能とされています。骨の状態に不安がある方にとっても、治療の選択肢となるでしょう。

オールオン4のデメリット

オールオン4のデメリット

最後にオールオン4のデメリットについて解説します。治療を選択する際は、メリットとデメリットを十分に考慮することが重要です。

  1. 外科手術が必要
    外科手術が必要であるため、治療に伴うリスクや回復期間を考慮する必要があります。特に、持病がある場合や高齢の方には、身体への負担が懸念されることもあります。
  2. 健康な歯を抜歯しなければならない場合がある
    オールオン4は、複数の上部構造をインプラントで一体的に固定する治療法であるため、治療部位に残っている歯が治療の妨げとなる場合には、抜歯が必要となることがあります。健康な歯を抜くことには慎重な判断が求められますが、抜歯を含めた治療計画を検討することが一つの選択肢といえるでしょう。
  3. 治療を行える歯科医院が限られる
    オールオン4は、どこの歯科医院でも受けられるわけではありません。専門的な技術と設備が必要なため、治療を行える歯科医院が限られています。難しい技術を要するため、信頼できる施設を選ぶことが重要です。
  4. 全額自己負担になる
    オールオン4は保険が適用されない治療であるため、全額自己負担となります。インプラント1本を埋める治療に比べると費用を抑えられますが、それでも費用が高くなることが考えられます。このため、治療費について十分に理解したうえで、選択しましょう。

まとめ

まとめ

ここまでオールオン4の手術回数についてお伝えしてきました。オールオン4の手術回数の要点をまとめると以下のとおりです。

  • オールオン4とは、前歯から奥歯までの歯を一体として補うためのインプラント治療のこと。オールオン4では、顎の骨に最少4本のインプラントを埋め込み、その上に入れ歯のような構造物を固定する
  • オールオン4のメリットには、身体的負担が抑えられること、経済的負担が抑えられること、骨が薄くても適応できることが挙げられる。デメリットには、外科手術が必要であること、健康な歯を抜歯しなければならない場合があること、治療を行える歯科医院が限られること、保険適用ではないため全額自己負担になることが挙げられる
  • オールオン4の手術回数は、おおよそ15回程度で、通院は月に2回程度で進められるとされる

オールオン4は、手術回数が少なく、短期間で治療が完了するため、忙しい方にもおすすめな治療方法です。しかし、治療の流れや期間、費用などについては十分に理解し、納得したうえで進めることが重要です。治療を決定する前に、歯科医師としっかり相談し、ご自身の状態に合った治療プランを選びましょう。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
松浦 明歯科医師(医療法人 松栄会 まつうら歯科クリニック)

松浦 明歯科医師(医療法人 松栄会 まつうら歯科クリニック)

出身大学:福岡歯科大学 / 経歴:1989年福岡歯科大学 卒業 1991年松浦明歯科医院 開院 2020年医療法人松栄会まつうら歯科 理事長就任 / 資格:厚生労働省認定研修指導医 日本口腔インプラント学会認定医 ICOI (国際インプラント学会)Fellowship認定医 / 所属学会:ICOI(国際口腔インプラント学会) 日本口腔インプラント学会 日本臨床歯科学会(SJCD) 福岡支部 理事 日本顎咬合学会 会員 日本臨床歯科CAD/CAM学会(JSCAD)会員

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