インプラント

インプラント治療で副鼻腔炎になるリスクがある?インプラントと副鼻腔炎の関係について

インプラント 副鼻腔炎

インプラントの治療後、鼻詰まりや頭痛、蓄膿の不快感、頭痛など、副鼻腔炎を発症する方もいらっしゃるようです。 本記事ではインプラントと副鼻腔炎について、以下の点を中心にご紹介します。

  • インプラントと副鼻腔炎の関係について
  • 副鼻腔炎の一つ、歯性上顎洞炎について
  • インプラントで副鼻腔炎を起こさないためにできること

インプラントと副鼻腔炎について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

インプラントについて

インプラントについて

インプラント治療について教えてください
インプラント治療とは、歯の欠損部分にチタン等でできた人工歯根を埋め込み、その上に上部構造を装着する治療法です。これにより、歯が失われた箇所を自然な見た目と機能で補います。
インプラント治療の流れは、以下のとおりです。

1. 検査:歯科専用CTであごの骨の状態や神経や血管の位置を確認します
2. カウンセリング:患者さんの症状や希望を聞き、治療に対する不安を解消していきます
3. 治療計画:検査やカウンセリングの結果から、患者さんに合った治療方法や期間、費用が提案されます
4. 1次手術:歯茎を切開し、あごの骨にインプラント体という人工の歯根を埋め込みます
5. 治療期間:インプラント体と骨がしっかりと結合するまで、2~3ヶ月程度待ちます
6. 2次手術:歯茎を再び切開し、インプラント体にアバットメント(上部構造を接続する部品)を取り付けます
7. 人工歯の作製・装着:人工歯の型を取り、オーダーメイドで作製した上部構造をアバットメントに固定します
8. メンテナンス:インプラントの固定具合や噛み合わせの確認、クリーニング、歯磨きの指導を定期的に受けます

インプラント治療のメリットとして、周囲の歯に負担をかけずに欠損箇所を補えること、見た目や噛む力が自然に近い状態に戻ること、審美的な面でも満足のいく結果が得られる可能性があることが挙げられます。
また、インプラントは定期的な歯科検診や適切なケアを行う限り、長持ちが期待できる治療法です。

インプラント治療はどのような人が受けられますか?
インプラント治療は、主に顎の成長が終わった20歳前後から受けられ、上限年齢は特に定められていません。高齢の方であっても、手術に耐えられる体力があり、全身状態や顎の骨の状態に問題がなければ、インプラント治療は可能とされています。

しかし、治療を受けられるかどうかは、一概に年齢だけで判断されるものではありません。重要なのは、顎の骨の状態や全身の健康状態です。
インプラント治療を受けるためには、顎の骨が十分に成長し、質も良好であることが必要です。特に高齢の方や骨粗鬆症のリスクがある方は、骨の密度や健康状態によって、入れ歯治療の方が適していることもあります。また、インプラント治療を受ける前には、むし歯や歯周病の治療を完了させることが重要です。
さらに、血液疾患や循環器疾患、糖尿病などの内科的疾患を持つ方は、インプラント治療が難しいケースもあります。該当の方がインプラント治療を検討している場合は、歯科医師だけでなく、かかりつけの医師との相談も必要です。
妊娠中の方は、レントゲン撮影や投薬を避けるため、出産後にインプラント治療を受けることが推奨されます。また、全身疾患を持つ方や、むし歯や歯周病を抱える方は、これらの病状を良好にした上で、インプラント治療を考慮する必要があります。

いずれにせよ、インプラント治療を受けられるかどうかは医師との相談が必要です。

副鼻腔炎について

副鼻腔炎について

副鼻腔炎とはどのような症状ですか?
副鼻腔炎(蓄膿症)とは、風邪のウイルス、細菌、アレルギーなどによって副鼻腔の粘膜に炎症が起こる疾患です。副鼻腔炎には「急性」と「慢性」の二つの形態があり、急性副鼻腔炎は発症から4週間以内、慢性副鼻腔炎は症状が3ヵ月以上続く状態を指します。

副鼻腔炎の主な症状には以下のものが挙げられます。

  • 鼻水:急性の場合は青白い色の鼻汁が特徴的です。慢性期では白い粘性の鼻水が多く見られます
  • 後鼻漏:副鼻腔炎による鼻水がのどに流れ込み、咽頭炎や気管支炎を引き起こすことがあります
  • 鼻づまり:鼻腔や副鼻腔の粘膜の腫れやポリープにより、空気の流れが阻害されます
  • 痛み:急性の場合はほっぺたや両眼の間、額の痛みや頭痛があります。慢性の場合は頭重感が特徴です
  • 嗅覚障害:嗅覚を感じる部分の粘膜が腫れることで嗅覚障害が起こることがあります

これらの症状は、病状の進行具合や個人の体質によって異なるため、疑わしい症状が見られる場合は医師の診察を受けることが重要です。副鼻腔炎は適切な治療を受けることで改善が期待できますが、放置すると慢性化しやすい疾患の一つです。

歯性上顎洞炎とはどのような症状ですか?インプラント治療との関係はありますか?
歯性上顎洞炎は歯の根の治療や抜歯後に起こりやすい疾患であるため、インプラント治療との関係があるといえます。

歯性上顎洞炎は、歯や歯肉の問題が原因で上顎洞に炎症が生じる病態です。インプラント治療の際、副鼻腔内にインプラントが侵入すると、炎症を引き起こすことがあります。また、手術部位を経由して、細菌感染が副鼻腔内に広がる可能性があります。

歯性上顎洞炎の症状としては、歯や歯肉の痛み、咬むときの痛み、片方の鼻詰まり、片方の頬の痛みや違和感、頭痛、発熱などが挙げられます。
歯性上顎洞炎は、原因となる歯がある片側の上顎洞のみに炎症が見られることが特徴的です。
治療には、抗生物質の服用や、原因となるむし歯や歯周病の治療が行われます。重症の場合は抜歯が必要になることもありますが、根管治療で歯を残せる場合もあります。

違和感を感じた場合は早期に医師へ相談し、適切な治療を受けることで、歯性上顎洞炎の進行を防ぎましょう。

鼻性上顎洞炎と歯性上顎洞炎の違いを教えてください
鼻性上顎洞炎は、上顎洞内の粘膜に炎症が生じるもので、鼻の感染症が原因です。
風邪やインフルエンザ等でウィルスや細菌が上顎洞に感染し、炎症を引き起こします。

一方、歯性上顎洞炎は歯の感染が上顎洞に広がり、上顎洞内で炎症が起こることが特徴です。感染源としては、神経の処置をした歯根が一般的です。

歯性上顎洞炎の場合は、歯の治療(根管治療など)と併せて抗生物質を内服することがあります。

インプラントと副鼻腔炎

インプラントと副鼻腔炎

インプラント治療により副鼻腔炎を発症してしまうことはありますか?
インプラント治療により副鼻腔炎を発症することは、稀ではありますが起こり得る可能性があります。 主な原因は、上顎の奥歯(臼歯)のインプラント手術によって、副鼻腔と口腔が交通してしまうことです。手術部位が十分に治癒しないと副鼻腔内の感染や炎症のリスクが高まると考えられます。

副鼻腔炎になる原因となる手術は、大きく分けて二つあります。

一つ目は、インプラント体(人工歯根)を埋め込むための「顎骨の骨造成手術」の際です。
顎骨の厚みや量が不十分な場合、骨造成手術を行って顎骨を増やします。しかし、この治療を上顎に施す際、上顎洞の粘膜が傷ついたり破れたりすることがあり、そこから細菌感染が起こり、副鼻腔炎を引き起こす可能性があります。

二つ目は、インプラント体を上顎に埋め込む手術時です。
インプラント体を埋め込む穴を開ける際に、ドリルで粘膜を傷つけたり、突き抜けたりする可能性があります。また、インプラント体自体が粘膜を傷つけることもあり得ます。これらの状況は、細菌感染のリスクを高め、副鼻腔炎を引き起こす原因となります。

これらのリスクは、設備が不十分な歯科医院や、医師の技術不足によって高まる可能性があります。適切な骨量や骨の厚さ、角度の検討なしにインプラントを埋入すると、上顎洞にインプラントが刺さり、副鼻腔炎を引き起こすリスクが高まります。したがって、インプラント治療を検討する際には、事前に歯科医院についてよく調べ、カウンセリングを通じて自身の信頼できる医師か見極めることも重要です。

インプラント治療により副鼻腔炎になった場合の対処法を教えてください
もしインプラント治療により副鼻腔炎が発症した場合は、早急な対処が必要です。 まずは病院で検査を受け、副鼻腔炎の程度と原因を確定しましょう。

インプラント治療後に副鼻腔炎が発症した場合、その対処法はいくつかのステップに分けられます。

  1. 歯科医院での受診:まず、副鼻腔炎の症状が現れた際には、インプラント治療を受けた歯科医院を受診します。ここで、副鼻腔炎がインプラント治療によるものかを特定し、初期対応を行います。
  2. 耳鼻咽喉科での治療:副鼻腔炎の治療は耳鼻咽喉科で行われます。ここでは、薬物療法(抗生物質やステロイド含む鼻スプレー、鼻洗浄液など)を用いて炎症を抑え、症状を緩和します。重度の場合は、外科手術を含むより専門的な処置が必要になることもあります。
  3. インプラント体の再埋入:インプラント体が粘膜を突き抜けて副鼻腔炎を引き起こした場合、インプラント体の除去と再埋入が必要になります。上顎洞に入り込んだインプラント体を取り除いた後、再度慎重にインプラントを埋入します。
  4. 医師との相談と追加治療:副鼻腔炎の症状が長引く場合、耳鼻咽喉科で追加の治療法について相談が必要です。場合によっては、歯科医院から耳鼻咽喉科を紹介されることもあります。

インプラントによる副鼻腔炎の治療法としては、抗生物質や抗炎症鎮痛薬による治療が挙げられます。ただし重症の場合は、再手術が必要になることもあります。
インプラント自体が副鼻腔内に落ちてしまった場合は、手術によってインプラントを取り外すことも考慮されます。

インプラント治療による副鼻腔炎は、医師と密接に連携し、適切な診断と治療を受けることが重要です。

インプラント治療で副鼻腔炎を起こさないために気をつけることはありますか?
副鼻腔炎を予防するためには、インプラント治療において下記の注意が必要です。

  • 無理のない治療計画と、医師とのコミュニケーション: 治療計画を立てる際には、粘膜や神経の位置を考慮し、無理のない方法でインプラント体を埋入することが重要です。無理な埋入は上顎洞へのリスクを高めるため、慎重な計画が必要です。例えば副鼻腔炎のリスクが高い場合、人工骨ではなく自身の骨を使った骨造成を行うことでリスクを減らすことにつながります。カウンセリング時に医師と十分にコミュニケーションを取りましょう。
  • インプラント専門医のいるクリニックを検討する: インプラント治療は高度な技術を要する手術です。どこのクリニックへ行けば良いか分からない場合は、インプラント専門医のいるクリニックを候補に入れても良いかも知れません。
  • 設備のチェック: インプラント手術を行う前には、レントゲン検査やCTスキャンなどの画像診断を行い、顎の骨の状態や副鼻腔の位置を確認します。 治療を受ける前に、必要な設備が整っているか、確認しておきましょう。
  • 花粉やアレルギーの時期を避ける: 花粉症やアレルギー性鼻炎がある方は、その時期を避けて治療を行うことも一つの方法です。これらの症状があると副鼻腔炎のリスクが高まります。
  • 手術後のケア: 手術後のケアも重要です。抗生物質の服用、禁煙など、適切なアフターケアを行い、炎症を起こさないように注意しましょう。

これらの対策を講じることで、インプラント治療による副鼻腔炎のリスクの低減につながります。事前によく調べることで、手術への不安も解消されるでしょう。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまでインプラントと副鼻腔炎についてお伝えしてきました。
インプラントと副鼻腔炎の要点をまとめると以下の通りです。

  • インプラント治療により、稀に副鼻腔炎が発症することがある。特に、上顎の奥歯のインプラント手術によって副鼻腔と口腔が交通することが原因
  • 歯性上顎洞炎は、上顎の奥歯の感染や治療により上顎洞が炎症を起こす状態を指し、上顎部の痛みや圧迫感、鼻づまりなどの症状が現れる
  • インプラントで副鼻腔炎を起こさないためには、医師とよくコミュニケーションを取ることや、事前にクリニックについてよく調べることが重要

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
遠藤 眞次医師(グランメゾンデンタルクリニック)

遠藤 眞次医師(グランメゾンデンタルクリニック)

長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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