これからインプラント治療を受けようと考えている方にとって大きな問題となるのが、どこで治療を受けるということではないでしょうか。インプラント治療は、対象となる歯科医院の症例数、通いやすさ、さらには料金など、さまざまな要素を考慮して決める必要があります。そこでこの記事では、インプラントを受ける歯科医院選びで迷っている方に向けて、インプラント治療が受けられる歯科医院の選び方や注意点についてわかりやすく解説します。
インプラントはどこでやるべきか
- インプラントはどの歯科医院でやっても同じですか?
- インプラント治療は、どの歯科医院で受けても同じとはいえません。なぜなら、インプラント治療は医師の高い専門性と経験が問われるほか、歯科医院ごとに取り扱っているインプラントのメーカーや種類が異なる、さらにはインプラントの保証内容や料金が違うためです。また、医師が日本口腔インプラント学会や国際口腔インプラント学会などによって認定されるインプラントの専門医資格を有しているかどうかも影響するため、どの歯科医院で受けても同じとはいえません。インプラント治療は、歯科医師免許を有する者であれば誰でも行なってよい治療であるものの、高い専門性と豊富な経験が求められる治療であるため、どこで受けても同じとは言いきれないのです。
- インプラントは大学病院などで受けた方がよいですか?
- インプラント治療は、必ずしも大学病院の方がよいとは限りません。理由としては、大学病院は駅から離れているケースが多く、通いにくい可能性があること、待ち時間が長い傾向がある、そして担当医を選べないことなどが挙げられます。対照的に、インプラント治療に対応している一般的な歯科医院は、通いやすさや待ち時間、そして医師の指名などに関する懸念が少ないでしょう。大学病院は専門性が高いことや、新しい医療が受けやすい、さらには難症状をお持ちの方でも診療してもらえる利点がありますが、複数回の通院が不可欠なインプラント治療では、必ずしもよい選択肢とはいえないでしょう。
- インプラント治療に必要な設備を教えてください
- インプラント治療に必要な設備は以下のとおりです。
- レントゲン設備
- 歯科用CT
- インプラントナビゲーションシステム
- 3Dコンピューターシミュレーションソフト
- サージカルガイド
- マイクロスコープ
- 咬合力測定器
- 光学スキャナ
- 共鳴振動周波数分析装置
- デジタルトルクレンチ
- 手術室
上記はあくまでも一例です。必ずしもこれらの設備がなければいけないことはありませんが、より高い精度でインプラント治療を提供する際に広く用いられています。設備の有無については、カウンセリングの際に医師に尋ねるか、歯科医院の公式サイトを参考にするとよいでしょう。
- インプラントに関する資格はありますか?
- インプラント治療を提供するためには、少なくとも歯科医師の資格が必要です。インプラント治療においては、歯科医師の資格に加えて、インプラントの専門医や認定医の資格も重視されています。インプラントの専門医や認定医とは、日本口腔インプラント学会や国際口腔インプラント学会、日本先進インプラント医療学会、そして日本顎顔面インプラント学会などから認定を受けている医師のことです。専門医または認定医として認められるには、各学会に複数年にわたって在籍していることや、講習や研修を受講していること、さらには学会での論文発表の経験など、それぞれの学会で厳しい条件が規定されています。必須の資格というわけではないものの、インプラント治療を受ける歯科医院を選ぶ際のひとつの基準になるでしょう。
インプラントを受ける歯科医院の選び方
- インプラント治療はどのようなところで差が出ますか?
- インプラント治療では、インプラント埋入の技術、噛み合わせ、自然な歯茎ライン、さらには顔のバランスなどに差が生じるとされています。また、術後の痛みや、アフターケアの手厚さ、そして料金などにも差が生じることがあります。インプラント治療では、医師の技術や経験に限らず、治療後のサポート体制にも差が出ることを知っておくとよいでしょう。
- インプラントが上手な歯科医院の見わけ方はありますか?
- インプラント治療を受ける際の上手な歯科医院の見分け方は、医師のインプラント治療経験のほか、資格の有無、設備、保証、アフターケアの範囲、通いやすさ、そして料金などを考慮し、総合的に見分けることが大切です。このほかにも、医師やスタッフの雰囲気、相談しやすさ、さらには説明のわかりやすさなども考慮するとよいかもしれません。特に、医師のインプラント治療経験や症例数、資格などはしっかり確認したうえで、見分けるようにしましょう。
- インプラントは遠くの歯科医院で受けても大丈夫ですか?
- インプラントは遠くの歯科医院で受けると通院時の負担が大きくなるため、なるべく近くて通いやすいところを選ぶとよいでしょう。インプラント治療は、麻酔を使った手術を伴うほか、術後も定期的なメンテナンスを受ける必要があります。何度も通う必要があるため、遠くの歯科医院で治療を受けると通院が負担になりやすいでしょう。ただし、遠くても通院が負担にならない場合は、遠くの歯科医院でも問題ありません。
インプラント治療の注意点
- インプラント治療の見積もりは複数の歯科医院で受けるべきですか?
- インプラント治療を受ける際は、複数の歯科医院で見積もりを受けるべきです。なぜなら、インプラント治療は原則として自由診療であり、歯科医院ごとに料金が異なるためです。つまり、同じインプラント治療を受けたとしても、歯科医院によって料金が変わる可能性があることを意味します。したがって、これからインプラント治療を検討している方は、複数の歯科医院で見積もりを受け、料金に含まれる治療やアフターケアの内容、そしてどの程度が適正価格であるかを把握するとよいでしょう。
- インプラント治療で保証制度などは適用されますか?
- インプラント治療のほとんどには保証制度が付いています。一方、保証制度が適用されるかどうかは条件によって異なるため注意が必要です。保証制度の内容は、インプラントメーカーによるもの、そして歯科医院によるものがあります。インプラントメーカーによる保証は、インプラント体とアバットメントの破損や脱落などが主な対象になる一方、歯科医院による保証は人工歯も含めた破損などが対象になります。保証期間は5年〜10年が一般的です。なお、定期メンテナンスを怠った場合や、保証対象外の歯科医院での治療、さらには喫煙に起因するトラブルなどは保証対象外となりやすいので注意してください。
- インプラント後はメンテナンスが必要ですか?
- インプラント後は、歯科医院による定期的なメンテナンスが必要です。3ヶ月〜6ヶ月に1回を目安にして、インプラント治療を受けた歯科医院でメンテナンスを受ける必要があります。メンテナンスでは、ゆるみや破損の検査、レントゲン検査、インプラント周囲炎のチェックなどに加えて、クリーニングも実施します。インプラントを長期にわたって使用するためにも、歯科医院でのメンテナンスは欠かさないようにしましょう。
編集部まとめ
インプラントは、インプラント治療の経験が豊富な歯科医院で受けるのが望ましいでしょう。医師の経験に加えて、資格や設備、さらには通いやすさも考慮することが大切です。 歯科医院を選ぶ際は、なるべく相見積もりを受けるようにし、料金だけでなく総合的な評価で選ぶとよいでしょう。
参考文献