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金属床義歯の特徴やメリットとは?プラスチック入れ歯との違いや値段も解説!

金属床義歯の特徴やメリットとは?プラスチック入れ歯との違いや値段も解説!

ひと言で入れ歯といっても、使用する素材や設計によって、いろいろな種類に分かれます。その中でも比較的人気が高いのが「金属床義歯(きんぞくしょうぎし)」です。最も標準的なプラスチック入れ歯とは異なる面が多いため、その違いについて知りたいという人も多いことでしょう。ここではそんな金属床義歯の特徴やメリットやデメリット、プラスチック入れ歯との違いなどを詳しく解説します。

金属床義歯の特徴やメリットについて

金属床義歯の特徴やメリットについて

金属床義歯とは何ですか?
金属床義歯とは、床の部分が金属で作られた入れ歯です。床とは、歯茎や口腔粘膜と接する部分を指す言葉で、保険診療の標準的な入れ歯では、歯科用プラスチックが使われています。そこにあえて金属を使うことで、さまざまなメリットが得られるのです。
金属床義歯のメリットとデメリットを教えてください。
金属床義歯には、次に挙げるようなメリットとデメリットを伴います。【メリット】
・丈夫で壊れにくい
金属床義歯は、入れ歯の本体である床の部分にチタンやコバルトクロムといった金属を使うことから、丈夫で壊れにくいです。地面に落としたり、ぶつけたりしても、割れることはまずありません。

・入れ歯を薄く作ることができる
入れ歯の装着感を良好にする上で、床を薄くすることはとても重要です。床の材料に丈夫で壊れにくい金属を使用すれば、薄く作ることができます。

・清潔に保ちやすい
金属はプラスティックに比べて汚れや細菌がつきにくいため、入れ歯の洗浄を比較的簡単に行うことができます。

・食べ物の温度を感じやすい
食事の美味しさを決めるのは、食べ物の種類や調理の仕方だけではありません。それぞれの食品が持つ特有の冷たさや熱さも調味料のひとつと考えても間違いではないでしょう。義歯床を金属で作れば、食べ物の温度を感じやすくなるため、食事の満足度も高まります。

【デメリット】
・金属アレルギーのリスクを伴う
金属床義歯では、コバルトクロム合金やチタン合金など、さまざまな種類の金属を組み合わせた材料を使います。その中にひとつでもアレルゲンと金属が含まれている場合は、金属アレルギーを発症する可能性がでてきます。ですから、金属アレルギーの心配がある人は、事前に皮膚科でパッチテストなどの検査を受けておくとよいでしょう。

・装置がやや目立ちやすい
金属床義歯は、目立ちにくいような設計で金属を使用するため、見た目が極端に悪くなるということはありません。けれども、ピンク色をしたプラスチックの入れ歯よりは目立ちやすいといえるでしょう。

・保険が適用されない
勘違いしている人も多いのですが、金属床義歯は保険診療で作ることはできません。銀歯は保険診療の代名詞のような装置となっているため、金属床義歯も保険が適用されそうなものですが、実際は自費診療となります。そもそも金属床義歯では高価な材料を使用するだけでなく、製作や設計に高度なスキルが求められることから、原則として自費診療となってしまうのです。

金属床義歯にはどんな種類がありますか?
金属床義歯の種類としては、主にチタン義歯とコバルトクロム義歯の2つが挙げられます。金属床義歯に対応している歯科医院の多くは、この2つの選択肢を用意していることでしょう。
チタンとコバルトクロムの違いを教えてください。
チタンとコバルトクロムは、一見すると同じ金属に見えるかもしれませんが、次のような違いがあります。・チタン
チタンは、生体親和性の高い金属です。失った歯を歯根から回復できるインプラントで使用されていることは皆さんも知っていることでしょう。身体の中に埋め込んでも、アレルギー反応などはほとんど起こりません。医科の分野では古くから、ペースメーカーや人工関節の素材としても活用されています。しかもチタンは軽くて丈夫なので、金属床義歯を軽量化する際に重宝されています。チタンは汚れもつきにくく、衛生状態を良好に保ちやすいというメリットもあります。ただし、コバルトクロム義歯と比較すると、チタン義歯の方がやや高くなるため、経済面においては劣っているといえます。

・コバルトクロム
コバルトクロムは、文字通り金属のコバルトとクロムを主成分とする合金です。強度が極めて高く、強い衝撃が加わっても壊れることはありません。入れ歯を作る費用は、チタンよりも少し安くなります。その一方で、チタンと比較した場合は、金属アレルギーのリスクが高い、重たい、といったデメリットが目立ちます。

金属床とプラスチックの入れ歯の違いについて

金属床とプラスチックの入れ歯の違いについて

プラスチックの入れ歯の特徴を教えてください。
歯科用プラスチックであるレジンで作られた入れ歯です。保険診療の入れ歯は、基本的にプラスチックが使われます。義歯床の部分は、ピンク色のプラスチックを使うことで、審美性を向上させています。
プラスチックの入れ歯のメリットとデメリットを教えてください。
プラスチックの入れ歯には、次に挙げるようなメリットとデメリットを伴います。【メリット】
・保険が適用される
プラスチックの入れ歯には保険が適用されるため、治療にかかる費用を安く抑えられます。3割負担で5000〜15000円程度で作ることが可能です。

・壊れた時の修理がしやすい
レジンで作られた入れ歯は、義歯床にヒビが入ったり、人工歯が摩耗したりしても、比較的容易に修理ができます。歯科用プラスチックは、盛り足すなどの操作がしやすいからです。口に合わなくなった時の調整もしやすいです。

・治療期間が比較的短い
プラスチックの入れ歯は、特殊な製法などを選択することがないため、治療期間が長くなることはほとんどありません。

・入れ歯が軽い
プラスチックは言うまでもなく軽いです。保険の入れ歯は人工歯と義歯床の両方がプラスチックなので、自ずと軽くなります。

【デメリット】
・壊れやすい
プラスチックは、強い力がかかると簡単に壊れてしまいます。

・経年的な劣化が起こりやすい
レジン床義歯は、使用していく中でプラスチックが劣化していきます。具体的には、レジンの変色や摩耗が進んでいきます。

・汚れがつきやすい
プラスチックは表面がザラザラになると、汚れがつきやすくなります。その結果、口臭や口内炎のリスクが高まります。

・入れ歯が厚い
プラスチックは壊れやすいことから、床の部分を厚めに作らなければなりません。そのことによって装着時の違和感・異物感が大きくなります。

・食べ物の熱を感じにくい
プラスチックは熱伝導率が低く、食事の温度を感じにくいです。

金属床とプラスチックの入れ歯の違いを教えてください。
金属床は、丈夫で壊れにくく、薄く作ることができます。熱伝導率が高いため、食事のプラスチックの入れ歯よりおいしく食べられることでしょう。その一方で、プラスチックの入れ歯よりも高い、修理がしにくい、治療期間が長くなりやすいといった特徴が見られます。

金属床義歯の値段について

金属床義歯の価格相場を教えてください。
チタンを使った総入れ歯は、50万〜70万円程度で作ることができます。コバルトクロムを使った総入れ歯は、40万〜60万円程度が全国的な相場となっています。
金属床義歯の費用を抑える方法はありますか?
金属床義歯は、プラスチックの入れ歯よりも費用が高くなるため、デンタルローンと医療費控除を活用する人が多いです。デンタルローンは、歯科治療に特化した立替払いサービスで、金属床義歯の治療費を最大80回程度まで分割にできます。金利もフリーローンより低いことから、利用もしやすいでしょう。医療費控除は、年間に支払った医療費が10万円を超えた場合に受けられる公的な制度で、金属床義歯の治療費が対象になります。確定申告の際に申請することで、数万円の控除が受けられることも珍しくありません。

編集部まとめ

今回は、金属床義歯の特徴やメリット、プラスチックの入れ歯との違いなどを解説しました。金属床義歯にはプラスチックの入れ歯にはないメリットがたくさんあることから、治療を検討している人も多いことでしょう。金額の面で不安がある場合は、デンタルローンや医療費控除を利用してみてください。

参考文献

この記事の監修歯科医師
坪光 玄義医師(地挽歯科医院)

坪光 玄義医師(地挽歯科医院)

鶴見大学歯学部 卒業 / 平成24年歯科医師免許証 取得 / 現在は地挽歯科医院、蕨にしき町歯科・口腔外科(いずれも非常勤)

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坪光 玄義医師(地挽歯科医院)

鶴見大学歯学部 卒業 / 平成24年歯科医師免許証 取得 / 現在は地挽歯科医院、蕨にしき町歯科・口腔外科(いずれも非常勤)

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