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インプラント周囲炎とは?歯周病との違いや治療法についても併せて解説!

インプラント周囲炎とは?歯周病との違いや治療法についても併せて解説!

インプラント治療後に発症するケースがある、インプラント周囲炎とはどのような病気なのでしょうか? 本記事ではインプラント周囲炎について以下の点を中心にご紹介します。

  • インプラント周囲炎について
  • 歯周病とインプラント周囲炎
  • インプラント周囲炎の治療と予防

インプラント周囲炎について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

インプラント周囲炎について

インプラント周囲炎について

インプラント周囲炎とはどのような疾患ですか?
インプラント周囲炎は、インプラントの周囲にある歯茎や骨が炎症を起こし、インプラント自体の安定性や健康に悪影響を及ぼす疾患です。

インプラントを支える歯茎の部分に細菌が繁殖し、初期段階では軽い炎症であるインプラント周囲粘膜炎が発生しますが、進行すると骨の吸収が進むインプラント周囲炎へと悪化する可能性があります。

定期的なメンテナンスや口腔内の清掃を怠ると、インプラント周囲にプラークや歯石が溜まり、炎症が起こりやすくなります。

インプラント周囲炎が進行すると、インプラントを支える骨が徐々に失われ、インプラントが脱落する場合もあります。そのため、早期発見と治療が重要です。

予防には、定期的な歯科医院でのクリーニングと自宅での適切な口腔ケアが欠かせません。インプラント治療を受けた方は、インプラント周囲の健康状態を常に意識して管理しましょう。

進行段階について教えてください
インプラント周囲炎の進行段階は、大きく初期、中期、重度に分けられます。 初期段階では、歯茎の腫れや軽い出血が見られることが多く、痛みは感じにくいですが、放置すると症状が進行します。
中期になると、腫れや出血が増し、歯茎の炎症が広がるため、口腔内の不快感が強くなります。

重度の段階に進むと、インプラント周囲の骨が大きく破壊され、インプラント自体が動揺するケースがあります。この状態では、インプラントの除去が必要になる場合があり、骨の再建手術なども検討されます。
インプラント周囲炎は進行が速いため、定期的なメンテナンスと早期の治療が重要です。

インプラント周囲炎にはどのような症状がありますか?
インプラント周囲炎の主な症状には、まず歯茎の腫れや赤みが見られ、場合によっては痛みを伴います。また、インプラント周囲から出血するケースも多く、歯磨き時や食事中に気付くことがあります。口臭が強くなることも、インプラント周囲炎の兆候の一つです。

さらに、炎症が進行すると、インプラント周囲の骨が減少し、インプラントがぐらつくこともあります。

インプラント周囲炎を放置するとどうなりますか?
インプラント周囲炎を放置すると、インプラントを支える骨が徐々に失われ、最終的にはインプラント自体がぐらつく状態になり、さらには失ってしまう恐れがあります。

また、インプラントが不安定な状態を放置することにより、噛み合わせを悪くする可能性もあります。噛み合わせが悪くなると、ほかの歯の破損につながるリスクがあります。

初期の段階では、歯茎の腫れや出血、軽い痛みが見られることが多いようですが、適切な治療を受けないと炎症が広がり、深刻な状態に進行してしまいます。骨の損失が進むと、インプラントを維持できなくなり、インプラントの除去が必要になることもあります。

インプラント治療は高額なため、周囲炎を放置してインプラントを失うことは、経済的にも大きな損失となります。そのため、インプラント周囲炎の兆候を感じた場合は、早めに歯科医を受診し、適切なケアを受けることが重要です。

歯周病とインプラント周囲炎

歯周病とインプラント周囲炎

歯周病とはどのような疾患ですか?
歯周病とは、歯を支える組織である歯茎や骨に炎症が起こり、進行すると歯を失う可能性がある疾患です。

歯垢(プラーク)に含まれる細菌が原因となり、歯茎に炎症を引き起こします。初期段階では歯肉炎と呼ばれ、歯茎が赤く腫れたり、出血しやすくなる症状が現れますが、痛みが少ないため気付きにくいのが特徴です。

進行すると歯周炎となり、歯を支える骨が徐々に破壊され、最終的には歯がぐらついたり、抜け落ちる危険性があります。また、歯周病は全身の健康にも影響を与えるとされており、糖尿病や心疾患との関連も指摘されています。

歯周病は適切なケアで進行が抑制ができます。定期的な歯科検診や、日々の正しい歯磨きによるプラークの除去が大切です。症状が進行している場合は、早めの治療を受けることが必要です。

インプラント周囲炎と歯周病の違いを教えてください
インプラント周囲炎と歯周病は、どちらも歯やインプラント周辺の組織に影響を与える炎症ですが、原因や進行速度に違いがあります。歯周病は、天然の歯を支える歯周組織に炎症が起こり、細菌によって歯茎や骨が徐々に破壊されていく病気です。
一方、インプラント周囲炎は、インプラントを支える骨や歯茎に炎症が発生し、進行が速いのが特徴です。

インプラントは天然の歯とは異なり、血流や免疫反応が天然の歯よりも弱いため、炎症が進行しやすく、早期発見と治療が重要です。
歯周病は時間をかけて進行する一方、インプラント周囲炎は治療が遅れると短期間で深刻な状態に陥ることがあります。

インプラント周囲炎の治療と予防

インプラント周囲炎の治療と予防

軽度のインプラント周囲炎の治療法を教えてください
軽度のインプラント周囲炎に対する治療法には、まず非外科的治療が適用されることが多いようです。非外科的治療は、インプラント周囲の骨吸収が軽度であり、手術を必要としない場合に行われます。

具体的には、歯科医師による徹底的なクリーニングが行われ、インプラント周囲のプラークや歯石を除去します。

また、抗菌薬が使用されることもあり、薬の作用で感染を抑えることで炎症の進行を防ぐ効果が期待できます。
さらに、専用の機器を用いてインプラント表面を洗浄し、再感染を防ぐためのケアが行われます。

患者さん自身によるホームケアも重要で、正しい歯磨き方法や口腔内の衛生管理を徹底すれば、インプラント周囲炎の悪化を防げるとされています。

早期の段階で適切な対応を取ることは、インプラントの長期的な安定性の維持につながるため、症状を感じた際には早めに歯科医院を受診することが大切です。

インプラント周囲炎で骨の吸収が進んでいる場合は外科的療法が必要ですか?
はい、インプラント周囲炎で骨の吸収が進んでいる場合、外科的療法が必要になることがあります。

インプラント周囲炎は初期段階であれば非外科的な治療が行われますが、進行すると骨の吸収が進み、非外科的治療では十分な改善が見込めない場合があります。このようなケースでは、外科的療法が選択されます。

外科的療法では、まず炎症を引き起こしている感染組織やプラーク、歯石を除去し、骨の回復を目指す処置が行われます。また、場合によっては骨移植や再生療法を併用し、失われた骨を回復させる試みがなされます。

インプラント周囲炎を予防するためにはどうすればいいですか?
インプラント周囲炎を予防するためには、日々のセルフケアと定期的な歯科医院でのメンテナンスが欠かせません。

まず、毎日の口腔ケアとして、丁寧な歯磨きを行いましょう。インプラント周囲はプラークが溜まりやすいため、歯間ブラシやフロスを使い、隙間の汚れをしっかり取り除くことが大切です。

さらに、歯科医院での定期的なチェックアップも予防の一環です。プロのクリーニングを受けることで、歯石やプラークが蓄積するのを防ぎ、インプラント周囲の健康状態の維持につながります。

また、喫煙や糖尿病などの生活習慣もインプラント周囲炎のリスクを高める要因です。これらのリスクを減らすために、生活習慣の見直しも大切です。インプラントを長く健康に保つためには、セルフケアと専門的なケアの両方を組み合わせた予防が有効です。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまでインプラント周囲炎についてお伝えしてきました。要点をまとめると以下のとおりです。

  • インプラント周囲炎とは、インプラントの周囲で炎症が起こり、骨の減少などを引き起こす疾患である
  • 歯周病とインプラント周囲炎は類似しており、どちらも細菌感染が原因で炎症を引き起こすが、治療法や影響する部位が異なる
  • インプラント周囲炎の治療には、専門的なクリーニングや外科的処置が必要となる場合があり、予防には毎日のセルフケアと定期的な歯科医院でのチェックが重要

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
箕浦 千佳医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

箕浦 千佳医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

朝日大学歯学部卒業 / 現在は長谷川亨歯科クリニック非常勤勤務

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