インプラント

インプラント治療の基本をわかりやすく解説します!

インプラント治療の基本をわかりやすく解説します!

インプラント治療は、失われた歯を補うための治療法の1つですが、どのような治療法なのでしょうか? 本記事ではインプラント治療の基本について、以下の点を中心にご紹介します。

  • インプラント治療のメリット
  • インプラント治療のデメリット
  • インプラント治療を受けられる人の条件

インプラント治療の基本について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

インプラントとは

インプラントとは

インプラントとは、人工の材料を体内に取り入れる医療技術の一つで、特に歯科分野で広く用いられています。歯を失った際、顎骨に生体親和性の高い材質であるチタンやチタン合金を含む人工歯根を埋め込み、そのうえにアバットメント(支台部)を介してセラミックやレジン製の人工歯(上部構造)を取り付けることで、天然の歯に近い機能と見た目を回復させます。 ただし、治療費が高額になることがありますが、外傷や病気による顎骨の損失がある場合には健康保険の適用が受けられることもあるため、歯科医師に相談することが大切です。

インプラント治療のメリット

インプラント治療のメリット

インプラント治療のメリットは多岐にわたります。以下で主なメリットについて解説します。

自然な見た目

インプラント治療のメリットの一つ目は、自然な見た目である点です。 インプラントに使用される人工歯は、セラミックやジルコニアといった高品質な材料から作られており、天然の歯に近い色調と質感を実現しています。このため、笑ったり話したりする際に人工的な印象が目立つことが少なく、外見的な違和感を感じることがありません。 また、歯と同様の方法でケアできるため、見た目だけでなく機能面でも優れています。これにより、インプラントは審美的な観点からも、機能的な観点からも優れた治療法として多くの方に選ばれています。

長持ちしやすい

インプラント治療のメリットの二つ目は、長持ちしやすい点です。 インプラントはチタンやチタン合金で製造されており、この材料は生体親和性が高く、顎の骨と強固に結合します。そのため、インプラントは強い咀嚼力にも耐えられ、適切なケアと定期的なメンテナンスによって、10年以上長持ちするとされています。このようにインプラントは、長期的な視点で見ても、コストパフォーマンスが高い治療法といえるでしょう。

周囲の健康な歯を守る

インプラント治療のメリットの三つ目は、周囲の歯を守る点です。 従来のブリッジや入れ歯では、支えとなる隣接する健康な歯を削る必要があり、これが結果的にその歯の寿命を短くする原因となります。しかし、インプラントは独立した人工歯根を直接顎骨に埋め込むため、周囲の歯に一切負担をかけることなく治療を行えます。このようにインプラントは周囲の歯を守りながら、機能性と美観を回復させる選択肢として推奨されています。

顎の骨が痩せるのを防ぐ

インプラント治療のメリットの四つ目は、顎の骨が痩せるのを防ぐ点です。 天然の歯を失うと、通常、咀嚼するときに生じる刺激が骨に伝わらなくなり、これが原因で顎の骨が徐々に痩せてしまうことがあります。しかし、インプラントを使用すると、人工歯根が直接顎骨に埋め込まれるため、食事をする際の力が直接骨に伝わります。 これにより、骨の吸収を抑制し、長期的に顎の骨を健康な状態に保つことが可能になります。インプラントはただ歯を補うだけでなく、顎の骨を守り、全体の口腔健康を支える治療法としてもおすすめです。

インプラント治療のデメリット

インプラント治療のデメリット

インプラント治療には、メリットだけではなくデメリットも存在します。以下で詳しく見ていきましょう。

保険適用されないため高額

インプラント治療のデメリットの一つ目は、保険適用されないため高額になる点です。インプラントは、公的医療保険の適用外となるため、治療費が高額になる恐れがあります。 しかし、インプラントにかかる費用は医療費控除の対象となることもあります。医療費控除は、年間で10万円以上の医療費を支払った場合、その費用の一部が税金から還付される制度です。 この制度を利用することで、治療に伴う経済的負担を軽減することが可能です。 このように、インプラント治療は費用が高いものの、適切な計画と税制上のサポートを利用することで、治療が受けやすくなる可能性があります。経済的な負担を検討し、十分なカウンセリングを受けてから治療を開始することが重要です。

治療期間が長い

インプラント治療の大きなデメリットの二つ目は、治療期間の長い点です。インプラント以外のブリッジや入れ歯などの治療法では、型取りから完成まで数週間程度と短期間で完了します。 ただし、インプラント治療では、インプラントを顎骨に埋め込んだ後、骨との結合を促進するオッセオインテグレーションと呼ばれる過程が必要で、この段階だけで約3〜6ヵ月を要します。 さらに、骨の量が不足している場合は骨増大手術が必要になり、それにより治療期間が延長されることもあります。結果として、最終的な人工歯を装着するまでに1年近くかかることも少なくありません。 このため、治療を開始する前に、その期間について十分に理解し、日常生活や仕事への影響を考慮して準備を進めることが重要です。

麻酔を使用しての手術が必要

インプラント治療の大きなデメリットの三つ目は、麻酔を使用しての手術が必要になる点です。 インプラント治療には、顎の骨に人工歯根を埋め込む外科手術が必要となり、局所麻酔を用いて行われるため、手術中に痛みを感じることはありませんが、麻酔が切れた後には痛みや腫れ、場合によっては内出血が生じる可能性があります。 また、誤って血管を傷つけることによる出血や、神経損傷による感覚麻痺が起こる可能性があるためリスクも伴います。 そのため、手術前には詳細な診査と診断が必要となり、患者さんは歯科医師からの十分な説明を受けて理解することが重要です。

インプラント治療を受けられる人の条件

インプラント治療を受けられる人の条件

インプラント治療は事故、歯周病、むし歯などで歯を失った方や先天的に歯がない方に対しておすすめな治療法ですが、治療を受けられるかどうかは条件によって異なります。以下でそれぞれの条件について詳しく説明します。

一般的な適用条件

インプラントは、事故や歯周病、むし歯などで歯を失った方、または先天的に歯がない方が受けられます。この治療は1本の歯だけでなく、全ての歯を失った場合にも適用可能です。しかし、手術を伴うため、全身の健康状態や、インプラントを埋め入れる予定の顎の骨の質が十分でないと、治療を受けることが難しい場合があります。

全身疾患を持つ方の場合

インプラント治療は全身疾患を持つ方は注意が必要になります。心疾患、糖尿病、骨粗しょう症など、症状が重いまたは状態が不安定な疾患を持つ方は、合併症のリスクが高まり、糖尿病患者さんは特に手術後の感染リスクや骨結合の問題が生じる可能性があります。 また、骨粗しょう症の場合、骨の質によってはインプラントの成功率が低下する恐れがありますが、適切な手法と材料の選択により対処できます。

金属アレルギーを持つ方の場合

インプラント治療で使用される主な材料はチタンで、金属アレルギーのリスクが低いとされていますが、まれにアレルギー反応を示すケースもあります。 特にほかの金属にアレルギーがある方は、事前に血液検査を行うことが推奨されます。

喫煙している方の場合

喫煙はインプラント治療のリスク要因として知られています。喫煙による血流の低下は傷の治癒を遅らせ、骨の形成を妨げる可能性があります。 喫煙している片は喫煙していない方よりインプラントの失敗率が高く、治療後の経過にも悪影響を及ぼすことが示されています。 これらの条件を踏まえ、インプラント治療を検討する際には、事前のカウンセリングを受けることが重要です。適切な準備と対策により、安全性の高い治療を受けられます。

インプラント治療の流れ

インプラント治療の流れ

ここまでインプラントについて解説してきましたが、ここではインプラント治療の流れについて解説します。

検査・ガイド作成

インプラント治療を始める前には、慎重な検査と計画が必要です。初診では、患者さんの口腔内状況及び全身の健康状態を詳細に調べ、インプラント治療のプロセスについての十分な説明が行われます。術前にはCTスキャン(コンピューター断層撮影)、血液検査、心電図などの臨床検査が実施され、特に歯周病の有無も検査されます。これらの検査は、安全性の高い治療を受けるために不可欠です。 CTスキャンは特に重要で、顎骨の厚みや密度、神経の位置など、インプラントの正確な位置決めに必要な詳細な情報を提供します。このCTデータを基にして、インプラントを顎骨に正確に埋め込むためのサージカルガイドが作成されます。 これらの検査結果を踏まえ、歯科医師とともに具体的な治療計画を立て、治療期間、手術日程、費用などについての説明を受けます。

手術法①1回法

インプラント治療の手術法には、「1回法」と呼ばれる方法があります。この手法では、歯茎を切開し、顎骨に予め計画した位置に穴を開ける工程が含まれます。この穴には、インプラント体(人工の歯根)が埋め込まれています。 1回法の手術には、主に二つのタイプのインプラントが使用されます。一つ目は「ワンピースインプラント」と呼ばれるもので、このタイプではインプラント体とアバットメント(インプラントと人工歯を連結する部分)が一体化されています。このため、手術中にインプラント体とアバットメントを同時に埋め込むことが可能で、手術のステップが減少し、全体の手術時間も短縮されます。 二つ目は「ツーピースインプラント」と呼ばれるタイプで、インプラント体を先に埋め込み、その後にアバットメントを取り付ける方法です。ツーピースの場合、手術後にインプラント体とアバットメントを分けて取り付けることで、より精密な位置調整が可能になります。 どちらのタイプも、インプラント治療の安全性を高めるために精密な計画に基づいて行われます。

手術法②2回法

インプラント治療の「2回法」は、骨結合を促進し安定した結果を得るために広く採用されている手法です。この方法は、手術を2段階に分けて行います。

第一次手術

最初に、局所麻酔下で患者さんの歯茎を切開し、ドリルを使用して顎骨にインプラント体を埋め込むための穴を開けます。適切な位置と深さに穴を開けた後、インプラント体を挿入し、その上に保護カバーを設置します。 このカバーは、治癒期間中にインプラント周辺の組織が適切に形成されるのを助ける役割を果たします。手術が終了したら、切開した歯茎を縫合して第一次手術は完了です。この段階で、骨とインプラント体のオッセオインテグレーション(骨結合)が進むのを待ちます。

第二次手術

第一次手術から約2ヵ月後に第二次手術が行われます。このとき、インプラント体が顎骨にしっかりと結合していることを確認したうえで、歯茎を再び切開し、先に設置した保護カバーを取り外します。 次に、アバットメント(インプラントと人工歯を繋ぐ部分)をインプラント体に接続します。アバットメントの取り付けが完了したら、再び歯茎を縫合し、手術は終了となります。その後、最終的な人工歯(クラウン)の製作と取り付けが行われます。 この2回法は、骨の状態が完全でない場合や、より骨結合を期待する際に選ばれる方法であり、手術後の成功率を高めるために重要な選択肢となります。

メンテナンス

インプラント治療が完了した後、インプラントの寿命を伸ばすためには、定期的なメンテナンスが重要です。 具体的なメンテナンスでは、手術後の初期段階である1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、そして1年目に定期的な診察を推奨しています。この診察では、歯科衛生士による専門的なクリーニングが行われ、インプラントの周囲の清掃や検査が実施されます。 診察では、嚙み合わせの調整やエックス線撮影を通じてインプラント周囲の骨の状態を確認し、必要に応じて追加の治療を行うこともあります。 1年経過後は、問題がなければ年に1回の定期検診で十分な場合が少なくないですが、患者さんの口腔状況や全身の健康状態によっては、より頻繁な検診が必要になることもあります。 このように、インプラント治療後にも治療を受けたクリニックで定期的なメンテナンスを受けることが大切です。

インプラント治療の費用目安

インプラント治療の費用目安

インプラント治療の費用は、自費診療で行われます。費用はクリニックによって大きく異なるため、複数の歯科医院で検討し、透明性のある説明を提供する医院を選ぶことが賢明です。 また、安さだけで選ぶと後で予想外の追加費用が発生することもありますので、事前の詳細な確認が必須です。

まとめ

まとめ

ここまでインプラント治療の基本についてお伝えしてきました。インプラント治療の基本の要点をまとめると以下の通りです。

  • インプラント治療は自然な見た目を提供し、長持ちしやすく、周囲の健康な歯を守り、顎の骨が痩せるのを防ぐなどのメリットがある
  • インプラント治療は保険適用外で高額で、治療期間が長く、外科手術が必要でリスクも伴う可能性があるため、適切な準備と理解が必要
  • インプラント治療は、歯を失った方や先天的に歯がない方に適していますが、全身の健康状態や顎の骨の質、全身疾患、金属アレルギー、喫煙など、さまざまな条件が影響するため、事前のカウンセリングが重要

インプラント治療は、歯を失った方に自然な見た目と機能を提供しますが、高額で治療期間が長いというデメリットもあるため、事前の詳細なカウンセリングが重要です。 本記事を読んで少しでもインプラントについて理解していただけたら嬉しく思います。 お読みいただきありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

国立大学法人 鹿児島大学歯学部卒業 / 神戸大学歯科口腔外科 勤務 / 某一般歯科 7年勤務 / 国立大学法人 山口大学医学部医学科卒業 / 名古屋徳洲会総合病院  呼吸器外科勤務 / 専門は呼吸器外科、栄養サポートチーム担当NST医師

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