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インプラント治療は高額医療費補助の対象になる?治療費を抑えるポイントも併せて解説

インプラント治療は高額医療費補助の対象になる?治療費を抑えるポイントも併せて解説

インプラント治療を検討されている方のなかには、高額医療費補助の対象になるのか気になっている方も多いのではないでしょうか?
本記事ではインプラント治療の高額医療費補助について以下の点を中心にご紹介します。

  • 高額医療費補助とは
  • インプラント治療における高額医療費補助とは
  • インプラント治療の費用を抑えるポイント

インプラント治療の費用について理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

高額医療費補助とは

高額医療費補助とは

高額療養費制度とは何ですか?
高額療養費制度とは、1ヶ月(1日〜月末)に支払った医療費が一定額を超えた場合に、その超過分が払い戻される制度です。健康保険や国民健康保険などの公的医療保険に加入している方が対象で、自己負担額の上限は年齢や所得によって異なります。

ただし、この制度が適用されるのは”保険診療”のみであり、自由診療や差額ベッド代などは含まれません。例えば、入院費や手術費、処方薬の費用などが対象になります。
医療費が高額になることが事前にわかっている場合は、”限度額適用認定証”を取得すれば、窓口での支払いを抑えることも可能とされています。
手続きは自身が加入している健康保険組合で行えます。

高額療養費の対象となるケースについて教えてください
高額療養費制度は、公的医療保険が適用される治療が対象です。具体的には、入院、手術、薬剤費などが該当し、歯科治療でも保険診療の範囲であれば適用されます。

一方で、インプラント治療のように”自由診療”とされるものは基本的に対象外です。
インプラントは、機能回復だけでなく審美性を求める治療とみなされるため、通常の保険適用外となります。

しかし、特定の条件を満たす場合に限り、インプラント治療が保険適用となることがあり、その際には高額療養費制度の利用が可能とされています。
治療を受ける前に、保険適用の有無を確認することが重要です。

インプラント治療における高額医療費補助

インプラント治療における高額医療費補助

インプラント治療にかかる費用相場はどのくらいですか?
インプラント治療の費用は、1本あたり約30万〜50万円が相場とされています。費用には、検査・診察、手術、インプラント本体(人工歯根)、アバットメント(連結部分)、上部構造(被せ物)などが含まれます。
ただし、治療内容や使用する素材によって費用が変動することがあります。

また、前歯と奥歯では、上部構造の費用に差があり、前歯の方が高額になりやすいです。これは、前歯は目立つため、審美性を重視した素材(セラミックやジルコニア)が選ばれることが多い傾向にあるためです。
奥歯は噛む力を重視するため、安価な素材が使用されやすいです。

さらに、骨が不足している場合の骨造成や仮歯の製作、術後のアフターケアなども追加費用がかかることがあります。
治療を受ける際は、総額の費用と治療計画を事前に確認することが大切です。

インプラント治療は高額医療費補助の対象ですか?
インプラント治療は、基本的に高額療養費制度の対象外です。これは、この制度が保険診療に適用されるものであり、インプラント治療はほとんどのケースで自由診療となるためです。
むし歯や歯周病で歯を失い、インプラント治療を受ける場合、制度の適用は受けられません。

ただし、例外として保険適用となるインプラント治療も存在します。
例えば、先天的な疾患や事故によって顎の骨を3分の1以上失った場合など、特定の条件を満たせば、インプラント治療が保険適用となり、高額療養費制度の対象になります。
ただし、この場合でも、治療を受ける医療機関に厳しい条件が課されているため、事前にしっかりと確認することが重要です。

インプラント治療で高額医療費補助の対象となる条件を教えてください
インプラント治療が高額療養費制度の対象となるには、保険適用の条件を満たす必要があります。具体的には、次の2つのケースが該当します。
  1. 先天性の疾患が原因の場合
    ・生まれつき顎の骨が3分の1以上連続して欠損している
    ・先天的な顎の骨の形成不全と診断された
  2. 事故や病気が原因の場合
    ・外傷や病気により、顎の骨を3分の1以上連続して失った
    ・入れ歯やブリッジでは咀嚼機能を十分に回復できないと診断された

さらに、治療を受ける医療機関にも条件があり、歯科口腔外科を持つ病院であること、入院設備や当直体制が整っていることなどが求められます。
保険適用を受けるには、これらの条件を満たす医療機関を選ぶことが大切です。

インプラント治療の費用を抑えるポイント

インプラント治療の費用を抑えるポイント

インプラント治療は医療費控除の対象になりますか?
インプラント治療は自由診療ですが、医療費控除の対象となります。
医療費控除とは、1年間(1月1日〜12月31日)に支払った医療費が10万円(または年収の5%)を超えた場合に、所得税の一部が還付される制度です。
この制度では、治療費だけでなく、通院の交通費や医薬品の購入費も控除対象に含まれます。
ただし、美容目的のインプラントは対象外となる可能性があるため注意が必要です。

また、会社員の場合、年末調整では医療費控除を受けられないため、確定申告が必要になります。
申請期間は毎年2月16日〜3月15日なので、領収書などの証明書類を保管し、早めに準備しましょう。

医療費控除の受け方を教えてください
医療費控除を受けるには、確定申告が必要です。会社員の方も年末調整では手続きできないため、自身で申請しなければなりません。

医療費控除の申請方法は、以下の3つがあります。

  1. 税務署に持参または郵送 – 事前に書類を準備し、管轄の税務署へ提出
  2. 税務署で申請書を作成 – 必要書類を持参し、税務署で直接作成
  3. e-Taxでオンライン申請 – 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」から電子申請

申請期間は毎年2月16日〜3月15日です。
医療費控除は過去5年分までさかのぼって申請できるため、申告を忘れた場合でも次回の確定申告で対応可能とされています。

医療費控除の申請に必要な書類を教えてください
医療費控除を申請する際には、以下の書類が必要です。
  1. 医療費控除の明細書(領収書の代わり)
  2. 医療費通知書(健康保険組合から送付される「医療費のお知らせ」)
  3. 確定申告書(税務署または国税庁のサイトで入手)
  4. 本人確認書類(マイナンバーカードなど)
  5. 源泉徴収票(給与所得者のみ)
  6. 各種領収書(治療費・薬代・通院交通費など)

2017年以降、領収書の提出は不要になりましたが、自由診療のインプラント費用は医療費のお知らせに記載されないため、領収書を5年間保管しておくことが重要です。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまでインプラント治療における高額医療費補助についてお伝えしてきました。
要点をまとめると以下のとおりです。

  • インプラント治療の費用は1本あたり30万〜50万円が相場で、保険適用外の自由診療になる場合が多いとされている
  • 高額療養費制度の適用可否は原則対象外(保険診療のみ適用)。事故や先天性疾患で顎の骨を3分の1以上失った場合など、特定条件で保険適用となるケースがある
  • 医療費控除の活用は自由診療のインプラントも対象。1年間の医療費が10万円(または年収の5%)を超える場合、確定申告で所得控除を受けられる。領収書や明細書の5年間の保管が重要

インプラント治療を検討されている方は自身が医療費控除の対象になるのか確認してみてください。本記事が少しでもお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
大津 雄人歯科医師(医療法人社団GLANZ大津歯科医院 副院長 / 東京歯科大学インプラント科 臨床講師)

大津 雄人歯科医師(医療法人社団GLANZ大津歯科医院 副院長 / 東京歯科大学インプラント科 臨床講師)

東京歯科大学歯学部 卒業 / 東京歯科大学大学院歯学研究科(口腔インプラント学) 卒業 / 現在は大津歯科医院勤務 / 東京歯科大学インプラント科臨床講師 / 専門は口腔インプラント

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