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インプラントは金属探知機に反応する?インプラントの日常生活での影響について

インプラントは金属探知機に反応する?インプラントの日常生活での影響について

インプラント治療を受けていると、空港などでの金属探知機に反応してしまうのではないかと疑問に思ったことはありませんか? その他にも、日常生活でのトラブルが起こらないかなど、インプラント治療を受けるうえでの不安がある方もいると思います。
この記事では、そんなインプラント治療による日常生活への影響について解説していきますので、参考にしてください。

インプラントは金属探知機に反応する?

インプラントは金属探知機に反応する?

インプラントは空港などの金属探知機に反応しますか?
インプラントは、金属製の人工歯根を埋入させる治療法です。そのため、空港での身体検査に用いられる金属探知機などに反応してしまう可能性はあります。
ただし、インプラント治療で埋入させるパーツはサイズが小さいことや、インプラントに使用される素材のチタンは金属探知機に反応しやすい金属ではないことから、実際に反応してしまう可能性は低いといえるでしょう。金属探知機は磁界の変化によって金属の存在を確認しているため、磁力に反応しない金属であるチタンは反応する可能性が低いのです。 しかしながら、インプラント治療の本数が多く、口腔内に存在する金属の総量が多い場合などでは、金属探知機が反応しやすくなります。
また、インプラントを使用した入れ歯であるインプラントオーバーデンチャーでは、入れ歯を安定させるために磁石など金属探知機に反応しやすい金属が使用されるケースもあり、この場合は金属探知機に反応しやすくなる可能性があります。
金属探知機に反応してしまった場合は飛行機に乗れなくなりますか?
万が一、インプラントに金属探知機が反応してしまった場合でも、インプラント治療を受けていることをしっかりと空港職員に説明すれば、問題なく飛行機に乗れるでしょう。
そもそも空港での金属探知機による検査はインプラントだけではなく、手術で体内に埋め込んだ金属製の治療器具などにも反応することがあり、こうした場合での対応方法も用意されています。
治療によって埋め込まれた金属以外に反応がないかを手持ちの金属探知機で調べたうえで、問題がなければそのまま通過可能ですので、過剰に心配する必要はありません。

インプラントによる日常生活への影響

インプラントによる日常生活への影響

インプラントを入れて飛行機に乗ると痛みが出ることはありますか?
飛行機は上空の気圧が低い場所を移動するため、気圧の変化によって身体への負担が生じる可能性があります。
インプラントそのものがこうした気圧の変化によって痛みを生じさせるということはありませんが、インプラントを埋入させている位置などによっては注意が必要なケースもあります。
具体的には、上顎洞と呼ばれる上顎の上部にある空間に近いところにインプラントを埋入させている場合、気圧が変化するとこの空間が膨らんだりしぼんだりと変化するため、これが痛みにつながってしまうことがあります。
ソケットリフトやサイナスリフトなどの、上顎の骨を増強する骨造成の治療を受けている場合でも、同様の影響によって痛みが生じる可能性があります。 こういった治療を受けている場合、飛行機のほか、山登りでの気圧変化や、鼻を強くかんだり、耳抜きなどの行為によっても強い負担がかかる可能性がありますので注意しましょう。
インプラントを入れていたらMRIは受けられなくなりますか?
MRIは、磁力の力を使用して体内の様子を撮影する検査方法です。
そのため、磁力に反応しやすい金属が体内にあるとMRIによる検査を受けることができなくなります。
歯のインプラント治療で使用される金属は、磁石に反応しにくいチタンまたはチタン合金なので、基本的にはMRIに影響を与えることがなく、問題なく検査を受けられます。
ただし、インプラントオーバーデンチャーの治療を行っている場合は、インプラントの先端部分などに磁石が使用されるケースがあり、この場合はインプラントを外してからでなければMRIが受けられない可能性が生じます。
インプラントを受けると制限されることはありますか?
インプラント治療を受けることで、日常生活に何か制限が生じることは基本的にありません。
歯のケアについても天然の歯と同じように扱うことができるので、特殊な対応を意識することもなく、元々生えている自分の歯と同じ感覚で過ごすことができます。 ただし、インプラントの手術を受けた直後は、制限されることがいくつかあります。これは手術によって埋め込まれたインプラントを骨としっかり結合させる必要があるためで、血流の阻害などによって術後の回復を妨げてしまう喫煙や飲酒は、禁止されます。
また、激しい運動などの行為は術後の回復を遅くしてしまう可能性があるほか、手術した部位が何かにぶつかって悪影響につながる可能性があるため、控えた方がよいでしょう。

インプラントで使用する金属

インプラントで使用する金属

インプラント治療で使用する金属について教えてください
インプラント治療で歯槽骨に埋入される人工歯根は、チタンやチタン合金で作られています。
これは、チタンには一定の時間をかけて骨と一体化していくオッセオインテグレーション(Osseointegration)と呼ばれる働きがあるためです。オッセオインテグレーションによってチタンと骨が強固に固定されるため、強い負担がかかる歯であっても、しっかりと安定感のある治療が可能となります。
金属アレルギーがある場合はインプラント治療は難しいですか?
インプラント治療に用いられるチタンは、金属アレルギーを引き起こす可能性が少ない金属なので、金属アレルギーを持つ方でも治療を受けられる可能性が高いといえます。
そもそも金属アレルギーは、唾液などによって溶けだした金属のイオンに身体の免疫が反応することで生じますが、チタンは元素が安定しているため、唾液などへ金属イオンが溶けだしにくく、アレルギーの原因となりにくい性質があります。
ただし、だからといってチタンであれば絶対に問題がないというわけではなく、稀にではありますがチタンアレルギーが生じるケースもありますので、治療を検討する際はチタンに対するアレルギーの確認などもしっかりと行う必要があります。
金属を使用しないインプラントもありますか?
インプラント治療として、チタンなどの金属を使用しないで行うメタルフリーインプラントを提供している歯科医院もあります。
メタルフリーインプラントでは、インプラントの素材に、被せ物の素材としても使用されるジルコニアなどを使用することで、金属アレルギーのリスクを回避することが可能です。
ジルコニアもオッセオインテグレーションの獲得によりしっかり骨と結合されやすい性質があるとされ、安定感のある治療が期待できます。
また、ジルコニアは色も白く歯に近づけやすいため、より審美性の優れた治療を受けたいという方にもおすすめの治療法です。

編集部まとめ

編集部まとめ

インプラント治療で埋入される人工歯根は、磁力に反応しにくい金属であるチタンが使用されていて、そのサイズも小さいものであるため、空港での金属探知機に反応する可能性は低いといえます。
万が一反応したとしても、しっかり説明すれば問題なく飛行機に乗れる可能性が高く、インプラントによって日常生活に不便を感じる心配はあまり考えなくてもよいでしょう。 MRIなどの検査についても、基本的には問題なく受けることができますが、インプラントに磁石などが埋め込まれた治療を受ける場合には注意が必要なため、検査を受ける際は事前に医師と相談しておきましょう。
チタンは金属アレルギーの心配も少なく、安全性の高い素材ですが、近年ではジルコニア素材のインプラントなども開発されていますので、アレルギーが心配な方はこうした治療を検討してみるのもよいのではないでしょうか。

参考文献

この記事の監修歯科医師
箕浦 千佳歯科医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

箕浦 千佳歯科医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

朝日大学歯学部卒業 / 現在は長谷川亨歯科クリニック非常勤勤務

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