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インプラントとブリッジはどちらが安い?それぞれにかかる費用を解説!

インプラントとブリッジはどちらが安い?

歯の治療方法は何種類かありますがその中でも、インプラントは近年人気を集めています。この記事では、インプラント治療やブリッジ治療について以下の内容を中心に解説します。

  • インプラントのメリット・デメリット
  • ブリッジのメリット・デメリット
  • それぞれの費用について

ぜひ最後まで御覧ください。

インプラントについて

インプラントについて

インプラントにはどのようなメリット・デメリットがあるでしょうか。
以下で詳しく見ていきましょう。

インプラントとは

インプラントとは、体内に埋め込む医療器具・材料を指す言葉です。歯科領域では、あごの骨に埋め込む人工歯根を歯科インプラントと呼びます。インプラント治療は、歯を失った方やもともと歯がない方に適用されます。しかし、全身状態が悪い方や予定部位のあごの骨が弱い方は治療を受けられない場合もあります。循環器系疾患や呼吸器系疾患、糖尿病などの既往歴も注意が必要です。インプラント治療は一般的に歯科で行われることが多いですが、他の分野でも使用されることもあります。

インプラントのメリット

インプラント治療には多くのメリットがあります。以下にそれらを詳しく解説します。

他の健康な歯を削らなくてよい
インプラントは、人工歯根をあごの骨に埋め込む治療です。このため、周囲の健康な歯を削る必要がありません。伝統的なブリッジ治療では、隣接する歯を削って被せ物を装着するため、そのデメリットがありました。しかし、インプラントは独立して存在するため、周囲の歯を傷つけずに欠損した歯を補えます。

より違和感の少ない色を選択できる
インプラント治療では、上部構造(クラウン)を装着することが一般的です。これは、失った歯を自然な見た目で再現するためのカスタムメイドの歯です。歯科技工士と協力して、自分の歯とほぼ同じ色合いや形状に仕上げることが可能です。そのため、インプラントを装着した場合でも、美しい笑顔を保てます。

インプラント治療は、周囲の歯を守りながら自然な咬合感を取り戻すための優れた方法です。残っている健康な歯を削らずに済み、自分の歯とほぼ同じ外観を再現できるため、機能性と美しさの両面で優れた結果をもたらします。

インプラントのデメリット

インプラント治療にはいくつかのデメリットも存在します。以下にそれらを詳しく解説します。

自由診療のため、費用が高額
インプラント治療は一般的に自由診療に分類されます。これは、公的な医療保険の適用外であるため、患者さんが全額負担する必要があるということです。インプラント治療は高度な技術と材料を使用するため、費用が高額になることがあります。治療の範囲や必要な手術の回数によっても費用は異なりますので、事前に詳細な費用や保険の適用範囲を確認することが重要です。

手術が必要で、治療期間が長くなる
インプラント治療は手術的な処置が必要です。人工歯根をあごの骨に埋め込むために、骨の癒着や組織の回復を待つ必要があります。治療期間は患者さんや治療計画によって異なりますが、一般的には数か月から半年以上かかることもあります。手術や長い治療期間に対する耐性や我慢が必要となるため、患者さんはそれに備えて理解と忍耐力を持つ必要があります。

術後はメインテナンスに通う必要がある
インプラント治療が完了した後でも、定期的なメインテナンスが必要です。インプラント周囲の歯肉や上部構造自体の健康状態を確認し、清掃やメンテナンスすることで長期的な成功を保てます。定期的なメインテナンスは、歯科医師や衛生士との定期的な診察やクリーニングを含みます。メインテナンスに通う必要があるため、治療後の長期的なコミットメントが求められます。

ブリッジについて

ブリッジについて

では、ブリッジにはどのようなメリット・デメリットがあるでしょうか?
以下で詳しく見ていきましょう。

ブリッジとは

ブリッジは、欠損した歯を補うための治療法の一つです。抜いた歯(欠損歯)の代わりに人工の歯(ダミーまたはポンティック)を、そのダミーを両隣の歯にかぶせて一体化させます。つまり、ブリッジは両隣の歯を土台にして、人工歯を支える構造となります。

他にも欠損歯を補うための治療法としては、「部分義歯」がありますが、それぞれにはメリットとデメリットが存在します。欠損歯が少ない場合は一般的にブリッジが選ばれます。

ブリッジは、支台歯となる歯が十分に丈夫であれば、大きな欠損部分でも補えます。また、健康保険の適用範囲内で製作することも可能ですが、保険適用されるかはケースによって異なります。材質によっても保険適用か自費かが異なりますし、自費治療でより強度や透明感が求められる場合は、ポーセレンなどの材料を使用することがあります。

ブリッジのメリット

ブリッジには、以下のようなメリットがあります。

取り外す手間が少ない
ブリッジは、両隣の歯にかぶせる冠と一体化させることで、安定した固定が可能です。一度装着されたブリッジは、日常生活や食事の際にも自然な感覚で使用できます。

保険適用できる可能性がある
ブリッジ治療は、一部のケースでは健康保険の適用範囲内で行えます。具体的な条件や制約はありますが、保険適用の場合は費用面での負担が軽減される可能性があります。ただし、材質や治療範囲によっては自費治療となる場合もありますので、詳細な費用については歯科医と相談することが重要です。

治療回数や通院回数がインプラントにより少なく、短い
ブリッジ治療は、インプラント治療に比べて短期間で完了します。ブリッジの製作や装着には、歯科医院での数回の通院が必要ですが、インプラント治療のような手術や骨組織の回復を待つ期間が必要ないため、治療のスピードが速いと言えます。

これらのメリットから、ブリッジ治療は取り外しの手間がなく、短期間で完了できるため、多くの患者さんに選ばれています。ただし、具体的な治療方法や費用については、個人の状況や歯科医との相談を通じて適切に選択することが重要です。

ブリッジのデメリット

ブリッジ治療には、以下のようなデメリットがあります。

固定するために他の歯を削らなければならない
ブリッジ治療では、ブリッジを支えるために両隣の歯(支台歯)にかぶせる冠を作成する必要があります。このため、健康な歯を一部削り、形成する必要があります。削られた歯は元の状態には戻せません。

土台となる隣の歯の負担が大きい
ブリッジは、欠損した歯を補うために両隣の歯を支台として使用します。このため、ブリッジによって負担が増え、隣接する健康な歯にもストレスがかかる可能性があります。特にブリッジの長さや大きさが大きい場合は、隣の歯に余分な負担がかかる可能性があります。

土台にした歯が虫歯になりやすい
ブリッジの土台となる歯(支台歯)は、ブリッジ自体やその周囲の歯のクリーニングやケアが難しくなることがあります。ブリッジ装着後は、特にブリッジと支台歯の境目やブリッジの下部をしっかりと清潔に保つ必要があります。不適切な歯磨きやメンテナンスが行われると、支台歯が虫歯になりやすくなる可能性があります。

これらのデメリットからわかるように、ブリッジ治療では健康な歯の削りや隣の歯への負担が存在し、虫歯になりやすくなります。

インプラントとブリッジの費用の比較

インプラントとブリッジの費用の比較

歯の欠損や歯の治療を検討する際に、費用は重要な要素です。特にインプラントとブリッジは、よく選択される治療法ですが、それぞれの費用には差があります。ここでは、インプラントとブリッジの費用について比較してみましょう。

術前検査・診断料

歯の欠損治療において、術前の検査と診断は重要なステップです。インプラント治療とブリッジ治療の場合、術前検査・診断にかかる費用には差があります。

インプラント治療の場合、術前検査・診断料は一般的に15,000〜50,000円程度です。この費用には、お口の状態の診査、レントゲン撮影、歯形の模型作製、お口の写真撮影、診断料などが含まれます。これらの検査と診断は、インプラント治療のための適切な計画を立てるために必要な情報を得るために行われます。

一方、ブリッジ治療の場合、術前検査・診断料は保険治療の場合であれば、一般的に2,500〜3,500円程度です。この費用には、お口の状態の診査、レントゲン撮影、お口の写真撮影、診断料などが含まれます。ブリッジ治療の場合、患者さんの保険適用の範囲内での治療する場合もありますので、その場合は保険適用による負担割合が適用されます。

術前検査・診断料は治療計画を立てる上で重要な費用です。それぞれの治療法において、患者さんの具体的な状態に応じて必要な検査と診断が行われます。治療費用全体を把握するためにも、術前検査・診断料について理解しておくことは重要です。

治療にかかる費用

歯を1本失った場合の治療には、インプラント治療とブリッジ治療があります。それぞれの治療法には、以下のような費用がかかります。

インプラント治療の場合、手術費用が約200,000〜300,000円程度です。この費用には、インプラント本体の費用(インプラント)、アバットメント(インプラントと上部構造を連結する部分)、服用薬、技術料、その他の設備や機器の使用代などが含まれます。また、上部構造の費用は約100,000〜200,000円程度です。上部構造はインプラントに取り付けられる部分であり、連結するネジ代や接着するセメント代などが含まれます。これらの費用の総額相場は約300,000〜500,000円です。

一方、ブリッジ治療の場合、保険治療の場合の費用例を示します。ブリッジそのものの費用は20,000円前後です。この費用に加え、土台や型取り、接着剤などの料金が追加され、費用の総額相場は約20,000円〜30,000円です。

なお、治療により見た目や使用感の要望がある場合や、精度を求める場合は、保険診療の範囲を超える自由診療となります。その場合、費用は歯科医院によって異なりますが、上記の費用の10倍以上になることもあります。

メンテナンス費用

インプラント治療後のメンテナンスには、お口の状態の確認や歯のクリーニングなどが含まれます。定期的なメンテナンスは、お口のトラブルを未然に防ぐために重要です。メンテナンスにかかる費用や通院回数について事前に確認しておくことがおすすめです。一般的なお口全体のメンテナンスの相場は、30分から1時間で3,000円から10,000円程度です。

ブリッジ治療後のメンテナンスにも、お口の状態のチェックや歯のクリーニングが含まれます。治療後は、被せ物と歯の間に汚れが溜まりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まるため、最低でも半年に一度のメインテナンスを受けることがおすすめです。保険診療の場合、お口全体のメインテナンスの相場は、30分〜60分で2,000円から4,000円程度です。

ただし、紹介した治療費は患者さんのお口の状況に応じて異なる場合があります。また、保険の適用によっても治療費は大きく異なります。失活歯や生活歯などの状態によっても治療費が異なるため、歯科医院で詳細な費用について相談することが重要です。

保険の適用と医療費控除の利用

保険の適用と医療費控除の利用

保険や医療費控除の点ではどのように異なるのでしょうか。
以下で詳しく見ていきましょう。

インプラントとブリッジの保険の適用可能性

インプラントとブリッジの治療を受ける際に、保険の適用可能性も考慮することが重要です。以下に、インプラントとブリッジの保険の適用に関するポイントをご紹介します。

インプラント治療の保険の適用可能性
インプラント治療は一部の例外を除いて、一般的には保険の適用外とされています。一般的な保険治療ではないため、自由診療となり、費用がかかる場合があります。ただし、治療が必要な特殊な状況や事情がある場合には、保険の適用が認められることもあります。具体的な保険の適用については、歯科医院と相談する必要があります。

ブリッジ治療の保険の適用可能性
ブリッジ治療は一般的に保険の適用が可能です。ただし、保険の範囲内での治療でも、1~3割の自己負担が発生する場合があります。また、保険の適用条件や治療範囲によっても異なるため、具体的な費用や適用範囲については歯科医院と相談することが必要です。

保険の適用については、患者の個別の状況や治療の必要性に基づいて判断されます。治療の必要性や保険の適用条件については、歯科医院の専門知識を活用し、事前に十分な情報を得ることが重要です。また、保険の適用外の治療を選択する場合には、その分の費用を自己負担する必要がありますので、経済的な面も考慮に入れることが大切です。

医療費控除の利用

インプラント治療費は、医療費控除の対象となります。この制度を利用することで、治療にかかる費用負担をある程度軽減できます。以下に医療費控除に関する情報をご紹介します。

医療費控除とは、1年間に支払った医療費が10万円を超えた場合に、所得控除が受けられる制度です。具体的には、申告書に記載し、確定申告を行うことで、既定の計算に基づいて算出された還付金を受け取ることができます。

インプラント治療にかかる費用は、この医療費控除の対象となります。ただし、治療費だけでなく、治療に関連する交通費や処方薬代なども含まれます。例えば、治療のために通院する際の交通費や、治療に必要な薬を購入する際の薬代も、医療費として控除の対象となるのです。

医療費控除を利用するためには、確定申告を行う必要があります。年末になると税務署から確定申告の案内が送られてきますので、その手続きに従って申告を行いましょう。控除額は、支払った医療費の合計額に応じて算出されますので、正確な情報を提供することが重要です。

まとめ

まとめ

ここまでインプラントとブリッジのメリット・デメリットや費用についてお伝えしてきました。本記事の要旨は以下のとおりです。

  • インプラントはより自然な仕上がりになるが、メンテナンスや通院の手間が大きい
  • ブリッジはインプラントより手間が少ないが、周りの歯を削る必要がある
  • ブリッジと違いインプラントは基本的に保険適用されないため、高額

これらの情報が少しでもお役に立てば幸いです。 最後までご覧いただきありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
遠藤 眞次医師(グランメゾンデンタルクリニック)

遠藤 眞次医師(グランメゾンデンタルクリニック)

長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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