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インプラント治療の2次オペとは?手術の種類・流れを解説

インプラント治療の2次オペとは?手術の種類・流れを解説

インプラント治療では2次オペの際にどのような手術を行うのでしょうか。2次オペ自体がわからないという方もいるでしょう。

本記事ではインプラント治療における2次オペについて、手術の種類や流れと併せてメリットやデメリットまで解説します。

インプラント治療を検討している方や2次オペについて知りたい方は最後までお付き合いいただけますと幸いです。

インプラント手術の種類

説明

インプラント治療には1回法と2回法の2つの術式があります。両者の違いは歯茎の切開手術を何回行うかです。1回法は1回、2回法は2回です。

まずは、1回法と2回法の手術の内容を解説しましょう。

1回法

先述したとおり、1回法は歯茎の切開手術を1回だけ行う手術です。歯茎を切開しインプラント体を埋入したら、顎の骨とインプラント体が結合するのを待ちます。

インプラントにはワンピースタイプとツーピースタイプの2種類があります。ワンピースタイプはアバットメントが一体型になっているタイプで、ツーピースはアバットメントが別になっているタイプです。

ツーピースタイプの場合はインプラント体を埋め込んだ後、アバットメントを装着します。

切開手術が1回だけなので心身への負担が少なく、費用を抑えられるのが1回法のメリットです。しかし、十分な骨の量がないと1回法の手術は受けられません。

2回法

2回法の手術の流れについては後程詳しく解説しますので、ここでは簡単に説明します。2回法では歯茎を切開しインプラント体を埋入したら、歯茎を縫合しインプラント体と顎の骨が結合するのを待ちます。

インプラント体と顎の骨が結合したら次に行うのは、アバットメントの装着です。再び歯茎を切開し、アバットメントを装着していきます。

インプラント治療の2次オペとは?

医療従事者

インプラント治療の2次オペは、2回法における2回目の手術のことです。

インプラントはインプラント体(人工歯根)・アバットメント(連結部品)・上部構造(人工歯)の3つの部品で構成されています。

1次オペで行うのはインプラント体の埋入です。インプラント体を埋入した後は歯茎を縫合し、傷口が塞がるまでは定期的に消毒をしながら経過観察をします。

インプラント体と顎の骨が結合したら、アバットメントの装着を行います。これが2次オペです。インプラント体と顎の骨が結合するまでの期間は、3~6ヵ月程です。

インプラント手術(2回法)の流れ

歯科に必要な器具

一例として、インプラント手術(2回法)は次のような流れで行います。

  • お口の中のチェック
  • 歯周病やむし歯の治療
  • エックス線撮影・血液検査
  • 必要に応じて骨造成を行う
  • 1次オペ
  • 骨とインプラントの結合を待つ
  • 2次オペ
  • 仮歯を入れる・使い心地のチェック・調整
  • 人工歯を入れる

下記ではそれぞれの手順について詳しく解説していきますが、血液検査や仮歯を行わないことも少なくありません。必ずしもこのような流れのとおりにならない場合があります。

お口の中のチェック

術式に関わらず、インプラント治療を始める前にお口の中のチェックを行います。歯茎を切開したり顎の骨にドリルで穴を開けたりするので、リスクを回避するためにはお口の中のチェックが欠かせません。

お口の中は一人ひとり違うため、インプラントを長持ちさせるためにも口腔内のチェックは大事です。

残っている歯の本数や噛み合わせの状態、歯磨きはきちんとできているかなどをチェックします。このほかにも、むし歯や歯周病などの確認を行います。

歯周病やむし歯の治療

歯が痛い

歯周病やむし歯が見つかった場合は、歯周病やむし歯の治療を先に行うことがあります。歯周病の症状が重いとインプラントと骨が結合しない可能性があるためです。

このほかにも、インプラント周囲炎のリスクを抑える目的もあります。

インプラントは人工物のため、歯周病やむし歯にはなりません。しかし、インプラント周囲炎と呼ばれる歯周病と似た炎症を引き起こす可能性があるのです。

インプラント周囲炎の原因はお口の中のケア不足が挙げられますが、歯周病が原因で起こることもあります。

インプラント治療と並行して行える場合は、インプラント治療をしながら歯周病やむし歯の治療を行います。

エックス線撮影・血液検査

インプラントを埋入する位置や、インプラントを埋め込む部分の骨の量に不足していないかを確認するために、エックス線撮影を行います。

エックス線を使った検査には以前からある平面のパノラマ撮影やデンタル撮影のほか、CT検査があります。

CT検査は立体的にお口全体を確認できるため、神経や血管の損傷や貫通などのリスクを軽減することが可能です。そのため、インプラント治療をするときは、CT検査を行うことが少なくありません。

インプラント治療におけるトラブルを防ぐためには血液検査も欠かせない検査の1つです。外科手術を伴うため、お口の中だけではなく、全身の健康状態も確認しておく必要があります。

血が止まりにくい方や、全身疾患などがあり外科手術は厳しいと判断された場合はインプラント治療ができません。

このほかにも、血圧検査や尿検査、アレルギー検査などが行われることもあるでしょう。

必要に応じて骨造成を行う

骨の量が不足している場合はそのままではインプラント治療ができません。そこで行うのが、骨造成です。

骨造成の方法はさまざまあり、下顎から骨を移植したり人工の材料を使って骨を作ったりします。どのように骨造成を行うかは不足している骨の量や、骨造成を行う位置で変わります。

骨造成は専門性の高い治療で、歯科医師なら誰もができるわけではありません。そのため、骨造成に対応していない歯科医院では、骨の厚みが不足している場合は治療を断られることもあります。

治療方法や患者さんの骨の状態などによって治療期間は異なりますが、移植した骨が定着するまで4~6ヵ月かかります。

骨造成はインプランの治療費に含まれていないため、プラスで200,000~400,000円(税込)程、費用がかかるでしょう。

インプラント治療にかかる費用は、1本あたり300,000~500,000円(税込)程です。骨造成が必要な場合、トータルで1,000,000円近くかかることになります。

1次オペ

マスクをしている歯科医師

お口の中のチェックや検査などが終わり、問題ないと判断されたら1次オペを行います。先述したように、1次オペはインプラントを埋入する手術です。

インプラントを埋入する部分に麻酔をし、歯茎を切開します。次にドリルで骨に穴を開け、インプラントを埋入します。

インプラントの頭を覆うように縫合して、1次オペは終了です。

骨とインプラントの結合を待つ

1次オペが終わったら、顎の骨とインプラントが結合するのを待ちます。

傷口を舌や指で触ると感染症を引き起こしたり治りが悪くなったりするので、舌や指でいじらないように注意しましょう。

結合するまでの期間は3~6ヵ月程ですが、下顎の方が結合するまでの期間が短いです。上顎の骨はやわらかく、下顎の骨は硬いためです。

2次オペ

顎の骨とインプラントが結合したら、2次オペを行います。再び歯茎を切開し、埋め込んだインプラント体にアバットメントを装着します。

アバットメントに人工歯を取り付けてインプラント治療は完了ですが、2次オペが終わったからといってすぐに歯を入れられるわけではありません。切開した歯茎が治るのを待つ必要があります。

約2~3週間、様子を見ます。

仮歯を入れる・使い心地のチェック・調整

人工歯を入れる前にまず、仮歯を作成します。お口の型取りをし、噛み合わせなどを確認します。

仮歯を入れたら次は噛み心地や歯の磨きやすさなどの使い心地のチェックです。不具合がある場合は都度、調整を行います。

人工歯を入れる

仮歯のチェックが終わったら、いよいよ最終段階です。仮歯のときと同じように型取りや噛み合わせを確認し、人工歯を作ります。

このとき、人工歯の色味もチェックし、自然な見た目になるようにします。これでインプラント治療は完了です。

しかし、インプラントを長持ちさせるためには定期的なメンテナンスが欠かせません。お口の中のチェックや、取りきれない汚れを落としてもらうために定期的に治療を受けた歯科医院に通院するようにしましょう。

2次オペのメリット

入れ歯

2次オペを行う2回法のメリットは主に次の2つです。

  • 細菌感染のリスクが低い
  • あらゆるケースに対応できる

1回法はアバットメント装着まで進めるため、術後の傷口はそのままの状態です。そのため、細菌感染のリスクがあります。

一方、2回法では傷口を塞ぎ顎の骨とインプラント体が結合するのを待つため、細菌感染のリスクが低いです。

歯周病のある方や免疫力が低い方は感染を防ぐために、2回法を選択することがあります。手術を2回にわけることで、さまざまな症例に対応できるのも2回法のメリットです。

骨の量が少ない方や全身疾患により顎の骨とインプラント体の結合に時間がかかりそうな方でも、2回法ならインプラント治療を受けられる可能性があります。

このほかにも仕上がりの美しさやインプラントへの負担を軽減できる点もメリットです。インプラント治療のメリットの1つに審美性が優れていることが挙げられます。

特に審美性が求められる前歯においては、仮歯を入れて歯茎の形態を整えたり、最終的な被せ物の形と同等にしておくことがあります。

そのため、1回法や2回法において、顎の骨とインプラント体が結合してから仮歯を入れシミュレーションを行うことがあります。自然な仕上がりになるように2次オペで歯茎の形を整えられるので、より美しい仕上がりを期待できるでしょう。

1回法はインプラントの頭が出ている状態なので、インプラント体に余計な力がかかることがあります。しかし2回法は完全に歯茎の中に埋め込むため、その心配がありません。

このように、2次オペを行う2回法にはさまざまなメリットがあります。

2次オペのデメリット

聞き取り

続いて2次オペのデメリットを見ていきましょう。さまざまなメリットがある2回法ですが、2次オペによるデメリットもあります。

2次オペのデメリットは主に次の2つです。

  • 治療期間が長くなる
  • 手術が2度必要になり身体への負担が増える

それぞれのデメリットについて、解説していきます。

治療期間が長くなる

歯を触る

手術を2回行うため、1回法よりも治療期間が長くなります。傷口が回復するのを待つ必要があるためです。

インプラント治療が終わらないと歯の機能や見た目は回復できないため、ほかの歯や歯茎に負担をかける可能性もあります。

骨造成を行った場合はさらに治療期間が長くなるでしょう。

手術が2度必要になり身体への負担が増える

手術が2回必要になるため、患者さんの身体への負担が増えます。手術は局所麻酔で行うので、術中の痛みはあまりないでしょう。

しかしそれでも歯茎を切開するので、患者さんに負担はかかります。術後の痛みなども2度経験するため身体だけではなく、精神面でも負担がかかるでしょう。

手術に対する恐怖が強い方や痛みに敏感な方にとっては心身にかかる負担が少なくありません。

2回法によるデメリットはほかにもあり、治療費が高額になることも挙げられます。費用は歯科医院によって異なりますが、手術や治療に関する費用が上乗せされ、負担する費用が大きくなります。

インプラント手術後の腫れ・痛みの対処法は?

パソコンを持つ医師

インプラント手術後に腫れや痛みが出た場合はどのように対処すればよいのでしょうか。

手術後に腫れや痛みが出てくると、手術に失敗したのではと考える方もいます。しかし、腫れや痛みが出るのは身体の免疫反応や防御反応によるものです。

患部を再生するための機能なので、2~3日程でおさまります。骨造成を行った場合やインプラントの埋入本数が多い場合はさらに数日かかります。

痛み止めや抗生物質が処方されるので、歯科医師の指示のもと、服用しましょう。

抗生物質は飲み切ることにより効果を発揮するので腫れや痛みが落ち着いたからと自己判断で服用を中止しないようにしてください。再び痛みや腫れがでてくる可能性があります。

正しく薬を服用しているのに腫れや痛みが落ち着かない、痛みや腫れが長引く場合は薬が合っていなかったりトラブルが起きていたりする可能性があります。

速やかに歯科医師に相談しましょう。

まとめ

歯ブラシ

ここまで、インプラント治療の2次オペについて解説してきました。インプラント治療は1回法と2回法があり、2次オペは2回法で行われる2回目の手術のことです。

2次オペでも歯茎の切開は行われますが、1次オペよりは切開する範囲が大きくないのでそこまで大がかりな手術にはなりません。

しかし、手術を2回するため心身の負担や費用面での負担は大きくなります。ですが、感染のリスクが低く、さまざまな症例に対処できるというメリットがあります。

どの術式で行うかを患者さん自身で決めることはできませんが、2次オペとはどのような手術なのかを把握しておくと、インプラント治療を受ける際の不安を軽減できるでしょう。

本記事がこれからインプラント治療を受ける方や、インプラント治療を検討されている方の参考になれば幸いです。

参考文献

この記事の監修歯科医師
坪光 玄義医師(地挽歯科医院)

坪光 玄義医師(地挽歯科医院)

鶴見大学歯学部 卒業 / 平成24年歯科医師免許証 取得 / 現在は地挽歯科医院、蕨にしき町歯科・口腔外科(いずれも非常勤)

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鶴見大学歯学部 卒業 / 平成24年歯科医師免許証 取得 / 現在は地挽歯科医院、蕨にしき町歯科・口腔外科(いずれも非常勤)

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