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オールオン4は高齢者でも受けられる?受けられない条件や注意点も併せて解説

オールオン4は高齢者でも受けられる?受けられない条件や注意点も併せて解説

オールオン4は、歯を失った高齢の方にもおすすめなインプラント治療として採用されています。少ない本数で固定できるため、身体への負担が少なく、治療期間も短縮しやすいのが特徴です。

ただし、全身の健康状態や骨の量などによっては治療が難しい場合もあります。

本記事ではオールオン4は高齢の方でも受けられるのかについて以下の点を中心にご紹介します。

  • 高齢者のオールオン4の適応について
  • 高齢者がオールオン4を受けられない条件やリスク
  • 高齢者がオールオン4を受けるときの注意点

オールオン4は高齢の方でも受けられるのかについて理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

高齢者のオールオン4の適応について

高齢者のオールオン4の適応について

高齢でもオールオン4は受けられますか?年齢制限があれば教えてください
オールオン4の治療には明確な年齢制限はなく、健康な方であれば高齢の方でも受けることが可能とされています。ただし、手術に耐えられる体力がない場合には適応外となることもあります。健康状態が安定していれば、年齢に関係なくオールオン4はおすすめな治療の選択肢となります。
総入れ歯の高齢者でもオールオン4は受けられますか?
総入れ歯を使用している高齢の方でも、条件が整えばオールオン4の治療を受けられます。
ただし、骨量や全身の健康状態によっては治療が難しい場合もあるため、歯科医師による事前の精密な診断と相談が欠かせません。
高齢者がオールオン4を受けるメリットを教えてください
オールオン4は、歯を失った高齢の方にとってさまざまなメリットが期待できる治療法です。まず、片顎に4本のインプラントを埋め込むだけで歯列をしっかり固定できるため、総入れ歯のようなズレや違和感がなく、自然な噛み心地を得られます。また、手術当日に仮歯を装着できるケースもあり、見た目と噛む機能の早期の回復が期待できます。さらに、骨のある部分を利用する構造のため、骨移植が不要な場合が見られ、身体への負担を軽減できます。そして、少ない本数のインプラントで全体を支えるため、費用面でも効率的で、メンテナンスも容易です。このように、高齢の方がオールオン4治療を受けることで、発音や表情にも自然さを取り戻し、日常生活の快適さと自信を取り戻すことにつながります。

高齢者がオールオン4を受けられない条件やリスク

高齢者がオールオン4を受けられない条件やリスク

どのような持病があるとオールオン4を受けられないですか?
オールオン4を受ける際に注意が必要な持病として、高血圧、糖尿病、心臓疾患(狭心症や心筋梗塞など)、脳血管疾患(脳梗塞や脳出血など)、骨粗しょう症などが挙げられます。これらの疾患は、手術中や術後の合併症リスクを高める可能性がありますが、状態が安定しており、主治医の管理のもとでコントロールされていれば、治療を受けることが可能といわれています。そのため、持病がある高齢の方は、事前に全身状態を詳しく確認し、服用している薬や治療内容を歯科医師に正確に伝えることが大切です。
骨量が不足している場合でもオールオン4は受けられますか?
顎骨量が不足している場合、オールオン4の治療が難しくなることがあります。インプラントは顎骨にしっかりと固定することで安定しますが、骨が薄かったり弱かったりすると、十分な支持を得られない可能性があります。なかでも、歯周病で骨が溶けた方や骨粗しょう症のある高齢の方では、治療が制限されることがあります。ただし、オールオン4は奥のインプラントを斜めに埋めることで、骨のある部分を活用できる治療法です。そのため、骨移植をせずに対応できるケースもあります。もし骨量が著しく不足している場合は、骨造成や骨移植といった補助手術を行うことで治療を受けられることもあります。骨の状態によって治療方法は異なるため、経験豊富な歯科医師による精密な診断を受けることが大切です。
高齢者がオールオン4を受けるリスクを教えてください
高齢の方がオールオン4を受ける際には、いくつかのリスクを理解しておくことが大切です。まず、加齢により免疫力が低下していると、手術後に細菌感染を起こしやすくなります。糖尿病や高血圧などの持病がある場合は、傷の治りが遅れたり、感染リスクがさらに高まったりすることもあります。また、骨の量が少ない方や骨粗しょう症を持つ方では、インプラントと骨の結合が不十分になる可能性があり、安定性に影響を及ぼすことがあります。さらに、手術そのものが身体への負担となるため、体力が低下している方や全身疾患がコントロールされていない方は注意が必要です。

治療費も高額で、定期的なメンテナンスが欠かせません。
したがって、オールオン4を検討する際は、主治医と歯科医師の連携のもと、全身の健康状態を十分に確認したうえで判断することが重要です。

高齢者がオールオン4を受けるときの注意点

高齢者がオールオン4を受けるときの注意点

治療前に確認すべき検査や準備を教えてください
オールオン4治療を受ける前には、いくつかの検査と準備が必要です。まず、口腔内検査と歯科用CT撮影を行い、顎骨の厚みや密度、神経や血管の位置を精密に確認します。骨量が不足している場合は、骨移植や骨造成が必要となることもあります。また、歯が一部残っている方は、治療前に抜歯を行う必要があります。さらに、全身の健康状態を把握するための血液検査や血圧測定、心電図検査なども欠かせません。高齢の方や糖尿病や心疾患などの持病がある場合は、主治医と連携しながら、手術に耐えられる体調かどうかを確認します。加えて、オールオン4は自由診療のため、費用面の確認やデンタルローンなどの利用についても事前に相談しておくことが大切です。

これらの準備を十分に行うことで、治療の安全性を高められます。

治療後の注意点や生活習慣のポイントを教えてください
オールオン4などのインプラント治療後は、手術部位の安静と清潔保持が重要です。手術直後は腫れや痛みが出ることが多いため、処方された薬を指示どおりに服用し、頬の外側から優しく冷やすとよいでしょう。激しい運動や長時間の入浴は避け、身体を休めることが回復につながります。食事はおかゆやスープ、豆腐などやわらかく刺激の少ないものを選び、熱い、硬い、辛い食品は控えてください。仮歯が入っている期間は、硬い、粘着性のある食材を避け、仮歯やインプラントに強い力がかからないよう注意が必要です。また、喫煙は血流を悪化させ、治癒を妨げる要因となるため、治療前後だけでなくメンテナンス期間も禁煙を続けましょう。
オールオン4を長持ちさせるにはどのようなケアが必要ですか?
オールオン4を長く快適に使い続けるには、毎日の丁寧なケアと定期的なメンテナンスが欠かせません。インプラントと上部構造の境目には汚れが溜まりやすく、放置するとインプラント周囲炎を起こす恐れがあります。やわらかい歯ブラシを使い、歯茎との境目を意識して優しく磨きましょう。スーパーフロスやタフトブラシを併用することで、細部まで清掃しやすくなります。また、夜間は唾液の分泌が減るため、就寝前の歯磨きをより丁寧に行うことが重要です。喫煙は血流を悪化させ、治癒や維持に悪影響を与えるため控えましょう。さらに、定期的な検診で噛み合わせやインプラント周囲の状態を確認し、歯科医院での定期的なメンテナンスを継続することが大切です。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまでオールオン4は高齢の方でも受けられるのかについてお伝えしてきました。
オールオン4は高齢の方でも受けられるのかについて、要点をまとめると以下のとおりです。

  • オールオン4の治療には明確な年齢制限はなく、健康な方であれば高齢の方でも受けられる
  • オールオン4を受ける際に注意が必要な持病として、高血圧、糖尿病、心臓疾患(狭心症や心筋梗塞など)、脳血管疾患(脳梗塞や脳出血など)、骨粗しょう症などが挙げられる
  • オールオン4などのインプラント治療後は、手術部位の安静と清潔保持が重要である

オールオン4は、高齢の方でも健康状態が安定していれば受けられる治療法です。少ない本数のインプラントでしっかりと歯列を支えるため、見た目や噛む機能を早期に回復できる点が特徴です。

治療前には全身の検査や骨の状態確認が欠かせず、術後は丁寧な清掃と定期的なメンテナンスが長持ちの鍵となります。

本記事が少しでもオールオン4は高齢の方でも受けられるのかについて知りたい方のお役に立てれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
松浦 明歯科医師(医療法人 松栄会 まつうら歯科クリニック)

松浦 明歯科医師(医療法人 松栄会 まつうら歯科クリニック)

出身大学:福岡歯科大学 / 経歴:1989年福岡歯科大学 卒業 1991年松浦明歯科医院 開院 2020年医療法人松栄会まつうら歯科 理事長就任 / 資格:厚生労働省認定研修指導医 日本口腔インプラント学会認定医 ICOI (国際インプラント学会)Fellowship認定医 / 所属学会:ICOI(国際口腔インプラント学会) 日本口腔インプラント学会 日本臨床歯科学会(SJCD) 福岡支部 理事 日本顎咬合学会 会員 日本臨床歯科CAD/CAM学会(JSCAD)会員

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