インプラント手術後は一時的な痛みや腫れが生じることがありますが、知らないと「手術の失敗では?」と不安になるかも知れません。 本記事ではインプラントの埋め込み後について以下の点を中心にご紹介します。
- インプラント埋め込み後に起こりうる症状
- インプラント埋め込み後の過ごし方
- インプラント埋め込み後の痛みと腫れの対処法
インプラントの埋め込み後について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。 ぜひ最後までお読みください。
インプラント埋め込み後に起こりうる症状とは?
まずは、インプラント埋め込み後に起こりうる症状を紹介します。
一時的な痛みや腫れや出血
インプラント手術後には、一時的な痛み、腫れ、出血が起こることがあります。これらの症状は手術の規模や個々の体質により異なります。痛みは通常、処方された痛み止めを服用することで管理でき、大体1週間程度で治まることが多いです。また、出血については、唾液に少し血が混じる程度であれば問題ありません。
痺れや麻痺
手術後、麻酔の影響で一時的に唇や口周辺に痺れや麻痺が残ることがあります。しかし、これらの症状は大抵の場合、2〜3時間程度で徐々に消えていきます。
ただし、長期間痺れや麻痺が治らない場合は、埋め込まれたインプラントによって神経が圧迫されている可能性があるため、歯科医師に相談し、検査を受けることが必要です。
インプラント埋め込み箇所の一時的な違和感
インプラント手術後、異物が体内に埋め込まれたことにより、一時的な違和感を感じることがあります。これは、歯茎などの軟組織の治りは早く、骨などの硬組織は治りが遅いことが原因である可能性があります。
表面上では治っているように見えても、内部はまだ完全に治っていない可能性があります。そのため、違和感があるからといって、舌で触ったり、指で押したりすると、治りかけていた傷を悪化させる可能性があるため、注意が必要です。
インプラント埋め込み後に起こると危ない症状
続いて、インプラント埋め込み後に起こると危ない症状について解説します。
長時間持続する強い痛みや出血
インプラント手術後に一時的な痛みや出血を経験するのは一般的です。しかし、これらの症状が長期間続く場合、それは問題の兆候である可能性があります。例えば、痛みが数日以上続く場合、それはインプラントのサイズが適切でないか、歯茎に炎症が起きている可能性を示しています。
異常な腫れや膿の排出
インプラント手術後に歯肉の腫れや膿が出るのは、インプラント周囲炎という細菌感染症の可能性があります。これはインプラントと歯肉の間に細菌が侵入することで起こります。この症状が進行すると、歯肉が腫れてインプラントが固定できなくなるなどの問題が発生する可能性があるため、早期の発見と治療が重要です。
インプラントが動いたり外れたりした場合
インプラントが動いたり外れたりするのは、インプラントが適切な位置や深さに埋め込まれていないか、インプラントの結合部分のネジが緩んでいる可能性があります。これは食事時に不便を感じるだけでなく、鋭い痛みを引き起こす可能性もあるため、早急な対処が必要です。
インプラント埋め込み後の過ごし方
ここではインプラント埋め込み後の過ごし方について解説します。
飲酒や喫煙をなるべくしない
インプラント治療後の生活において、飲酒や喫煙は注意が必要です。アルコールは、末梢血管を収縮させてしまうため、その代償として心拍出量が増大します。その結果、心臓や太い血管の負担が増え、血流が悪くなり組織へ悪影響を及ぼす可能性があります。
喫煙についても同様に注意が必要です。タバコのニコチンは毛細血管を収縮させ、治癒を遅らせる可能性があります。そのため、抜糸までは禁煙、または喫煙本数を減らしましょう。
食事にも気を付ける
インプラント手術後は食事にも注意が必要です。特に手術直後は麻酔が効いている間は飲食を控え、麻酔が切れてからも1週間程度は柔らかい食事を心掛けましょう。
また、食べ物は細かく切り、一口を少量にすることで口に強い力がかからないようにしましょう。咀嚼する際は、施術した部位とは反対側で噛むことをおすすめします。
運動や入浴もなるべく控える
手術後は血流を促進する行為、例えば激しい運動や入浴は控えることが推奨されます。血流が良くなると、痛みが出やすくなったり、出血の原因となったりします。
手術直後はシャワーにして、熱いお湯も避けましょう。その後は自身の状態を見ながら判断します。また、激しい運動も手術直後は控えましょう。可能であれば、お仕事も休みをとって自宅で安静に過ごすと安心かと思います。
インプラント埋め込み後の経過と回復までの期間
手術後の痛みや腫れは、患者の体調や手術の範囲によって異なりますが、一般的には数日から2週間で和らぐことが多いです。
しかし、インプラントが骨としっかり結合し、天然の歯のように機能するまでには、3カ月から1年程度の時間が必要とされています。この期間中、適切なケアとメンテナンスが重要となります。
インプラント埋め込み後の痛みと腫れの対処法
最後にインプラント埋め込み後の痛みと腫れの対処法について解説します。
薬の使用
インプラント手術後の痛みや腫れを軽減するために冷却パックの使用はしてはいけません。適切な薬の服用が有効です。処方された痛み止めや抗生物質を適切なタイミングで服用し、痛みを和らげることが重要です。
安静にする
手術後の回復を促進するためには、身体を十分に休めることが必要です。特に、術後すぐは、活発な身体活動を避け、安静に過ごすことが推奨されます。その後は痛みや出血を 感じたら安静にしましょう。
医師に相談する
インプラント体を埋め込む外科的な治療に際しては、身体の組織に対して強い炎症反応を引き起こすことが予想されます。個人差はありますが、術後の異常な出血やあご全体にわたる腫れは、血管や神経を損傷したり気道をふさいだり重篤な副作用を及ぼす可能性もあり、経過を慎重に観察することが大切です。もし気になることがあれば、自己判断するだけではなく担当の歯科医師へ受診してください。
まとめ
ここまでインプラントの埋め込み後についてお伝えしてきました。インプラントの埋め込み後の要点をまとめると以下の通りです。
- インプラント埋め込み後には一時的な腫れや痺れ、麻痺が生じることがある
- インプラント埋め込み後だけは過度な飲酒や喫煙は控えるべき
- 埋め込み後の痛みと腫れには休息や医師への相談で対処する
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。