インプラント

インプラントの治療で歯科用レーザーは使用されるの?インプラントとレーザー治療の基礎知識やレーザー治療が応用される場合について解説します

インプラント レーザー 治療

インプラントは、失われた歯に対する治療法のひとつです。そして、インプラント治療やインプラント周囲炎の治療には、歯科用レーザーが使用される場合があります。 本記事では、インプラントとレーザー治療の基礎知識について以下の点を中心にご紹介します!

  • インプラントについて
  • 歯科用レーザーについて
  • インプラントとレーザー治療について

インプラントとレーザー治療の基礎知識について理解するためにもご参考いただけると幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

インプラントについての基礎知識

インプラントについての基礎知識

そもそも、インプラント治療とは何ですか?
インプラント治療は、失われた歯に対する治療法のひとつです。歯が欠損している部分の顎骨に、歯根の役目となるインプラント体を埋め込み、アバットメントと呼ばれる接続部品と上部構造を装着します。麻酔を用いた手術での治療となるため、十分な検査や手術後のメンテナンスが重要となります。 インプラント治療は、周囲の健康な歯に余計な負担をほとんどかけず、見た目や機能面でも天然の歯に近いため、「第二の永久歯」とも称され、現代では広く受け入れられています。また、歯の機能を取り戻すことで、食事や発音の改善にもつながり、生活の質を向上させることが期待できます。
インプラント周囲炎とはどんな状態ですか?
インプラント周囲炎は、インプラントが埋め込まれている部位の歯肉に炎症が起こる状態を指します。この炎症は初期には歯肉の赤みや腫れ、出血などの症状として現れます。症状が進行すると、インプラントを支える骨が徐々に破壊されてしまいます。骨の破壊が進むと、インプラントの安定性が失われ、インプラントが脱落する可能性もあります。 インプラント周囲炎の主な原因は、細菌の蓄積によるものです。特に、プラーク(歯垢)が溜まることで細菌が増殖し、それが原因で炎症が発生します。プラークには歯周病を引き起こす細菌が含まれており、これらがインプラント周囲の組織に影響を与えるのです。天然の歯に比べて、インプラントは細菌が侵入しやすい構造を持っているため、正しい歯磨きと定期的な歯科受診でのチェックを継続することが大切です。

歯科用レーザーについての基礎知識

歯科用レーザーについての基礎知識

歯科用レーザーとはどんなものですか?
歯科用レーザーは、特定の波長の光を使用することで、口内の病的な部分に特化して作用します。このレーザー光は、むし歯や歯周病を引き起こす細菌に反応し、殺菌や除去を目的に照射されることが多いです。また、細胞の再生促進も期待されており、組織の修復と再生をサポートします。痛みを伴う治療が少ないことも、歯科用レーザーの大きな利点です。 歯科用レーザーは、病的な組織にピンポイントで照射され、必要以上に歯を削ることなく治療が行えます。また、従来の歯科治療のような音や振動がないため、治療中の不安や恐怖を感じることが少ないといわれています。ただし、歯科用レーザーを導入していない歯科医院もありますので、全ての歯科医院で受けられる治療ではありません。
歯科用レーザーはどんな治療に使用されていますか?
歯科用レーザーの主な治療用途を、以下に述べます。

  • むし歯の治療:レーザーは病変部分を正確に標的にし、感染物質を取り除くと同時に強力な殺菌効果を発揮します。これにより、細菌の残留や再感染のリスクが減少します。
  • 歯周病の治療:特に歯周ポケットが深くなった場合、従来の治療方法ではプラークや歯石の除去が困難ですが、レーザー治療ではそれらを取り除けることに加えて、殺菌能力により、歯周病の進行を抑えます。
  • 知覚過敏の症状軽減:レーザーを患部に照射することで、外部からの刺激に対する反応が弱まります。
  • 口内炎の治療:レーザーを口内炎に照射すると、痛みの軽減と治癒が早まる効果があるといわれています。
  • 外科治療:殺菌、止血、鎮痛効果を持つレーザーは、手術中の出血を減少させ、術後の痛みや腫れを抑える効果があるといわれています。さらに、手術後の傷口の治癒を促進するためにもレーザーが使用されることがあります。
  • インプラント周囲炎の治療:従来のインプラント周囲炎の非外科治療法と比較しても同等の効果を発揮するとされており、従来の治療法を補完する形で利用されることが増えています。

歯科用レーザーは、これらの治療に加えて、口腔内の様々な腫瘍の摘出や、口腔ガンの治療におけるがんの範囲確定にも役立っています。

歯科用レーザーにはどんな種類がありますか?
歯科用レーザーには複数の種類があり、CO2レーザー、半導体レーザーなどが存在します。歯科医は患者さんの状態と治療計画に応じて適切なレーザーを選択します。

  • CO2レーザー:波長が長く、水分によく吸収されるレーザーです。歯肉や粘膜などの軟組織の切開や除去に適しています。出血や痛みを抑え、感染予防や傷の治癒促進にも効果があるといわれています。
  • 半導体レーザー:ダイオードレーザーとも呼ばれ、水分にあまり吸収されないレーザーです。歯肉や粘膜の切開や除去に用いられるほか、歯周ポケット内の細菌を殺菌したり、知覚過敏や顎関節症の治療にも用いられます。Nd:YAGレーザーと同様に、組織透過性が高いため、深部まで光が到達します。
  • Er:YAGレーザー:エルビウムヤグレーザーとも呼ばれ、水分によく吸収されるレーザーです。歯肉や粘膜だけでなく、歯や歯根や骨などの硬組織にも応用が可能で、むし歯や歯周病の治療に用いられています。熱の影響が少なく、リスクが少ないとされています。
  • Nd:YAGレーザー:ネオジウムヤグレーザーとも呼ばれ、水分にあまり吸収されないレーザーです。歯肉や粘膜の切開や除去に用いられるほか、歯周ポケット内の細菌を殺菌したり、知覚過敏や顎関節症の治療にも用いられます。組織透過性が高いため、深部まで光が到達します。

インプラントとレーザー治療

インプラントとレーザー治療

インプラント治療やインプラント周囲炎の治療の際、必ず歯科用レーザーが使用されるのですか?
インプラント治療やインプラント周囲炎の治療において、歯科用レーザーの使用は必須ではありません。レーザーは全ての患者さんに使用されるわけではなく、歯科医師の判断や治療計画によって異なり、患者さんの状態に応じて、治療の一環として選択される場合があります。また、レーザーの過剰照射によるインプラントの溶解などの報告もあり、使用するレーザーの種類や使用頻度について考慮する必要があるといわれています。 日本の歯科医院におけるレーザー導入率は約30%とされており、地域やクリニックによって異なります。レーザー治療の普及は徐々に進んでおり、エビデンスの確立や新しい技術の開発、機械の小型化、コスト削減などの要素が加われば、今後さらに広がる可能性があります。
インプラントのレーザー治療は医療費控除を申請できますか?
インプラント治療は、医療費控除の対象に含まれることから、治療に要した費用の一定額を所得から控除できます。ただし、医療費控除は年末調整の対象ではないため、控除を受けるには確定申告をする必要があります。 医療費控除は、その年の1月1日から12月31日までに、自己もしくは生計を同じくする配偶者や親族のために支払った医療費が対象となります。歯科治療においては、インプラント治療やセラミック治療、噛み合わせの改善が目的の成人の矯正治療、親知らずの抜歯治療などが医療費控除の対象となります。 一方で、見た目の改善が目的となる審美治療は医療費控除の対象外とされます。例えば、ホワイトニングや容貌を美化するための歯科診療は医療費控除を受けられません。 デンタルローンやクレジットカードの分割払いで治療費を支払った場合でも、医療費控除の対象となります。ただし、控除を受けるためには歯科医院で受け取った領収書が必要となります。デジタルローンの場合には歯科医院で領収書を受け取れない場合は、ローンの契約書の写しや信販会社の領収書を添付して確定申告ができます。 なお、インプラントのレーザー治療も歯科治療の一環として医療費控除の対象となる場合がありますが、具体的な内容によって異なる場合もありますので、治療内容に応じて税務署などで詳細を確認することが重要です。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまでインプラントとレーザー治療の基礎知識についてお伝えしてきました。 インプラントとレーザー治療の要点をまとめると以下の通りです。

  • インプラント治療は、失われた歯に対する治療法のひとつ
  • 歯科用レーザーは、特定の波長の光を使用することで、口内の病的な部分に特化して作用する
  • インプラント治療やインプラント周囲炎の治療において、歯科用レーザーの使用は必須ではなく、歯科医師の判断や治療計画によって異なり、患者さんの状態に応じ、治療の一環として選択される場合がある

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
坪光 玄義医師(地挽歯科医院)

坪光 玄義医師(地挽歯科医院)

鶴見大学歯学部 卒業 / 平成24年歯科医師免許証 取得 / 現在は地挽歯科医院、蕨にしき町歯科・口腔外科(いずれも非常勤)

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