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インプラントの寿命はどのくらい?再手術についても併せて徹底解説!

インプラント 寿命 再手術

インプラントを検討している方やインプラントをしている方は、インプラントの寿命について気になっているのではないでしょうか。本記事ではインプラントの寿命と再手術について以下の点を中心にご紹介します。

  • インプラントの再手術が必要になる場合
  • インプラントの再手術をする原因
  • インプラントの寿命を伸ばすためにできること

インプラントの寿命と再手術について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

そもそもインプラントの寿命はどのくらい?

そもそもインプラントの寿命はどのくらい?

歯科インプラントの寿命は個人差がありますが、平均寿命は約25年とされています。インプラントの寿命を迎えるメカニズムは、さまざまな要因によって影響を受けます。これには、個人の口腔衛生、定期的な歯科検診、喫煙の有無、そしてインプラント周囲の骨の健康状態が含まれます。特に、適切なケアと定期的なチェックアップがインプラントの寿命を延ばすのに役立ちます。

インプラントの再手術について

インプラントの再手術について

インプラントの再手術の目的や過程、費用について解説します。

インプラントの再手術とは

インプラントの再手術は、インプラントの失敗や合併症を修正する目的で行われます。特に、インフェクション、骨の吸収、またはインプラントの動きなどが原因となる可能性があります。再手術のプロセスは、古いインプラントの除去、必要に応じて骨再構築手術、そして新しいインプラントの挿入を含む可能性があります。再手術の期間は、患者さんの状態や必要な手術の範囲によって異なり、完全な治癒には数週間から数ヶ月かかる可能性があります。

再手術にかかる費用

再手術の費用は手術の種類やクリニックによって変わります。インプラントの再手術の費用は30万円から60万円程度とされています。費用の内訳は、診断費、画像診断費、手術費、インプラント材料費、骨再生材料費、そしてアフターケア費用などが含まれる可能性があります。詳しい費用については歯科医院に問い合わせることをおすすめします。

インプラントの再手術が必要な場合

インプラントの再手術が必要な場合

どのような場合にインプラントの再手術が必要になるのでしょうか。さまざまな場合について以下に詳しく解説します。

インプラントが抜けた

インプラントが抜ける原因は多岐にわたり、その一例として骨の吸収が挙げられます。再手術に際しては、まず患者さんの口腔内を詳しく診察し、X線やCTスキャンを使用して骨の状態を評価します。新しいインプラントを設置する前に、必要に応じて骨造成手術を行い、良好な基盤を提供します。その後、新しいインプラントを設置し、適切なアフターケアと定期的なフォローアップを行うことで、インプラントの成功と長期的な安定を目指します。

インプラントが定着しない

インプラントが定着しない場合の再手術では、原因の特定と解消が重要です。定着不良の原因は、骨の質や量の不足、感染、手術技術、インプラントの材質やデザインなど多岐にわたります。再手術では、まず原因を特定し、骨造成を含む必要な前処置を行った後、新しいインプラントを設置します。また、手術後の適切な管理と定期的なチェックも欠かせず、これによりインプラントの定着と長期的な成功が向上します。

インプラントがぐらつき・破損する

インプラントがぐらつくまたは破損する場合には、再手術が必要になることがあります。その主な原因として以下の点が挙げられます。

  • 不適切な骨質:歯科インプラントの成功は、インプラントが埋め込まれる顎の骨質に大きく依存します。不十分な骨質は、インプラントの安定性を損ない、ぐらつきや破損を引き起こす可能性があります。
  • 不適切な手術技術やオーラルハイジーン:手術技術が不適切であるか、患者さんがオーラルハイジーンを適切に実践していない場合、これらもインプラントの失敗につながる可能性があります。
  • ねじの緩み:インプラントのねじが緩むことは、インプラント周辺での他の合併症を引き起こす可能性があり、破損の原因となることもあります。

治療に関しては、以下の内容が考えられます。

  • インプラントの交換:不良なインプラントは、直ちに大きな直径のインプラントと交換されるか、失敗したインプラントと同時にガイド付き骨再生(GBR)手術が行われる可能性があります。
  • インプラントの除去と再埋め込み:インプラントの問題が発生した場合、歯科医によるインプラントの除去と再埋め込みが通常の治療法となります。再埋め込みは約90%の成功率があります。

痛み・腫れ・しびれが止まらない

インプラント治療後の痛み、腫れ、しびれは通常、手術の侵襲によるものや、体の自然な治癒過程の一部として期待される反応です。しかし、これらの症状が長期間続く場合、インプラントの埋め込みが不適切であった可能性があります。特に、インプラントの埋め込みが浅すぎると、適切な固定が得られず、組織の炎症や感染が続く可能性があります。これらの問題は再手術を必要とする可能性があり、再治療ではインプラントの位置を調整し、必要に応じてインプラントを再配置することがあります。また、技術的な問題や医師の経験不足もこれらの症状の原因となる可能性があります。

インプラントが再手術になる原因

インプラントが再手術になる原因

インプラントの再手術が必要になる原因にはどのようなものがあるのでしょうか。以下に詳しく解説します。

喫煙している

喫煙はインプラント治療に悪影響を及ぼします。喫煙者は歯周病やインプラント周囲炎にかかりやすく、これらの病気が改善しにくい傾向があります。タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、歯茎の血行を悪化させるため、歯茎に必要な酸素や栄養が行き渡らなくなります。これが結果として歯周病を引き起こしやすくし、インプラントの安定性や成功率を低下させる要因となります。また、口腔内の血行が悪化すると、唾液の分泌量が低下し、細菌と戦う白血球の働きも低下するため、インプラント周辺の感染リスクが高まります。これらの影響により、インプラントが不安定になる可能性や、再手術が必要になる可能性が高まります。

メンテナンスをしていない

インプラントの維持管理は非常に重要であり、日々のメンテナンスが不十分であると、インプラント周囲炎などの問題が生じる可能性があります。インプラント周囲炎は、インプラント周辺の組織が歯周病になってしまう病気であり、重症化するとインプラントを支える顎の骨(歯槽骨)が溶けてしまい、インプラントが不安定になる原因となります。このような状態が続くと、再手術が必要となる可能性が高まります。また、インプラントには神経が通っていないため、痛みを感じにくく、問題が進行していることに気づきにくいため、日々のメンテナンスがさらに重要となります。このメンテナンスには、適切な口腔衛生の維持、定期的な歯科検診、及び専門的なクリーニングが含まれます。

歯ぎしり・食いしばりをする癖がある

歯ぎしりや食いしばりは、インプラントとそれを支える顎の骨に負担をかける原因となります。これにより、インプラント周辺の構造に過度のストレスがかかり、インプラントの失敗を引き起こす可能性があります。特に過度の歯ぎしりは、インプラントの固定を困難にし、再手術の必要を生じさせる可能性があります。治療の成功を確保するためには、インプラントが適切に顎の骨に結合することが重要で、歯ぎしりや食いしばりはこの結合プロセスを妨げる可能性があります。また、歯ぎしりがひどい場合には、睡眠時に専用のマウスピースを使用するなど、インプラントへの負担を軽減する対策が必要とされています。

歯科医院選びの失敗

インプラントの再手術が必要になる原因の一つとして歯科医院選びの失敗があります。インプラントの成功と持続性は、歯科医師の技術力に大きく依存し、特に低コストを重視して歯科医院を選ぶと、後にインプラントの問題が発生する可能性が高くなります。コストを抑えた治療では、インプラント自体の質が低かったり、術後のメンテナンスのための設備投資が不十分だったりするケースが多いです。インプラント治療を受ける際には、価格だけでなく、カウンセリングから治療、そして治療後のアフターケアまで丁寧に行なっているかどうかを確認することが重要です。

インプラントの寿命を伸ばすためにできること

インプラントの寿命を伸ばすためにできること

インプラントの寿命はできる限り伸ばしたいものですね。日々の生活からどのような工夫ができるのでしょうか。

定期的にメンテナンスをしっかり受ける

インプラントの寿命を延ばすためには、定期的なメンテナンスを受けることが重要です。インプラントは、歯周病の菌が侵入し炎症を引き起こすと、インプラントを固定している骨も損傷し、その結果、支えを失ったインプラントが外れてしまいますので、清掃やメンテナンスが不足しないようにする必要があります。インプラントの平均寿命は10〜25年とされていますが、定期的なメンテナンスを行えば、平均寿命以上に使用することも可能になるでしょう。

ケアを行う

インプラントの寿命を延ばすためには、定期的なケアが重要です。以下に、ケアを行うことの詳細な理由を示します。

  • インプラント体の保護:インプラントは基本的に3つの部分から成り立っており、その中で重要なのはインプラント体です。もしインプラント体が取れてしまった場合、人工歯も使えなくなるでしょう。平均して10〜15年が過ぎると、インプラント体の機能が低下することがあるとされています。適切なケアを行うことで、インプラント体の保護につながります。
  • インプラント周囲炎の予防:インプラントの寿命を延ばすためには、インプラント周囲炎と呼ばれる感染症の予防が重要です。インプラントのお手入れや維持が不十分だと、歯石が蓄積し、歯周の溝ができます。その場所に歯周病の菌が侵入し炎症を引き起こすと、インプラントを固定している骨が損傷し、その結果、固定力を失ったインプラントが外れてしまうことがあります。

まとめ

まとめ

ここまでインプラントの寿命と再手術についてお伝えしてきました。インプラントの寿命と再手術の要点をまとめると以下の通りです。

  • インプラントが抜ける、ぐらつき・破損がある、痛み・腫れ・しびれが止まらない場合にはインプラントの再手術が必要となる場合がある
  • インプラントの寿命を短くする原因として、喫煙、メンテナンスの不備、歯ぎしり・食いしばりなどの癖が挙げられる
  • インプラントの寿命は10~25年とされるが、定期的なメンテナンスや適切なケア、禁煙、歯ぎしり・食いしばりの軽減により、寿命が伸びる可能性がある

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
遠藤 眞次医師(グランメゾンデンタルクリニック)

遠藤 眞次医師(グランメゾンデンタルクリニック)

長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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