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インプラントの被せ物が取れてしまった!?対処法と注意点について

インプラントの被せ物が取れてしまった!?

インプラント治療では、被せ物(上部構造)が外れてしまうことがあります。この場合、素早く対処することが重要です。

本記事ではインプラントの被せ物が取れた場合について以下の点を中心にご紹介します。

  • インプラントの被せ物が取れる原因
  • インプラントの被せ物が取れた場合の対処法
  • インプラントの被せ物が取れないようにするための再発防止策

インプラントの被せ物が取れた場合について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

インプラントの被せ物(上部構造)について

インプラント治療において、上部構造となる被せ物は、人工歯根と共に患者さんの口腔内に取り付けられます。被せ物は、見た目や噛む力などの面で重要な役割を担っています。
ここでは、インプラントの被せ物(上部構造)について解説します。

インプラント体の構造

インプラントは、人工歯根として使われ、天然歯と同じような構造をしています。
インプラントは3つの部分から構成されており、インプラント体(人工歯根)、アバットメント(連結部)、上部構造(歯冠部)があります。
インプラント体は、顎の骨に埋め込まれ、天然歯の歯根のように、骨と一体化します。
アバットメントは、インプラント体の上に取り付けられ、上部構造体を支える役割を果たします。
上部構造は、クラウンやブリッジ、入れ歯として機能する部分であり、アバットメントに固定されます。上部構造は、人工歯冠やブリッジ、オーバーデンチャーなどの種類があります。上部構造の取り付け方には2種類あります。可撤式インプラントは、アバットメントと上部構造の着脱が可能な方法で、インプラントオーバーデンチャーなどに用いられます。固定式インプラントは、患者さん自身では上部構造を取り外せない方法で、取り付ける方法で、クラウンやブリッジに用いられます。
また、上部構造の材質には、セラミックや金属があり、それぞれ特徴があります。セラミックは天然歯に近い色や質感を持ち、金属は割れにくく、噛み合わせに負荷のかかる場所に使用されます。上部構造は、患者の歯の状態や咬合力などに応じて選択され、インプラント治療の成功に欠かせない要素の一つと言えます。

インプラントの被せ物が取れる可能性

インプラントの被せ物が取れる可能性はあります。原因としては、被せ物が十分に固定されていない、歯ぎしり、噛み合わせの不調和、外傷などが挙げられます。インプラントは複雑な構造をしているので、自己判断で修復することは困難です。被せ物が取れてしまった場合は、すぐに歯科医院に受診しましょう。また、すぐに歯科医院に行けない場合は、できるだけ被せ物を保管しておくことが大切です。被せ物が再度装着できるかどうかは、被せ物やインプラントの状態によって異なります。

インプラントの被せ物が取れる原因

インプラント治療は、自然な歯に近い見た目と機能を取り戻すため、多くの人に選ばれています。しかし、時には被せ物が取れるというトラブルが起こることがあります。ここでは、その原因について解説します。

不適切な装着や手術の問題

インプラントの被せ物が外れる原因の1つに、不適切な装着や手術の問題があります。インプラント手術の際には、正確な診断や計画、手術技術が必要であり、適切な手順が踏まれない場合、被せ物が外れる可能性が高くなります。上部構造が緩むと、インプラントと上部構造の接合部分に隙間が生じ、細菌が侵入し、炎症を引き起こすこともあります。そして、定期的なメンテナンスや適切な衛生管理が欠かせません。不適切な装着や手術の問題は、インプラントの寿命に影響を与えるため、事前に医師やクリニックについて十分な情報収集が必要です。

周囲組織の問題

インプラント手術後に周囲の骨の状態が変化することで、被せ物が外れることがあります。インプラント周囲の骨が何らかの原因で吸収してしまうと、支えている骨の高さが減少し、インプラント体や上部構造に過剰な力が集中してしまう場合があります。最初は小さなかたつきであっても、その状態を放置してしまうと上部構造が取れてしまうリスクが高まります。定期的な検診を受けることで、小さな問題を早期に発見し、上部構造が不意に取れないようにする必要があります。

口腔ケアの不備や噛み合わせの問題

インプラントの被せ物が外れる原因の1つに、口腔ケアの不備や噛み合わせの問題があります。インプラントや周囲の歯のクリーニングを怠ってしまうと、歯垢や歯石がたまり、炎症が起こり、骨が溶けてしまうことがあります。また、噛み合わせが合わない場合は、被せ物に過度な力がかかってしまい、外れてしまう可能性があります。適切な口腔ケアと噛み合わせの調整が大切であり、定期的なメンテナンスを受けることで、インプラントの長期的な維持が可能となります。しかし、外れてしまった場合は、早急に歯科医師に相談し、適切な処置を受けることが重要です。

インプラントの被せ物が取れた場合の対処法

冷静に対応することの重要性

インプラントの被せ物が取れた場合、冷静に対応することが非常に重要です。まずはパニックにならずに、口の中を鏡で確認して被せ物の状態を確認しましょう。被せ物が完全に外れてしまっている場合は、自己流で取り付けることは避け、早めに歯科医師を受診しましょう。冷静な対応と早急な受診が、再発防止や被せ物の修復につながります。

外れた被せ物を保管し、歯科医に相談する

インプラントの被せ物が外れた場合、外れた被せ物は、無理に戻したり触ったりせず、清潔な袋や容器に入れて保管しましょう。また、取れた被せ物については、早めに歯科医師に連絡し、再設置のための予約を取るようにしましょう。被せ物が外れた場合、その部位はインプラントの露出や痛みなどの症状が現れることがあります。そのため、被せ物が外れた場合は、できるだけ早く歯科医師に相談し、適切な処置を受けるようにしましょう。定期的な検診やメンテナンスを受けることで、被せ物の緩みや破損を早期に発見・予防できます。

応急処置としての一時的な対処法

インプラントの被せ物が取れた場合の一時的な応急処置について紹介します。

歯科医院を受診できる状況であれば、早急に受診の予約を取ります。すぐに来院が困難な場合でも、迅速に歯科医院に電話し、対処法を確認します。被せ物が取れた状況や被せ物の種類によっては応急処置が可能な場合があるので、歯科医に確認してください。取れた被せ物は、歯科医院を受診した際に必要になりますので、なくさないように大切に保管します。

インプラントの被せ物が取れた場合の、歯科医との相談と再装着のプロセス

インプラントの被せ物が外れてしまった場合、まずは冷静に対処しましょう。その後は、歯科医との相談が必要です。外れた被せ物を再装着するかどうかは、状況によって異なります。インプラントの被せ物が外れた場合の歯科医との相談と再装着のプロセスについて、詳しく見ていきましょう。

診察の流れ

インプラントの被せ物が外れた場合、まずは歯科医院での診察が必要です。歯科医師は、被せ物が外れた箇所を詳しく確認し、インプラント自体に問題があるかどうかを調べます。また、被せ物が外れた理由も調べます。被せ物自体には問題がなく、インプラント自体にも問題がなければ、再装着できます。被せ物自体に問題がある場合は、修理または新しい被せ物の作製が必要になることもあります。インプラント自体に問題がある場合は、再手術が必要になることもあります。被せ物が外れた場合は、歯科医師と相談し、正確な診断を受けることが重要です。

再装着のための必要な手順と時間

インプラントの被せ物が外れた場合、再装着には必要な手順があります。まず、インプラント本体が傷ついていないか、周囲の歯茎や骨が健康な状態かを確認します。その後、被せ物を再装着し、噛み合わせや歯並びを調整します。再装着には、通常約30分~1時間程度かかるとされています。また、歯科医師は、再装着後に患者さんが快適に咬めるように、定期的なフォローアップを提供することも重要です。

追加費用や保険の適用についての情報

インプラントの被せ物が外れてしまった場合、追加費用や保険の適用については、様々な要因によって異なります。まず、再装着に必要な治療の内容によって費用が変わります。再装着するだけであれば、数千円程度の場合が多いですが、基本的に自費診療となりますので、全額負担が必要です。また、治療のために必要なレントゲン撮影やCTスキャンなどの検査によっても費用が変わってきます。そのため、詳細な治療プランを確認した上で、事前に費用の見積もりを取ることが重要です。保険の適用については、患者さんの保険の種類や治療内容によって異なります。自己負担額が発生する場合もあるため、保険の適用状況については、事前に確認することが必要です。被せ物が外れてしまった場合には、すぐに歯科医院を受診し、治療のプランや費用について相談することが大切です。

インプラントの被せ物が取れないための再発防止策と注意点

インプラントの被せ物が取れてしまうと、再度装着するための時間や費用がかかってしまいます。また、被せ物が外れたまま放置すると、インプラント周囲の組織にダメージを与えたり、インプラント自体にも悪影響を与える可能性があります。
ここでは、インプラントの被せ物が取れないための再発防止策と注意点について紹介します。

正しい口腔ケアの重要性と方法

正しい口腔ケアは、インプラント被せ物を取り付けた後の再発防止策において重要な役割を果たします。適切な歯磨きをすることで、インプラント周囲の炎症や感染症の発生を予防できます。また、フロスや間食ブラシを使用することで、歯間や被せ物周囲のプラークを取り除けます。歯科医師からのアドバイスを受けながら、適切な口腔ケアをし、健康な歯周組織の維持をすることが、インプラントの寿命を延ばす上で大切です。

定期的な受診とメンテナンス

インプラント治療後、定期的な受診とメンテナンスは非常に重要です。口腔内の清掃が不十分である場合、細菌が繁殖し、歯周病やインプラント周囲炎の原因となります。そのため、治療後は定期的に歯科医院を受診して、インプラント周囲の状態をチェックし、必要に応じてクリーニングやメンテナンスを受けることが大切です。また、インプラント周囲炎の初期症状が出た場合は、早期の治療が重要です。定期的な受診とメンテナンスによって、インプラント治療の寿命を延ばし、再発を予防できます。

噛み合わせの調整や負荷管理

インプラント治療後は、噛み合わせの調整や負荷管理が重要です。噛み合わせが合わない場合、被せ物に過剰な負荷がかかり、取れたり緩んだりする原因となります。また、歯ぎしりや噛みしめなどの習慣も、インプラントに負荷を与えてしまいます。
習慣的な歯ぎしりや噛みしめをしている場合は、マウスピースの装着やストレスの解消など対策が必要です。適切な噛み合わせの調整や負荷管理をし、歯ぎしりや噛みしめなどの習慣にも注意することで、インプラント被せ物の再発防止につながります。

インプラントの被せ物が取れた場合についてまとめ

ここまでインプラントの被せ物が取れた場合についてお伝えしてきました。インプラントの被せ物が取れた場合の要点をまとめると以下の通りです。

  • インプラントの被せ物が取れる原因として、被せ物が十分に固定されていない、歯ぎしり、噛み合わせの不調和、外傷などが挙げられる
  • インプラントの被せ物が取れた場合は、まず冷静になり、外れた被せ物を保管し、歯科医に相談する
  • インプラントの被せ物が取れないようにするための再発防止策として、正しい口腔ケアや定期的なメンテナンス、歯ぎしりや噛み締めの防止策を取ることなどが挙げられる

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
遠藤 眞次歯科医師(グランメゾンデンタルクリニック)

遠藤 眞次歯科医師(グランメゾンデンタルクリニック)

長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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