インプラント

インプラントは保険適用外?インプラントの費用について徹底解説!

インプラントは保険外なのか?

インプラント治療は保険適用外とされていますが、例外はあるのでしょうか。また、負担を軽減する方法はないものでしょうか。 本記事ではインプラントが保険外であることについて、以下の点を中心にご紹介します。

  • インプラントは保険外なのか
  • インプラントの費用を抑えるコツ
  • インプラントと医療費控除について

インプラントが保険外であることについて理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

インプラントについて

インプラントについて

インプラントとはどのような治療ですか?
インプラント治療は、歯を失った箇所にインプラントを埋め込み、その上に人工の歯を取り付ける治療法です。インプラント治療法の特徴として、残っている健康な歯に負担をかけず、自然な噛み心地や見た目を実現できます。
インプラント治療の流れを教えてください。
インプラント治療は、失われた歯を人工の歯で再生する治療法です。以下は、その治療の流れです。

  • カウンセリング(インプラント相談):治療への不安や疑問を解消し、インプラントの基本的な情報を提供します。
  • 検査・計画〜契約:歯周病の検査や歯型の確認、CTスキャンを使用した骨の密度の検査を行い、治療計画を策定します。
  • 一次処置 インプラント埋入:歯の根となるインプラント体を顎の骨に埋め込みます。
  • 抜糸:インプラント埋入後の1~2週後に、使用した糸をとります。
  • 待機期間:インプラント体が骨と結合するのを待ちます。この期間は3~12ヶ月程度です。
  • 二次処置アバットメント取付:インプラントの頭部にキャップを装着します。
  • 型取り:インプラントの型を取ります。
  • 完成:歯となる被せ物の土台を取り付け、被せ物を装着して治療が完了します。
  • メンテナンス・定期検査:インプラントは天然の歯と同様にメンテナンスが必要です。定期的な検査やブラッシング指導を受け、インプラントを長持ちさせましょう。
インプラントにはどのようなメリットがありますか?
インプラント治療のメリットとして、以下の点が挙げられます。

  • 自然な見た目と機能
    インプラントは自然な見た目の実現と、噛む力や話す能力の向上に役立つ治療法です。見た目が気になりにくいことや、しっかり噛めるようになることは、健康面や精神面の向上にもつながります。
  • 長期的な耐久性
    インプラントはしっかりと顎の骨に結合するため、適切なケアを行う限り、長持ちしやすいとされています。
  • 周囲の歯を削らない
    ブリッジ治療では周囲の歯を削る必要がありますが、インプラント治療では他の歯に影響を与えることなく、欠損した部分だけに対処できます。
  • 快適な装着感
    インプラントはしっかりとした土台を提供するため、入れ歯のような浮きや違和感を感じにくいとされています。
インプラントのデメリットを教えてください。
一方、インプラント治療にはいくつかのデメリットも存在します。

  • 手術と回復期間
    インプラントの埋入は外科手術を伴うため。回復には数ヶ月を要します。
    また、手術に耐えられない体質の方はインプラント治療に不向きとされています。
  • 高額な治療費
    インプラント治療は他の治療法よりも費用が高い傾向にあります。
    また、一部のケース(病気や第三者行為の事故により、顎の骨が広範囲に渡って欠損した場合、生まれつき1/3以上顎の骨が欠損している、形成不全が診断された等)を除いて保険の適用外です。
  • 骨量や歯周組織の状態
    インプラント治療を受けるためには、十分な骨量と健康な歯周組織が必要です。
    欠損している歯の部分に十分な骨がない場合、骨移植が必要になることもあります。
  • 合併症のリスク
    手術には合併症のリスクが伴います。
    手術後の感染や神経障害、インプラントの欠損などが起こる可能性があります。

治療を検討する際は、これらのメリットとデメリットをよく理解しておきましょう。

インプラントは保険適用外

インプラントは保険適用外

インプラント治療にかかる費用を教えてください。
インプラント治療にかかる費用は、患者さんの状態や治療に用いる材料によって異なりますが、数十万~数百万円程度かかるとされています。手術や材料のコスト、歯科医師の経験・技術、診療所の立地条件などが価格に影響を及ぼす要因になります。
また、追加の手術やインプラント周囲の治療が必要な場合には、費用が増加することも考慮しなければなりません。
なぜインプラント治療は保険適用外なのでしょうか?
インプラント治療が保険適用外となる主な理由として、まず、ブリッジや入れ歯という、他の治療法が選択肢として存在している点が挙げられます。 これらに比べてインプラントは外科手術であり、コストや時間が多くかかるため、保険が適用されない傾向があります。
さらに、インプラントは審美性がある点も保険適用外の理由となっています。ブリッジや入れ歯は見た目に不満を持つこともありますが、インプラントは被せ物もセラミックで治療でき、変色やバネがないため審美性に優れているとされています。しかし、これほどの審美性は保険の範囲に必要ないと判断されているため、保険適用外とされています。
保険治療は日常生活に支障をきたすような症状に行われる最低限の治療に適用される原則があり、インプラント治療は高度で願望を叶える治療とみなされるため保険が適用されません。 治療を検討する際は、自身のニーズや目的に応じて適切な治療法を選択することが重要です。
保険適用になるケースはありますか?
インプラント治療は健康保険の適用外とされていますが、一部のケースでは認められる場合があります。例えば、事故や疾患によって歯を失った場合や、顎の骨に奇形がある場合には、特例として一部保険が適用されることがあります。 ただし、それでも全額をカバーすることは難しく、基本的には自己負担金が発生しますが、大部分の費用は保険でまかなわれます。
保険適用の条件や範囲については、各患者さんの状況と保険制度の変更によって異なるため、事前に歯科医師への相談が重要です。

インプラント費用を抑えるコツ

インプラント費用を抑えるコツ

インプラントの費用を抑える方法はありますか?
インプラント治療の費用は高額なことが一般的ですが、いくつかの方法をうまく活用することで、インプラント治療の費用や支払いの負担を抑えられる可能性もあります。
    • 歯科医師に相談する
      治療方法や材料によって費用が変わることがありますので、事前に歯科医師に相談してみましょう。
    • 複数のクリニックの費用や治療内容を比較する
      インプラント治療は、クリニックによって費用が異なることがあります。複数のクリニックで見積もりを比較し、費用だけでなく、医師の技術や施設の設備など、様々な面から検討しましょう。
    • デンタルローンの活用
      インプラント治療は一度に全額支払うケースが多いようですが、クリニックによっては、分割払いやローンを利用できることがあります。支払い面での負担を減らしたい方は検討してみてください。
    • 医療費控除の活用
      医療費控除は、国民健康保険や社会保険で賄われない医療費に対して所得税を減額する制度です。一定額以上の医療費を支払った場合に、その一部を所得税から控除できます。制度の詳細や条件は税務署や税理士に相談して確認しましょう。
    • クレジットカードのポイント活用
      治療費の支払いに、ポイント還元率が高いクレジットカードを使うという方法もあります。 ただし、すべてのクリニックがクレジットカード払いに対応しているわけではないので、事前に確認しましょう。

最後に、インプラント治療は高額な自費診療であるため、一括での支払いが難しい場合もあります。自身の経済的な状況や予算に合わせて、上記の方法を組み合わせてうまく負担を抑えるよう工夫しましょう。
また、費用削減を優先するのではなく、品質や安全性を考慮して、医師と十分な相談を行うことをおすすめします。

格安インプラントは安全ですか?
格安インプラントはリスクを伴うことがあります。最新の材料等を扱っていなかったり、国内流通量が少ないインプラントを使用していたりして、クリニックがコストを削減していることがあります。
流通量が少ないメーカーのインプラントは安く仕入れられる傾向にあります。ですがそのようなメーカーの場合、パーツの入手が困難であったり、商品の廃盤や会社の倒産もあり得ますので、何かあった場合には対応が難しくなります。
自身の歯を守るためにも、治療の安全性と品質には譲れない点があることを忘れずに、慎重な選択が必要です。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまでインプラントが保険外であることについて、お伝えしてきました。 インプラントが保険外であることについて、要点をまとめると以下の通りです。

  • インプラント治療は基本的に保険適用外であり、自費診療だが、事故や疾患によって歯を失った場合や、顎の骨に奇形がある場合には、特例として一部保険が適用されることがある
  • インプラントの費用を抑えるコツとして、歯科医師との相談やクリニックの比較検討、デンタルローンの活用、医療費控除の利用が挙げられる
  • インプラント治療は医療費控除を利用することで、一定額以上の医療費を支払った場合に、所得税からその一部を控除できる。ただし、医療費控除には一定の条件があるため、詳細は税務署や税理士への相談が重要

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
遠藤 眞次医師(グランメゾンデンタルクリニック)

遠藤 眞次医師(グランメゾンデンタルクリニック)

長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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