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インプラント手術をした次の日の過ごし方は?当日の注意点も併せて解説!

インプラント手術をした次の日の過ごし方は?当日の注意点も併せて解説!

インプラント手術をした次の日は、どのように過ごせばいいのかわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
適切なケアを怠ると、治癒が遅れる可能性があるため、早く回復するためにも、適切なケアを行うことが大切です。 本記事ではインプラント手術やインプラント手術の次の日の過ごし方について以下の点を中心にご紹介します。

  • インプラント手術当日の注意点
  • インプラント手術次の日の注意点
  • インプラント手術の次の日は仕事に行ける?

インプラント手術をした次の日の過ごし方を理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

インプラント手術について

インプラント手術について

インプラント手術とは、歯を失った箇所に人工歯根(インプラント)を埋め込み、その上に上部構造を装着する治療法です。インプラントは、ブリッジや入れ歯より審美的および機能的に優れている場合もあり、条件が良ければ天然歯に近い自然感を得ることができます。

インプラントに使用される材料は主にチタンまたはチタン合金で、チタンやチタン合金は体との親和性が高く、金属アレルギーが起こりにくい特徴があります。チタンの特性により、インプラントは顎の骨と一定期間後に体の治療によってしっかり結合されます。

インプラント手術には、顎の骨の状態や患者さんの健康状態など、個々の状況に応じた計画が必要です。手術は局所麻酔下で行われ、短時間で終了する傾向がありますが、骨とインプラントの結合には数ヵ月の治癒期間が必要です。

インプラント治療は現在、世界中で多く行われており、数多くのインプラントメーカーが存在します。日本国内では、スイスのストローマン社、スウェーデンのノーベルバイオケア社などが代表的で、国産メーカーでは京セラメディカル社や松風社などがあります。また、最近ではジルコニアという金属を使用しない素材を使ったインプラントも開発されています。

インプラント手術は、従来の歯科治療法より高度な技術と材料が必要とされますが、結果として得られる快適さと自然な外観から、評価されている治療法です。

インプラント手術の流れ

インプラント手術の流れ

手術は麻酔、切開、穴あけ、埋め込み、縫合の順に行われ、各工程で細心の注意が払われます。以下で詳しい順序を解説します。

麻酔

インプラント手術を行う際、まず施されるのが麻酔です。手術を受ける部分の感覚をなくすために、最初に表面麻酔を歯茎に塗布します。次に局所麻酔を注射します。

インプラント手術で使用される局所麻酔は、通常の歯科治療でも使われるものです。ただし、手術に対する不安や恐怖が強い場合は、歯科医院によっては静脈内鎮静法と呼ばれる、うとうとしている間に手術を行う方法が提供されている場合もあります。

切開

麻酔が効いた後、インプラントを埋め込む部分の歯茎を切開します。切開は、手術部位を十分に確認し、周囲の組織への負担を抑えながら行われます。

穴を開ける

インプラント手術では、歯茎を切開した後に顎の骨に人工歯根を埋めるための穴を開ける工程が続きます。穴を開ける際はまず、インプラント用のガイドドリルを使用して、埋入の方向と位置を正確に決定します。

その後、事前に設定した深さまでドリルで骨に穴を開けます。大体10mm程度の深さまで穴を開けるとされていますが、患者さんの骨の状態やインプラントの種類に応じて調整されます。
次に、再度方向と深さを確認しながら、決められた太さまで穴を広げていきます。この工程により、インプラント体が固定されるための準備が整います。

インプラントを埋め込む

インプラント手術の重要なステップである人工歯根の埋入は、滅菌されたインプラント体を専用の器具を用いて行います。事前に開けた穴にインプラントを慎重に挿入し、位置と角度を確認しながらゆっくりと埋め込んでいきます。インプラント体がしっかりと固定された後、次にカバースクリューを取り付け、インプラントを保護します。

縫合する

インプラントの埋入が完了した後のステップは、切開した歯茎を縫合して傷口を閉じることです。この工程では、切開部を丁寧に元の位置に戻し、細かい縫合を行って傷口をしっかりと塞ぎます。縫合により、歯茎が安定し、インプラントの周囲組織が正しく癒着するのを助けます。
その後、顎の骨とチタン製のインプラントが結合するのを待つ期間が続きます。結合期間は大体3〜6ヵ月程度であり、個々の骨の状態や回復力によって異なります。一次手術が完了した時点で、インプラントがしっかりと固定されるように、適切なケアが重要になります。

インプラント手術当日の注意点

インプラント手術当日の注意点

インプラント手術を快適に受けるためには、当日の準備と注意点をしっかりと把握することが重要です。以下に、食事と運転に関するポイントを詳しく説明します。

食事は早めにとる/h3>

インプラント手術を受ける際には、食事のタイミングが重要です。そのため、手術の約4時間前までには食事を済ませておくことが推奨されます。空腹状態が続くと血糖値が低下し、体調に影響を与える可能性があるため、食事は早めにしっかり摂りましょう。 ただし、腹部が苦しくなるような状態は避け、バランスの取れた食事を心がけることが大切です。また、手術中は長時間トイレに行けないため、水分摂取も適量に抑えるようにしましょう。なかでも、カフェインを含むコーヒーや紅茶、コーラなどの飲み物は利尿作用があるため控えることをおすすめします。過度に食べ過ぎることは避け、手術に臨みましょう。

長時間の運転は避ける

インプラント手術当日は、長時間の手術や精神的な負担などが影響し、眠気やふらつきを感じる場合があります。そのため、長時間の車やバイクの運転は避けた方がよいでしょう。眠気がふらつきが強い場合は、無理せずに自身での通院は控え、家族に送迎を依頼するか、タクシーの利用をおすすめします。

また、静脈内鎮静法を用いた治療によって、帰宅時に急な眠気やふらつきが生じる可能性もあります。過去に麻酔による眠気やふらつきがあった方は、医師に相談しましょう。不安が強い方は、事前に送迎の手配を済ませ、手術当日は治療に専念できるよう準備を整えておくことも大切です。

インプラント手術次の日の注意点

インプラント手術次の日の注意点

インプラント手術後の回復をスムーズにするためには、いくつかの注意点を守ることが重要です。以下に、手術の次の日から実践すべき具体的なポイントを紹介します。

患部を触らない

手術後、患部の状態が気になるかもしれませんが、舌や指で触れることは避けましょう。触ることで傷口が刺激され、治癒が遅れる可能性があります。また、頬を引っ張る行為なども控えてください。さらに、強いうがいや患部への歯磨きも避けるべきです。患部以外の歯磨きは普段通り行って構いませんが、手術箇所には2週間程直接触れないようにしましょう。

加えて、入れ歯を使用している方は、担当医の指示に従い、可能な限り入れ歯を外しておくことが推奨されます。手術後の適切なケアは、治癒を助け、インプラントの成功につながるため、患部を清潔に保ちつつ、無理のない範囲で日常生活を送りましょう。

血行がよくなることは避ける

インプラント手術の翌日以降は、血行がよくなる行動を避けることが重要です。熱いお風呂に浸かる、激しい運動、お酒は、血流をよくするため手術部位の出血や腫れを引き起こす可能性があります。腫れが引くまでの数日間は、激しい運動やお酒を控えて安静に過ごすことが推奨されます。
入浴はシャワーで軽く済ませる程度にし、湯船には浸からないようにしましょう。

運動や飲酒の再開時期は、担当の歯科医師の指示に従ってください。

きちんと薬を服用する

インプラント手術後、処方された薬は正確に服用することが重要です。鎮痛剤、抗炎症薬、抗菌薬などが処方されるため、用法用量を守って適切に使用しましょう。なかでも、抗菌薬は、処方された全量を使い切ることが重要です。

ただし、薬疹などの副作用が現れた場合は、ただちに服用を中止し、担当医に連絡してください。また、手術前に中止するように指示された常用薬は、再開のタイミングを担当医に確認しておきましょう。

禁煙

インプラント手術後は、喫煙を避けることが重要です。喫煙は傷口の治癒を遅らせるだけでなく、人工歯根と顎の骨の結合を阻害し、インプラントの成功率を低下させます。

ニコチンの影響で骨の接合が遅れ、悪化した場合、インプラントが脱落することもあります。また、喫煙は手術後の感染リスクを高めるため、注意が必要です。そのため、手術後だけでなく、手術前から禁煙することが望ましいとされています。担当医からのアドバイスを守り、インプラントの長期的な成功を目指しましょう。

食事に配慮

インプラント手術後は、食事内容に細心の注意を払うことが重要です。手術箇所はケガをした状態と同じため、熱いもの、辛いもの、冷たいもの、硬いものは避けるべきです。これらの食品は傷口に刺激を与え、回復を遅らせる恐れがあるため、手術後の2〜3日程度は、おかゆや煮込みうどん、雑炊、ヨーグルト、ゼリーなど、やわらかく刺激の少ない食事を選びましょう。

なかでも、手術当日は、噛む力をあまり必要としない食事が推奨されています。術後1週間程経過すると、傷口も安定してくるため、徐々に普段の食生活に戻していくことが可能とされています。インプラント手術後は、栄養バランスを考えながら傷の回復をサポートする食事を心がけましょう。

インプラント手術の次の日は仕事に行ける?

インプラント手術の次の日は仕事に行ける?

インプラント手術の翌日に仕事に行くことは可能とされていますが、手術当日と翌日は休暇を取ることをおすすめします。術後の回復を優先し、体調に合わせた休養を取ることで、術後の経過を良好に保てます。

痛みや腫れの程度は個人差があり、術式や骨の状態、埋め込むインプラントの本数によっても異なります。そのため、翌日の仕事復帰は個々の状況により異なりますが、痛み止めを使いながら行える軽いデスクワークなら問題ない場合が多いです。デスクワークの場合でも、無理のない範囲で行うとよいでしょう。ただし、重い荷物を持つ仕事や体を使う作業は避けるべきです。手術部位に負担をかけ、治癒を遅らせる可能性があるためです。

また、手術翌日には傷口のチェックや消毒が必要です。処置日程を考慮し、担当医と相談して計画を立てることが大切です。手術後のケアは、インプラントの成功に直結する重要な要素であり、適切なタイミングでの処置が求められます。

さらに、インプラント手術後の初期段階では、腫れや内出血が発生する場合があります。腫れや内出血は数日〜1週間程度で改善しますが、その間は無理をせず、できるだけ安静に過ごしましょう。なかでも、手術直後の数日間は、体力を消耗する活動やストレスを避け、リラックスした環境で過ごすことが回復を早める鍵となります。

したがって、仕事の内容や体調に合わせて、担当医と相談しながら無理のないスケジュールを組むことが大切です。無理のない範囲での仕事復帰を心がけ、必要な休息を取ることで、長期的な健康と治療の成功を目指しましょう。

インプラント手術後いつまで注意が必要?

インプラント手術後いつまで注意が必要?

術後の腫れは大体3日目がピークとなるため、術後3日程度は安静に過ごすことが重要です。最初の1週間程度は痛みや腫れが続くことがあるため、痛みがない場合でも注意を怠らないことが大切です。前述したように、手術中は局部麻酔や静脈内鎮静法を使用するため痛みを感じませんが、麻酔が切れた後に痛みを感じることがあるため、痛み止めの服用が推奨されます。

術後2〜3日程度経過すると、患者さんのなかには頬や顎に内出血が現れる方もいます。皮膚が紫や黄緑色に変色する場合がありますが、大体1〜2週間程度で自然に消えます。気になる場合はマスクを利用して過ごしましょう。

また、先述しましたが、手術後に処方される抗生剤などの薬は、医師の指示に従い正しく服用しましょう。薬の飲み忘れがないように注意することが、感染予防に重要です。さらに、手術直後から1週間程度は激しい運動や体を使う仕事を避け、安静に過ごすことが望ましいとされています。

まとめ

まとめ

ここまでインプラント手術をした次の日の過ごし方についてお伝えしてきました。インプラント手術をした次の日の過ごし方の要点をまとめると以下のとおりです。

  • インプラント手術当日は、手術の4時間前までには食事を済ませ、車やバイクの運転を避けることが重要
  • 手術後は、患部を触らないようにしよう
  • インプラント手術翌日に仕事に行くことは可能だが、休暇を取ることが推奨されている

インプラント手術当日と翌日の過ごし方を理解していただけたかと思います。
インプラント手術後の過ごし方、食事や運動、服薬のポイントを踏まえ、無理のない範囲で日常生活に戻ることが大切です。自身の健康を守るためにも、担当医の指示をよく聞き、適切な対応を心がけてください。

この記事の監修歯科医師
大津 雄人医師(医療法人社団GLANZ大津歯科医院 副院長 / 東京歯科大学インプラント科 臨床講師)

大津 雄人医師(医療法人社団GLANZ大津歯科医院 副院長 / 東京歯科大学インプラント科 臨床講師)

東京歯科大学歯学部 卒業 / 東京歯科大学大学院歯学研究科(口腔インプラント学) 卒業 / 現在は大津歯科医院勤務 / 東京歯科大学インプラント科臨床講師 / 専門は口腔インプラント

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