歯が無くなった際の治療はどのようなものがあるのでしょうか。本記事では歯が無くなった際の治療について以下の点を中心にご紹介します。
- 歯が無くなる原因
- 歯が無くなった方におすすめの治療
- インプラントの費用
歯が無くなった際の治療について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。 ぜひ最後までお読みください。
歯がなくなる原因について
- 歯がなくなる原因は何ですか?
- 歯が無くなる主な原因は、歯周病とむし歯です。歯周病とむし歯は私たちの生命活動を支える重要な器官である歯の寿命を縮めます。
特に歯周病は、糖尿病や心臓病と関連があります。歯周病は、歯にこびりつく歯垢(プラーク)に存在する細菌が原因で、細菌が歯周炎を引き起こします。
また、むし歯も口の中の細菌や糖分の摂取、歯の質などの要因が絡み合って発生します。歯周病もむし歯も初期段階では自覚症状がほとんどなく、気づいたときには進行していることが多いです。そのため、定期的な歯科健診や適切な口腔ケアが重要となります。
- 歯が抜けたまま放置するとどうなるのでしょうか?
- 歯が抜けたまま放置すると、さまざまな問題が生じます。
まず、口腔内全体に影響が出ます。抜けた歯のスペースに他の歯が移動し、かみ合わせや歯並びが悪くなる可能性があります。また、健康だった他の歯も負担が増え、崩壊するリスクが高まります。
さらに、身体全体にも影響が及びます。食べられる食材が減り、栄養の偏りや胃腸への負担が増える可能性があります。また、発音が難しくなり、口臭が発生することもあります。さらに、認知症のリスクが上がるともいわれています。
見た目にも影響が出ます。歯ぐきの位置が下がったり頬がこけたりする可能性があります。これらは老け顔に見える原因となります。
金銭的な影響も無視できません。治療箇所が増えると、治療費や治療期間も増えます。早期に治療を行うことで、これらの問題を防ぐことが可能です。
歯が無くなった方におすすめなインプラント治療
- インプラントについて教えてください
- インプラントとは、歯が失われた部分に人工の歯根(チタン製)を埋め込み、その上に人工の歯を取り付ける治療法です。インプラントは、天然の歯に近い構造を持っており、周囲の健康な歯に負担をかけにくいという特徴があります。そのため、食事や話す際の自然な感覚を保つことが可能です。また、定期的なメンテナンスにより、長期間にわたって使用することが可能です。
ただし、手術が必要であり、骨が少ない場合は骨組織を再生する治療が必要となり、治療期間が長くなることもあります。また、他の治療法と比較して費用が高くなる可能性もあります。
- インプラント治療の流れと治療期間について教えてください
- インプラント治療は大きく分けて以下のステップからなります。
- 治療計画と精密検査:治療前に口腔内や顎の骨の現在の状況や健康状態を細かく確認します。通院回数は約2~3回、通院期間は約2日~2週間です。
- 事前治療:治療計画の段階で人工歯根埋入手術を受ける前に治療が必要な項目があった場合に行われます。期間は状態が改善されるまでとなります。
- 人工歯根埋入手術:インプラントは、人工の歯根を顎骨に穴を開けて設置する手術です。手術には1回法と2回法があり、口腔内の状況などによって歯科医師が判断します。手術は1日で終わります。
- インプラント定着期間:2回法の手術を採用した場合、1回目の手術と2回目の手術の間には3~6ヶ月の安定化のための期間が必要となります。この期間は、人工歯根と顎骨がしっかりと結びつくための重要な期間です。
- 上部構造をセットする:1回法でも2回法でも、インプラントがしっかりと骨と結合し、切開した歯肉の傷が治癒した後に上部構造を取り付けます。上部構造の取り付けは1日で完了します。
治療完了後も定期的なメンテナンスが求められます。インプラントは、適切なケアを怠ると問題が生じる可能性があるため、定期的な診察と日常的な自己管理が必要です。
- インプラント治療にはどのようなメリットがありますか?
- インプラント治療は、失った歯を人工的に再現する治療法で、多くのメリットがあります。
まず、インプラントは自分の歯と同じようにしっかりと噛めるため、入れ歯等の他の治療法と比べて、食べ物を食べた際の違和感や挟まりの問題が解消されます。また、チタンなどの素材が使われることで、強い力にも耐えられます。
審美的な印象もインプラントの大きなメリットで、セラミックやジルコニアなどが使われることで、天然の歯と同じような美しい見た目が得られます。さらに、インプラントは周りの健康な歯に負担をかけずに治療が可能とされています。
しかし、インプラント治療にはデメリットも存在します。治療費が高額であること、治療期間が長いこと、手術が必要であることなどが挙げられます。また、治療後の定期的なメンテナンスが必要で、感染症のリスクもあるため、注意が必要です。
インプラントの費用
- インプラント治療にかかる費用はいくらですか?
- インプラント治療の費用は、治療を受ける部位や使用するインプラントの種類によりますが、一般的には1本当たり30万~50万円程度とされています。
具体的には、奥歯の場合、検査・診断料が1.5万~5万円、インプラントの手術費用が約20万~40万円、上部構造(人工歯)の費用が約10万〜20万円となります。前歯の場合も同様の費用がかかりますが、上部構造の製作費がやや高くなることが多いようです。
全ての歯をインプラントで治療する場合(All-on-4という方法)は、上下一方の顎を治療した場合で約200万~250万円、上下両方で約400万~500万円程度となります。
ただし、これらの費用はあくまで一般的な相場であり、歯科医院によっては異なる場合もあります。また、インプラント治療は基本的に保険適用外となるため、全額自己負担となります。
- なぜインプラントの治療費は高額なのでしょうか?
- インプラント治療の費用が高額になる理由は主に2つあります。
1つ目は、治療を行うための設備にかかる費用です。インプラント治療は特殊な手術であり、その確実性を確保するためには、高度な医療設備が必要となります。これには滅菌や感染予防のための設備、歯科用CT、インプラント手術専用の機材などが含まれます。
2つ目の理由は、インプラント本体の価格です。信頼できるインプラントメーカーの製品は、その品質とアフターフォローの充実さから、自ずと本体価格も高くなります。これらの理由から、インプラント治療の費用は他の歯科治療よりも高額になります。
- インプラント治療の費用は医療費控除の対象になりますか?
- インプラント治療の費用は、医療費控除の対象となります。医療費控除とは、1年間に支払った医療費が10万円を超えた場合に、税金の還付を受けられる制度です。インプラントの費用相場は約30万~40万円となっているため、数万円の還付が受けられる可能性があります。
この還付は確定申告の際に申請し、5年前まで遡って申請できます。したがって、過去に受けたインプラント治療も対象となります。ただし、還付額は支払った医療費や治療費、所得額によって変わります。
編集部まとめ
ここまで歯が無くなった際の治療についてお伝えしてきました。歯が無くなった際の治療についての要点をまとめると以下の通りです。
- 歯が無くなる原因は歯周病とむし歯で、歯が抜けたまま放置すると口腔内や身体全体、見た目、金銭的に影響が出る可能性がある
- 歯が無くなった人におすすめの治療はインプラント治療で、インプラント治療は、歯が失われた部分に人工の歯根(チタン製)を埋め込み、その上に人工の歯を取り付ける治療法
- インプラントの費用は一般的には1本当たり約30万~50万円程度
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。