ボルトによるインプラントの痛みについてご存じですか?本記事ではインプラントのボルトと痛みとの関係について以下の点を中心にご紹介します。
- インプラントのボルトについて
- インプラント手術における痛みについて
- インプラント手術後に痛みが生じないための工夫
インプラントのボルトや痛みについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。
インプラントのボルトとは?
インプラントのボルトとは人工歯根のことを指します。人工歯根は歯が失われた部分の顎骨に埋め込まれるパーツのことです。人工歯根は顎骨と機械的にしっかりと結合するようにボルトのような見た目をしています。人工歯根が顎骨と強固に結合することで、上部構造(歯の頭に相当する部分)を支え、強い噛み合わせの力にも耐えることができるようになります。インプラント治療において、ボルトに似た人工歯根は重要な役割を果たしているのです。
インプラント手術中の痛みについて
インプラント手術中の痛みについて心配する方も多いかと思いますが、基本的には局所麻酔を使用するため、患者さんが痛みを感じることはほとんどありません。麻酔の効き方には個人差がありますが、もし麻酔が途中で切れた場合でも、適時追加投与を行います。
また、不安や緊張感を和らげるための静脈内鎮静法も提供しています。手術は通常30分程度で行われ、入院は必要なく日帰りで施術が可能です。ただし、患者さんの症状によっては、人工歯根を埋入した後に顎の骨の再建手術などを行う必要があり、その場合は施術の完了までに一時間半程度を要することもあります。
インプラント手術後の痛みについて
インプラント手術後の痛みや腫れについては、個々の症例や個人差によりますが、一般的には手術後の痛みは麻酔が切れた後に生じ、早ければ2~3日程度、長くても1~2週間ほどで治まるとされています。
また、手術後には腫れが生じることもありますが、これも個人差があり、ピークは術後2〜3日後で、徐々に落ち着き、術後1〜2週間で元通りになることが多いです。ただし、痛みや腫れが長引く場合は感染症の可能性もあるため、その際は医師への相談が重要です。
インプラント手術後に痛みが出ないために気を付けること
インプラント手術後に痛みのない快適な生活を送るためにどのような工夫ができるのでしょうか。
十分に止血する
インプラント手術後の出血は自然な反応ですが、適切な止血が重要です。止血を怠ると痛みや腫れ、感染のリスクが高まります。手術後は医師の指示に従い、適切な止血を心掛けましょう。
食事に気を付ける
手術後の食事は慎重に選び、特に硬い食べ物や熱い食べ物は避けるようにしましょう。これらは傷口を刺激し、痛みを引き起こす可能性があります。また、栄養バランスの良い食事は回復を促進します。
運動や入浴を控える
手術直後は、運動や入浴など血行を良くする行為を控えることが推奨されます。運動や入浴は一時的に血流を増加させ、出血や腫れを悪化させる可能性があります。
飲酒や喫煙はNG
インプラント手術を行う場合には、術前・術後にかかわらず、喫煙は避けるべきです。喫煙は骨や歯茎への血流を悪化させ、治癒を遅らせる可能性があります。また、術直後の過度な飲酒も避けたほうがよいでしょう。飲酒は血行を促進させるため、術後の異常な出血に繋がる場合があります。
歯磨きは患部を避ける
手術後の口腔ケアは重要ですが、患部を直接ブラッシングするのは避けましょう。これは傷口を刺激し、痛みを引き起こす可能性があります。代わりに、患部周辺の清潔さを保つことに注意を払いましょう。
処方された薬は飲む
医師から処方された薬は、指示通りに飲むことが重要です。これらの薬は痛みを管理し、感染を防ぐためのものです。特に抗生物質は、途中で飲むのを止めると耐性菌が出現する原因となる可能性があります。
インプラント手術後に痛みが続く原因
インプラント手術後に痛みが続く場合があります。その原因を見ていきましょう。
細菌に感染している
インプラント手術後に強い痛みが生じる原因の一つとして、細菌感染が考えられます。細菌感染を引き起こす原因としては、インプラント埋め込み後の口腔内の衛生状態が悪かった、指や舌で触ってしまった、処方された抗生物質を途中で止めてしまったなどが挙げられます。
強い圧や刺激
インプラントを埋め込んだ部分に強い刺激や圧がかかった場合、または噛み合わせによる強い力が加わった場合、インプラント部分に痛みが出る原因となります。特に、インプラント治療直後に仮歯を装着している場合は力がかかりやすいため、痛みが出ることがあります。また、寝ている間の歯ぎしりや食いしばりで強い力がかかってしまうこともあります。
オーバーヒート
インプラントの手術では顎の骨を削ってインプラントを埋め込みます。その際にドリルと骨の間で摩擦力が生じ、熱が発生します。通常は冷却水を注入しながら行うなど摩擦による熱を軽減する対策を行いますが、何らかの理由によって熱が加わりすぎてしまう「オーバーヒート」が起こる可能性があります。オーバーヒートによる骨の火傷により、骨組織が壊死してしまい、インプラント体と骨がくっつかなくなる可能性もあります。
インプラント手術後に痛みが続く際の対処法
インプラント手術後の痛みが長引く場合は以下の対処法を試してみてください。
セルフケアを怠らないようにする
インプラントを健康に保つためには、自宅でのセルフケアが重要です。インプラントを失う大きな原因は「インプラント周囲炎」で、これは口内に残る食べカスやプラークに生息する歯周病菌が原因で発症します。
毎日のブラッシングで口内に汚れを溜めないことが、インプラント周囲炎を予防するポイントとなります。ハブラシだけでなく補助清掃用具を使い磨き残しを無くすことにより、トラブルが起こるリスクを軽減できます。
定期的に検診に行く
インプラントは治療が終わってからも定期メンテナンスに行くことをおすすめします。定期メンテナンスは「インプラントや歯茎、噛み合わせに以上がないか」を確認する目的があります。
また、インプラント部分以外にも口内全体に歯周病や虫歯などがないか確認してもらえます。定期的にメンテナンスを行えば、痛みなどのトラブルが起きても原因を早期発見できるのでインプラントの寿命を長く保てるでしょう。
まとめ
ここまでインプラントのボルトや痛みについてお伝えしてきました。インプラントのボルトや痛みについての要点をまとめると以下の通りです。
- インプラントのボルトは人工歯根のことで、インプラント治療において重要な役割を果たすパーツである
- インプラント手術後の痛みは早ければ2~3日程度、長くても1~2週間ほどで治まるとされている
- インプラント手術後に痛みが生じないための工夫として、十分な止血、食事・運動・入浴・飲酒・喫煙の管理や薬の服用などが挙げられる
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。