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インプラント手術後の仕事復帰はいつから?再開のタイミングや注意点を解説

インプラント手術後の仕事復帰はいつから?再開のタイミングや注意点を解説

第二の永久歯や第三の歯ともいわれるインプラントは、自身の歯のように噛めるだけでなく見た目も回復できる歯科治療の一つです。

インプラント手術は一度で終わらないうえ、治療期間も長くなるため、手術のたびに仕事を長期で休まなければならないのかな?と考えてしまう人もいるでしょう。

そこで本記事では、インプラント手術後の仕事復帰はいつから行えるのかを中心に解説します。ぜひ参考にし、自身の不安や疑問などをクリアにしていきましょう。

インプラント手術後の仕事復帰はいつから?

携帯をいじる女性

手術後すぐ仕事をしても大丈夫ですか?
麻酔をしているうえ、外科手術を行っていますので、手術後すぐ仕事をするのはあまりよいとはいえません。特に、人工歯根(フィスクチャー)を埋め込む一次手術は麻酔をして歯肉を切開し、顎の骨にドリルで穴を開ける外科的処置が行われます。日帰りで手術(※)は行われるものの、口を開け同じ体勢で1〜2時間程度での治療を受けているので、体にはかなり負担がかかっているでしょう。埋め込む人工歯根が多い程、治療時間も長くなります。無理をすれば、切開したところがなかなか閉じない・化膿し続けるなどほかに影響を与える可能性もあるので、ゆっくりできるよう手術の翌日までは仕事を休みにしましょう。仕事再開は手術後から3日後ぐらいからがおすすめです。しかし、仕事が忙しく、休みが連続して取れない人もいるでしょう。その場合はせめて手術当日はゆっくり過ごし、翌日から仕事復帰してください。(※)術前の検査、術後の経過観察が必要です。
入院が必要になるのはどのようなケースですか?
基本的にインプラント手術で入院することはありません。ただし、疾患を抱えている・出血しやすいなどの複雑なインプラント手術や、一度に複数の人工歯根(フィスクチャー)を埋め込むインプラント手術の場合は入院が必要になるケースがあります。もし不安なことがある場合は、歯科医師に相談するとよいでしょう。
手術後に起こりやすい症状について教えてください。
手術後に起こりやすい症状は手術による痛み・腫れ・出血です。手術直後はまだ麻酔が効いていますのでわかりにくいですが、歯肉を切開し顎の骨にドリルで穴を開けていますので、腫れや痛みがあるのは普通です。また、歯肉を切開していますので、人によっては出血を伴う場合もあります。傷口を清潔にしようとうがいをする人もなかにはいるかもしれません。強くうがいをすると、それが刺激となり出血の原因にもなるので、うがいをするならやさしくしましょう。
手術後の抜糸・定期検診の流れについて教えてください。
顎の骨に人工歯根(フィスクチャー)を埋める一次手術を終えれば、切開した歯肉を縫い骨と人工歯根が定着するまで待ちます。抜糸は手術後から一週間程度で行いますが、この時点で手術はしません。人工歯根と骨が定着できたのを確認できたら、歯肉を再度切開し人工歯根の頭の部分を出す二次手術を行います。二次手術が終わったら仮歯を作り、形や使い心地などを確認します。仮歯の状態で合うものができたら、上部構造(人工歯)の型取りをし、人工歯根(フィスクチャー)にアバットメントと上部構造を取り付けて完成です。インプラントを長持ちさせるには、定期的なメインテナンスが欠かせません。口の中が汚れていると持ちが悪くなるだけでなく、トラブルが起きやすくなります。また、セルフメインテナンスだけでは取り切れない汚れもあります。定期的に歯科医院にてメインテナンスを受け、口腔状態の維持をしましょう。

職種ごとの仕事再開のタイミング

工事現場で働く女性

デスクワークの仕事再開のタイミングはいつですか?
基本的に、何日休めば仕事を再開できるという定義はありません。個々で体調の回復具合や、口腔状態、切開した部分の傷の治り具合など違います。そのため、仕事再開のタイミングは患者さんの体調や仕事の度合いによるでしょう。深夜まで仕事をしたりタスクを多く抱えたりするなどのハードワークは控え、パソコンで行う業務などあまり体に負担のかからない仕事なら、体調次第で翌日から再開してもよいでしょう。もし、自宅でテレワークができるのであれば、テレワークに切り替えて仕事を再開するのも一つです。自宅でしたら、しんどくなったら横になって休めるので、無理なく仕事ができるでしょう。
肉体労働の場合は仕事を休む必要がありますか?
麻酔をして手術を行っているので、体力を必要とする肉体労働の場合は休めるのであれば休んだ方がよいです。体力を必要とする仕事は激しい動きをする場合が多いでしょう。激しい動きをすると血行が促進されるため、血が止まらない可能性もあります。また、傷も塞がりにくくなり、切開した部分が感染する場合も考えられます。このような事態を避けるためにも、事前にまとめて休みが取れる環境を整えておくとよいでしょう。
家事・車の運転はいつからしてもよいですか?
麻酔が切れれば、無理のない範囲で家事や車の運転をしても構いません。ただ、麻酔が切れても、家事や車の運転もインプラント手術当日は避けましょう。手術当日は心身ともに疲れているので、ほかの家族に家事をしてもらったり運転してもらったりしましょう。手術を受ける際の説明にもありますが、麻酔をしますのでインプラント手術当日は車を運転して病院へ行かないようにしてください。

インプラント手術後の注意点

カウンセリング中

手術後にやってはいけないことを教えてください。
一次・二次手術ともに歯肉を切開しますので、出血を伴う可能性があります。そのため、血行がよくなるようなことはしないようにしましょう。具体的にいうと、入浴や激しい運動です。手術当日のお風呂はシャワーで済ませ、激しい運動も控えて安静に過ごしてください。また、飲酒や喫煙も控えましょう。飲酒も入浴や激しい運動同様、血行をよくするうえ、アルコール作用にて感覚を鈍らせてしまいます。感覚が鈍ってしまえば、切開した部分の痛みなどがわかりにくくなり、ちょっとした変化にも気付きにくいです。喫煙は予後を悪くするおそれがあるので、手術後に関わらずやめた方がよいでしょう。非喫煙者と喫煙者のインプラント治療を比べた際、喫煙者が失敗率が高いという報告があります。喫煙によるニコチンとコチニンと呼ばれる代謝産物が炎症歯周組織の治癒を遅らせ、人工歯根(フィスクチャー)と顎の骨の定着率を悪くし、結果失敗とつながります。インプラントの定着率の悪さに関わらず、喫煙は肺がんのリスクや歯周病の進行など全身に悪い方に影響を与えてしまいますので、これを機に禁煙を検討してみてはいかがでしょうか。
手術後に避けた方がよい食べ物はありますか?
手術後なので、傷口に負担にかかる食べ物は避けた方がよいでしょう。具体的には、よく噛まないと食べられない物や傷口に刺激を与える食べ物などです。それ以外は特に食べてはいけないものはないため、自由に食べてもらって構いません。特に術後の栄養摂取は免疫や感染に大きく関わるため、しっかり食べることをおすすめします。食べることで傷口の治癒や体力回復、免疫アップにつながります。手術後の食事で注意してほしいことは、当日の食事は麻酔が切れてから食べるようにしましょう。麻酔が効いたままですと、口の中を噛んでしまうおそれがあります。
手術後に腫れ・痛みがある場合の対処法を教えてください。
手術後をピークに、徐々に痛みや腫れは引いていきます。痛みや腫れの具合は個人差がありますが、腫れや痛みがある場合は我慢せず痛み止めを飲みましょう。痛み止めは市販薬でもよいですし、病院で痛み止めを処方してもらうのもよいでしょう。何もせず腫れが痛みが何日経っても続く場合は、ほかに原因があるかもしれません。早急にインプラント手術を受けた歯科医院で、手術を受けた部分の状態をみてもらいましょう。

編集部まとめ

説明している男性

自分の歯のように噛むことができるインプラントを検討している人は増えています。外科的手術を伴うためデメリットもありますが、それ以上にメリットも得られます。

基本的には日帰りで行われますが、長時間の外科的処置を行うため手術当日はなるべく仕事を休みにし、安静に過ごせる時間を作りましょう。

無理をすれば、治るものも治りにくくなりますし、インプラントの定着率も悪くなってしまいます。

体調と相談しつつ、無理のない範囲から仕事を再開することを検討してみてください。

参考文献

この記事の監修歯科医師
宮島 悠旗医師(宮島悠旗ブライトオーソドンティクス)

宮島 悠旗医師(宮島悠旗ブライトオーソドンティクス)

愛知学院大学歯学部卒業 / 東京歯科大学千葉病院にて臨床研修医終了 / 東北大学大学院歯学研究科口腔発育学口座顎口腔矯正学分野 助教 / 宮島悠旗ブライトオーソドンティクス起業 / 著書「国際人になりたければ英語力より歯を“磨け”-世界で活躍する人の『デンタルケア』-」(幻冬舎)出版 / 合同会社T&Y Connection設立 / ASIA GOLDEN STARAWARD(企業家賞)受賞 / 著書「歯並び美人で充実人生-幸せを呼ぶゴールデンスマイル-」(合同フォレスト)出版 / 株式会社オーティカインターナショナル認定講師 / 現在は宮島悠旗ブライトオーソドンティクス代表としてフリーランス矯正歯科医を行っている / 専門は矯正歯科(Invisalign®︎、小児矯正、Myobrace®︎、マルチブラケット、アンカースクリュー、PBMオルソ(光加速矯正装置))

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愛知学院大学歯学部卒業 / 東京歯科大学千葉病院にて臨床研修医終了 / 東北大学大学院歯学研究科口腔発育学口座顎口腔矯正学分野 助教 / 宮島悠旗ブライトオーソドンティクス起業 / 著書「国際人になりたければ英語力より歯を“磨け”-世界で活躍する人の『デンタルケア』-」(幻冬舎)出版 / 合同会社T&Y Connection設立 / ASIA GOLDEN STARAWARD(企業家賞)受賞 / 著書「歯並び美人で充実人生-幸せを呼ぶゴールデンスマイル-」(合同フォレスト)出版 / 株式会社オーティカインターナショナル認定講師 / 現在は宮島悠旗ブライトオーソドンティクス代表としてフリーランス矯正歯科医を行っている / 専門は矯正歯科(Invisalign®︎、小児矯正、Myobrace®︎、マルチブラケット、アンカースクリュー、PBMオルソ(光加速矯正装置))

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