オールオン4

オールオン4の治療期間や通院回数の目安、治療期間中の注意点などを解説!

オールオン4の治療期間や通院回数の目安、治療期間中の注意点などを解説!

失った歯が多い方や歯の状態に自信がない方の中には、インプラント治療の一つであるオールオン4に興味がある方もいるのではないでしょうか。

インプラント治療は保険適用外で高額な治療として知られていますが、オールオン4は一般的なインプラント治療に比べて、金銭的・身体的・精神的な負担が少なく治療を受けられる点が魅力です。

また、治療期間についても、通常のインプラント治療と比べると施術回数が1回で済むため、治療期間が短く、通院回数も少なくて済みます。

ただし、治療後にはセルフケアや自己管理が重要となるため、注意が必要です。オールオン4にご興味がある方は、ぜひこの記事をご一読ください。

オールオン4について

歯医者治療

オールオン4は、歯を多数失った方や総入れ歯に不満を持つ方に適したインプラント治療法です。ここではオールオン4について詳しく解説します。

オールオン4とは

オールオン4とは、前歯から奥歯までが一体となったタイプのインプラントを使用し、片顎に4本から6本のインプラントを挿入して、その上に上部構造を固定するインプラント治療の一つです。

この治療法では、片顎に4本から6本のインプラントを用いて片顎12本分の歯を補うことが可能なため、特に多くの歯を失った方におすすめの選択肢となります。

以下に、オールオン4治療のメリットとデメリットについて詳しくご説明します。

オールオン4のメリット

オールオン4には、一般的なインプラント治療と比較してさまざまなメリットがあります。通常のインプラント治療では、失った歯1本ごとに1本のインプラントを埋入する必要があり、保険適用外のため費用が高額になる傾向があります。

一方、オールオン4では片顎に4〜6本のインプラントを埋入するだけで治療を行うため、費用を大幅に抑えることが可能です。さらに、身体的負担の面でも優れています。

インプラントを埋入する際に顎の骨に穴を開ける必要がありますが、オールオン4では少ない本数のインプラントで治療が完了するため穴を開ける回数が少なく、骨の量が十分な箇所を選んで手術を行うことで骨造成手術の必要性も低くなります。

また、顎の骨が薄い方でも対応可能である点も魅力です。一般的なインプラント治療では、土台となる顎の骨が薄かったり弱かったりすると治療が難しい場合があります。

しかし、オールオン4では骨がしっかりしている部分を選んでインプラントを埋入できるため事前の骨造成手術が不要なケースも多く、治療の選択肢が広がります。

治療期間についても、通常のインプラント治療では2回の手術が必要であり、短くても半年程かかります。対してオールオン4では1回の手術で完了し、3ヶ月で治療が終了することもあるため、通院回数や時間的な負担も軽減されます。

さらに、オールオン4は義歯と比較しても咀嚼機能が高く、天然歯に近い感覚でしっかり噛むことができます。発音のしやすさも特徴で、義歯では歯茎や粘膜が覆われるため発音に違和感を覚える場合がありますが、オールオン4では顎の骨に直接固定されているため、自然な発音が可能です。

また、義歯に比べて食べ物が挟まりにくく、歯茎の変性による痛みの心配も少ないため、痛みを感じることなく日常生活を送ることができます。顎の骨がインプラントによる刺激を受け続けることで骨の吸収を防ぎ、健康な顎の骨を長期間維持できる点も大きなメリットです。

審美性の面でも、連結された複数本の人工歯を装着することで、天然歯と調和した美しい見た目を実現できます。笑顔や会話の際に自信を持つことができ、生活の質を向上させる治療法といえるでしょう。

オールオン4のデメリット

オールオン4には多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。まず、治療に際して残っている健康な歯を抜歯する可能性がある点が挙げられます。

オールオン4は、連結した複数本の人工歯を装着する治療法のため、邪魔になる歯は健康であっても除去する必要がある場合があります。そのため、健康な歯が多い方や抜歯に抵抗がある方は、慎重に検討することが重要です。

また、治療を受けられる医療機関が限られている点もデメリットの一つです。インプラント治療を行う歯科医院や歯科医院が増えているとはいえ、オールオン4の施術が可能な施設はまだ限られており、施術後の定期的なメンテナンスを考えると治療を受けられる医療機関の選択肢が狭まる可能性があります。

さらに、手術が適応外となるケースがある点も注意が必要です。オールオン4は顎の骨を土台とするため、骨が十分に成長していない場合や骨密度が不足している場合には治療が難しいことがあります。

また、全身疾患がある方・手術自体がリスクを伴う場合・禁煙ができない方・アルコール依存症の方なども、感染リスクが高いため適応外となることがあります。

加えて、インプラントに使用されるチタンは金属アレルギーを引き起こすことが少ないとされていますが、稀にアレルギー反応が出ることがあります。不安がある場合は、手術前にチタンのアレルギーテストを受けることをおすすめします。

また、健康な天然歯を抜歯しないといけない可能性があるため、天然歯の保存を希望する方には向いていない治療法です。セルフケアが十分にできない場合、インプラントの寿命が短くなり、治療が成功しない可能性もあります。

オールオン4の治療期間・通院回数

歯を鏡で見る女性

オールオン4の治療期間と通院回数は、患者さんの口腔内の状態や治療計画によって異なります。ここでは、オールオン4の治療期間と通院回数について詳しく解説します。

オールオン4の手術にかかる日数

オールオン4の治療は、骨造成手術などの事前の手術が不要であるためインプラント挿入と同時に上部構造を装着でき、手術にかかる日数はわずか1日で完了する点が大きな特徴です。

これに対し、一般的なインプラント治療では、場合によっては事前に骨造成手術などの前治療が必要です。

さらに骨造成手術を伴わない場合でもインプラントを挿入する一次手術が行われた後、約7〜10日後に抜糸を行い、その後インプラントと骨が結合するまで3〜5ヶ月の期間を要します。

その後、歯根部上部の粘膜を切開・切除し、歯根部に支台部を連結する二次手術が必要になるため治療全体にかかる日数は短くても半年を要します。

オールオン4の治療期間と通院回数の目安

カレンダー

オールオン4の施術自体は、1日で完了することが可能です。ただし、治療には事前検査や術後のフォローアップが含まれるため、一定の通院回数が必要となります。

治療の流れとして、まず採血・CT検査・レントゲン撮影・噛み合わせテスト・問診などの事前検査が行われます。

その後、インプラントを挿入する手術を行い、同日に仮歯を装着します。術後はインプラントと骨がしっかり結合するまでの期間を設け、約3〜6ヶ月後に最終的な義歯を装着することで治療が完了します。

治療中および治療後には、インプラント周囲に炎症が生じたり、その他のトラブルが発生する可能性があったりするため定期的なメンテナンスの受診が推奨されます。メンテナンスの頻度は、一般的に1ヶ月に1回程度です。

事前検査から最終的な義歯の装着までの治療期間は約3〜6ヶ月で、メンテナンスを除く通院回数はおおむね3回で済むケースが一般的です。

その後の定期的なメンテナンスを継続することで、治療後のインプラントの寿命を延ばし、トラブルを防ぐことができます。

オールオン4が向いている人

歯の模型と歯科治療

オールオン4は、多くの歯を失った方や骨密度がしっかりしている方に適した治療法です。ここでは、オールオン4が向いている人はどのような人なのか、詳しく解説します。

多くの歯を失っている人

オールオン4は、前歯から奥歯まで連結した複数本の人工歯を使用する治療法であり、多くの歯を失っている方に特に適しています。

一方、一般的なインプラント治療では、失った歯1本ごとに1本のインプラントが必要になるため費用や手術の負担が大きくなる傾向があります。

そのため、オールオン4は、金銭的・身体的負担が軽減できる治療法として多くの歯をまとめて治療したい方におすすめの施術です。

少ない本数のインプラントで多くの歯を補うことができ、治療全体の効率がよい点も、この治療法の魅力です。

骨密度がしっかりしている人

オールオン4に限らず、インプラント治療では顎の骨に穴を開けて固定するため、骨密度がしっかりしている方がインプラントを安定して固定しやすい傾向があります。

骨密度が低い場合は、穴を開けること自体が難しくなるほか、インプラントを長期間しっかりと固定することができないため治療が困難または不可能になるケースもあります。

しかし、オールオン4は、一般的なインプラント治療と比較してインプラントを埋入する場所を柔軟に選択できる点が特徴です。

そのため、骨密度が低い場合でも骨の状態が良好な部位を選んで治療を行える可能性があり、通常のインプラント治療よりも適応の幅が広がることがあります。

治療期間を短くしたい人

一般的なインプラント治療では、2回に分けて手術を行い、それぞれの間に期間をあける必要があるため治療完了までに半年以上の期間が必要です。

一方で、オールオン4は手術が1度のみで完了し、手術当日に仮歯を装着することが可能です。そのため、できるだけ短期間で治療を終えたい方や通院回数を抑えたい方におすすめの治療法です。

オールオン4の治療の流れ

レントゲン画像と歯科衛生士

オールオン4の治療は、さまざまな検査を行ったうえで治療計画が立てられ、手術を行います。ここでは、オールオン4の治療の流れについて詳しく解説します。

精密検査・診査診断

術前検査では、オールオン4が適用できるかどうかを判断するために、患者さんの口腔内や顎の骨の状態を詳しく確認します。

検査内容としては、血液検査・CT検査・レントゲン撮影・噛み合わせテストなどを実施し、その後に医師による問診が行われます。

この検査は、インプラント治療の結果を大きく左右する重要なプロセスであり、患者さんの健康状態や口腔内の状況を正確に把握するために欠かせません。

治療計画の説明・手術の予約

説明

事前検査の結果をもとに、医師と患者さんが一緒に治療計画を立てていきます。この際に治療内容や進行スケジュールについて詳しい説明が行われるので、治療に対する不安や疑問点があれば、事前に医師に相談しておくことで安心感を持って治療を受けることができます。

十分な説明を聞き、治療内容に納得できた場合は、次のステップとして手術日の予約を進めます。

インプラント埋め込み手術

オールオン4の手術では、インプラントを挿入するために局所麻酔または静脈内鎮静法(静脈内麻酔)が用いられます。

局所麻酔は意識がある状態で口腔内を麻痺させる方法で、静脈内鎮静法は点滴により意識を和らげ、眠っているような状態にする方法です。歯科医院によって採用している麻酔方法が異なるため、事前に確認することをおすすめします。

麻酔をした後は必要に応じて残存歯の抜歯を行い、その後、歯肉を切開して顎の骨にインプラントを挿入します。

手術後、切開した部分を縫合し、止血を確認した上で仮歯を装着します。ただし、歯科医院によっては仮歯の装着が翌日以降になる場合もあるため、こちらも事前に確認しておくとよいでしょう。

術後の消毒・経過観察

術後は、感染のリスクがあるため、消毒を適切に行うことが重要です。自宅でもセルフケアとして消毒を行う必要があるため、指導された方法をしっかり守り、毎日行いましょう。

また、消毒の際には傷口の観察も行い、炎症・腫れ・感染の兆候が見られる場合は早めに歯科医院を受診することをおすすめします。

仮歯のセット

仮歯

手術後、3〜6ヶ月後に最終的な義歯を装着するため、それまでは仮歯を装着して過ごします。この期間中、インプラントと顎の骨がしっかりと結合する必要があるため、経過観察が重要です。

手術後は定期的に歯科医院を受診し、噛み合わせや見た目をチェックするとともに、インプラントと骨の結合具合を確認します。

また、感染・炎症の兆候・インプラントのぐらつきがないかを注意深く診察しながら、適切な調整を行っていきます。

本歯の型取り

型取り

術後3〜6ヶ月後には、最終的な義歯を装着する準備として本歯の型取りを行います。この型取りは、噛み合わせや見た目を精密に調整し、最終的な義歯が口腔内に適切にフィットするようにするための重要なプロセスです。

本歯の装着・最終調整

術後3〜6ヶ月で、本歯を装着し、噛み合わせや見た目を確認しながら最終的な調整を行います。この段階で、本歯が口腔内にしっかりとフィットし、快適に使用できる状態に仕上げていきます。

また、本歯装着後も、引き続き1ヶ月に1回の定期受診が必要です。

オールオン4治療期間中の注意点

歯を気にする若い男性

オールオン4の治療を成功させ、長期的に安定した状態を保つためには、いくつかの重要なポイントに注意する必要があります。

まず、タバコに含まれる有害物質は歯茎の血液循環を悪化させ、免疫力を低下させます。そして歯周病を誘発し、インプラントが安定せず抜け落ちる可能性を高めるため、治療期間中およびインプラントが安定するまでは禁煙を徹底しましょう。

また内服薬については、顎の骨の強度が重要なインプラント治療において骨の再生や破壊に影響を与える薬や血液をサラサラにする薬を服用している場合、術中や術後にリスクが伴うため事前に医師に報告し確認を受けることが必要です。

さらに、仮歯装着期間中は、本歯よりも強度が低く破損のリスクがあるため、固いものを避けるように注意しましょう。仮歯が破損するとほかの歯に影響を与えたり、滑舌が悪化したり、咀嚼に問題が生じる可能性があります。

また、オールオン4の治療ではセルフケアが重要ですが、定期的に歯科医院を受診することでトラブルを未然に防ぎ、早期に対応することができます。

違和感や不安を感じた場合は早めに追加受診しましょう。これらのポイントを守ることで、インプラントの寿命を延ばし、快適な状態を長期間維持することが可能です。

まとめ

レントゲン写真と医師

オールオン4は、片顎4〜6本のインプラントで手術も1回で義歯が装着できるため、一般的なインプラントよりも金銭的にも身体的にも精神的にも負担が少なく実施できます。

オールオン4のメリットは、インプラントを挿入する場所を選択できることや治療期間が短いことが挙げられ、デメリットとして健康な歯も抜歯しないといけない可能性があることです。

口腔内の状態によって適切な治療方が患者さんごとに異なるので、十分な検査のうえで歯科医師と相談しましょう。

オールオン4の治療期間は、施術は1日で終了してその当日もしくは翌日以降に義歯を装着できるため、本歯の装着までにかかる治療期間は3〜6ヶ月程で一般的なインプラント治療よりも短期間で終了します。

オールオン4治療期間中はトラブルが起きる可能性が少しでも減るように、禁煙や固いものを食べない、内服などは医師の指示にしたがって内服する、など自己管理が必須です。

オールオン4の治療後は、治療後にはセルフケアや自己管理が求められる点にも注意が必要です。違和感や異常があれば、速やかに歯科医院を受診しましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
大津 雄人歯科医師(医療法人社団GLANZ大津歯科医院 副院長 / 東京歯科大学インプラント科 臨床講師)

大津 雄人歯科医師(医療法人社団GLANZ大津歯科医院 副院長 / 東京歯科大学インプラント科 臨床講師)

東京歯科大学歯学部 卒業 / 東京歯科大学大学院歯学研究科(口腔インプラント学) 卒業 / 現在は大津歯科医院勤務 / 東京歯科大学インプラント科臨床講師 / 専門は口腔インプラント

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