インプラント

インプラントにはいくらかかる?1本あたりの費用の相場や治療方法を解説!

インプラントにはいくらかかる?1本あたりの費用の相場や治療方法を解説!

やむを得ない事情で歯が欠損してしまって、インプラント治療を検討されている方は多いと思います。歯が欠けたり失くなってしまい、ただでさえ不便さを感じているのに、治療にかかる費用も悩みの種になりますよね。インプラント治療には基本的に健康保険が適用されない自費治療になり、チタン製のネジを顎の骨に埋入する特殊な処置のため、費用が高額になります。安心して治療を受けていただくために、インプラントの費用の相場はいくらなのか、他の治療方法の費用とも比較して紹介します。

インプラントにはいくらかかる?

インプラントとは何ですか?
インプラントとは、歯が欠けたり歯を失ったりした場合に、顎の骨にインプラント体という人工の歯根を埋め込み、それに上部構造(人工歯)を取り付けることで回復させる治療方法です。従来から用いられてきたブリッジや入れ歯といった治療方法とはことなり、歯根ができるため、咀嚼力が強く、顎の骨が痩せてしまうことを防げ、天然の歯と同じような感覚で噛めるといったメリットがあります。デメリットとしては、他の治療方法に比べて治療費が高額になり、治療期間が長くなる場合があることが挙げられます。
インプラント治療にかかる費用の内訳を教えてください。
一般的なインプラント治療にかかる費用の内訳は下記です。・検査と診断の費用
インプラント治療を行う際は事前に、むし歯や歯周病の検査や歯型の採得、噛み合わせや残っている歯の状態について確認します。そして、CTスキャンなどを使用して、顎の骨の量や密度を測定します。検査結果と現在の健康状態、インプラントの上部構造(被せ物)の色や材質などの希望などを診断した上で治療計画を立案します。

・インプラントの手術費用
顎の骨に歯の根になるインプラント体を埋入する手術の費用です。歯茎を切開して、埋入するための穴を作り、インプラント体を埋め込みます。抜歯や再生治療の有無、埋め込む本数、手術する部位などによって費用は変動します。

・上部構造(人工の歯)の費用
インプラント体に人工の歯である上部構造(被せ物)を取り付ける費用です。天然の歯に近い見た目のセラミックや強度と審美性が高いジルコニアなど、使用する材質によって費用が変わります。

・メンテナンス費用
治療の終了後にインプラントを長持ちさせ、人工の歯だけでなく、天然の歯も含めた口の中の環境を保つために、定期的にメンテナンスや検査を受けるための費用です。 これらに加えて、もし顎の骨が少ない場合は、骨を増やす治療の費用がかかります。

インプラント1本あたりの費用の相場は?
費用の相場を、前歯と奥歯のそれぞれの場合で見ていきましょう。・奥歯1本あたり
奥歯にインプラントを1本埋入する費用の相場は、30~50万円ほどです。

・前歯1本あたり
前歯にインプラントを1本埋入する費用の相場は、奥歯のときと変わらず、30~50万円ほどです。ただし、前歯のインプラント治療は奥歯の場合よりも難しいと言われています。前歯を支える顎の骨が奥歯を支えるものより薄いためです。顎の骨が少なく、インプラントを埋め込むことが難しい場合は、骨の厚みを増すための骨造成手術が必要になり、その費用もかかります。

インプラントは保険適用されますか?
インプラント治療は自由診療のため、一部の例外を除いて基本的に健康保険は適用されません。例外的に保険適用されるケースは、病気や第三者の行為による事故のため、顎の骨が広範囲に渡って欠損した場合か、生まれつき1/3以上の顎の骨の欠損や形成不全があると診断された場合です。さらに、保険が適用されるためには、病院で治療を受けること、歯科・口腔外科に関する5年以上の経験があり、インプラント治療に関する3年以上の経験を有する常勤歯科医師が2名以上いること、当直体制が整備されていること、医薬品や医療機器の安全を確保するための体制が整えられていることという条件を満たす施設で治療を受ける必要があります。
インプラントの費用が高額になる理由を教えてください。
インプラント治療が高額になる理由の一つとして、材料費と設備費が高額であることが挙げられます。手術を行うためには、インプラント専用の器具や薬品、使い捨ての手術用品、衛生的な設備を整える必要があり、それぞれが高額なためです。インプラントを良好な状態に保つための器材や技術の導入などにも費用がかかるため、インプラント治療は高額になります。

インプラント以外の治療方法はいくらかかる?

インプラント以外の治療方法を教えてください。
インプラント以外の歯を欠損した場合の治療方法には、ブリッジと入れ歯があります。ブリッジは、欠損した歯の代わりになる人工の歯を両隣の歯に装着する冠と一体で作製する装置です。両隣の歯を土台にすることで人工の歯を支えます。入れ歯は、人工の歯を用いた取り外しが可能な装置です。部分入れ歯と総入れ歯があり、部分入れ歯では残っている歯にバネをかけることで安定させます。
ブリッジの費用の相場はいくらぐらいですか?
ブリッジの費用の相場は、材質にセラミックやジルコニアを使用する自費治療の場合で1本あたり5~15万円、質に金属を使用する保険治療の場合で1本あたり1~2万円です。
入れ歯の費用の相場はいくらぐらいですか?
入れ歯は保険適用される装置のため、その費用の相場は部分入れ歯の場合で、5千~1万円ほど、総入れ歯の場合は1万円ほどです。保険治療でなく、自費治療で入れ歯を作製した場合の費用は15万~80万円ほどになります。

インプラントの骨造成術にはいくらかかる?

GBR法とは何ですか?
GBR法とは、骨誘導再生法とも呼ばれる、顎の骨の幅や高さが足りなくてインプラントを埋め込めない場合に行う骨造成手術の一つです。歯肉を剥がして骨が足りない部分に粉砕した自家骨(自分の骨)や人工の骨補填材を入れて、特殊な膜で覆い、骨の再生を促します。GBR法とインプラントの埋め込みを同時に行う方法と、GBR法で骨が再生されてからインプラントを埋め込む方法があります。
GBR法の費用の相場はいくらぐらいですか?
GBR法にかかる費用の相場は3万~10万円ほどです。
ソケットリフト・サイナスリフトとは何ですか?
上顎の奥歯の部分には上顎洞という空洞があるため元々インプラントの土台となる骨(歯槽骨)が少ないです。そのせいでインプラントを埋め込むために必要な骨の量を確保できない場合に、骨を増やすために行う治療がソケットリフトとサイナスリフトです。一般的に骨の厚みが4mm以上ある場合はソケットリフト、4mm未満の場合はサイナスリフトを行います。
ソケットリフトとサイナスリフトの費用の相場について教えてください。
ソケットリフトの費用の相場は3万~10万円ほど、サイナスリフトの費用の相場は15万~30万円ほどです。

編集部まとめ

今回はインプラント治療にかかる費用の相場について、その内訳や保険適用される条件、インプラント以外の治療方法の費用、骨造成術を受ける場合の費用などとともにご説明しました。インプラント治療は審美性と機能性を兼ね備えた優れた治療方法ですが、費用が高額になるため、診療に臨む前に十分に調査し検討することが必要でしょう。この記事が少しでも、インプラント治療を検討されている方の助けになりましたら幸いです。

参考文献

この記事の監修歯科医師
遠藤 眞次歯科医師(グランメゾンデンタルクリニック)

遠藤 眞次歯科医師(グランメゾンデンタルクリニック)

長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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