インプラント

20代で歯がない人の治療法は?歯を失ってしまった時にしっておくべきこと

20代で歯がない人の治療法は?歯を失ってしまった時にしっておくべきこと

永久歯は、再生することのない組織なので、可能な限り失いたくないものです。それでも歯というのは、いろいろな理由で失うことがあります。それは20代という若い人も例外ではありません。ここではそんな20代で歯を失う理由や何もせずに放置するリスク、歯科治療で補う方法などを詳しく解説します。

20代で歯を失ってしまう理由

20代で歯を失ってしまう理由 はじめに、20代で歯を失う理由と失わないための予防法を解説します。

若くても歯を失ってしまう理由を教えてください
若い人でもむし歯と歯周病を重症化させてしまうと、歯を失うことになります。

◎むし歯

むし歯は歯の表面に付着した細菌が酸を生成し、歯を溶かすことで発生します。初期段階では痛みを感じないこともありますが、進行すると歯の内部に感染が広がり、重症化すると歯を失う原因となります。特に、適切な歯磨き習慣が身についていない若い世代では、むし歯が進行しやすい傾向があります。

◎歯周病

若い人が歯を失うもう一つの大きな原因は歯周病です。歯周病は歯を支える組織に炎症が起こる病気で、初期段階では歯肉炎と呼ばれます。症状が進行すると歯槽骨が破壊され、歯がぐらついて重症化すると抜け落ちることがあります。若い世代でも不適切な歯磨きや不規則な生活習慣が原因で歯周病になることがあるため十分な注意が必要です。

これらの原因を理解し、適切な予防策を講じることで、若くして歯を失うリスクを減らすことができます。

20代で歯を失わないための予防法はありますか?
むし歯と歯周病を予防することが第一です。まず、適切なセルフケアを実施しましょう。毎日の歯磨きはもちろん、フロスや歯間ブラシを使用して歯と歯の間も清潔に保つことが重要です。さらに、砂糖を含む食品や飲料の摂取を控え、バランスの取れた食事を心がけましょう。

また、定期検診とメンテナンスを継続的に受けることも欠かせません。歯科医院でのプロフェッショナルクリーニングや、むし歯や歯周病の早期発見・治療は、歯を健康に保つためにとても効果的です。特に若い世代の人は、将来の健康を見据えて定期的なケアを習慣化することが大切です。予防に努めることで、20代で歯を失うリスクを大幅に減らすことができます。

むし歯や歯周病以外で歯を失ってしまうことはありますか?
若い人は、交通事故やスポーツ中の外傷が原因で歯を失うことがあります。例えば、交通事故に巻き込まれた場合、顔やお口周りに強い衝撃を受けると歯が折れたり、抜けたりすることがあります。また、スポーツ中に顔面にボールが当たったり、ほかの選手と激しく接触したりした際に歯を損傷することも少なくありません。

このような外傷から歯を守るためには、スポーツ用マウスガードの装着が有効です。特にコンタクトスポーツに参加する際は、適切な防具を使用し、安全にプレーすることが大切です。万が一、歯を失った場合は、できるだけ早く歯科医院を受診し、適切な治療を受けることが重要です。早期の対応が、将来的な歯の健康を保つ鍵となります。

20代で歯がない人が知っておくべきこと

20代で歯がない人が知っておくべきこと 20代で歯を失ってしまった人は、その状態を放置することの危険性を理解しておく必要があります。

歯が抜けましたが目立ちにくいところなので放置しても大丈夫ですか?
目立ちにくい場所の歯が抜けても放置はNGです。まず、歯が抜けたままにしておくと、隣の歯がそのスペースに移動し、全体の歯並びや噛み合わせが悪くなる可能性があります。これにより、歯磨きがしにくくなり、むし歯や歯周病のリスクが高まります。

さらに、噛み合わせのバランスが崩れると、食べ物をうまく噛むことが難しくなり、消化不良や栄養不足を引き起こすこともあります。見た目だけでなく、機能面でも大きな影響を受けるため、抜けた歯の治療は早めに行うことが重要です。

歯がない状態を放置しておくとどのような不調が生じますか?
歯がない状態を放置すると、まず、咀嚼がうまくできなくなります。食べ物を十分に細かく噛むことができないため、胃腸に負担がかかり、消化不良を引き起こすことがあります。また、歯がない部分に隣接する歯に過度の負担がかかり、その結果、ほかの歯の寿命が縮まることもあります。

さらに、噛み合わせのバランスが崩れると、顎関節症になりやすくなり、顎の痛みやこり、頭痛などが発生することがあります。加えて、歯列内に欠損がある状態では正しい発音がしにくくなり、発音障害が現れることもあります。これらの理由から、歯が抜けた場合は早めに適切な治療を受けることが重要です。

20代で歯がない状態になった場合の治療法

続いては、20代で歯を失った場合の治療法を解説します。

歯がなくなった場合はどのような治療法がありますか?
歯がなくなった場合の治療の選択肢は、インプラント・ブリッジ・入れ歯の3種類です。インプラント治療は、顎の骨に人工歯根を埋め込み、そのうえに上部構造を装着する方法です。インプラントは自然な見た目と機能が得られます。ブリッジは、失った歯の両隣の歯を支えにして人工の歯を固定する方法です。これにより、噛み合わせを回復し、見た目も改善されます。入れ歯は、着脱式の装置を使用する治療法です。費用が安く、手入れが簡単な装置といえるでしょう。いずれも20代で歯を失った場合に選ぶことができます。
インプラントのメリット・デメリットを教えてください
インプラントは、見た目が自然でほかの歯と違和感なく噛み合わせることができます。また、固定式であり、取り外しの手間がなく、しっかりとした噛む力を取り戻すことができます。さらに、隣の健康な歯を削る必要がないため、ほかの歯に負担をかけずに済むのも大きな利点です。

インプラントのデメリットとしては、治療期間が長く、外科手術を伴うため、一定のリスクがある点が挙げられます。また、保険適用外であることがほとんどなため、費用が高額になることも考慮する必要があります。ですが、20代の患者さんは骨の回復力が高く、長期的に安定した結果が期待できるため、将来的なメリットも大きいといえるでしょう。このように、インプラント治療は、見た目と機能を両立させ、若い世代の健康な口腔環境を保つために有効な選択肢です。

ブリッジのメリット・デメリットを教えてください
ブリッジは、短期間で治療が完了し、見た目も自然に仕上げることが可能です。取り外しの必要がなく、噛み合わせの機能も改善される点もメリットとして挙げられます。特に20代の患者さんにとっては、早く日常生活に戻れる点が大きな利点といえるでしょう。

一方で、ブリッジにはデメリットもあります。まず、ブリッジを固定するために、健康な隣の歯を削る必要があることです。これにより、削った歯の寿命が短くなるリスクがあります。また、ブリッジの下に汚れがたまりやすく、むし歯や歯周病のリスクが高まることも考慮する必要があります。

若くて入れ歯で治療するメリットと注意点はありますか?
入れ歯は失った歯を手軽に補える方法ですが、装置が目立ちやすい点がデメリットです。また、食事や会話の際にズレたり外れたりすることがあり、日常生活に支障をきたす場面が多くなります。

さらに、入れ歯を使用していると顎の骨が徐々に痩せていく傾向があり、長期的に見て顎の形状や顔立ちに影響を及ぼす可能性があります。食後には必ず取り外してケアする必要があり、清潔を保つための手間もかかります。加えて、装置の寿命が短く、定期的に交換や調整が必要です。これらのデメリットを考慮すると、20代の患者さんには入れ歯以外の治療法も検討する価値があるといえるでしょう

編集部まとめ

今回は、20代で歯を失ったときの治療法や知っておくべきことについて解説しました。20代では、むし歯や歯周病、外傷などが理由で歯を失うことがありますが、インプラント・ブリッジ・入れ歯という治療の選択肢が用意されているため、欠損部を補うことは可能です。 歯を失ったまま放置していると、どたくさんのリスクが生じることから、欠損部の治療はできるだけ早く受けるようにしましょう。どの治療法が自分に適しているかよくわからないという人は、まずは、歯科医師に相談しましょう。費用が安く、作りやすいという理由だけで入れ歯を選ぶのはよくありませんので、まずは専門家の意見を聞くことが大切です。

参考文献

この記事の監修歯科医師
若菜 康弘医師(若菜歯科医院院長)

若菜 康弘医師(若菜歯科医院院長)

鶴見大学歯学部大学院卒業 / 現在は若菜歯科医院の院長

記事をもっと見る

RELATED

PAGE TOP

電話コンシェルジュ専用番号

電話コンシェルジュで地域の名医を紹介します。

受付時間 平日:9時~18時
お電話でご案内できます!
0120-022-340