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老後にインプラント治療はデメリットあり?デメリットをしっかり知った上で検討しましょう

老後にインプラント治療はデメリットあり?デメリットをしっかり知った上で検討しましょう

老後に受けるインプラント治療はデメリットが大きいのかご存じでしょうか。また、インプラント治療を検討しているけど、高齢で受けるのは不安な方もいらっしゃると思います。 本記事では、老後に受けるインプラント治療について以下の点を中心にご紹介します!

  • 老後に受けるインプラント治療のデメリット
  • 老後に受けるインプラント治療で知っておくべきこと
  • 老後に適したインプラント治療

老後に受けるインプラント治療について理解するためにもご参考いただけると幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

インプラント治療とは

インプラント治療とは

インプラント治療は、歯のない部分に人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を取り付ける治療方法です。例えば、歯を抜いたり、歯が抜け落ちたりした場合に、隙間を埋めるための治療です。人工歯根は、チタンなどの金属素材で作られており、歯肉下に埋め込まれます。

その後、骨としっかりと結合するための時間を置いた後、人工歯を取り付けます。インプラント治療をすることで、周囲の歯を削ることなく、自然な咀嚼力を取り戻し、周囲の歯や歯茎にも負担が少なく、美しい見た目を維持できます。

老後に受けるインプラント治療のデメリット

老後に受けるインプラント治療のデメリット

ほかの歯に負担が少ないというインプラント治療ですが高齢で受ける際にはどのようなデメリットがあるのでしょうか?以下にて解説いたします。

外科的処置に耐えられる体力が必要

高齢者の場合、身体的な衰えが進行しているため、外科治療に耐えるための体力や免疫力が低下していることがあります。インプラント治療は手術が必要であり、骨に人工歯根を埋め込むため、一般的な歯科治療よりも短い時間で大きな力が必要となります。また、手術後の経過観察や治療後のケアが必要なため、体力面でも十分な余裕を持って治療に臨むことが望ましいとされています。

あごの骨の状態によっては治療が難しいケースもある

高齢になると、あごの骨の密度が低下することがあります。あごの骨の密度が低下していると、インプラントをしっかりと支えられなくなるためインプラント治療が難しくなる場合があります。また、高齢になると、あごの骨が細くなっていたり、形が変わっていたりすることもあります。

そのため、インプラント治療を行う前にあごの骨の状態を詳しく調べて、治療の可否を判断する必要があります。治療が難しい場合は、インプラント治療を断念するか、あごの骨を補強する手術を行う必要があります。

時間と費用がかかる

高齢者の場合、あごの骨密度が低下しているため、インプラント治療に必要なあごの骨量が不足していることがあります。そのため、骨量を増やすために骨造成などの手術が必要になることがあります。

また、高齢者は基礎疾患がある場合が多く、治療の際にはこれらの疾患に対応するための検査や手続きが必要になることもあります。これらのことから、治療に必要な時間と費用がかかるというデメリットがあると言われています。

メンテナンスに手間がかかる

高齢でのインプラント治療の場合、インプラントを支える骨や歯肉の状態が年齢とともに変化しやすく、これらの状態を維持するためのメンテナンスが重要になります。

しかし、高齢者は身体的な制約や、日常生活の制限があることが多く、またインプラント治療を受ける前に既に抱えている疾患などによってはメンテナンスに必要な手間や負担が増えることがあります。

例えば、手首や指の関節炎によってブラッシングやフロスの使用が困難になる場合や、糖尿病や心臓疾患などの合併症がある場合には、メンテナンスに必要な定期的な歯科医院の診療や、自宅での歯磨きやうがい、栄養管理などが困難になることが考えられます。

老後に受けるインプラント治療で知っておくべきこと

老後に受けるインプラント治療で知っておくべきこと

老後にインプラント治療を受ける際に知っておくべきポイントをご紹介します。

毎日手入れが必要

インプラント治療では、口腔内の清掃や定期的な歯科医院でのメンテナンスが重要です。インプラントは人工的に埋め込んだ歯根であり、周囲の歯肉や骨組織との結合が生じているため、インプラント周囲の歯垢や歯石を除去することが必要です。

特に高齢になると手先の器用さや、目の細かい作業が難しくなる場合があり、毎日のお手入れが大変になることがあります。また、口腔内の免疫力が低下しやすいため、感染症などのリスクが高くなることも考えられます。

持病のリスクが高まる

高齢者は免疫力が低下しているため、手術後に感染症が発生するリスクが高くなります。また、インプラント治療後に炎症が起こった場合にも、治療が遅れることで感染症のリスクが高まります。高齢者は慢性疾患を抱えている場合が多く、インプラント治療によってその疾患が悪化する可能性があります。

例えば、糖尿病患者の場合には、インプラント治療によって血糖値のコントロールが難しくなる場合があります。インプラント治療は手術であるため、体力や免疫力が低下している高齢者にとっては負担が大きくなります。また、持病がある場合には手術後の回復に時間がかかる場合があります。

老後に適したインプラントオーバーデンチャー

老後に適したインプラントオーバーデンチャー

デメリットも理解した上でもインプラント治療を行ってみたいという方におすすめなインプラントオーバーデンチャーについてご紹介いたします。

インプラントオーバーデンチャーは、歯のないあごに人工歯を装着する方法の一つです。あごの骨にインプラントを埋め込んで、その上に義歯を固定する方法です。

この治療方法は、あごの骨の量や品質が不十分な場合でも、インプラントを用いて義歯を固定できるため、高齢者や歯周病で歯を失った方におすすめされます。また、オーバーデンチャーの形状や装着方法は患者の口腔に合わせて調整でき、咬合力や咀嚼機能を回復させられるという利点があります。

まとめ

まとめ

ここまで老後のインプラントのデメリットについてお伝えしてきました。 要点をまとめると以下の通りです。

  • 老後のインプラント治療は手術を受ける体力が必要となることや顎の骨が足りない場合治療が難しくなるなどのデメリットがある
  • インプラント治療にはセルフケアが欠かせない
  • 高齢者は慢性疾患を抱えている場合が多く、インプラント治療によってその疾患が悪化する可能性がある

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
柴原 孝彦医師(東京歯科大学口腔顎顔面外科学講座)

柴原 孝彦医師(東京歯科大学口腔顎顔面外科学講座)

1979年東京歯科大学卒業、2004年東京歯科大学主任教授、2012年東京歯科大学市川総合病院口腔がんセンター長、2020年東京歯科大学名誉教授

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柴原 孝彦医師(東京歯科大学口腔顎顔面外科学講座)

1979年東京歯科大学卒業、2004年東京歯科大学主任教授、2012年東京歯科大学市川総合病院口腔がんセンター長、2020年東京歯科大学名誉教授

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