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知っておくべきインプラント治療の危険性とは?どこにインプラントの危険性は隠れているのか

知っておくべきインプラント治療の危険性とは?どこにインプラントの危険性は隠れているのか

インプラント治療には危険性が隠れていると聞いたことはありませんか? 本記事では、インプラント治療の危険性を以下の点を中心にご紹介します!

  • インプラントの危険性について
  • インプラントが危険と言われる理由
  • インプラント手術におけるリスク

インプラント治療の危険性について理解するためにもご参考いただけると幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

インプラントの危険性について

インプラントの危険性について

インプラント治療は、欠損した歯を補うための有効な方法ですが、治療にはリスクが存在します。リスクとしては、インプラントの破損や手術時の神経や血管の損傷、細菌感染、金属アレルギー反応などがあります。 治療前には、リスクや注意点を理解し、歯科医師に相談することが重要です。患者は、インプラント治療を受ける前に、歯科医師に自分の健康状態や、アレルギーの有無、薬の服用状況などを正確に伝えることが必要です。

治療後も、正しい口腔衛生を維持することが重要です。ブラッシング、フロス、マウスウォッシュを適切に使用することで、口腔内の清潔を保ち、インプラントの寿命を延ばせます。 総合的に見ると、歯科インプラント治療は、高い成功率を誇り、患者の生活の質を改善できる有効な治療法であると言えます。歯科医師との相談を通じて、自分に適した治療法を選択することが大切です。

インプラントが危険と言われている理由

インプラントが危険と言われている理由

インプラントが危険と言われている理由はどのようなものでしょうか。

歯周病菌への感染

インプラント治療後には、周囲の歯肉とインプラントとの接合部分に歯周病菌が定着することがあります。その結果、インプラント周囲炎が発生する可能性があります。インプラント周囲炎は、歯周病菌による感染が原因であることが多いため、歯周病のリスクを高めることがあります。

インプラント周囲炎は、自覚症状が出にくいため、進行している場合があるとされています。患者が適切にメンテナンスしない場合、炎症が進行し、インプラントを失うことにつながることがあります。 歯周病菌に感染すると、他の歯にも炎症が起こりやすくなるため、歯周病のリスクが高まることがあります。

そのため、インプラントを含めた口内環境の衛生管理が重要です。 適切な歯磨きやメンテナンスをすることで、インプラント周囲炎の予防や進行の抑制ができます。歯ブラシやフロス、マウスウォッシュを使用して、定期的に口腔内を清掃し、定期的な歯科検診を受けることが重要です。歯周病菌に対する抗生物質の使用や、歯周ポケットの清掃など、歯科医師からのアドバイスに従うことも重要です。

骨の厚みや高さの不足

インプラント治療には、インプラントを埋入するための骨の厚さと高さが必要です。しかし、歯を失ったままの状態が長く続いた患者の場合、骨が吸収され、骨の厚みや高さが不足することがあります。 このため、骨造成法や骨移植する必要があります。

骨移植は、患者自身の骨や人工的な骨を用いて、欠損した骨を再生する方法です。骨造成法は、骨再生を促進するための材料を埋入して、自然な骨の成長を促す方法です。骨の幅を増やす骨造成は、骨の膜を切開して骨の幅を増やす方法で、特に下顎の場合に有効です。

治療方法は、患者の状態によって異なりますので、歯科医師と相談することが重要です。患者の骨量や骨密度、歯周病の有無などを評価し、適した治療方法を選択します。また、骨移植や骨造成法などの手術には、リスクや合併症があります。手術前には、歯科医師がリスクや注意点を説明し、患者が理解した上で治療を受けることが必要です。

歯を失ったまま放置すると、骨が吸収されてしまい、インプラント治療が困難になることがあります。歯を失った場合は、早めに歯科医師に相談し、治療の適切なタイミングを見極めることが大切です。歯科医師との相談を通じて、患者に適した治療法を選択し、健康的な歯を取り戻せます。

見た目の問題が起こる

インプラント治療において、前歯のインプラントは見た目の問題が起こりやすいとされています。 前歯は口元の印象を左右するため、自然な見た目が求められます。しかし、埋入したインプラントに問題が生じることがあり、ぐらつきや抜け落ちなどの問題が起こる可能性もあります。

そのため、インプラント治療を受ける際には、治療をする歯科医師の経験や技術力を確認することが重要です。 インプラント治療を受ける際には、治療前にリスクや注意点を理解し、歯科医師に相談することが重要です。また、治療後も適切にメンテナンスすることで、インプラントの長期的な予後を良好に保てます。

金属アレルギー

インプラント治療において、インプラント体はチタンでできており、金属アレルギーが起きにくいとされています。 実際には、チタンアレルギーは非常にまれであり、チタンを使用したインプラント治療が成功している例は多くあります。しかし、ごくまれにチタンアレルギーがある人もいるため、治療前に事前にアレルギー検査を受けることが必要です。

アレルギー検査の方法としては、血液検査やパッチテストなどがあります。歯科医師と相談して、適切な検査方法を選択することが重要です。検査の結果、金属アレルギーがある場合には、代替材料を用いた治療が必要になる場合があります。 また、インプラント治療においては、チタン以外の材料を使用することも可能です。例えば、ジルコニアなどのセラミックス材料を用いた治療も行われています。

骨との結合がうまくいかない

インプラント治療の成功には、インプラントと骨がしっかりと結合することが不可欠です。しかし、骨との結合がうまくいかない場合があります。その原因として、糖尿病や歯周病、喫煙、骨密度の低さなどが挙げられます。糖尿病の薬物療法については、医師の指示通りに薬を服用することが最も重要です。また、飲み忘れがないように注意することも大切です。これらの行動は、血糖値を適切にコントロールし、インプラント治療の成功に寄与します。

これらの状態は、血行不良や免疫力の低下などを引き起こし、インプラントと骨の結合を妨げる可能性があります。特に、喫煙は血管収縮を引き起こし、血行不良を促進するため、インプラント治療においては避けることが望ましいです。 また、骨密度が低い場合、インプラントと骨の結合がうまくいかないことがあります。これは、骨が薄いために、インプラントがしっかりと固定できないためです。そのため、骨密度の低い患者には、骨造成法や骨移植が必要な場合があります。

さらに、インプラントと骨が結合するまでの期間には、過度な力を加えないように注意する必要があります。結合が不十分な状態で強い力が加わると、インプラントがぐらついたり、抜け落ちたりすることがあります。そのため、インプラントを埋入した箇所に過度の負荷がかからないよう、治療期間中は柔らかい食べ物を選び、しっかりと歯磨きやメンテナンスをすることが大切です。

糖尿病

インプラント治療と糖尿病の関係については、専門家の意見が分かれています。一方で、インプラント治療自体には糖尿病があっても問題ないという意見があります。 実際、糖尿病の患者さんでもインプラント治療が成功した例も報告されています。しかし、糖尿病になると、体内の糖の代謝が悪くなり、免疫力が低下して感染症にかかりやすくなることがあります。また、傷の治りが遅くなるため、手術後の経過に時間がかかることがあります。これらのことから、糖尿病の方の場合は治療にはリスクがあるという意見もあります。

ただし、糖尿病の程度によっては治療ができない場合もあります。日本口腔インプラント学会が定めた基準では、インプラント治療が可能なのは「HbA1c」の値が6.9%以下の人とされています。HbA1cは、1〜2ヶ月の平均的な血糖の状態を示す指標で、糖尿病のコントロールに重要な役割を果たします。糖尿病が進行している場合や、血糖値のコントロールが不十分な場合、治療する前に医師とよく相談する必要があります。また、糖尿病と診断されている方は、治療を受ける前に糖尿病の症状を改善するための治療をし、血糖値を管理することが大切です。

インプラント手術におけるリスク

インプラント手術におけるリスク

インプラント手術におけるリスクを紹介していきます。

神経・血管を傷つけるリスク

インプラント手術は、歯の欠損を補うために行われる一般的な治療法です。しかし、手術には神経や血管を傷つけるリスクがあることが懸念されます。 下顎には大きな神経や血管が存在しているため、神経を傷つけると神経麻痺が起こり、唇やほっぺたの感覚のにぶりや痺れが起こる可能性があります。手術中にドリルやインプラントが血管を傷つけることがあり、大量出血する危険性があるとされています。

しかし、これらのリスクは低いとされており、事前の入念で精密な診査によって、血管や神経の位置を確認することでリスクを減らせます。具体的には、口の中のCTスキャンやレントゲン写真を撮影して、血管や神経の位置や状態を詳しく調べることが必要です。
また、手術中には、専用の器具やガイドを使用することで、正確にインプラント体を埋入できます。 手術後の経過においても、患者は過度な力を加えないように注意しなければなりません。インプラントと骨が結合するまでの期間には、しっかりと噛むことや、硬い食べ物を避けるなどの注意が必要です。

上顎洞を傷つけるリスク

インプラント手術において、上顎洞を傷つけるリスクがあることが分かっています。上顎洞にドリルが突き抜けてしまうと、痛みや腫れ、炎症を引き起こすことがあります。しかし、CTを使用することで、患者の顎骨の形や神経の位置を把握し、リスクを避けられます。このように、入念な診査とリスク管理が重要です。

また、インプラント治療後に上顎洞炎を発症することがあります。上顎洞炎は、上顎洞内に細菌感染が生じる病気で、治療が遅れると重篤化することがあります。インプラント治療後に症状が現れる場合は、歯科医師にすぐに相談しましょう。 顎の骨が十分な場合には、上顎洞に影響を与えることは少ないですが、顎の骨が十分でない場合には上顎洞に炎症を引き起こすリスクが増加します。この場合、顎の骨の量を増やす手術が必要になることがあります。

インプラントが長持ちしない理由

インプラントが長持ちしない理由

続いて、インプラントが長持ちしない理由を紹介していきます。

インプラント周囲炎(インプラントの歯周病)

インプラント周囲炎は、インプラント周囲に歯垢が溜まり、歯周病原細菌が増殖することによって発生する炎症であることが知られています。歯周病原細菌が増殖すると、周囲の健康な歯にも炎症が起こりやすくなり、歯周病のリスクが高まります。インプラント周囲炎は、進行するとインプラントが失われることもあり、早期発見・治療が非常に重要です。

歯周病を治療することで、インプラント周囲炎を発症するリスクを軽減できます。歯周病の治療には、歯垢や歯石の除去、歯肉の治療、口腔内清掃の指導などが含まれます。また、喫煙やストレス、栄養不良などの生活習慣改善も歯周病治療の重要なポイントです。歯周病を早期に治療することで、歯周病の進行を防ぎ、インプラント周囲炎の発症を予防できます。

歯ぎしりや食いしばりなどによるインプラントの破損

歯ぎしりや食いしばりは、ストレスや不安などが原因とされています。しかし、インプラントにとっては有害であり、破損や脱落などのリスクを引き起こすことがあります。歯ぎしりや食いしばりの症状を放置すると、インプラントに過度な力が加わりすぎるため、インプラント体が顎の骨と結合できず、移植が失敗する可能性があります。

そのため、インプラント治療を受ける患者さんは、歯ぎしりや食いしばりの症状がある場合は、事前に歯科医師に相談することが重要です。歯科医師は、適切なマウスピースの使用を勧める場合があります。マウスピースは、歯ぎしりや食いしばりの癖を緩和し、歯やインプラントを保護するために用いられます。

また、マウスピースには、個人に合わせた作成が必要です。 さらに、歯ぎしりや食いしばりの症状を根本的に改善するためには、ストレス管理やリラックス法の取り入れ、適切な睡眠などが必要です。これらの対策をすることで、歯ぎしりや食いしばりの症状が緩和され、インプラントのリスクも軽減できます。

インプラントの危険性まとめ

インプラントの危険性まとめ

ここまでインプラントの危険性についてお伝えしてきました。 インプラントの危険性の要点をまとめると以下の通りです。

  • インプラントのリスクは、破損や細菌感染、金属アレルギー反応などがある
  • インプラントが長持ちしない理由は、周囲炎や歯ぎしり・食いしばりなどである
  • インプラント治療する前に、CTでの診断、徹底した衛生管理が必要である

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
柴原 孝彦医師(東京歯科大学口腔顎顔面外科学講座)

柴原 孝彦医師(東京歯科大学口腔顎顔面外科学講座)

1979年東京歯科大学卒業、2004年東京歯科大学主任教授、2012年東京歯科大学市川総合病院口腔がんセンター長、2020年東京歯科大学名誉教授

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