オールオン4

オールオン4とインプラントはどう違う?それぞれのメリットやデメリット、費用について解説!

オールオン4とインプラントはどう違う?それぞれのメリットやデメリット、費用について解説!

近年、失った歯の治療法としては「インプラント」が有名になりましたが、オールオン4という治療法も耳にすることが多いです。インターネットで検索してみてもインプラントとオールオン4の違いがよくわからない。オールオン4にはどんなメリットやデメリットがあるのだろう。といった感想や疑問をお持ちの方も多いことでしょう。ここではそんなオールオン4とインプラントの違いについて、手順や費用に焦点を当てながら詳しく解説をします。

オールオン4とインプラントの違い

オールオン4とインプラントの違い はじめに、オールオン4とインプラントの基本事項について解説します。

インプラントとは

インプラントは、失った歯を歯根から回復できる治療法です。欠損部にチタン製の人工歯根を埋め込んで、アバットメントと呼ばれる土台を設置し、人工歯に当たる上部構造を装着します。その結果、失った歯を天然歯に近い状態まで回復させることが可能となります。入れ歯やブリッジといった従来法と比べると、機能性・審美性・耐久性のおいて優れた点もあるため、人気が高まっている理由もよくわかります。

ちなみに、インプラントは歯を1本失った症例だけでなく、複数本あるいはすべての歯を失った症例にも適応可能です。ただし、現実的には失った歯すべてをインプラントで治療するケースは稀といえます。その理由は後段で詳しく説明します。

オールオン4とは

オールオン4もインプラント治療の一種です。なぜならオールオン4のかなめとなるのはチタン製の人工歯根(インプラント体)だからです。顎の骨に4本の人工歯根を埋め込んだ上で、全ての歯が繋がった形態の上部構造を装着します。標準的なインプラント治療とは、適応症に大きな違いが見られます。

・オールオン4の適応症
オールオン4は、ほとんどの歯を失っているか、すべての歯を失っているケースに適応される治療法です。標準的なインプラントでは歯を1~2本失ったケースも問題なく治せますが、オールオン4は治療の性質上、それが不可能となっています。ですから、オールオン4はどちらかというと総入れ歯と比較されることが多いといえます。もちろん、標準的なインプラントも理論上はすべての歯を人工歯根+人工歯に置き換えることができるため、今回のようなオールオン4との比較が必要となってきます。

オールオン4の治療の流れ

オールオン4の治療の流れは、基本的に標準的なインプラント治療と同じです。カウンセリングに始まり、精密検査・診断、治療計画の立案が行われます。オールオン4は特殊な治療法であることから、カウンセリングや治療計画の説明を受ける際には、しっかりと歯科医師の話に耳を傾ける必要があります。オールオン4に関する疑問や不安があれば、その都度、遠慮せずに質問していきましょう。疑問が残ったままオールオン4治療をスタートさせると、後悔や失敗をする可能性が高まります。治療計画の説明に納得できれば、いよいよ手術です。

・オールオン4の手術の流れ

STEP1:麻酔処置
オールオン4の手術では、歯茎を切開したり、顎の骨にドリルで穴を開けたりする処置を伴うため、必ず局所麻酔を施します。患者さんそれぞれの体質や治療する部位を考慮した処置となるため、十分な麻酔効果が得られます。手術に対する不安感や恐怖心が強い場合は、静脈内鎮静法を併用する場合もあります。

STEP2:人工歯根の埋入
歯茎をメスで切り開き、顎の骨を露出させます。その上で人工歯根であるインプラント体を専用のドリルを使って埋め込みます。オールオン4の場合は、4本のインプラント体を埋入することになります。

STEP3:支台装置の装着
人工歯根にアバットメントを装着します。その後は切り開いた歯茎を支台装置が口腔内に露出した状態で縫合します。これは標準的なインプラント治療の2次手術が終わった時点と同じです。

STEP4:仮歯の装着
オールオン4では、インプラント体と支台装置を装着したその日に仮歯を入れることができます。仮歯は、手術したその日の夕食から噛むことが可能です。

STEP5:抜糸
手術から1週間程度、経過したら縫合糸を抜き取ります。この手順も通常のインプラント治療と変わりません。

STEP6:治癒期間
オールオン4では、仮歯を装着し、人工歯根と顎の骨が結合するのを待ちます。標準的なケースでは、6ヵ月程度の治癒期間を設けます。その間は数回の通院が必要となります。

STEP7:上部構造の装着
人工歯根と顎の骨の結合が確認できたら、最終的な上部構造を装着します。細かい調整などを加えて、見た目、噛み合わせに問題がなければオールオン4治療の終了です。

オールオン4と似たオールオン6とは

オールオン4に関心のある方は、オールオン6という治療法も見聞きしたことがあるかもしれません。その字面から何となく予想ができるかと思いますが、オールオン6は6本の人工歯根を埋め込みます。オールオン4と比較すると、顎の骨に埋め込む人工歯根の本数が2本多くなるため、患者さんにとってはデメリットに感じることでしょう。

もちろん、インプラントの本数が多くなる分、費用も高くはなりますが、装置の安定性が高まるというメリットも得られます。そのため、オールオン6というのは、4本の人工歯根では不安が残るというケースに適応されることが多いです。どちらか一方が優れた治療法というわけではなく、患者さんの顎の状態によって適した方を選択するという形になります。

オールオン4とインプラントのメリット・デメリット

オールオン4とインプラントのメリット・デメリット 次に、オールオン4と標準的なインプラント治療のメリット・デメリットを比較していきましょう。

オールオン4のメリット

・心身への負担を抑えられる
オールオン4では、人工歯根を4本埋入するだけですべての喪失歯を回復できます。標準的なインプラント治療だと、10本程度の人工歯根を埋め込まなければならないことを考えると、オールオン4の優れた面が浮き彫りになるかと思います。人工歯根を4本埋め込むのと10本埋め込むのとでは、心身にかかる負担が大きく変わることに間違いはありません。

・費用負担が軽くなる
人工歯根の埋入本数が4本となるオールオン4は、10本埋め込む標準的なインプラント治療と比べると、費用負担が軽くなります。それは数十万円、場合によっては数百万円の費用軽減へとつながることでしょう。

・審美的に優れている
オールオン4は、すべての歯をひとつの装置で回復できます。総入れ歯のような形態の上部構造を製作することから、歯並びや噛み合わせまで細かく調整しやすいのです。

・人工歯がすぐに入る
現状、インプラント治療では手術を2回に分ける2回法が主流となっています。1回目の手術では人工歯根を顎に埋入して数ヵ月の治癒期間を過ごします。2回目の手術では連結装置であるアバットメントを設置して、その時にようやく人工歯を入れることができるのです。

一方、オールオン4では人工歯根の埋入と同時に連結装置を装着するため、手術したその日に人工歯を入れることが可能となっています。しかも手術したその日の夕食から食べ物を噛むこともできるのです。歯がない期間や噛めない期間をゼロにできることは、患者さんにとって極めて大きなメリットとなります。

オールオン4のデメリット

・すべての歯を抜く必要がある
標準的なインプラントでは、歯を失った部分だけを治療できます。例えば、歯が3本だけ残っているケースでも、その天然歯を保存した状態で治療を進められるのです。オールオン4は歯が1本もない状態が前提となる治療法なので、残存歯がある場合は事前に抜く必要性が出てきます。

・対応している歯科医院が一部に限られる
オールオン4は、専門性の高い治療法なので、対応できる歯科医院は全国的にも一部に限られます。オールオン4に対応した歯科医院が居住地域にない場合は、遠方へと通院しなければなりません。あるいは、オールオン4という治療の選択肢をはじめから除外することになりかねません。

インプラントのメリット

・いろいろな症例に適応できる
インプラントは、失った歯1本に対して、1本の人工歯根を埋め込む治療法なので、理論上はすべての症例に適応できます。オールオン4のような「歯が1本もない状態」を作り出す必要がないため、ケースによっては患者さんの心身にかかる負担を軽減できます。

・対応している歯科医院が多い
標準的なインプラント治療であれば、全国的にも多くの歯科医院で対応可能となっています。歯科医院によって治療の質の差はありますが、インプラント治療を受けられる歯科医院が見つからないというケースはまずないでしょう。

インプラントのデメリット

・人工歯根の埋入本数が多くなる
繰り返しになりますが、インプラントは基本的に失った歯1本に対して、1本の人工歯根を埋め込む治療法です。オールオン4が適応されるような症例では、片側の顎だけでも10本程度の人工歯根を埋め込まなければならないことも十分あり得るのです。人工歯根を10本埋め込むということは、それだけ顎や全身にかかる負担も大きくなります。

・費用が高くなりやすい
喪失歯と人工歯根を1:1の関係で治療すれば、自ずと費用も高くなります。上下の顎に10本ずつの人工歯根を埋め込んだ場合は、単純計算で1000万円以上の治療費がかかることがあるのです。

・人工歯が入るまでに時間がかかる
インプラント治療では、人工歯根と顎の骨がしっかりと結合するまでは人工歯を入れることができません。インプラントの埋入と同時に人工歯を入れる手法もありますが、全体で見るとそれは一部の症例に限られます。

オールオン4とインプラントどちらを選ぶべきか

オールオン4とインプラントどちらを選ぶべきか

オールオン4がおすすめな人の特徴

もうすでにすべての歯を失っている人は、オールオン4選択肢になるでしょう。また、治療に伴う心身および経済的負担を抑えたい人も標準的なインプラント治療ではなく、オールオン4を選択した方が良いといえるでしょう。

インプラント治療がおすすめな人の特徴

まだ使える歯が残っていたり、オールオン4に対応している歯科医院が身近になかったりする場合は、標準的なインプラント治療の方が選択肢になるでしょう。

オールオン4とインプラントの費用の違い

オールオン4とインプラントの費用の違い

インプラント1本あたりの費用

インプラントは1本あたり30万~50万円程度の費用がかかります。

オールオン4の費用

オールオン4による治療では、片側の顎で200万~250万円程度の費用がかかります。両顎をオールオン4で治療した場合の費用は、400万~500万円程度です。

オールオン4で費用を抑えられる理由

上段でも述べたように、オールオン4ですべての歯を治療した場合の費用は、40万~50万円程度です。一方、インプラント治療ですべての歯を治療した場合は、単純計算で600万~1000万円程度となるため、オールオン4がいかに経済的であるかがわかるかと思います。ケースによってはオールオン4で治療した方が費用を半額まで抑えられるのです。

インプラントの費用を抑える方法

インプラント治療は、原則として保険適用外となりますが、デンタルローンや医療費控除を活用することで、費用を抑えられます。とくに医療費控除は、支払った税金から還付金という形で現金が戻ってくるため、利用する価値は極めて高いといえるでしょう。

オールオン4とインプラント以外の選択肢

オールオン4とインプラント以外の選択肢 すべての歯を失ったケースでは、オールオン4とインプラント以外にも「総入れ歯」という治療の選択肢があります。

総入れ歯とは

総入れ歯は、床(しょう)という歯肉に相当する部分と部分と人工歯で構成された装置です。着脱式でお手入れしやすいですが、安定性が低く、ズレたり外れたりすることがあります。

総入れ歯のメリット・デメリット

総入れ歯に伴うメリットとデメリットは以下の通りです。

【メリット】

  • 保険が適用されて費用が安い
  • 故障しても修理しやすい
  • 好きな時に取り外せる
  • ほとんどの歯科医院で対応してもらえる

【デメリット】

  • 見た目が良くないことがある
  • 食事や会話の時に装置がズレる、外れることがある
  • 顎の骨が痩せやすい
  • 装置が壊れやすい

総入れ歯の費用

保険診療の総入れ歯は、2万円前後で作ることができます。自費診療の総入れ歯の場合は、片側だけで50万~60万円程度の費用がかかることも珍しくありません。とりわけ床の部分にチタンやゴールドを使った総入れ歯は、費用が高くなる傾向にあります。

まとめ

まとめ 今回は、オールオン4とインプラントの違いについて、それぞれのメリット・デメリット、費用などを比較しながら解説しました。オールオン4は、すべての歯を失ったケースに適応できるものなので、天然歯が残っている場合は事前に抜歯をしなければなりません。

インプラントは、人工歯根を1本ずつ埋める方法なので、残存歯を保存した状態で治療を進められます。ただし、ほとんどの歯を失った状態では、オールオン4で治療した方が心身および経済面の負担を大きく軽減できることに間違いはありません。オールオン4とインプラント治療で迷っている人は、その点も踏まえた上で検討することが大切です。

参考文献

この記事の監修歯科医師
遠藤 眞次医師(グランメゾンデンタルクリニック)

遠藤 眞次医師(グランメゾンデンタルクリニック)

長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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