インプラント

インプラント手術後の痛みはいつまで?手術後の食事・痛みを軽減する方法を解説

インプラント手術後の痛みはいつまで?

インプラントは外科手術を行うため、痛みや腫れなどの症状が出るのは珍しくありません。

手術をした後の痛みは、手術直後・術後2〜3日・抜糸時に出る可能性があります。

痛みの症状が長く続く場合や強くなる場合には、何らかの原因があるといえるでしょう。

神経の損傷や細菌感染などが起こることがありますので、担当医に相談することが大切です。

インプラント手術をした後の痛みはいつまで続くか、あわせて手術をした後の食事のことや痛みを軽減する方法を解説しますので参考にしてください。

インプラント手術後の痛みはいつまで?

インプラント手術後の痛みはいつまで?

一般的にインプラント手術をした後の痛みは当日〜翌日でピークに達し、その後徐々に痛みが引いていきます。

手術した直後は麻酔が効いていますので特に痛みはありません。麻酔が切れてくるころから徐々に痛みが強くなることが多いです。

この痛みには個人差がありますので、もっと短い人もいれば長い人もいます。たいていの場合は10日くらいで痛みが治まるでしょう。

抜糸時には少し痛みを感じることがあります。

しかし、中には痛みが一向に取れないこともありますので、我慢せずに歯科医院に相談してください。

その場合に考えられるのは、痛み止めが効かない・薬が合っていない・インプラントの組織に問題があるなどです。

痛みは数日でおさまることが多い

インプラント手術の際には麻酔が施されるため痛みはなく、多くの場合は術後に痛みを感じます。

インプラント手術では切開・縫合などが行われるため、痛みを感じるのは正常な反応です。

一般的にインプラント手術をした後の痛みは当日から翌日でピークに達し、その後徐々に痛みが引いていくのがふつうです。

歯科医院で鎮痛剤が処方されますので、きちんと服用していれば耐えられない程の痛みを感じることはほとんどないでしょう。

鎮痛剤で我慢できないような痛みを感じたり、痛みがずっと続いたりするようなら歯科医に相談してください。

治療した本数によっても痛みが出る期間は変わってくる

手術をした後の痛みは骨移植を行った場合や歯肉を大きく切開した場合に出やすいです。また、インプラントが周りの歯に触れてしまっているケースなどもあります。

治療した本数が多いとこれらに該当する機会が増えますので、治療した本数によって痛みが出る期間が変わってくることがあります。

これらに該当する場合には、事前に歯科医師に痛み・腫れを軽減する方法や注意点などを確認しておくことが大切です。

インプラント手術後の食事の注意点は?

食事

インプラントを長持ちさせるためには定期的メンテナンスと、手術をした後の過ごし方が大切になります。

手術をした後数時間はまだ麻酔が効いていて感覚がなく口腔内を傷つけやすいため飲食は避けてください。

インプラントを埋入した部位で噛むと痛める心配があるので、埋入した部位で噛まないようにしてください。

また、手術直後は刺激性の強い食事は避ける必要があります。

手術直後の過度な飲酒は出血の要因となりますので、手術直後の過度な飲酒は控えることが大切です。

柔らかいものを食べた方がいい?

インプラント手術後の食事制限はありません。痛みが心配な方や、硬い食べ物を食べて痛みが生じた方は、症状が落ち着くまではスープやおかゆなどの柔らかい食べ物を中心にしても良いでしょう。

手術した部位で噛まない

インプラント治療後はインプラントと骨が結合するまで時間がかかります。

インプラント治療は、インプラントと骨が結合するまでの期間は一般的に3ヶ月程度です。

早い場合は1ヶ月ほどで結合することもありますが、半年近くかかるケースもあります。

インプラントに負荷がかかっていると、インプラントと骨が結合するまでの期間が延びる可能性があるので要注意です。

刺激物は避ける

熱い食べ物や激辛料理は刺激物となり痛みの原因になります。

インプラント手術が行われた当日で麻酔がまだきいている場合は、熱いものや刺激物でやけどなどをしても感覚がなく気付きにくいです。

そのため、手術後は特に熱いものや刺激物は避けることをおすすめします。

インプラントと骨が結合すれば食事も楽しめるようになります。刺激物を摂取した後に痛みが生じた場合は、傷口が落ち着くまで刺激物を控えるようにしましょう。

アルコールを控える

手術直後の過度な飲酒は控えた方がいいでしょう。飲酒すると血の巡りが良くなるため、痛みが生じることがあります。

疼痛が生じた場合は、傷口が落ち着くまで注意点が必要です。

インプラント手術後の痛みを軽減する方法はある?

インプラント手術後の痛みを軽減する方法はある?

手術をした後には麻酔の効果が切れ、一般的に帰宅して数時間後に徐々に痛みが出始めます。

インプラントを埋入した本数・メスで切開した範囲・選択した術式に応じて、程度や感覚に違いはあります。

手術後の痛みは処方された鎮痛剤を服用することで緩和できます。

インプラント手術を行った後の痛みを軽減するには、処方された薬をきちんと飲むことが大切です。細菌感染によって痛みが生じる場合もあるためです。

また、口内を清潔に保ち激しい運動・過度な飲酒・長時間の入浴を控え、手術部位の近辺に刺激を極力与えないようにしましょう。

処方された抗生剤をしっかり飲む

抗生剤は抗菌薬のことで、細菌を壊したり細菌が増えるのを抑えたりします。抗菌薬は細菌に対する薬ですので、細菌以外が原因となる感染症には効果がありません。

重度の細菌感染ではインプラントや周りの組織の状態によっては、一度インプラントを除去し感染している組織を取り除きます。

そして、数ヶ月後に骨が回復してから再度インプラントを埋め込むのです。

そうならないように、インプラント治療後は歯科医院から処方された抗生物質を用法用量を守りすべて飲みきりましょう。

痛みや腫れがひどくない場合でも、自分の判断だけで服用しなくなったり飲み忘れたりしないでください。

抗生剤を途中で止めると耐性菌出現の原因となることがあります。

歯磨きの際手術した部位を刺激しないようにする

歯磨きの際に手術した部位を刺激してしまうと、手術部位の傷口が開いたり治りにくくなったりして痛みの原因になります。

インプラントを入れた部位は、指・歯ブラシなどで刺激を与えないでください。刺激を与えると傷口が開く恐れがあります。

抜歯までは手術を行った部位は磨かないようにしましょう。

痛みや違和感が生じることがありますが、気になっても触らな いことが大切です。

なお、全部が磨けないわけではなく手術部位以外の部分はいつもどおりの歯磨きができます。

手術部位を触らないようにする

インプラント手術の直後は手術をした部位の近くは触らないようにしましょう。

傷口を舌や指で触れないようにして、強いうがいも避けてください。口の中が刺激され、傷口から出血する恐れがあります。

他にも舌や指で傷口を触ると雑菌が入ってしまう可能性も考えられます。

手術部位の傷口が開くと治りにくくなり、痛みの原因にもなるので注意してください。

インプラント手術後にみられるその他の症状

インプラント手術後にみられるその他の症状インプラント手術をした後にみられるその他の症状は、出血・腫れ・しびれなどです。

インプラントを埋め込んだ後には、顔の内出血・部位の腫れ・唇のしびれなどがあります。顔の内出血は通常2週間から3週間で消え痛みはほとんどありません。

インプラント手術をおこなった部位は一時的に傷口となるため赤みや腫れをともないますが、これは体の正常な反応です。

麻酔が切れてからもずっと下唇にしびれが続く場合は、インプラントを埋入したときに神経を傷つけた可能性があります。

また、歯を入れた直後の症状は、発音がしにくい・インプラントの歯が舌で触った感じが悪い・隣の歯に痛みがあるなどです。

発音がしにくい・インプラントの歯が舌で触った感じが悪い場合は、調整が必要な場合がありますので歯科医師に相談してください。

隣の歯に痛みがあるのはインプラントが隣の歯にぶつかっている可能性があります。

腫れ

インプラント手術をおこなった部位は一時的に傷口となり、炎症が生じて赤みや腫れをともなうことが多いです。

これは体の正常な反応であり、傷口がきれいに治るためにはある程度避けられません。

痛みと同じく、インプラント手術をした後の腫れも数日程度でおさまっていきます。ただし、腫れが続く場合は異常が疑われますので、主治医に診てもらいましょう。

しびれ

インプラント体埋入後のしびれの主な原因は手術時の神経損傷・圧迫などです。

ごくまれなことですが、下顎の奥歯の手術をした後に下顎のしびれや知覚麻痺を感じることがあります。

これは下顎やあご先の皮膚感覚に関係している下歯槽神経を圧迫した場合や、傷つけてしまった場合に起こります。

歯科医院では知覚検査を行って麻痺の範囲・程度を把握し、検査によってインプラント体が神経に接していると速やかにインプラント体の除去を行います。

また、知覚麻痺に対する治療として投薬を行ったり、場合によっては知覚を専門とする医師に依頼したりします。

インプラント手術後の過ごし方に関する注意点

インプラント手術後の過ごし方に関する注意点インプラント治療後は、処方された痛み止め・抗生物質などを用法・用量を守りすべて飲みきることが大切です。

先述したように、激しい運動・過度な飲酒・長時間の入浴は控えるようにしましょう。

散歩などの軽い運動であっても血の巡りが良くなるのでできるだけ控えるようにしてください。

仕事は一般的に制限をすることはありませんが、出血・痛み・腫れがある場合はハードワークは2日から3日くらい様子をみてください。

喫煙は術後の傷口の回復を遅くして、インプラント周囲炎にかかるリスクがあります。喫煙は歯や歯茎のほかに、体にとっても良いことではありません。

タバコは正常な白血球の働きを妨げます。傷口の治りが悪くなるため、喫煙は控えてください。

また、タバコは歯周病を悪化させる原因にもなりますので、健康のためにも禁煙が望ましいです。

いつまでも痛みがおさまらない場合は歯科医院に相談を

いつまでも痛みがおさまらない場合は歯科医院に相談をインプラント治療は、インプラントの95%が10年以上も使えたという報告もあるくらい安全で優れた治療法です。

しかし、日頃のセルフケアに加えて定期的な歯科医院でのメンテナンスを続けない場合には不具合が発生することがあります。

場合によっては期待した結果が得られないかもしれません。いつまでも痛みがおさまらない場合は早めに歯科医院に相談をしてください。

担当の先生やスタッフに疑問や思っていることをきちんと伝えお互いの理解を深めましょう。

インプラントにトラブルがあるときは、原則として最初に治療した歯科医師が治療を続けるのが望ましいとされます。

しかし、やむを得ず転院する場合は一定の情報を転院先の歯科医院に引き継ぐようにしてください。

まとめ

まとめインプラント手術後の痛みが何日も続くと、いつまで続くのか不安を覚えることもあるでしょう。インプラントの痛みを抑える方法はいくつかあります。

刺激物を避けたり、激しい運動・過度な飲酒・長時間の入浴などを控えることで、痛みを軽減できます。

インプラントの痛みが改善しない場合や激しい痛みがある場合は、担当医に相談することが大切です。

手術後の食事の注意点や痛みを軽減する方法などを解説しましたので、ぜひ参考にしてください。

参考文献

この記事の監修歯科医師
遠藤 眞次歯科医師(グランメゾンデンタルクリニック)

遠藤 眞次歯科医師(グランメゾンデンタルクリニック)

長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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