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歯が欠けた時の治療費はいくらぐらい?対処法や放置するリスクについても解説!

歯が欠けた時の治療費はいくらぐらい?対処法や放置するリスクについても解説!

日常生活の中で歯が欠けることは誰にでも起こり得るトラブルです。おそらく、皆さんの身の回りにも歯が欠けた方がいらっしゃるでしょうし、何もせず放置しているケースも珍しくはありません。

歯の先端が欠けた程度なら、見た目も健康上もとくに問題がないと考えている方が多いようです。ここではそんな歯が欠けた時の治療費や対処法、放置するリスクについて詳しく解説をします。

歯が欠けてしまう原因について

歯が欠けてしまう原因はなんですか?
歯が欠ける主な原因としては、むし歯、歯ぎしり、外傷、酸蝕歯(さんしょくし)の4つが挙げられます。

・むし歯
むし歯は細菌が作り出した酸によってエナメル質や象牙質が溶けていく病気なので、歯が欠ける現象とは無縁のように感じます。実際、むし歯のケースの多くは、歯面の一部に穴が開いて、そこから徐々に病巣が広がっていきます。けれども、むし歯には「深在性(しんざいせい)のう蝕(しょく)」というものがあり、一見すると健康そうに見える歯でも、歯質の中でむし歯が大きく広がっているケースもあるのです。そうしたむし歯では、歯の中がスカスカになっており、ちょっとした圧力が加わっただけでも欠けてしまう場合があります。もちろん、普通のむし歯でも歯質は全体的に弱くなっているので、欠けやすくなっているという点は同じといえます。

・歯ぎしり
歯をギリギリと擦り合わせる歯ぎしりや食いしばりなどの習慣がある場合は、歯が欠けるリスクが高いです。私たちの歯はエナメル質という頑丈な組織で覆われてはいるものの、エナメル質どうしでぶつかり合ったら欠けてしまうこともあります。歯ぎしりの習慣が長期に渡っているケースでは歯の摩耗が進行して、象牙質が露出していることも珍しくありません。象牙質はエナメル質よりもやわらかく、歯ぎしりや食いしばりによりすり減りやすいです。

・外傷
歯が欠ける原因として最もイメージしやすいのは外傷でしょう。道端で転んだ拍子に歯を強打した。野球をしている時にボールが顔面にぶつかった。そうしたトラブルに伴う外傷では、歯に強い衝撃が加わって破折を招きます。歯が欠けたことも自覚しやすいことでしょう。

・酸蝕歯
酸蝕歯とは、酸性の刺激によって歯が溶けていく病気です。むし歯との違いは、細菌感染を伴わない点です。酸蝕歯の原因となるのは、酸性の飲み物や食べ物で、胃食道逆流症(いしょくどうぎゃくりゅうしょう)を患っている場合は、胃酸が歯を溶かしていきます。そうして脆くなった歯に強い衝撃が加わると欠けてしまうことがあるのです。

欠けた歯を放置するとどんなリスクがありますか?
何らかの理由で欠けたり、割れたりした歯を放置すると、次に挙げるようなリスクを伴います。

・欠けが大きくなり、中が露出して歯がしみるようになる
歯が欠けた状態は、とても脆弱です。比較的弱い力が加わっただけでも欠けが大きくなり、象牙質が露出することでしょう。そうなると歯がキーンとしみる知覚過敏の症状が現れ始めます。歯の神経が露出するほど大きく欠けた場合は、強い歯痛を伴うようになり、抜髄(ばつずい)や根管治療が必須となるのです。

・噛み合わせが悪化して、他の歯も欠けてしまうことがある
私たちの歯は、1本が部分的に欠けただけでも、全体の噛み合わせに悪影響をもたらします。噛み合わせのバランスが崩れて、その他の歯に大きな負担がかかるようになるかもしれません。

・欠けた部分に汚れが溜まり、むし歯になりやすくなる
歯が欠けた部分はザラザラになっていることから、汚れがたまりやすくなります。そこに歯垢や歯石が形成されると、細菌が繁殖してむし歯を発症するのです。欠けた部分のむし歯は、普通のむし歯よりも進行が早いため放置はせず、早期に治療を受ける必要があります。

歯が欠けた時の治療費について

歯が欠けた時の治療費について

歯が欠けた時の治療は保険適用されますか?
歯が欠けた場合は、治療方法によって保険適用の有無が変わります。

・保険適用の治療の特徴
欠けた歯を保険適用の治療で治す場合は、使用する材料に制限がかかります。基本的には歯科用プラスチックであるコンポジットレジンで治療することになるでしょう。歯が欠けた部分が大きい場合は、銀歯や硬質レジン前装冠(こうしつれじんぜんそうかん)、ケースによってはCAD/CAM冠(キャドキャムカン)という被せ物を選ぶことも可能です。

・自由診療の治療の特徴
欠けた歯を自由診療の治療で治す場合は、使用する材料に制限がかかりません。審美性に優れたセラミックや耐久性が高いジルコニア、適合性や生体安全性が高いゴールドなどを自由に選べます。自由診療ならマイクロスコープなど、先進の医療機器を用いた精密治療も可能となります。

保険適用の治療法と費用の相場について教えてください。
欠けた歯を保険適用で治す場合の費用相場は以下の通りです。

・コンポジットレジン修復
歯の欠けが比較的軽度であれば、コンポジットレジン修復で対応可能です。コンポジットレジン修復にかかる費用は、3割負担で1000~3000円程度です。

・硬質レジン前装冠
歯の欠けが中等度から重度の場合は、硬質レジン前装冠で対応します。硬質レジン前装冠にかかる費用は、3割負担で8000〜1万円程度です。

自由診療の治療法と費用の相場について教えてください。
欠けた歯を自由診療で治す場合の費用相場は以下の通りです。

  • ダイレクトボンディング:3~5万
  • ラミネートベニア・セラミッククラウン:10~15万
  • インプラント:30~50万

自由診療は、歯科医院によって料金設定が異なるため、上記の値段はあくまで参考程度に受け止めてください。

歯が欠けた時の対処法・応急処置について

歯が欠けた時の対処法・応急処置について

歯が欠けてしまったら、どうすればいいですか?
外傷など歯が欠けた場合は、状況に応じて以下の方法を実践してください。

・鎮痛剤を使用する
歯が欠けた部分の痛みが強い場合は、市販の鎮痛剤を服用しましょう。

・痛みがなくても早めに歯科医院で受診する
歯が欠けた範囲が小さかったり、痛みがなかったりしても、早めに歯科を受診するようにしてください。そのまま放置しても自然に治ることはありません。

歯が欠けた時にやってはいけないことはありますか?
歯が欠けた時に以下のことを行うのはNGです。

・欠けたところを刺激すること
歯が欠けたところは、傷口と同じです。無やむに触ると細菌に感染してしまいます。歯の状態が悪いと、さらに大きく欠けてしまうため、できるだけ触らず、清潔に保つよう努めてください。口腔内が不潔になるとむし歯リスクが高まることから、歯磨きはしっかり行う必要があります。

・欠けたままにして放置すること 歯の欠けがどれだけ軽度であったとしても、放置することだけは避けてください。エナメル質はとても強い組織ですが、少しでも欠けがあるとそこから簡単に細菌が感染します。日常生活を送っていく中でも欠けた部分が次第に大きくなっていくため、受傷した時点ですぐに歯科を受診することが大切です。歯の欠けは、むし歯と同様、治療を早く始めるほど歯へのダメージを抑えることが可能となります。

編集部まとめ

今回は、歯が欠けた時の治療費と対処法、何もせずに放置するリスクについて解説しました。歯が欠けた時の治療法は、保険診療と自由診療とで大きく異なります。保険診療の場合は、数千円程度の費用で治せることが多いため、歯が欠けた時にはためらわずに歯科医院を受診しましょう。自由診療の場合は費用がやや高くなるものの、審美性の高いオールセラミックや耐久性に優れたジルコニアなどを使うことができますので、それぞれのニーズに合った治療法を選ぶと良いでしょう。

歯が欠けた状態を放置すると欠けが大きくなって歯がしみるようになる、噛み合わせが悪化して他の歯も欠ける、欠けた部分に汚れが溜まってむし歯になりやすくなる、といったリスクを伴うことから、できるだけ早く歯科で治療を受けるのが良いです。過去に欠けた歯でも今から治療すれば十分間に合います。歯が欠けた部分に深刻な症状が現れる前に、適切な歯科治療を受けましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
坪光 玄義医師(地挽歯科医院)

坪光 玄義医師(地挽歯科医院)

鶴見大学歯学部 卒業 / 平成24年歯科医師免許証 取得 / 現在は地挽歯科医院、蕨にしき町歯科・口腔外科(いずれも非常勤)

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