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インプラントを奥歯に2本入れるとかかる費用はいくら?費用を抑える方法も解説!

インプラントを奥歯に2本入れるとかかる費用はいくら?費用を抑える方法も解説!

私たちの歯は、前歯と奥歯の2つに大きく分けることができます。前歯は食べ物を噛み切ることが主な役割であり、口元の審美性を大きく左右する要因でもあります。一方、奥歯にはもっと多くの役割があるため、失った場合の治療法も慎重に検討する必要があるのです。

ここではそんな奥歯を歯根から回復できるインプラントで2本、治療する場合の費用について解説します。費用を抑える方法についても説明しますので、奥歯2本のインプラント治療を検討中の方は参考にしてみてください。

奥歯の大切な役割

奥歯の大切な役割 インプラント治療の費用について考える前に、まずは奥歯の大切な役割について知っておきましょう。奥歯が担う役割を知ることで、インプラント治療の有用性も実感しやすくなります。

消化吸収の助けになる

冒頭でも述べたように、前歯が担えるのは食べ物を噛み切る役割です。大きな食べ物をいくつかの断片に噛み切ることはできますが、奥歯のように食べ物をすりつぶすことは困難です。 仮に奥歯2本を失ったまま放置すると、大きな食片のまま飲み込むことになるため、消化や吸収がスムーズに進まなくなります。その結果、胃腸に過剰な負担がかかったり、十分な栄養素を摂取できなくなったりするのです。奥歯がしっかりと機能する状態であれば、そのようなトラブル・リスクを避けることが可能となります。

歯並びや顔の輪郭を保つ

奥歯の中でも大臼歯(だいきゅうし)は、サイズが最も大きな永久歯です。そのため正常な歯並びや顔の輪郭を保つ上でも重要な役割を果たしています。今回のテーマである奥歯2本が失われた状態では、歯並びだけでなく、噛み合わせまで大きく乱れていくことでしょう。奥歯が抜けた部位によっては噛み癖がついたり、噛む時の筋肉の量に左右で違いが現れたりすることで、顔の輪郭も歪んでしまうのです。

体に力を入れやすくする

奥歯は、運動やスポーツでここぞという時に力を入れやすくする役割も果たしています。テニスでボールを打ち返す時やウェイトトレーニングでダンベルを持ち上げる時などに、皆さんも奥歯で噛みしめることでしょう。奥歯がなくなると、そうした大事な瞬間での踏ん張りも効かなくなることがあるのです。

滑舌をスムーズにする

滑舌は、舌が滑らかに動くことを意味する言葉です。世の中には滑舌が良い人と悪い人がいますが、後者は歯の状態が悪いことが原因となっているケースが少なくありません。例えば、顎の骨が小さくて歯列が狭くなっていると、舌の動きが制限されて滑舌が悪くなることがあります。奥歯を失った方が主観的に滑舌しにくくなったと感じることもあるようです。

インプラントを奥歯に2本入れる際にかかる費用

インプラントを奥歯に2本入れる際にかかる費用 ここからはいよいよ本題であるインプラント治療の費用についてです。奥歯という大切な部分にインプラントを2本入れた場合、どのくらいの費用がかかるのか。前歯のインプラント治療との比較も併せて解説します。

奥歯1本のインプラントの治療費

まずは、インプラント治療にかかる費用の内訳からです。インプラント治療では、顎の骨に埋め込むチタン製の人工歯根と手術の費用だけではなく、上部構造と呼ばれる被せ物の費用、連結部にあたるアバットメントの費用などもかかります。

奥歯の場合は、人工歯根と手術費を合わせて1本あたり20万~30万円程度、上部構造とアバットメントに20万~30万円程度で、奥歯のインプラント1本あたりで30万~50万円程度の費用がかかるため、奥歯2本のインプラントでは60万~1000万円程度となることがわかります。奥歯2本合わせて100万円程度の費用というのはかなり高額に思えますが、失った歯を歯根から回復できることを踏まえたら、適正な価格と捉えることもできるでしょう。

前歯1本のインプラントの治療費

次に、前歯1本をインプラントで治療する場合について考えてみましょう。人工歯根の値段や手術の費用自体に奥歯との違いは見られないのですが、被せ物やアバットメントにどのような素材を使うかによって総額が変わってきます。 インプラントの被せ物の素材には、ジルコニアやセラミック、金属が用いられます。

奥歯に比べて人目に触れやすい前歯には高い審美性が求められることから、ジルコニアが素材の被せ物が採用されることが多いようです。連結装置であるアバットメントについても、白色を呈したジルコニア製のものを選択することで、口元の審美性を高く維持できるようになるでしょう。このように素材にこだわった場合は、奥歯に比べて前歯の方が10万円程度高くなることもあります。

インプラントを奥歯に2本入れる費用はなぜ高額?

インプラントを奥歯に2本入れる費用はなぜ高額? ここまでは奥歯2本を入れた場合の費用について解説してきました。奥歯2本分で100万円程度は高額ですよね。従来法である入れ歯やブリッジではこれほど高額な費用はかからないのに、なぜインプラントの場合は異なるのか。それは以下に挙げる理由があるからです。

診断に係る費用が高額のため

インプラントを適切に行うためには、さまざまな設備が必要となります。

◎3次元的な画像が得られる歯科用CT
CTというと、交通事故で大けがをした時などに撮影するイメージがありますよね。少なくとも日常的な病気では撮影する機会のないCTは、インプラント治療において必須の検査となっています。もしかしたら今でもレントゲン撮影のみでインプラント治療を実施している歯科クリニックがあるかもしれませんが、正直、それではインプラント治療を安全に行うことは難しいです。

なぜなら、レントゲンは2次元的な画像しか得られない撮影法だからです。 インプラント治療では、顎の骨にチタン製のネジを埋め込むという重要な外科処置を伴います。その際、顎の骨の幅や深さ奥行きを見誤ってしまうと、人工歯根が骨から飛び出したり、重要な神経や血管などを傷付けたりしてしまうリスクが生じます。ですから、インプラント治療を適切に実施しようとしたら、歯科用CTが必須となるといっても過言ではないのです。そして、歯科用CTは非常に高価な設備であるため、そのコストはインプラント治療に反映されることになります。

◎手術を安全に実施するためのオペ室
インプラントは、虫歯治療や歯周病治療を行っているチェアで実施するのは難しいです。多くの歯科クリニックでは、インプラント手術を実施するためのチェアや専用室を設けており、安全面や衛生面に配慮しているのが一般的です。そうした特別な診療チェアや診療室を用意すること自体が大きなコストとなります。それもまたインプラント治療が高額になる理由のひとつといえるでしょう。

◎インプラントを適切に埋め込むためのシミュレーション
一部の歯科クリニックでは、ガイデットサージェリーという方法を用いて人工歯根を埋め込みます。歯科用CTで撮影したデータをもとにコンピューター上でシミュレーションを行い、人工歯根を埋め込む適切な位置を決定する手法で、シミュレーションの結果はサージカルガイドというマウスピースのような形をした装置に反映されます。手術の時はそのガイドを患者さんに装着してもらうだけで、人工歯根を適切な位置・深さに埋め込むことが可能となります。そんなガイデットサージェリーを実施するための環境づくりにも相応の費用がかかるのです。

健康保険が適用できないから

インプラント治療は、ごくまれな例外を除いて健康保険が適用できないため、治療費の全額を患者さんが負担することになります。このことも費用が高額になる大きな理由になっています。

様々な検査が必要となるから

インプラント治療では、歯科用CTによる撮影以外にも様々な検査を伴います。それは治療を開始する前の検査だけでなく、手術の前後や人工歯根が顎の骨と結合するまでの治癒期間、上部構造を作る過程まで含まれます。

インプラントを奥歯に2本入れる治療で費用を抑える方法

インプラントを奥歯に2本入れる治療で費用を抑える方法 最後に、奥歯2本のインプラント治療の費用を抑える方法について、いくつかご紹介します。インプラントは、原則として自費診療となることから、歯科医院ごとの価格差がある点を忘れてはいけません。だからといって格安インプラントに飛びつくことも賢明ではないといえます。そのため正攻法としては、デンタルローンや医療費控除の利用が挙げられます。

デンタルローン

デンタルローンは、インプラントを始めとした歯科治療の費用を分割払いできる制度・サービスです。各金融機関が異なるデンタルローンを提供していますが、歯科クリニックによって取り扱っているものが決まっています。ですから、デンタルローンは好きなものを自由に選べるというわけではない点に注意が必要です。80回以上に分けて支払うことも可能な商品もあります。奥歯2本のインプラントの費用を一括で支払うことは難しいという方は、デンタルローンを検討してみてはいかがでしょうか。

医療費控除

医療費控除とは、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に利用できる公的な制度です。上でも述べたように、奥歯2本のインプラント治療の費用相場は、88万円程度となっていることから、ほぼ間違いなく医療費控除を受けることができます。奥歯2本のインプラントの場合は、かなりの税金が還付されるため、治療を受けた際には必ず医療費控除を申請するようにしましょう。

保険適用になる条件は厳しい

奥歯2本のインプラント治療で保険が適用されることはまずありません。どうしても保険内で治療を受けたい、数十万円の費用は払えないという場合は、保険が適用されるブリッジ・入れ歯を検討することをおすすめします。奥歯2本を失ったケースでは、ブリッジと入れ歯どちらでも選択可能なことが多いです。ただし、審美性や機能性、耐久性などを追求することは難しくなります。

まとめ

まとめ このように、インプラントを奥歯に2本入れると80万~90万円程度の費用がかかります。インプラントはそもそも原材料費が高く、外科手術やいろいろな検査を受けなければならないため、費用も自ずと高額になってしまうのです。そんな奥歯2本のインプラントの費用をできるだけ抑えたいという方は、必ず医療費控除を利用するようにしてください。

結果として、治療費の総額が少し高くなるかもしれませんが、インプラントの費用を一括で支払うことが困難な場合は、デンタルローンの分割払いを利用しましょう。低金利で5年以上のローンを組めるプランが用意されている場合もあるようです。

参考文献

この記事の監修歯科医師
若菜 康弘医師(若菜歯科医院院長)

若菜 康弘医師(若菜歯科医院院長)

鶴見大学歯学部大学院卒業 / 現在は若菜歯科医院の院長

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