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歯がないことにより起こる不調は?食事や身体への影響について解説

歯がないことにより起こる不調は?食事や身体への影響について解説

歯がない状態が続くと、食事や日常生活にさまざまな影響が現れます。噛む力が低下するなど、歯がないことにより、さまざまな不便さを感じる方も少なくないでしょう。歯がないことは体調にも影響する場合があります。ここでは、歯がないことにより、どのような不調が起こるかについて解説します。

歯がないと起こる不調について

歯がないとどのような不調が起こるか、この章ではみていきましょう。

歯がないと身体にどのような影響がありますか?
歯が失われると、以下のような身体への影響が考えられます。

◎むし歯・歯周病のリスクが高まる
歯がないと、隣接する歯に大きな負担がかかります。また、噛み合わせが不均衡になることで、食べ物の残りが溜まりやすくなり、細菌の繁殖を助長し、むし歯や歯周病のリスクの壮大にもつながってしまいます。

◎顎関節症を発症しやすい
歯がないことで、噛み合わせが悪くなり、顎関節に過度な負担がかかります。その結果、顎関節症を引き起こし、痛みや開口障害などの症状が現れることがあります。

歯がないと食事のときにどのような影響がありますか?
歯が失われると、食事時において以下のような影響が現れます。

◎食べ物が噛みにくくなる
歯がないと、食べ物を十分に噛むことが難しくなります。噛み合わせのバランスが崩れ、食べ物を小さく砕くことができなくなり、消化不良を引き起こすことがあります。

◎食べ物の味を感じにくくなる
歯がないことで唾液の分泌が低下し、咀嚼が不十分になると、食べ物の味を感じにくくなります。これは唾液が味覚を感じる重要な役割を果たしており、唾液が少ないと味覚が鈍化するためです。また、食材の多くはしっかりと咀嚼することで味を引き出せることも忘れてはいけません。

◎食べられる食材や料理に制限がかかる
歯がないと、硬い食べ物や噛みごたえのある食材を避けるようになります。その結果、食材や料理の選択肢が制限され、栄養バランスが偏る可能性があります。

◎食事の満足度が低下する
十分に噛めないことで食事の楽しみが減り、満足度が低下します。食べることは身体の健康だけでなく、心の満足にも重要であり、歯の喪失はその楽しみを奪うことにつながってしまいます。

歯がないと見た目にどのような影響を与えるか教えてください
一部あるいは全部の歯がないと、見た目に次のような影響を及ぼします。

◎ネガティブな印象を与える
歯がない部分があると、笑顔や会話時にその部分が目立ち、相手にネガティブな印象を与ええる可能性があります。特に前歯がない場合、見た目の印象は大きく損なわれ、自己評価や自信にも影響を与えることがあります。

◎見た目が老ける
歯がない状態が続くと、咀嚼筋が衰え、顔の輪郭が変わることがあります。特に、ほうれい線が深くなり、顔全体のたるみが進むため、見た目が老けて見えることがあります。また、顎の骨も痩せてしまうことで、さらに老けた印象を与える原因となります。

歯がないときの食事について

歯がないときの食事について 次に、歯がないときの食事の注意点などを解説します。

歯がないときの食事はどうすればいいですか?
入れ歯やインプラントなどで治療するまでの期間は、あまり噛まずに飲み込めるものを積極的に選ぶとよいでしょう。歯がない状態がしばらく続く場合は、食生活が偏らないように注意が必要です。栄養バランスを考え、しっかり噛めて栄養もとれる食事を心がけることが大切です。歯がないことで食事に不便を感じる人は、早めに歯科医師に相談し、適切な治療を受けることが重要です。食生活を工夫して健康を維持しながら、治療期間を乗り切りましょう。
歯がないときでも食べやすいものを教えてください
歯がないときには、食事選びに工夫が必要です。飲み込みやすい食材としては、スープやヨーグルト、豆腐、プリンなどが挙げられます。これらの食材はやわらかくて喉ごしがよく、歯がなくても簡単に食べることができます。スープは具材を細かく刻んで煮込むことで、栄養バランスもよくなり、食べやすさも向上します。特に、野菜たっぷりのスープはビタミンやミネラルを多く含み、健康維持に役立ちます。

また、やわらかく煮た魚や豆類もおすすめです。魚は良質なタンパク質とオメガ3脂肪酸を含んでおり、豆類は食物繊維や植物性タンパク質を豊富に含んでいます。これらの食材を取り入れることで、噛む力が弱くても栄養バランスのよい食事を続けることができます。

さらに、プロテインシェイクやスムージーも栄養補給に役立ちます。これらの飲み物は、ビタミンやミネラルを含んでおり、手軽に栄養を摂取できるため、忙しいときや食欲がないときにも便利です。特に、果物や野菜を混ぜたスムージーは、食物繊維や抗酸化物質を多く含んでおり、おいしくて栄養価の高い一品です。

歯がない期間中も、栄養バランスを考えた食事を心がけることが大切です。適切な食材を選び、健康を維持しながら食事を楽しんでください。

歯がない状態に対する治療法

歯がない状態に対する治療法 ここでは、失った歯の治療法について解説します。

歯がない状態だと、どのような治療方法が選択できるのでしょうか?
失った歯の治療法としては、入れ歯・インプラント・ブリッジの3つの選択肢が挙げられます。専門的には補綴治療(ほてつちりょう)と呼ばれるもので、それぞれに異なる特徴とメリット・デメリットがあります。
入れ歯の特徴と選択するメリット・デメリットを教えてください
入れ歯は、失った歯を補うための取り外し可能な装置です。

【入れ歯のメリット】
入れ歯はほかの補綴治療に比べて費用が抑えられるほか、装着や取り外しが簡単で、日常のケアも容易です。また、製作期間が短く、早期に使用を開始できるという特徴もあります。

【入れ歯のデメリット】
しかし、入れ歯には 入れ歯が動きやすく、噛み合わせが不安定になるというデメリットや 長時間装着すると、口内に違和感や痛みを生じたりする、定期的な調整や清掃が必要で、手間がかかるなどのデメリットがあります。

インプラントを選択した場合のメリットとデメリットを教えてください
インプラントは、失った歯を補うために顎骨に人工歯根を埋め込み、そのうえに上部構造を装着する治療法です。

【インプラントのメリット】
インプラントは天然の歯に近い見た目と機能を持ち、噛み合わせが自然で、食事や会話がしやすくなります。また、適切なケアを行うことで長期間使用でき、ほかの補綴治療に比べて耐久性が高いのもインプラントの特徴の1つです。さらに、周囲の歯に負担がかかりにくく隣接する歯を削る必要がないため、隣の歯に影響を与えることが少ないです。

【インプラントのデメリット】
しかし、インプラントは自由診療のため、ほかの治療法に比べて費用が高くなりやすいというデメリットがあります。また、外科手術を伴うため、感染症や神経損傷のリスクに加えて。骨とインプラントが結合するまでに数ヵ月かかり、治療期間が長いというデメリットもあります。

ブリッジによる治療を選んだ場合、どのようなメリットとデメリットがありますか?
ブリッジは、失った歯を補うために隣接する健康な歯に支えを求め、人工の歯を取り付ける治療法です。

【ブリッジのメリット】
ブリッジの治療は短期間で完了し、数週間で新しい歯を手に入れることができます。 また、入れ歯とは異なり、固定されているため、噛み合わせが安定し、食事や会話がしやすく、見た目が自然なため、ほかの歯と調和しやすいです。

【ブリッジのデメリット】
しかし、ブリッジを装着するために、健康な隣接する歯を削る必要があります。これにより、むし歯のリスクが高まったり、歯の寿命が縮まったりするなどのデメリットを伴います。また、ブリッジは下に食べ物が詰まりやすく、清掃が難しいため、口腔衛生の維持が大変になりやすいという特徴があります。こちらも、定期的なメンテナンスや交換が必要になることがあります。

編集部まとめ

今回は、歯がないことで起こる身体の不調や食事への影響について解説しました。歯がない状態を放置していると、周りの歯がむし歯になりやすくなったり、顎関節症のリスクが増大したりするため十分な注意が必要です。 食事においては咀嚼障害を招くだけでなく、お口にできる食材・料理に制限がかかるなど、さまざまな面でデメリットを被ることから、歯がない部分の治療はできるだけ早く受けるようにしましょう。歯がない状態に対する治療法にはインプラント・入れ歯・ブリッジの3つがあり、それぞれに異なる特徴とメリット・デメリットを伴うため、自分に合ったものを慎重に選び、快適な生活を取り戻しましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
竹本 竜太朗医師(北海道大学病院歯科診療センター(歯科矯正科) 大学院生)

竹本 竜太朗医師(北海道大学病院歯科診療センター(歯科矯正科) 大学院生)

北海道大学歯学部 卒業 / 現在は北海道大学病院歯科診療センター勤務 / 専門は歯科矯正科

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