インプラント

インプラント治療では何回歯科医院へ通う?治療の流れや治療期間について解説

インプラント治療では何回歯科医院へ通う?治療の流れや治療期間について解説

インプラント治療は、歯を失った部分の機能を取り戻すための選択肢の一つですが、その治療期間や通院回数について疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。治療は外科的手術を伴うため、事前の準備や段階的な工程が必要です。
本記事ではインプラント治療では歯科医院に何回通う必要があるのかについて以下の点を中心にご紹介します。

  • インプラント治療の回数や治療期間について
  • インプラントの治療期間が伸びる原因
  • インプラントの治療期間・回数を短縮する方法

インプラント治療では歯科医院に何回通う必要があるのかについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

インプラント治療の回数や治療期間

インプラント治療の回数や治療期間

インプラント治療で歯科医院へ通う回数は目安で何回ですか?
インプラント治療の通院回数は、治療の部位や手術方法によって異なりますが、3〜8回程度が目安です。
  • 上の前歯の場合(通院回数:6〜8回程度)
    主に2回法という術式で行われ、審美性を重視しながら治療を進めます。1次手術後の抜糸、2次手術後の抜糸、型取り、上部構造の装着など、複数回の通院が必要です。
  • 奥歯の場合(通院回数:3〜5回程度)
    主に1回法と呼ばれる術式が採用され、手術回数を減らして治療期間が短縮できるとされています。手術後の消毒や抜糸、上部構造の型取り・装着を行い、審美性よりも機能性が重視されます。

治療期間は3〜6ヶ月程度ですが、顎の骨が少なく骨造成という治療を追加で行う必要がある場合はさらに長引く可能性があります。通院回数や治療内容については、事前に歯科医院で詳しい説明を受けるようにしましょう。

インプラントの治療期間が伸びることはありますか?
はい、インプラント治療では、主に以下のような理由によって、治療期間が伸びるケースがあります。
  • 骨造成や歯肉移植が必要な場合
    骨の厚みが不足している場合、骨造成(サイナスリフト、ソケットリフト、GBRなど)を行う必要があります。この場合、骨が回復するまで3〜6ヶ月程度が追加で必要です。歯肉が不足している場合は、歯肉移植を行うことで治療期間が延びる可能性があります。
  • 感染が起きた場合
    手術後の傷口が感染すると、インプラントと骨の結合が阻害され、治療が一時中断されます。感染を防ぐために術後のケアが重要です。
  • 喫煙や持病の影響
    喫煙により血液の流れが悪くなり、骨とインプラントの結合が遅れるリスクがあります。また、糖尿病や骨粗しょう症などの持病がある場合も治癒に時間がかかる場合があります。
インプラント治療の流れを教えてください
インプラント治療は主に以下の手順で進められます。
  1. カウンセリングと検査
    患者さんの口腔内環境や健康状態を診査し、CT撮影や歯周病検査が行われます。治療計画を策定し、患者さんの同意を得てから治療を開始します。
  2. 一次手術(インプラント埋入)
    歯茎を切開し、顎の骨にインプラントを埋め込む手術が行われます。手術後、2週間程度で抜糸を行います。
  3. 待機期間
    インプラントと骨が結合するまで3〜6ヶ月程度待ちます。この期間中は通院の必要はない場合が多いようです。
  4. 二次手術(アバットメント装着)
    インプラントが定着したら、アバットメントを装着します。この過程で歯茎の形を整えます。
  5. 型取りと上部構造の製作
    型取りを行い、患者さんの歯に合った上部構造を製作します。
  6. 上部構造の装着
    製作した上部構造を装着し、噛み合わせを調整します。
  7. メンテナンス
    治療完了後も、定期的な検診とクリーニングを行うことがおすすめです。

治療の所要期間は3〜6ヶ月程度ですが、患者さんの状態や治療内容によって異なります。

インプラントの治療期間を短縮する方法

インプラントの治療期間を短縮する方法

インプラントの治療期間を短くする方法はありますか?
インプラント治療期間を短縮するには、以下のポイントを参考にしてみましょう。
  • 良好な口腔衛生の維持
    治療前に口腔内を清潔に保つことが治療の成功率を高めます。定期的な歯科健診やプロのクリーニングを受け、細菌感染のリスクを軽減することが大切です。
  • 即時荷重インプラント
    手術直後に仮歯を装着する技術で、通常より早く機能の回復が見込めます。骨の量や質が十分であることが条件ですが、治療期間の短縮につながります。
  • 骨との結合が早いインプラントの使用
    ハイドロキシアパタイトなどの骨結合を助けるとされるコーティングが施されたインプラントを使用すると、治療期間が短くなる可能性があります。
  • 1回法の採用
    2回の手術が必要な2回法ではなく、1回法を選択すると手術回数を減らせます。ただし、適応条件があります。
  • 全身健康の管理
    禁煙や糖尿病の適切な管理は骨の治癒力を高め、治療期間短縮に役立ちます。
インプラント治療期間を短縮させる治療法について教えてください
インプラントの治療期間を短縮するには、上述した即時荷重インプラントやインプラント1回法のほかにも、以下のような治療法があります。
  • 抜歯即時インプラント
    抜歯直後にインプラントを埋め込む方法です。従来のように抜歯後の傷口が治癒するのを待つ必要がなく、治療期間の短縮につながります。
  • All-on-4(オールオンフォー)
    4本のインプラントですべての歯を支える治療法で、すべての歯がない状態や、多くの歯を抜歯する予定の場合に適した方法です。治療期間が短縮されるだけでなく、患者さんへの負担軽減にも寄与します。

適切な回数でインプラント治療を受けるためには

適切な回数でインプラント治療を受けるためには

インプラント治療を受ける歯科医院を選ぶポイントを教えてください
インプラント治療を成功させるためには、まず初診時のカウンセリングが丁寧で、希望や不安にしっかり耳を傾けてくれる医院を選びましょう。インプラント治療は高額で外科的手術を伴うため、不安を解消し、納得できる治療プランを提示してくれる歯科医師が重要です。また、設備が整っているかも確認すべきポイントです。CTスキャンを導入している医院は、三次元的な診断を行ったうえで治療計画が立てられます。使用するインプラントの素材についても医院によって差があるため、事前に確認しておくことが大切です。そして、歯科医師の技術力も重要です。症例数が多く、経験豊富な医師は、難症例に対応していたり、術後の腫れや痛みが少なかったりする傾向があります。

さらに、メリットだけでなくデメリットも丁寧に説明し、複数の治療法を提案してくれる医院は、患者さんに寄り添った治療を提供している証です。安心して治療を受けるために、これらのポイントを考慮して医院を選びましょう。

インプラント治療を受ける前にどのような工夫ができますか?
インプラント治療を成功させるためには、治療計画をしっかりと立てることが重要です。歯科医師と十分なカウンセリングを行い、治療の流れや期間、予想される効果やリスクについて詳しく確認しましょう。特に、全身疾患や服用している薬がある場合は、医師に正確な情報を伝えることで安全性が高まります。次に、治療前の口腔ケアを徹底することが大切です。歯周病やむし歯がある場合は、治療を始める前に治しておく必要があります。歯科衛生士によるクリーニングを受け、口腔内を清潔に保つことで手術後の感染リスクの低減につながります。
インプラント治療中の注意点を教えてください
インプラント治療期間中は、口腔内の衛生状態を良好に保つ必要があります。歯磨きやデンタルフロスの使用を習慣化し、仮歯やインプラント周囲の清掃を丁寧に行いましょう。食生活にも注意が必要です。仮歯を使用している場合は、硬いものや粘着性のある食べ物を避け、やわらかい食事を心がけましょう。仮歯に過剰な負担をかけると、インプラントに影響を及ぼす可能性があるためです。さらに、手術後のケアも重要です。医師から指示された薬の服用やアフターケアを守り、腫れや痛みが続く場合など、異常を感じた場合は速やかに相談しましょう。

また、禁煙を徹底し、全身の健康管理にも気を配ることが治療の成功につながります。治療中に少しでも疑問や不安があれば、遠慮せずに歯科医師に相談することが大切です。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまでインプラント治療では歯科医院に何回通う必要があるのかについてお伝えしてきました。インプラント治療では歯科医院に何回通う必要があるのかの要点をまとめると以下のとおりです。

  • インプラントの治療期間は3〜6ヶ月程度で、上の前歯の場合は6〜8回程度、奥歯の場合は3〜5回程度の通院回数となる
  • 骨造成や歯肉移植が必要な場合や感染が起きた場合、喫煙や持病が悪影響を及ぼす場合は、インプラントの治療期間が伸びる可能性がある
  • インプラントの治療期間・回数を短縮する方法としては、良好な口腔衛生の維持や禁煙など生活習慣を整えることのほか、抜歯即時インプラントや即時荷重インプラントなどの治療法を選択することが挙げられる

インプラントの治療期間や通う回数は患者さんそれぞれの状態によって異なります。短縮するために行える治療法などを理解し、治療を検討している方は、歯科医院に相談してみましょう。 ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
箕浦 千佳歯科医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

箕浦 千佳歯科医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

朝日大学歯学部卒業 / 現在は長谷川亨歯科クリニック非常勤勤務

記事をもっと見る

RELATED

PAGE TOP

電話コンシェルジュ専用番号

電話コンシェルジュで地域の名医を紹介します。

受付時間 平日:9時~18時
お電話でご案内できます!
0120-022-340