オールオン4

オールオン4の平均費用はどれくらい?インプラントにかかる費用と比較

オールオン4の平均費用はどれくらい?インプラントにかかる費用と比較

オールオン4とは、インプラント治療のひとつです。4本のインプラント体で歯を支える仕組みになっており、費用を含めさまざまなメリットがあります。本記事ではオールオン4の平均費用について以下の点を中心にご紹介します。

  • オールオン4について
  • オールオン4とインプラント治療の平均費用
  • オールオン4の注意点

オールオン4の平均費用について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

オールオン4とは

オールオン4とは

オールオン4は、4本のインプラント体ですべての歯を支える即日インプラント治療法です。多くの歯を失ってしまった方やすべての歯を失ってしまった方、総入れ歯を使用している方がインプラントを検討される際におすすめです。
従来、すべての歯を失った場合、上顎と下顎それぞれに8本から14本のインプラント体を必要としましたが、オールオン4では4本のインプラント体で済みます。

オールオン4の特徴は、天然歯に近い感覚で噛める点や、従来のインプラント治療に比べて骨の量に左右されにくい点、固定式で入れ歯のように取り外す必要がない点です。また、抜歯からインプラント体の埋め込み、そして仮歯の装着までを1日で行うため、手術当日から新しいインプラント体で支えられた仮歯で食事が取れます。

しかし、オールオン4の治療は、高度な技術と知識を要し、手術を行える歯科医師やクリニックが限られています。そのため、治療を受ける際には信頼できる専門の歯科医師を選ぶことが重要です。

オールオン4にかかる費用

オールオン4にかかる費用

オールオン4治療にかかる費用平均は、片顎(上下どちらか)の場合、約300万円で、従来の全顎インプラント治療に比べて費用が抑えられます。しかし、相場よりもかなり安い100万円台で提供されているクリニックも見受けられます。こうした安い費用を提示しているクリニックを選ぶことはリスクが高いため注意が必要です。

治療費用は患者さんの症状や使用する設備、材料、さらには歯科医師の技術や治療方針によっても異なります。これらの費用には、精密検査(CT含む)、診断料、インプラント埋入手術、インプラント本体、アバットメント、手術時の麻酔、簡単な骨移植、仮歯、薬代、上部構造などが含まれています。

オールオン4治療を検討する際には、事前にカウンセリングを受けて医院の設備や環境、歯科医師の経験や信頼性を十分に確認が重要です。適切なクリニックを選ぶことで、治療後に後悔することのないよう、安心して納得できる治療を受けましょう。費用だけでなく、治療成績やクオリティも考慮しての選択が大切です。

インプラントにかかる費用

インプラントにかかる費用

オールオン4を使用しない従来の方法で全顎インプラント治療を行う場合、オールオン4よりも約150万円高くなる傾向にあります。1本あたりのインプラントの相場は約35万〜40万円であり、10〜12本のインプラントを必要とする全顎治療では総額が高額になります。

奥歯1本あたりの治療費用は、検査・診断料が1万5,000円〜5万円、手術費用が15万円〜35万円、上部構造の費用が5万円〜18万円で、合計30万円〜40万円となります。奥歯は噛む力が強くかかるため、強度の高いインプラントが求められ、上顎洞や下顎の神経などのリスクも考慮する必要があります。

前歯のインプラント治療費用も同様に高額です。検査料が1万5,000円〜5万円、手術費用が15万円〜35万円、上部構造の費用が8万円〜20万円で、合計30万円〜40万円が目安となります。前歯は審美性が重要であり、形や色、歯茎のバランスを考慮しながら治療を進める必要があります。
また、前歯の骨は薄く、加齢による骨吸収も進行するため、骨造成術が必要になる場合があります。

インプラントよりオールオン4の方が費用を抑えられる理由

インプラントよりオールオン4の方が費用を抑えられる理由

オールオン4では、片顎に4本のインプラント体を埋入し、一体化した上部構造を固定するため、従来のインプラント治療よりも費用負担を軽減できます。
以下に、費用を抑えられる理由を詳しく解説します。

骨移植の必要がない

オールオン4治療法が費用を抑えられる理由の一つは、骨移植が基本的に不要である点です。インプラント治療では、失った歯を補うために多くのインプラント体を埋入する必要がありますが、顎骨の十分な厚みを必要とします。骨が不足している場合、骨造成手術を行い、骨を補填する治療が行われます。手術は専門的な技術を要し、治療費が増加する要因となります。

一方、オールオン4は、片顎に4本のインプラント体を埋入し、すべての歯を支えるシステムです。顎骨の厚みが十分な部分を選んでインプラント体を配置するため、骨造成手術が不要となります。顎骨が薄い、もしくは痩せている患者さんでも、骨移植に伴う追加費用が発生せず、さらに、骨造成手術を行わないことで治療全体の期間が短縮され、患者さんの身体的負担も軽減されます。

埋入するインプラントが少ない

オールオン4治療法が費用を抑えられるもう一つの理由は、埋入するインプラント体の本数が少ないことです。従来のインプラント治療では、失った歯を補うために、一本ずつインプラント体を埋入する必要があります。例えば片顎に10本以上の歯を失っている場合、同じ数のインプラント体を埋入しなければならず、その分費用が増加します。

一方、オールオン4は、片顎に4本のインプラント体を埋入し、その上に前歯から奥歯までの一体化した上部構造を支えるシステムのため、インプラント体の本数が抑えられます。結果として、使用するインプラント体の数自体が少なくなり、材料費が抑えられることで費用が削減されます。

また、インプラント体の本数が少ないことで、手術の時間や身体的負担も軽減されます。手術時間が短縮されると、麻酔や手術室の使用時間も短くなり、それに伴うコストも削減されます。患者さんにとっても、手術が短時間で済むことは身体的な負担が軽くなります。

さらに、インプラント体の本数が少ないことで、術後のメンテナンスやケアの手間も軽減されます。複数のインプラント体を管理するよりも、少数のインプラント体を管理する方が容易であり、結果として長期的なメンテナンス費用も抑えられます。

このように、オールオン4は費用の面で負担を軽減しつつ、高品質な治療を受けたいと考える患者さんにとって、魅力的な選択肢となっています。

治療回数が少ない

オールオン4は、これまで述べてきたように、骨移植の必要がなかったり、埋入するインプラント体が少なかったりすることによって、従来のインプラント治療よりも治療回数が少ないケースが多いといわれています。

従来のインプラント治療では、失った歯を補うために複数回の手術が必要となり、それに伴う通院回数も増加します。手術ごとに発生する費用や、通院にかかる時間と交通費など、経済的負担は大きくなります。
具体的には、従来のインプラント治療が数ヵ月から1年以上かかるのに対し、オールオン4では数週間から数ヵ月で治療が完了します。

通院回数が減ることで、仕事や日常生活への影響が抑えられるため、頻繁な通院が不要になり、交通費などの出費も減少します。また、手術が1回で済むことが多いため、麻酔や手術室の使用料、術後のケアにかかる費用も削減されます。

さらに、治療期間が短縮されることで、患者さんの心理的負担も軽減されます。長期間の治療を受けることなく、早期に美しい歯を取り戻し、天然歯のように噛めるため、治療後の生活の質も向上し、満足度が高まります。

オールオン4は、治療回数が少ないことで費用を抑えるだけでなく、時間や労力、心理的な負担も軽減する治療法といえるでしょう。

治療費が安いオールオン4には注意

治療費が安いオールオン4には注意

オールオン4は自費診療のため、クリニックによって治療費が異なります。そのため、ほかのクリニックよりも安い場合は、理由を理解しておくことが重要です。
以下では、治療費が安いオールオン4の注意点を解説します。

マイナーなインプラントが使用されている

オールオン4治療で、治療費が安い場合には注意が必要です。その一因として、マイナーなインプラントが使用されている可能性があります。世界中には100社以上のインプラント製造メーカーが存在しますが、日本国内で使用が認可されているメーカーは一部に限られています。認可外のメーカーからのインプラントを使用する場合、国内での安全性や信頼性に関する情報が不足しているため、トラブルが発生するリスクが高まります。

マイナーなインプラントは、品質や耐久性で著名なメーカーの製品と比べると劣る場合があり、結果、治療後に問題が発生する可能性があります。具体的には、インプラント体の定着不良や破損、長期的な使用に耐えられないなどのリスクが考えられます。

さらに、インプラントだけでなく、使用される上部構造や仮歯の材質によっても治療費は異なります。例えば、見た目が美しく耐久性の高いオールセラミック製の上部構造は、通常の材質よりも高価です。治療費が安い場合、材料が低コストのものに置き換えられている可能性があり、結果として品質が低下する恐れがあります。

また、治療費の安さには、処置費用の削減も含まれている可能性があります。処置費用には検査代や手術代、メンテナンス代が含まれます。十分な処置は、インプラント治療の成功においてとても重要です。保障期間が短かったり、メンテナンスサービスが不十分だったりすると、将来的に高額な追加費用が発生するリスクがあります。

このように、治療費が安いオールオン4治療には、使用されるインプラントや材料の品質、処置費用の内容について慎重な確認が重要です。

治療費が明確ではない可能性

オールオン4治療を検討する際、治療費用の一部だけが明示されている可能性があるため、提示された金額が治療全体に関するものかどうかを確かめることが重要です。

一部のクリニックでは、低価格をアピールするために、基本的なインプラント埋入費用だけを提示し、その後のメンテナンス費用や追加の処置費用を別途請求することがあります。例えば、インプラントの定着確認や仮歯の調整、最終的な上部構造の装着といった費用が別途発生するケースがあります。また、手術に伴う麻酔費用や、術後のケアに必要な薬剤費用なども追加で請求される場合があります。

費用の不明確さを避けるためには、事前に治療に必要なすべての費用の詳細を確認することです。信頼できるクリニックでは、治療前のカウンセリングで詳細な見積もりを提供し、すべての費用項目を明確に説明してくれるはずです。治療費に関する疑問や不安がある場合は、遠慮せずに質問し、納得のいく説明を受けることが重要です。

また、治療費の明確さだけでなく、治療の質や歯科医師の経験にも注意を払うことが大切です。安い費用に惹かれて治療を受けた結果、不適切な治療方法により、後々トラブルが発生するリスクもあります。治療費の明確さとともに、クリニックや歯科医師の信頼性も重視し、慎重に選びましょう。

支払いの負担を減らす方法

支払いの負担を減らす方法

ここまで、オールオン4の費用や注意点について解説しました。 最後に、治療費の支払い負担を減らす方法を紹介します。

医療費控除を申請する

オールオン4治療は、医療費控除の対象です。医療費控除とは、1年間に家族全員で支払った医療費が10万円を超えた場合に、確定申告をすると所得税が軽減される制度です。この制度を利用して、治療費の一部が所得税の還付として戻ってくる可能性があります。

医療費控除を申請するためには、治療計画を立て、年間の医療費総額の管理が大切です。オールオン4のような高額な治療を受ける場合、ほかの医療費と併せて計画的に支出を管理し、治療のタイミングを考慮して、医療費が一定の年に集中するように計画するとよいでしょう。
医療費控除の申請には、治療費の領収書や医療機関からの証明書が必要となるため、事前に必要な書類をしっかりと準備しておくことが重要です。

さらに、医療費控除の対象となる範囲には、治療費だけでなく、通院にかかる交通費や薬代も含まれるため、これらの費用も忘れずに申告することが大切です。詳細な情報を把握し、正確な申告も大切です。

デンタルローンを活用

オールオン4治療の費用を一括で支払うのが難しい場合、デンタルローンの活用を検討しましょう。
まずは、デンタルローンを提供している歯科医院や金融機関のプランを事前に確認することが重要です。歯科医院によっては、デンタルローンやクレジットカードでの分割払いに対応しており、治療費を3ヵ月から84ヵ月といった幅広い期間で分割できるプランを提供しています。しかし、分割払いは利息や手数料の発生があるため、詳細な条件をしっかりとした確認が大切です。

まとめ

まとめ

ここまでオールオン4の平均費用についてお伝えしてきました。 オールオン4の平均費用の要点をまとめると以下のとおりです。

  • オールオン4は、4本のインプラント体ですべての歯を支える即日インプラント治療のこと
  • オールオン4治療にかかる費用平均は、片顎(上下どちらか)の場合、約300万円で、オールオン4を使用しない従来の方法ではそれよりも約150万円高くなる
  • オールオン4の注意点は、ほかのクリニックよりも治療費が安い場合は、マイナーなインプラントが使用されている可能性や治療費が明確ではない可能性を考慮し、事前のカウンセリングで費用形態をしっかりと確認し、経験豊富な歯科医師のもとで治療を受けることが大切

インプラント治療は1本ずつ埋入する必要があり、多くの歯を失った場合、費用がかさみますが、オールオン4では4本のインプラント体で前歯から奥歯まで一体化した上部構造を固定できるため、費用を抑えられます。
インプラント治療を検討されている方にとって、これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
大津 雄人医師(医療法人社団GLANZ大津歯科医院 副院長 / 東京歯科大学インプラント科 臨床講師)

大津 雄人医師(医療法人社団GLANZ大津歯科医院 副院長 / 東京歯科大学インプラント科 臨床講師)

東京歯科大学歯学部 卒業 / 東京歯科大学大学院歯学研究科(口腔インプラント学) 卒業 / 現在は大津歯科医院勤務 / 東京歯科大学インプラント科臨床講師 / 専門は口腔インプラント

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