インプラント

インプラントにはどんな種類がある?治療にかかる時間やほかの治療方法との違いまで解説

インプラントにはどんな種類がある?治療にかかる時間やほかの治療方法との違いまで解説

インプラントは、歯を失った場合の治療として、天然の歯に近い使用感、審美性に優れているなどの理由によって、近年人気の治療法となっています。この記事では、インプラントについての基礎知識、インプラントの治療にはどのような種類があるのか、治療法によってのメリットやデメリット、治療にかかる時間やほかの治療方法との違いなど、インプラント治療においての気になる点について、わかりやすく解説していきます。

インプラントについて

インプラントについて 近年よく耳にするインプラントですが、どのようなものなのでしょうか? インプラントについての基礎的な質問にお答えしていきます。

インプラントとは何ですか?
インプラントとは、心臓のペースメーカーや人工関節なども当てはまる、人工の部品や材料を体内に埋め込むことを言います。なお、歯科では、主に歯を失った場合にインプラント治療を行います。顎の骨に人工歯根を埋め込み、それを土台として、人工歯を取り付ける方法です。
インプラントの構造や仕組みについて教えてください
インプラントは、インプラント体(人工歯根)、上部構造(人工歯)、アバットメント(人工歯根と人工歯を連結させる土台のような部品)で成り立ちます。 顎の骨にインプラント体を埋め込み、アバットメントを用いて上部構造を連結し、失った歯の代わりとして使用できるという仕組みです。
インプラントの種類について教えてください
インプラントの種類は日本国内において20種類以上販売されていると言われており、用途によって、ワンピースタイプとツーピースタイプという2種類に分けられます。 ワンピースタイプは、アバットメントとインプラント体が一体化しているものを言います。インプラント体と顎の骨が結合した後、上部構造を被せて治療完了となります。ワンピースタイプのメリットとしては、一体化しているため治療回数を減らせること、強度に優れていることがあげられます。

デメリットとしては、顎の骨がしっかりしている人でないとワンピースタイプを選べないこと、アバットメントにトラブルがあった場合、インプラント体をすべて撤去しなければならないことがあげられます。 ツーピースタイプは、インプラント体、アバットメント、上部構造という一般的な構造のインプラントです。ツーピースタイプのメリットとしては、顎の骨が多少しっかりしていなくても治療ができること、もしもアバットメントが折れてもインプラントと接合部分のダメージを避けられることがあげられます。

デメリットとしては、部品が多くなるぶん治療費が高いこと、上部構造を被せるまでの行程によって、治療時間が長いことがあげられます。 治療方法や状況によって使用するインプラントの種類が変わりますので、歯科医師に確認してみましょう。

インプラントの手術方法の種類について教えてください
インプラントの手術方法には主に即時荷重法(そくじかじゅうほう)、ザイゴマインプラント、All-on-4(オールオンフォー)という種類があります。 即時荷重法は、その名の通り、インプラント体を埋め込んだ後すぐに、仮歯をつける手術です。一般的なインプラント治療では、インプラントと顎の骨が結合するまでに約3ヶ月〜半年かかりますが、即時荷重法であれば、治療を受けたその日からものを噛むことができます。

ザイゴマインプラントは、顎の骨ではなく頬の骨(ザイゴマ)に人工歯を埋め込む手術方法であり、多数の歯を失った場合に採用されることが多くなっています。All-on-4は、歯をすべて失った人に施される治療で、その名の通り、人工歯全部を4本のインプラント体で支えます。歯を失っている状態や、骨の状態などによって手術方法は異なるため、あらかじめ歯科医師に相談し、最適な手術方法を選ぶようにしましょう。

1回法と2回法について

インプラントの手術には、1回法と2回法があります。1回法は1度の手術、2回法は2度の手術でインプラント手術を行います。それぞれのメリットとデメリットについての質問にお答えしていきます。

1回法のメリットについて教えてください
1回法のメリットとしては、1度の手術で済むため体への負担や通院回数が少なく、治療期間が比較的短いこと、単純な構造であるため、2回法より治療費が安いことがあげられます。
1回法のデメリットについて教えてください
1回法のデメリットとしては、顎の骨や歯茎がしっかりしていない場合、1回法の手術が受けられない可能性があること、骨移植や顎の骨を再生させるための手術が必要な場合、細菌に感染するリスクが上昇してしまうことがあげられます。
2回法のメリットについて教えてください
2回法のメリットとしては、顎の骨や歯茎に不安がある人でも手術ができること、歯茎を閉じた状態でインプラントの定着を待つため、細菌に感染するリスクを低下できることがあげられます。
2回法のデメリットについて教えてください
2回法のデメリットとしては、2回手術をするため体の負担が大きくなること、通院回数が増え治療期間も長くなることから、1回法よりも治療費が高額になることがあげられます。

インプラントの治療の流れや時間

インプラントの治療の流れや時間 インプラントの治療は、どのような流れで行われ、どのくらいの時間がかかるのでしょうか? 治療の流れや時間、治療完了までの期間についての質問にお答えしていきます。

インプラントの治療の流れについて教えてください
インプラント治療の流れについて、順を追って説明します。まずは麻酔をしてから歯茎を切開します。次にドリルで顎の骨にインプラント体を埋め込む穴をあけます。その後、インプラント体を顎の骨に埋め込み、土台であるアバットメントを取り付け、切開した歯茎を縫い合わせるのです。1回法ではインプラント体を露出させたまま、2回法ではインプラント体を露出させずに縫い合わせます。アバットメントには仮歯を装着し、顎の骨とインプラント体が結合するのを待ちます。 顎の骨とインプラント体が結合したことを確認できたら、仮歯を取り除き、上部構造(人工歯)を被せて治療完了です。
インプラントの手術時間はどれくらいかかりますか?
インプラントの手術の所要時間は、治療を受ける歯科医院や症状によって異なりますが、おおむね1本あたり30分だと言われています。 1回の手術でインプラントにする歯の本数が多い場合、手術時間も長くなる可能性が高く、治療を行う歯が1本増加するたびに手術時間は延びます。また、インプラント体を埋め込む手術の前に、骨造成などほかの処置を必要とする場合は、さらに約1時間の手術時間を見ておいたほうが良いでしょう。以上の時間はあくまでも目安であり、個人差がありますので、手術当日は時間に余裕を持っておくことが大切です。
インプラントの治療全体が完了するまでにかかる時間について教えてください
インプラントの治療全体が完了するまでには、一般的に約3ヶ月〜半年の期間が必要になるとされています。なぜ長期間かかるのかと言うと、手術そのものは短時間で終わりますが、インプラント体と顎の骨とがしっかり結合されるまで待つ期間が長くなっているためです。なお、このインプラント体と顎の骨との結合期間は、治療方法やインプラントの本数、もともとの顎の骨や歯茎の状態などによって異なります。治療前に、歯科医師に確認しておくと安心でしょう。

編集部まとめ

編集部まとめ いかがでしたでしょうか。インプラントはさまざまな種類や手術方法があり、手術を受ける歯科医院や手術を受ける人の健康状態などによって、治療方法や治療時間が異なります。それぞれの手術方法のメリットやデメリットを知った上で、インプラント治療を考えている人は、まず歯科医院でカウンセリングを受け、自分にはどの種類のインプラントが合い、どのような治療方法が最適なのかを相談してみると良いでしょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
遠藤 眞次医師(グランメゾンデンタルクリニック)

遠藤 眞次医師(グランメゾンデンタルクリニック)

長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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