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インプラント治療で起きる頬の腫れの原因は?予防や対処法、注意すべき症状を解説

インプラント治療で起きる頬の腫れの原因は?予防や対処法、注意すべき症状を解説

インプラント治療を受けた後、頬が腫れてきたけど大丈夫なのかと不安になる方は少なくありません。

インプラント手術後に生じる頬の腫れは、多くの症例でみられる反応ですが、なかには注意が必要なケースもあります。

本記事では、インプラント治療後に起きる頬の腫れの原因や予防法、放置してはいけない症状の見極め方まで詳しく解説します。

腫れが気になる方や治療を検討している方にとって役立つ内容です。

インプラント治療で頬が腫れる原因

歯科

インプラント治療で頬が腫れることはありますか?
インプラント治療後に頬が腫れることはあります。手術に時間がかかったり骨移植などの補助的な処置が加わったりした場合、または手術範囲が広いと腫れが強く出ることがあります。このような腫れは、インプラント治療ではある程度予測される術後反応の一つです。多くの症例で一時的なものとされ、特に手術直後から数日間は身体の炎症反応によって腫れが生じるのが一般的です。
手術後に頬が腫れる原因を教えてください。
インプラント手術後に頬が腫れる主な理由は、外科的処置による組織の損傷とそれに伴う炎症反応です。治療では歯茎を切開し、顎の骨にインプラント体を埋め込むため、周囲の組織に少なからずダメージが加わります。これによって身体が防御反応として炎症を起こし、腫れや赤みが生じるのです。
治療完了後に頬が腫れる原因を教えてください。
治療完了後しばらく経ってから頬が腫れるケースでは、インプラント周囲炎の可能性があります。これは、インプラントの周囲に細菌が感染し、歯茎や骨に炎症が起きる病気です。なかでも歯周病の既往がある方は特に注意が必要と指摘されています。インプラント周囲炎の主な症状は以下のようなものが挙げられます。
  • 頬や歯茎が腫れる
  • インプラント周囲から膿が出る
  • 噛むと痛みがある
  • インプラントがぐらつく

このような症状がある場合、すぐに歯科医院を受診し適切な治療を受けましょう。定期的なメンテナンスやクリーニングを続けることで、再発の予防も可能です。

頬の腫れはどのくらいで治まりますか?
一般的には、インプラント手術の影響による頬の腫れは1〜3日目に腫れのピークを迎え、その後は4〜7日目にかけて徐々に引いていきます。7日目以降にはほとんど目立たなくなるケースが多く、およそ1週間で自然に落ち着くとされています。ただし、腫れが長引いたり、強い痛みや熱感を伴ったりする場合は、細菌感染の可能性も考えられるため、早めに歯科医師の診察を受けることが大切です。

インプラント治療で頬が腫れた際の対処法

患者を治療する医師と歯科衛生士

手術後の頬の腫れを抑える方法はありますか?
手術後の頬の腫れを抑えるには、いくつかの方法があります。まず、術後48時間以内に患部を冷やす冷却療法が効果的です。冷却する際は、保冷剤をタオルで包んで使用し、直接肌に当てないようにしましょう。また、枕を高くして寝ることで血液の循環が調整され、腫れの軽減が期待できます。抗炎症薬や抗生物質を歯科医師の指示どおりに服用することで、炎症や感染を防ぐことも重要です。さらに、激しい運動や長時間の入浴は避け、安静に過ごすことも大切です。
手術後、頬の腫れを悪化させないためにできることを教えてください。
手術後の頬の腫れを悪化させないためには、いくつかの点に注意が必要です。まず、飲酒や激しい運動、長時間の入浴などの血行を促進する行為は、腫れを悪化させる可能性があるため避けましょう。また、喫煙は血流を悪化させて傷の治癒を妨げるため、術後の回復を遅らせる原因になります。さらに、辛い食べ物や熱い飲み物などの刺激物は、患部を刺激し炎症を悪化させるリスクがあるため控えることが望ましいです。加えて、口腔内を清潔に保つことも重要です。手術部位を避けて優しく歯磨きを行い、マウスウォッシュを活用すれば感染予防につながります。
治療完了後の頬の腫れを予防する方法はありますか?
治療完了後の頬の腫れを予防するには、いくつかのポイントに注意することが大切です。まず、インプラント周囲炎を防ぐために定期的に歯科検診を受け、専門的なクリーニングを行うことが推奨されます。加えて、毎日の丁寧な歯磨きやデンタルフロスの使用によりプラークの蓄積を防ぎ、口腔内の清潔を保つことが重要です。さらに、喫煙や過度の飲酒はインプラントの健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、これらの習慣を見直すことも予防につながります。
頬の腫れで受診する目安を教えてください。
以下の症状がある場合は、感染やその他の合併症の可能性があるため、早めに歯科医師に相談しましょう。
  • 腫れが1週間以上続く
  • 強い痛みや発熱がある
  • 膿が出るまたは出血が止まらない
  • 顎のしびれや麻痺がある

このような症状が現れた場合、自然な治癒の範囲を超えている可能性があるため、自己判断で放置せず早めに歯科医院を受診することが大切です。特に腫れに痛みや膿などが伴い、発熱がある場合は感染のサインであることが多く、迅速な対応が求められます。

頬の腫れ以外で注意すべき症状

インプラント

インプラント治療のリスクや副作用を教えてください。
インプラント治療に伴う主なリスクや副作用として、以下のようなものが挙げられます。
  • 腫れや痛みや出血
  • 神経損傷
  • 上顎洞への影響
  • インプラント周囲炎
  • 骨との結合不良
  • 金属アレルギー
  • 全身疾患や生活習慣の影響
  • 治療期間と費用負担

これらのリスクは、いずれも外科的処置を伴うインプラント治療の特性によるものです。手術後には腫れや痛み、出血が一時的に現れることがありますが、通常は数日で自然に治まっていきます。ただし、体調や個人差によっては長引くこともあるため注意が必要です。下顎では神経を損傷する恐れがあり、唇や顎のしびれにつながるケースも見受けられます。上顎の場合は、上顎洞に影響がおよび、副鼻腔炎を引き起こす可能性があるため注意が必要なリスクといえます。さらに、術後のケアを怠るとインプラント周囲炎が発生し、骨が吸収されてインプラントの脱落につながる可能性も否定できません。骨とインプラントがうまく結合しない場合には、再治療が必要となることもあるほか、ごくまれにチタンによる金属アレルギー反応が起こることもあります。加えて、糖尿病や喫煙などの全身状態や生活習慣は、治癒の過程に影響を及ぼす要因とされており事前に確認しておくことが望ましいです。なお、インプラント治療は自由診療に該当するため保険が適用されず、費用負担が大きくなる点や治療期間が長期にわたる点にも配慮が求められます。

頬の腫れ以外で注意すべき症状はありますか?
インプラント治療後に注意が必要な症状は以下のようなものが挙げられます。
  • 発熱(38度以上)
  • 強い痛みや痛みの悪化
  • 出血が止まらない
  • 膿の排出や口腔内の異臭
  • 唇や舌や頬のしびれや感覚の鈍さ
  • 開口障害や嚥下困難

インプラント治療後には、頬の腫れだけでなく、さまざまな症状に注意が必要です。通常より高い発熱が続く場合や、術後の痛みが強まったり長引いたりする場合は、感染や炎症などのトラブルが起きている可能性があります。出血がなかなか止まらない場合は、傷の治癒に問題があるケースも考えられます。また、創部から膿が出てきたり、お口のなかに異常な臭いがあったりする場合は細菌感染のサインとして注意が必要です。また、口唇や舌および頬にしびれや感覚異常が生じる場合は神経が損傷している可能性があります。さらに、お口を開けづらい、物が飲み込みにくいなどの症状がみられるときは炎症が広がっていることが考えられます。これらの異常が現れた場合は、インプラント治療後の合併症の可能性があるため、早めに歯科医師に相談しましょう。

編集部まとめ

歯医者と男性患者

インプラント治療後の頬の腫れは、多くの場合、自然な炎症反応として一時的に現れます。適切なケアを行えば、1週間ほどで症状が軽快することがほとんどです。

ただし、腫れが長引く場合や発熱、膿、しびれなどの異常な症状を伴う場合は、細菌感染や合併症の可能性があるため早めの受診が重要です。

インプラントを長く快適に使い続けるためには、定期的なメンテナンスと日々の口腔ケアを継続することが欠かせません。少しでも不安な症状があれば、自己判断せず歯科医師に相談しましょう。

腫れがどのくらい続くのか不安なときは、日々の変化を記録しておくと診察時の判断材料になります。早めの受診と適切な対応によって、多くのトラブルを未然に防げる可能性があります。

参考文献

この記事の監修歯科医師
岸 民祐歯科医師(医療法人 Teethプラザ歯科 院長)

岸 民祐歯科医師(医療法人 Teethプラザ歯科 院長)

1981年日本歯科大学新潟歯学部卒業 / 1981年~1983年横浜 有楽歯科勤務 / 1983年広島市西区にて岸歯科医院開業 / 1998年中区へ移転、(医)ティース プラザ歯科開業,現在に至る / 所属協会・資格: / (公社)日本口腔インプラント学会 理事・指導医・認定医 / (公社)日本歯科先端技術研究所 指導医・認定医 / ピエールフォシャールアカデミー国際歯学会 会員 / 昭和歯科大学歯学部 外部講師 / その他:瀋陽医学院(中国) 客員教授 / ティースアート広島店

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