インプラント

デンタルインプラントと入れ歯で悩んでいる方へ|メリット・デメリットや費用の比較

デンタルインプラント 入れ歯

歯を失った場合、入れ歯とデンタルインプラントは代替手段として考えられますが、どちらが自身にとって適切か迷うことがあります。入れ歯は手軽に装着できますが、デンタルインプラントはより自然な感覚を得られます。また、費用や治療期間も異なります。

本記事ではデンタルインプラントと入れ歯について、以下の点を中心にご紹介します。

  • デンタルインプラントのメリット・デメリット
  • 入れ歯のメリット・デメリット
  • デンタルインプラントや入れ歯の費用について

デンタルインプラントと入れ歯について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

デンタルインプラントと入れ歯について

デンタルインプラントと入れ歯について

デンタルインプラントとはどんな治療ですか?
デンタルインプラントとは、失った歯の代わりに人工の歯を埋め込み、補う治療法です。歯科ではインプラントと略して呼ばれることが多く、人工歯根、口腔インプラント、歯科インプラントなどとも呼ばれます 。 デンタルインプラントは、骨に埋め込まれる「人工歯根」と、その上に取り付ける「人工歯」、そして人工歯根と人工歯をつなぐ「アバットメント」という3つのパーツから構成されます 。人工歯根に主に使用されるチタンは生体親和性が高く、骨と結合する性質があります。デンタルインプラントの治療は、大きく分けて以下の4つのステップに分かれます。
  1. 診察と資料採取、治療計画の立案
    インプラント治療を行う前には、口の中の状態を詳しく調べるために、写真撮影、歯型の採取、レントゲン撮影、CT撮影などが行われます。これらの資料をもとに、インプラントの種類や数、位置、角度、深さなどを決める治療計画が立てられます。治療計画は、コンピュータ上でシミュレーションを行うこともあります。
  2. 手術(インプラント体の埋入)
    インプラント体とは、骨に埋め込まれるチタン製の人工歯根のことです。手術では、骨にドリルで穴を開け、インプラント体をねじ込むように埋め込みます。手術は基本的に局所麻酔で行われますが、場合によっては静脈麻酔や全身麻酔を用いることもあります。手術の際には、サージカルガイドというマウスピースのようなものを使って、事前に決めた位置や角度に正確にインプラント体を埋め込むことができます。
  3. 骨とインプラントを定着させる
    インプラント体を埋め込んだ後は、インプラント体と骨がしっかりと結合するまで一定期間待機する必要があります。この期間は個人差がありますが、4~6ヵ月程度かかるとされています。待機期間中は、インプラントの上に仮の歯を取り付けたり、部分入れ歯やブリッジを使用したりすることがあります。
  4. 人工歯の装着
    待機期間が終わったら、インプラントの上に人工歯を取り付けます。人工歯をインプラントに固定するためには、アバットメントという部品が必要です。アバットメントは、インプラントと人工歯の間に挟まれる支台の役割を果たします。人工歯は、アバットメントにねじ止めされたり、セメントで固定されたりします。

デンタルインプラントの治療は、専門的な技術と設備が必要な治療です。インプラント治療を希望する方は、信頼できる歯科医院を選び、事前に十分な説明と相談を受けることが大切です。

入れ歯とはどんな治療をしますか?
入れ歯とは、歯を失った部分に人工の歯を装着する治療法です。入れ歯には、総入れ歯と部分入れ歯の2種類があります。総入れ歯とは、歯が全てなくなった場合に使用する入れ歯で、歯茎にぴったりと合わせた土台(義歯床)と人工歯からなります。総入れ歯は取り外し可能で、歯茎に吸着させて固定します。
部分入れ歯とは、歯が部分的に欠損した場合に使用する入れ歯で、義歯床(入れ歯の基礎部分)と人工歯と支台装置(バネ)からなります。
部分入れ歯も取り外し可能で、バネを残っている歯に引っ掛けて固定します。入れ歯の種類は、歯の状態や希望によって選択できます。
入れ歯は保険適用で作製できる場合もありますが、自費で作製する場合もあります。自費で作製する入れ歯は、素材や形が多様で、見た目や機能が優れるものもありますが、その分費用が高くなります。
入れ歯を作製する場合には、歯科医師に相談して自身に合ったものを選びましょう。
入れ歯を作るためにはどんな治療をしますか?
入れ歯を作る治療の流れは、以下の通りです。
  1. まず初めに歯科医師が口腔内の状態を診断し、必要に応じて抜歯やむし歯や歯周病の治療を行います。
  2. 次に、口腔内の印象を特殊な材料を使用して取得し、入れ歯を作るための模型を製作します。
  3. その後、入れ歯を作る前に噛み合わせの高さを確認します。高さの記録をもとに、実際に歯の並んだ仮入れ歯の状態で発音や審美の確認を行い、必要に応じて微調整を行います。 問題がなければ、入れ歯が完成し、装着できます。

デンタルインプラントのメリットとデメリット

デンタルインプラントのメリットとデメリット

デンタルインプラントのメリットはなんですか?
デンタルインプラントのメリットは、歯を失った際に歯根を再現できる点にあります。インプラントは、自然な咬合力や咀嚼力の復元を目指しており、見た目や発音の問題も改善できるとされています。
また、周囲の歯や歯茎に負担がかからず、長期的に健康な口腔環境を維持できます。 さらに、インプラントは、自身の歯に近い自然な感覚で食事を楽しめるため、食事面でもメリットがあります。
そしてインプラントは、自身の歯のように手入れができるため、衛生的です。デンタルインプラントは、長期的に見るとコストパフォーマンスが高いと考えられ、自然な口腔環境も維持できるため、魅力的な治療法といえるでしょう。
デンタルインプラントのデメリットはなんですか?
デンタルインプラントにはいくつかのデメリットがあります。
まず、手術中の合併症や手術後の感染症などが起こる可能性があります。また、インプラントが周囲の骨と十分に結合しないことがあります。
デジタルインプラントが失敗する原因としては、歯周病や骨密度不足、過度の噛み合わせなどが挙げられます。失敗した場合、インプラントは再度手術で取り外され、新しいインプラントを入れる必要があります。
さらに、インプラントは入れ歯よりも高価な傾向にあります。患者さんによっては、治療費用がかかることがデメリットとなる場合もあります。

入れ歯のメリットとデメリット

入れ歯のメリットとデメリット

入れ歯のメリットはなんですか?
入れ歯のメリットは、まず価格が比較的安価であることが挙げられます。
また、治療期間が短く、歯を抜く必要がないため、手軽に治療が受けられる点も魅力的です。
さらに、口腔内の状態によっては、入れ歯を使うことで見た目や機能の回復が期待できます。簡単に取り外しできるため、口腔内の清掃も容易であり、維持管理も比較的容易とされています。
また、入れ歯を作るために手術など特別な治療が必要ない点もメリットの一つです。
入れ歯のデメリットはなんですか?
入れ歯のデメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
  • 食事制限が必要
    入れ歯を使用する場合、硬い食べ物や粘着性のある食べ物は避ける必要があります。
    また、入れ歯が合わない場合は、咀嚼能力が低下することがあるため、食べ物を十分に噛んで食べることが難しくなります。
  • 装着感がある
    入れ歯を初めて使うと、装着感や違和感があることがあります。
    また、口内での摩擦や圧力により、口内の粘膜が荒れたり、痛みを感じたりすることもあります。
  • 調整が必要
    入れ歯は使用するうちに歯肉や骨が変化することがあるため、定期的な調整が必要になります。
    また、入れ歯が合わなくなった場合は、再度作り直す必要があります。
  • 美しくない
    入れ歯は、天然歯と比べて見た目が美しくないと感じる方もいます。
    また、入れ歯が浮いたり、ずれたりすることで、口元が歪んだりすることがあります。

以上のようなデメリットがあるため、入れ歯を使用する場合は、適切なメンテナンスや調整を行うことが重要です。

デンタルインプラントと入れ歯の費用

デンタルインプラントと入れ歯の費用

デンタルインプラント1本あたりの費用はどれくらいですか?
デンタルインプラント1本あたりの費用は、様々な要因によって異なります。
例えば、インプラントを行う歯科医師の経験や知識、使用する材料の種類や品質、手術にかかる時間や難易度、地域による差異などが挙げられます。
また、インプラントに必要な手順に応じて、追加の治療や手術が必要になる場合があります。そのため、費用は個人差が大きく、標準的な金額を示すことはできません。相場としては、1本あたり数十万円以上の費用がかかる場合があります。基本的には保険が適用されず、治療費用は自己負担となるため、事前に詳しく確認することが必要です。
また、治療費用が高額な場合でも、長期的に見れば健康的な歯を維持でき、入れ歯などの代替品よりも快適な口腔環境を維持できる可能性があります。
入れ歯1本あたりの費用はどれくらいですか?
入れ歯の費用は、使用する素材や作製方法、歯科医師の技術や地域によって異なりますが、数万円~数十万円の範囲内で制作されているようです。入れ歯には、アクリル樹脂製のものや金属製のもの、セラミック製のものなどがあり、素材によって費用が異なります。
また、入れ歯を作るためには、歯科医師の診断や治療計画、型取り、試作、修正などの工程が必要であり、これらの工程にかかる費用も含まれます。
入れ歯の費用は、保険が適用される場合もあるため、歯科医師に相談してみることが大切です。

全部の歯を治療したい場合の費用

全部の歯を治療したい場合の費用

デンタルインプラントで全部の歯を治療する場合の費用はどれくらいですか?
デンタルインプラント1本あたりの費用は、様々な要因によって異なります。
例えば、インプラントを行う歯科医師の経験や知識、使用する材料の種類や品質、手術にかかる時間や難易度、地域による差異などが挙げられます。また、インプラントに必要な手順に応じて、追加の治療や手術が必要になる場合があります。そのため、費用は個人差が大きく、標準的な金額を示すことはできません。目安として、約200~500万円以上の費用がかかる可能性があります。
治療費用には保険が適用されない場合が多く、自己負担が必要となるため、事前に詳しく確認することが必要です。
また、治療費用が高額な場合でも、長期的に見れば健康的な歯を維持できることにつながります。
総入れ歯の費用はどれくらいですか?
総入れ歯の費用は、入れ歯のタイプや素材、技工士の技量などによって異なります。
上下の入れ歯を作る場合は、素材によって10万~30万円程度が相場となっています。ただし、健康保険が適用される場合もあり、費用は一部負担になることもあります。また、保険が適用されない場合でも、自治体によっては入れ歯費用の助成制度が設けられている場合もあるため、事前にチェックすると良いでしょう。
入れ歯は、正しいケアをすることで長期間使用できるため、費用面だけでなく、メンテナンスやケアの重要性も考慮して選択することが大切です。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまでデンタルインプラントと入れ歯についてお伝えしてきました。 デンタルインプラントと入れ歯の要点をまとめると以下の通りです。

  • デンタルインプラントは自然な噛み心地や外見を維持できるが、手術が必要で費用も高い傾向にある
  • 入れ歯は手軽に装着でき、費用も比較的安価だが、違和感や不自然さを感じる可能性がある
  • デンタルインプラントは1本あたり数十万円以上の費用がかかる場合があり、総入れ歯の費用は10万~30万円程度が相場とされる

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
川上 紗和子医師(日本歯科大学 口腔インプラント診療科)

川上 紗和子医師(日本歯科大学 口腔インプラント診療科)

日本歯科大学 生命歯学部 卒業 / 東京医科歯科大学大学院 インプラント・口腔再生医学分野 修了 / 日本歯科大学 口腔インプラント診療科 助教

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川上 紗和子医師(日本歯科大学 口腔インプラント診療科)

日本歯科大学 生命歯学部 卒業 / 東京医科歯科大学大学院 インプラント・口腔再生医学分野 修了 / 日本歯科大学 口腔インプラント診療科 助教

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