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インプラントは交換できる?インプラント治療後のトラブルや交換の注意点について解説

インプラントは交換できる?インプラント治療後のトラブルや交換の注意点について解説

インプラント治療は、失った歯を補う方法の一つですが、長期間にわたる使用には適切な管理とケアが不可欠です。 この記事では、インプラントの基本知識から始まり、以下の内容で解説していきます。

  • インプラントの基本知識
  • インプラントの交換
  • インプラントの寿命を伸ばすためのポイント

ぜひ最後までお読みください。

インプラントの基本知識

インプラントの基本知識

インプラントの構造について教えてください
インプラントは、顎の骨に埋め込まれる人工の歯根(インプラント体)、その上に装着される被せ物の土台(アバットメント)、そして一番上に取り付けられる人工の歯(上部構造)の3つの主要部分から成り立っています。

インプラント体は主にチタン製で、スクリュータイプ(ネジのような形状)の形状が一般的です。スクリューの形状により、インプラントが骨に埋め込まれる際に骨との接触面積が増え、より強固な結合を実現します。
インプラント治療において、このタイプは広く利用されています。 アバットメントはインプラント体と上部構造をつなぐ役割を果たし、上部構造は患者の噛み合わせや審美性に合わせて調整されます。

インプラントは失った歯を天然歯に近い状態で回復させる治療法であり、見た目や機能の両面で自然な歯に近い結果を目指します。 また、インプラント治療は一般的に成人に適用されますが、特に年齢制限はありません。成長が完了し、顎骨の発達が安定した若い成人から高齢者まで、広範囲の年齢層がインプラント治療の候補になり得ます。
ただし、高齢者の場合は全身の健康状態や骨密度が治療できるかどうかを判断する重要な要素になります。

インプラントの寿命について教えてください
インプラントの平均寿命は10年以上であり、適切なケアと定期的な歯科診療により20年、30年、場合によっては40年近くまで延ばせます。
寿命に影響を与える要因には、患者の全体的な健康状態、口腔衛生の習慣、インプラントの位置などがあります。インプラントの寿命が近づくと、周囲の腫れや痛みなどのサインが現れることがあり、これらの兆候を見逃さないことが重要です。
インプラント治療後のトラブルで受診する目安を教えてください
インプラント治療後のトラブルに気づいたら、いち早く受診を検討しましょう。
具体的な受診の目安としては、インプラント後にかみ合わせが合っていない場合、インプラントからの出血や異臭がある場合、歯ぐきからインプラントが見えるようになった場合、またはインプラントがグラグラする場合です。
これらの症状は、インプラント周囲炎や他の合併症を示す可能性があり、放置するとより深刻な問題に発展することがあります。定期的なメインテナンスと併せて、これらの症状が見られた際には迅速に歯科医師の診断を受けることが重要です。

インプラントの交換

インプラントの交換

インプラントの交換ではどのパーツを交換しますか?
インプラントの交換に際して、基本的には「上部構造」、「アバットメント」、「インプラント体」の3つのパーツのうち、どの部分を交換するかは、インプラントの問題や症状によって異なります。
単に上部構造が損傷した場合は、これのみを交換するできます。一方、インプラント周囲炎などが原因で重大な問題が生じた場合は、インプラント体を含む全てのパーツの交換が必要になることがあります。
インプラント交換の流れを教えてください
インプラントの交換フローについては、まず歯の状態確認から始まります。必要に応じてインプラント体、アバットメント、上部構造のいずれかを外すか、全部を取り外し、新しい部品に交換します。
このプロセスには、インプラント体の骨との結合状態の評価や、必要に応じて骨移植を伴う場合もあります。交換後は、新しいインプラントの安定性を確保するために一定期間の経過観察が必要です。
インプラントを交換せずに放置するとどのようなリスクがありますか?
インプラントを交換せずに放置するリスクには、インプラント周囲炎の進行、顎の骨のさらなる損失、近隣の歯への影響などがあります。
これらの問題は、放置することでより深刻な口腔内問題へと進行する可能性があり、最終的にはインプラントの完全な失敗や他の歯への悪影響を引き起こす恐れがあります。
インプラントの交換はどれくらいの費用がかかりますか?
インプラントの交換費用は、交換する部品の種類や治療の複雑さ、医院の地域や設備によって大きく異なります。
一般的に、部分的な交換であれば数万円程度から可能ですが、インプラント体を含む全体の交換が必要な場合は、数十万円から数百万円の費用がかかる場合があります。

インプラントの寿命を伸ばすためのポイント

インプラントの寿命を伸ばすためのポイント

インプラント治療後、歯科医院ではどのような工夫ができますか?
歯科医院では、インプラント治療後の患者さんのために、定期的なフォローアップやメンテナンスを提供し、インプラントの健康状態をチェックしています。また、正しいブラッシング技術やフロスの使用方法など、日々の口腔ケアに関するアドバイスも行います。

あくまでも一般論ですが、細かい歯間には薄くて滑りやすいフロスが適しており、広い歯間やブリッジがある場合は、テープタイプのフロスやより太いフロスが適しています。また、フロスの使いやすさを重視する場合は、ハンドル付きのフロスピックも便利です。

重要なのは、毎日継続して使用し、歯間部分のプラークを除去することです。 ブラッシング技術やフロスの使用方法以外にも、将来的な問題を予防するために、食生活や生活習慣に関する指導をするケースがあります。これらの工夫により、インプラントの長期的な成功を支援し、患者さんが健康な口腔環境を維持できるように努めています。

インプラント治療後、自宅ではどのような工夫ができますか?
インプラント治療後、自宅でのケアとしては、正しい歯磨き方法を実践し、特にインプラント周囲の清潔を保つことが重要です。また、歯間ブラシやフロスを使用して、インプラントと自然歯の間のプラークを除去します。
加えて、バランスの取れた食生活を心がけ、硬い食べ物や粘着性の食べ物は避けるようにするとよいでしょう。 これらの日常的なケアにより、インプラントの寿命を延ばし、健康な口腔状態を維持できます。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで、インプラント治療後のトラブルや交換の注意点について解説していきました。 要点をまとめると、以下の通りです。

  • インプラントの交換は可能で、歯の状態確認から始め、必要に応じて部品を新しいものに交換し、経過観察を行う
  • インプラントの寿命は平均10年以上で、適切なケアで40年まで延長可能。寿命は健康状態や口腔衛生に依存し、寿命近くでは腫れや痛みがサインとして現れる
  • 放置されたインプラントは周囲炎を進行させ、顎骨損失や隣接歯への悪影響を招く恐れがあるので危険

インプラントの寿命を短くさせてしまう行為には、不適切な口腔衛生習慣、タバコの使用、定期的な歯科検診の欠如、過度の咬合力(硬い物を噛む習慣など)、慢性疾患(糖尿病や骨粗しょう症など)が管理されていないことなどがあります。

これらはインプラント周囲の炎症を促進し、骨への結合を弱め、最終的にインプラントの安定性や寿命に悪影響を及ぼす可能性があります。 歯科医院での適切なケアと定期的な検診で、これらのリスクを抑えることが重要です。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
若菜 康弘歯科医師(若菜歯科医院院長)

若菜 康弘歯科医師(若菜歯科医院院長)

鶴見大学歯学部大学院卒業 / 現在は若菜歯科医院の院長

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