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インプラントの費用は1本いくら?種類別の費用や保険適用について解説

インプラントの費用は1本いくら?

インプラントを検討するときに気になるのが、インプラント1本あたりの費用ではないでしょうか。

インプラントは、入れるインプラントの本数はもちろん、インプラント体の素材・上部構造の素材などによって費用が異なってきます。

本記事ではインプラントの費用は1本あたりいくらになるのかとあわせ、種類別の費用や保険は適用されるかなどを解説していきます。

インプラントの費用は1本いくら?

インプラントの費用は1本いくら?
インプラント1本あたりの費用は、どのくらいかかるのでしょうか。この項では、前歯と奥歯、それぞれの1本あたりの費用を解説します。

骨造成が必要な場合はさらに費用がかかる場合もあります。骨造成とは、骨を増やすための手術です。

前歯・奥歯の費用とあわせて、骨造成の費用についても紹介します。

前歯の場合

まず前歯をインプラントにした場合の1本あたりの費用を紹介しましょう。インプラントは自由診療になるため、歯科医院によって料金設定は異なります。

インプラント1本あたりの費用にはさまざまな費用が含まれています。手術費用20万円(税込)前後が相場です。

手術費用に上部構造の費用や検査・診断料などが加算され、トータルで30~50万円(税込)程になります。参考にしてみてください。

後述しますが、インプラント治療はさまざまなメリットがある治療法です。しかしこのようにインプラント1本でも数十万円かかるなど、費用が高額なのがデメリットです。

また外科手術が必要なため、糖尿病・高血圧などの疾患がある方はインプラント治療を受けられない場合があります。

糖尿病の方はインプラント治療後の傷の治りが悪い場合があるためです。手術中に低血糖症を起こす可能性もあるでしょう。

高血圧のままインプラント手術を行うと、心臓に過度な負担がかかったり、出血が止まりにくかったりするリスクがあります。

他にもメンテナンスを怠ると、歯周病に似た症状のインプラント周囲炎になるリスクがあるなど、デメリットも多いです。

奥歯の場合

奥歯1本あたりの手術費用は、前歯同様大体20万円(税込)前後です。

トータルの費用相場は30~50万円(税込)程で、インプラント治療全体の費用は前歯と奥歯で大きな差はありません。

ただし、前歯は審美性が重視される部位のため、奥歯よりも上部構造の製作費が高くなる場合があります。

骨造成が必要な場合

骨造成とは、簡単にいうと骨を増やす治療のことです。インプラントにする場合、ある程度は骨の厚みや高さが必要です。

個人差があるため、検査をしてみると骨量不足と診断される患者さんもいます。

骨量不足の患者さんでもインプラントの手術が受けられるように、骨を増やす手術が骨造成です。

インプラント治療では土台となるインプラント体を骨に埋め込み、骨と結合させます。

骨量が不足すると、十分な深さにインプラント体を埋入できません。そのため、骨量不足と判断された患者さんは骨造成が必要になるのです。

このように骨量不足でインプラント治療ができない患者さんでも治療できるようになるのがメリットですが、足した骨が安定しないとインプラント治療ができません。

そのため通常のインプラント治療よりも時間がかかるというデメリットがあります。骨造成の費用は方法によって異なり、3万~30万円(税込)程かかります。

上部構造の種類でも費用が変わる

上部構造の種類でも費用が変わる
上部構造とは、インプラントの最上部に設置する人工歯のことです。

インプラントは3層構造になっており、インプラント体・アバットメント・上部構造の3つに分かれています。

人工歯にはいくつかの種類があり、種類によって費用も違います。

  • 銀歯
  • ハイブリッドセラミック
  • オールセラミック
  • ジルコニア

ここでは、上記4種類について費用などを詳しく解説します。

銀歯

上部構造(人工歯)全体を銀歯にした場合、歯科医院によって費用の幅があります。

型取り装着の料金を含め、上部構造(人工歯)全体を銀歯の被せ物にした場合で10万円程度になることが多いです。

金属なので割れにくいですが、金属アレルギーのある方には適していません。

ハイブリッドセラミック

プラスチックとセラミックを混ぜた素材がハイブリッドセラミックです。銀歯の上部構造(人工歯)にくらべ、非常に綺麗な白い歯に仕上がります。

色の調整ができるため、自分の歯の色調にあわせることが可能です。オールセラミックやジルコニアと比較すると強度が低く、使用しているうちに変色しやすい特徴があります。

料金は銀歯とあまり変わらず10万円(税込)程度です。

オールセラミック

オールセラミックも白い歯に仕上がります。変色に強く、ハイブリッドセラミックと同じように自分の歯の色調にあわせられます。

オールセラミックは、樹脂を含みませんので、ハイブリットセラミックに比べると強度は高いです。オールセラミックの場合は15万円(税込)程度が相場です。

ジルコニア

ジルコニアはハイブリッドセラミックやオールセラミックと比べると強度があります。審美性に劣ることがあるものの、きれいな白い歯に仕上がります。

料金は20万円(税込)程度です。前歯などの審美的に重要な部位では、追加で料金が必要になる場合があります。

歯を全部インプラントにした場合の費用は?

歯を全部インプラントにした場合の費用は?
ここまで前歯・奥歯で費用は変わるのか、上部構造(人工歯)の種類別の費用などを紹介しました。

では、歯を全部インプラントにした場合にかかる費用はいくらぐらいになるのでしょうか。永久歯の数は親知らずを含めない場合、28本です。

永久歯1本をインプラントにする際の手術費用を20万円(税込)とする場合、28本であれば手術費用だけで560万円(税込)以上になっていきます。

トータルの費用相場が30~50万円(税込)なので、1000万円(税込)前後となります。

現在、上下の顎それぞれにインプラントを4本もしくは6本入れてすべての歯の機能を補うオールオン4(オールオン6)という治療法があります。

オールオン4の場合、片顎4本の費用相場は200~250万円(税込)程度です。全顎の場合は400~500万円(税込)となり、上下に10本ずつインプラントを入れるよりも安く抑えられます。

身体的負担が少ないのもメリットですが、難易度が高い手術なので対応できる歯科医院が限られているというデメリットがあります。

インプラントは保険適用外

インプラントは保険適用外
インプラントは保険適用外になります。そのため実費となり、費用は高額です。

インプラントが実費になる理由は、従来のブリッジや入れ歯でも、最低限の歯の機能・審美性を回復できると考えられているからです。

インプラント治療は機能性や審美性が高く、保険診療としては十分すぎる性能を持っているため、現状では大部分が自費診療とされています。

ただし例外もあり、以下のような場合は保険適応となる場合もあります。

  • 病気・事故などで顎の骨を広く失った
  • 先天性異常で、顎の骨を1/3以上失っている

なお、インプラントで保険適用になるのはかなり特殊なケースです。そのため基本は保険適用外となります。

インプラント治療のメリット

インプラント治療のメリット
インプラントは保険適用外なので全額負担になりますが、費用に値するメリットがあることも事実です。

インプラント治療のメリットには、主に以下の4つがあります。

  • 自分の歯に近い感覚
  • 自分の歯と同じようにメンテナンスできる
  • 少ない違和感
  • 見た目が美しい

これら4つのメリットについて詳しく見ていきましょう。

自分の歯に近い感覚で使える

自分の歯に近い感覚で使える
インプラントのメリットの1つが、自分の歯に近い感覚で使えることです。

インプラントは自然の歯が顎の骨から生えているように、インプラント体を顎の骨に直接埋入しています。頑丈に固定されるため、自分の歯と同じように、堅い食べ物でもしっかりと噛んで食べることができます。

自分の歯と同じようにメンテナンスできる

インプラントのメンテナンスは、基本的にクリーニング・噛み合わせのチェックなどを行います。

インプラントそのものがむし歯になる心配はありません。しかしインプラント周囲炎になったり、インプラントの周りの歯がむし歯になったりするリスクがあります。

インプラント周囲炎になると歯周病に似た症状が出ます。インプラントにした部分は細菌に対する抵抗力が弱いため、症状の進行が早いです。

神経がないため痛みなどの症状がないため、気づいたら重症化していたという場合もあります。

治療が終わった後も定期的なメンテナンスを受けましょう。歯科医院でのメンテナンスだけではなく、丁寧な歯磨きを心がけるなどのセルフケアも重要です。

メンテナンスを受けることで、歯科医師からセルフケアのアドバイスをしてもらうこともできます。正しいケアでインプラントを長持ちさせましょう。

違和感が少ない

インプラント装着後の違和感が気になる方もいるでしょう、インプラントはしっかり埋め込まれて固定されるので、噛み応えもこれまでとほとんど変わらないため違和感は少ないです。

ただしインプラントは歯根膜がないため、自分の歯とは咀嚼感・咬合力の感じ方が異なることがあります。上部構造は自分の歯のような見た目や舌触り・頬の感触などの感覚が感じられるでしょう。

見た目が美しい

違和感という意味では、見た目の違和感も少なく審美性に優れています。

歯科治療では機能性と共に審美性も非常に重視しますので、見た目が自然なインプラント治療は選ぶ価値がある治療法です。

インプラント治療の流れ

インプラント治療の流れ
インプラント治療の流れについてご紹介します。手術のポイントは大きく3つに分かれます。

  • 検査
  • 手術
  • メンテナンス

それぞれの詳しい流れを見ていきましょう。

検査

検査
インプラント治療を始める前に、まず行われるのが検査です。検査に入る前にカウンセリングが行われることもあります。

カウンセリングで、今の歯の状態と患者さんの悩みを聞き、検査や治療方法の提案をします。疑問点や持病などの心配な点がある場合は、しっかり聞いておきましょう。

歯の悩みは人により異なります。インプラントと直接関係ないことでも歯に関する悩みがあるのなら、伝えておくと良いでしょう。

手術

患者さんが治療計画に同意したら、手術を行います。

インプラントは3層構造に分かれているため、段階的に手術を行います。まず行われるのが、インプラント体の埋め込みです。

インプラント体を埋め込んだ後は骨と結合するのを待ちます。インプラント体がしっかり骨と結合していることが確認できたら、次は人工歯の支台となるインプラント部分(アバットメント)の固定を行います。

最後に上部構造をインプラントに被せて完了です。このようにインプラントの手術は段階に分けて行われます。

骨造成が必要になった場合は、さらに治療期間が伸びることもあります。

インプラントの治療については、予め治療期間についてもしっかり確認しておきましょう。ただし、インプラントの治療期間はあくまで目安になりますので、それより早く終わる・またはそれ以上かかる場合もあります。

今回は二回法の流れを紹介しましたが、インプラント治療には一回法もあります。一回法ではインプラントを埋め込む手術をするときにアバットメントを取り付けますので、手術は一回のみです。

そのため、二回法よりも手術期間が短いです。

メンテナンス

メンテナンス
インプラントの治療後は、メンテナンス期に移行します。

内容としては、定期的に歯科医師によって歯のクリーニング・噛み合わせチェック・歯石や歯垢の除去などをしてもらうというものです。

歯石や歯垢の除去は必要に応じて行われます。

まとめ

まとめ
今回は、インプラント費用が1本あたりでいくらになるのかを解説しました。インプラント1本あたりの費用は、前歯であっても奥歯であっても大差はありません。

インプラントを埋め込む本数によって費用は異なっていきます。

また上部構造(人工歯)の種類によっても費用が変わるため、事前によく調べておきましょう。

インプラント治療は保険適用外になるため、高額になる傾向があります。しかし、自分の歯と同等に使えるなど、さまざまなメリットがあります。

事前のカウンセリングでしっかり費用面治療期間などを確認しておくことも大切です。

参考文献

この記事の監修歯科医師
遠藤 眞次医師(グランメゾンデンタルクリニック)

遠藤 眞次医師(グランメゾンデンタルクリニック)

長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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遠藤 眞次医師(グランメゾンデンタルクリニック)

長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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