インプラント

インプラントをしたら歯科矯正はできないの?歯科矯正を行う前に知っておくべき事とは?

インプラント 矯正できない

インプラント治療をした後に、歯科矯正が可能であるかどうか疑問に思う方はいらっしゃるかと思います。 本記事では、インプラント後の歯科矯正について以下の点を中心にご紹介します!

  • インプラント後の歯科矯正について
  • インプラント後の歯科矯正が困難なケースについて
  • インプラント後の歯科矯正の注意点について

インプラント後の歯科矯正について理解するためにもご参考いただけると幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

インプラント後の歯科矯正について

インプラント後の歯科矯正について

インプラント後に歯科矯正はできますか?
インプラント手術を受けた後、歯科矯正を行うことは可能ですが、いくつかの注意点や制約が存在します。 インプラントの位置や数によって、歯科矯正の選択肢が制約されることがあります。歯科矯正は、通常、自然歯に対して行われるため、インプラントが既に配置されている場合、その位置と数に注意する必要があります。 加えて、インプラント周囲の骨の健康状態も考慮する必要があります。歯科矯正は、歯の位置を調整し、咬合を改善するために骨の移動を伴います。インプラント周囲の骨が不足している場合、歯科矯正を行う前に骨増強手術が必要かもしれません。 歯科矯正にはさまざまな種類があります。取り扱う問題や患者さんの状況に応じて、従来の矯正装置(ブラケットやワイヤー)、透明なマウスピース型の矯正装置(インビザラインなど)、裏側に取り付ける補綴矯正装置などがあります。インプラントとの組み合わせに適した矯正方法を歯科医師と相談しましょう。
歯科矯正をしたらインプラントのやり直しが必要になる場合はありますか?
歯科矯正を行った場合、既に設置されているインプラントのやり直しが必要になることは稀ですが、特定の状況下で考えられる場合があります。 インプラントは通常、自然歯に対して独立して配置されます。歯科矯正は通常、自然歯の位置を調整し、咬合を改善するために使用されます。そのため、インプラントに直接的な影響を与えることは少ないです。 歯科矯正を行う際、歯の隙間を埋めるために新しい歯(ブリッジやクラウン)が必要な場合、既存のインプラントとの適切な調整が必要です。歯科医師は、インプラントと新しい歯の位置を調整し、咬合と審美的な側面を考慮して治療計画を立てることが重要です。 そして、歯科矯正によって、インプラントの周囲の骨や組織に一時的な圧力がかかる場合があります。インプラントが骨に完全に結合していない場合や、インプラントに問題がある場合、歯科医師は調整や再評価が必要と判断するかもしれません。
矯正用インプラントの「アンカースクリュー」は通常のインプラントとなにが違うんですか?
矯正用インプラント(アンカースクリュー)は、通常の歯科インプラントよりも小さく、短く設計されています。これにより、狭いスペースに配置でき、矯正治療の進行中に歯の動きをサポートするために使用されます。 目的としては、通常の歯科インプラントは、欠損した歯を置き換えたり、歯の安定性を向上させたりするために使用されます。一方、矯正用インプラント(アンカースクリュー)は、歯列の一時的な安定性を提供するために配置されます。歯科矯正において、歯の動きを制御するためのアンカー(安定点)として機能します。 取扱面では、矯正用インプラントは通常、歯科矯正の専門家によって取り扱われ、配置されます。通常の歯科インプラントは、一般的に口腔外科医によって手術的に挿入されます。 また、矯正用インプラントは短期間の使用を前提としており、歯科矯正が完了した後に通常は取り外されます。通常の歯科インプラントは永久的な置換物として考えられ、取り外すことはありません。 矯正用インプラント(アンカースクリュー)は、特に歯の動きを制御し、矯正治療の結果を向上させるのに役立ちます。例えば、噛み合わせの調整や歯の間隔を閉じるために使用されます。

インプラント後の歯科矯正が困難なケース

インプラント後の歯科矯正が困難なケース

歯周病が進行していると歯科矯正できませんか?
歯周病が進行している場合、歯科矯正を行うことは一般的には推奨されません。歯周病は歯肉や支持組織に影響を与え、歯とその周囲の組織の健康に悪影響を及ぼす疾患です。歯周病の進行が続いている状態では、歯科矯正を行う前に歯周病の治療と管理が必要です。 歯周病による歯肉や骨の損失は、歯の安定性を減少させる可能性があります。歯周病による骨損失が進行している歯は、矯正装置をサポートするのに十分な安定性を提供できないことがあります。 歯周病による歯肉の炎症や感染は、矯正装置の周りの組織にも影響を及ぼす可能性があります。矯正治療中に歯周病の進行が続くと、炎症や感染が悪化し、治療の成功を妨げる可能性があります。また、歯周病が進行している場合、歯科矯正のために装置を取り付ける際に、歯や歯肉の健康を悪化させるリスクが高まります。
インプラントは歯科矯正で動かせますか?
通常、インプラントは歯科矯正によって直接的には移動させることはできません。インプラントは、骨にしっかりと統合された人工歯根であり、安定性を提供する役割を果たします。一方、歯科矯正は自然歯を移動し、咬合や歯列の問題を改善するために行われます。 歯科矯正において、主な対象は自然歯であり、ブラケットやワイヤーを使用して歯を移動させます。通常、インプラント自体を移動させることは目的ではありませんし、難しい場合があります。インプラントが骨にしっかりと統合されているため、移動させることは技術的に難しく、矯正の目的に適していないことがほとんどです。 ただし、歯周病による骨の損失など、特定の状況では歯科矯正とインプラント治療を組み合わせて行うことがあります。この場合、歯科医師は患者さんの口腔状態を評価し、適切な治療プランを策定します。例えば、歯周病による歯の損失後にインプラントを挿入し、歯科矯正を通じて隣接する歯を移動させ、適切な咬合を実現する場合があります。
インプラントと歯科矯正は同時進行できますか?
通常、インプラント治療と歯科矯正治療を同時に進行させることは避けられることが多いです。 まず、インプラント手術後、インプラントが骨にしっかりと癒合し、安定性を持つまでに時間がかかります。この癒合期間中に歯科矯正を開始することは、インプラントの成功を妨げる可能性があります。また、歯科矯正治療中に歯を移動させるため、歯周組織に圧力がかかることがあります。歯周病などの歯周組織の問題がある場合、歯科矯正によって症状が悪化する可能性があります。 歯科矯正によって歯の位置を変更する場合、既存のインプラントとの関係を考慮する必要があります。矯正治療がインプラントに影響を及ぼす可能性があるため、調整が必要な場合があります。

インプラント後の歯科矯正の注意点

インプラント後の歯科矯正の注意点

インプラント後の歯科矯正は治療方法を自由に選べますか?
インプラント後の歯科矯正治療において、治療方法を自由に選べるかどうかは、患者さんの個別の状況に依存します。 インプラントがどの位置に配置されているか、そしてインプラントの数によって、歯科矯正の選択肢が制約されることがあります。インプラントと周囲の歯との関係を考慮しながら、ぴったりな矯正方法を決定する必要があります。 また、歯科医師は患者さんの口腔状態を評価し、適切な治療計画を提供するために専門的な知識と経験を持っています。歯科医師は、インプラントが既に存在する場合、その状態に合わせて矯正治療を計画します。 加えて、患者さんの治療目標や予算に応じて、異なる歯科矯正方法が提案されることがあります。矯正装置の種類(ブラケットとワイヤー、透明なマウスピース型矯正装置など)や治療期間に関する選択肢がある場合、これらの要因も考慮されます。 健康面においては、歯周病や他の歯周組織の問題がある場合、それらの問題を治療する必要があります。歯周組織の健康状態は、矯正治療の成功に影響を与える可能性があるため、治療前に適切に評価されます。
インプラント後の歯科矯正のデメリットはなんですか?
インプラント後の歯科矯正治療にはいくつかのデメリットや注意すべき点が存在します。 インプラントを含む歯科矯正治療は、通常、時間がかかることがあります。インプラントが骨に癒合するまでに数ヶ月から半年以上かかることがあり、その後で歯科矯正治療が開始されるため、治療全体の期間が延長されます。 また、インプラント治療と歯科矯正治療は、どちらも高額な医療費がかかることがあります。これらの治療を組み合わせる場合、費用が増加する可能性があります。患者さんは予算を考慮し、治療計画に関する明確な情報を得る必要があります。 例えば、歯周病は歯周組織の炎症や感染を引き起こす可能性があり、インプラントと矯正治療の両方に悪影響を及ぼす可能性があります。歯周病の予防と管理が重要です。 歯科矯正によって歯の位置が変わる際、既存のインプラントとの関係が問題となることがあります。特に、インプラントが周囲の歯と調和しない場合、調整が必要となり、追加の治療が必要になる可能性があります。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまでインプラント後の歯科矯正についてお伝えしてきました。 インプラント後の歯科矯正の要点をまとめると以下の通りです。

  • インプラント後の歯科矯正は可能であるが、インプラント治療を施した位置や数などを考慮する必要性がある
  • 歯周病が進行している場合、インプラント治療後の歯科矯正は難しい事例が多い
  • インプラント治療後に歯科矯正を行う場合、費用と時間がかかったり、歯周病の発症に注意をはらったりする必要が生じる

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
遠藤 眞次医師(グランメゾンデンタルクリニック)

遠藤 眞次医師(グランメゾンデンタルクリニック)

長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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