インプラント

40代で歯がない方の治療法は?歯を失う原因やインプラント治療の費用相場を解説

40代で歯がない方の治療法は?歯を失う原因やインプラント治療の費用相場を解説

「40代で歯が抜ける方はいるのだろうか?」と、自分の身にふりかかったときは不安になることでしょう。

「まだ若いのになぜ?仕事もあるのにどうしよう。」と、原因や治療法を調べ、できる限り元の歯に近い状態に戻したいと模索しインプラント治療にたどり着く方がいます。

しかし、「費用が高いんでしょ?」と噂では知っているものの、どの程度の相場なのかや具体的な治療も気になる方も少なくないでしょう。

この記事では、ブリッジや入れ歯のメリットやデメリットも含め、歯が抜けてしまう原因やインプラント治療を行った場合の流れや費用などを解説します。

40代で歯を失う原因

歯科や歯医者のイメージ

40代で歯を失う原因を教えてください。
日本人の歯が抜けてしまう原因の37%が歯周病とされています。
歯周病は歯周病菌の感染により歯茎が腫れる歯肉炎を起こし、進行すると歯を支える骨が溶けてしまう病気です。40歳以上の約50%が歯周病に罹患しており、特に女性はホルモンの変化によりリスクが高まる傾向にあります。
妊娠による女性ホルモンの増加は歯周病菌を増やす要因となり、一方で更年期や閉経などによる女性ホルモンの減少も歯肉炎の原因になります。
日頃のセルフケアを見直すとともに、歯科医師や歯科衛生士からの指導を取り入れることが、歯周病予防には重要です。
40代で歯を失う方はどのくらいの割合ですか?
2022年に公表された厚生労働省の調査によると、40代で歯を失う方の割合は次のとおりです。
  • 35歳~44歳:23.6%(平均0.6本)
  • 45~54歳:40%(平均1.4本)

40歳以上で歯を喪失した方の割合は、前回の調査(2016年)より減少傾向にあると報告されています。
インプラントやブリッジ、義歯の装着者は60歳以上が大半で、定期メンテナンスなどの予防が役立っているのがわかります。

40代で歯がない場合の治療法

歯医者と男性の患者

40代で歯を失った場合どのような治療法を選択できますか?
歯を失ってしまった場合は3つの治療法があります。
  • インプラント
  • ブリッジ
  • 入れ歯

インプラントは歯茎の下にある骨にインプラントを埋め込み、骨とくっつけて土台をつくり人工歯を取り付ける治療法です。
一方、ブリッジは両隣りの健康な歯を削って土台を作り3連につながった歯を橋のようにつなげます。
そして、入れ歯は取り外しができるのが特徴です。
インプラントは保険適用外になりますが、ブリッジと入れ歯は保険適用での治療が可能です

インプラントのメリットとデメリットを教えてください。
インプラントは見た目の美しさと使用感が自然な歯に近いのが特徴です。
硬い物もしっかり噛むことができるので、歯ごたえがあっても問題ありません。
また、ブリッジのように健康な歯を削る必要がなく寿命も長いため、自分の歯とほとんど変わらないのがメリットです。
一方で、デメリットとしては、費用が高額になること、手術が必要なこと、治療期間が長いことが挙げられます。
まれに金属アレルギーなどの合併症を起こす可能性もあるので不安要素がある場合は医師に相談しましょう。
ブリッジのメリットとデメリットを教えてください。
ブリッジのメリットは、健康な歯を使用するので違和感が少ない点です。取り外す必要もないため日頃のケアもしやすいでしょう。
一方でデメリットは、土台のために健康な歯を削らなくてはならない点です
そして、保険適用になる素材も限られています。審美性を重視したセラミックやジルコニアなどの素材は、自費診療となり費用が高額になりがちです。
金歯や銀歯で馴染みのある金銀パラジウム合金と、白い素材の硬質レジンは保険適用で使用できます。
しかし、硬質レジンは自然歯とは違う白さで、時間の経過とともに変色してしまうこともデメリットです。
入れ歯のメリットとデメリットを教えてください。
入れ歯は取り外しができることが大きな特徴です。デメリットにも感じますが、取り外せることで噛み合わせなどの調整が簡単に行えます。
また、ブリッジでは不可能な場所にも装着でき、幅広い事例に対応できます。作成時に健康な歯を大きく削らなくても作れるのもメリットです。
さらに、素材にこだわらなければ保険が適用されるため安価なうえに短期間で完成します。
一方、デメリットは、使用感に違和感を覚えることがあり慣れが必要です。噛む力も弱く入れ歯の隙間に食べ物が挟まって痛みが生じる場面もみられます。

インプラント治療の特徴や費用相場

歯医者と男性の患者2

インプラント治療の特徴や治療期間を教えてください。
インプラントは次の3つのパーツの総称です
  • 人工歯(上部構造)
  • 支台部(アバットメント)
  • 歯根部(インプラント体)

歯茎を切ってインプラント体を骨に埋め込み、骨と結合したらアバットメントを付けて人工歯を取り付ける構造になっています。
手術が必要ですが仕上がりや使用感が天然歯に近く、歯ごたえがあってもしっかり噛めるようになります。
また、審美性に長けているのが特徴です。歯を見せて笑っても抵抗がなくなり、口元の自信を取り戻せるでしょう。
治療期間は、骨とインプラント体が結合するまでに時間がかかるため、平均3ヶ月〜12ヶ月ほどです。
しかし歯周病や骨の状態によりさらに治療期間が長くかかる場合もあります。

インプラントの手術の流れを教えてください。
手術には1回法と2回法があり、1回法はインプラント体とアタッチメントがつながっているワンピース型のインプラント体を使用します。2回法に比べ患者さんの手術負荷は短くなりますが、感染リスクが高くインプラントを埋め込む骨がしっかりあることが条件です。一方、2回法は1次手術後に歯肉を閉じて骨と結合するのを待つ期間があるので、インプラントが脱落するリスクを減らせます。2回法の流れは次のとおりです。
  • カウンセリング
  • 口腔内の健康状態を検査
  • 歯周病などの治療
  • インプラントを作成するための検査
  • 必要がある場合は骨の移植
  • 1次手術(インプラントを埋める)
  • 骨とインプラントが結合するのを待つ
  • 2次手術(アタッチメントを取り付ける)
  • 仮歯をいれて人工歯の型をつくる
  • 噛み合わせなどの微調整
  • 人工歯を入れる
  • 完成(定期的メンテナンス)

インプラントは金属アレルギーによる合併症を起こす方もまれにいるため、心あたりがあることは事前に相談するとよいでしょう。
また、持病がある場合や個人差によってはインプラントを埋め込むために必要な骨の量が足りていないこともあります。その場合、顎の骨や人工的な素材を使用して補強するため治療期間が長くかかるでしょう。
完成すると天然歯のように使用できてむし歯の心配はなくなります。
しかし、ケアを怠るとインプラント周囲炎を起こす可能性があります。

インプラントはどのくらい長持ちしますか?
10〜15年のインプラントの残存率は、上顎で約90%・下顎で約94%と高い水準となっています。
上顎のほうがやや劣る理由は、上顎洞や鼻腔があるせいで骨の量と質が下顎に比べて少ないためです。
いずれにしても、定期的なメンテナンスに通いながら日々のケアを継続すれば寿命はもっと延ばすことができます。
インプラント治療の費用相場を教えてください。
インプラント治療にかかる費用は検査や手術を含め総額1本あたり300,000〜500,000円(税込)が相場です。
保険適用にならないため高額になります。
以下が代表的な費用項目で、歯科医院の提示金額や患者さんの状況により差があります。
  • 診断・検査費用:15,000~50,000円(税込)
  • 手術費用:150,000~300,000円(税込)
  • 骨移植費用:100,000~300,000円(税込)
  • インプラント手術で使用するオプション:150,000~300,000円(税込)
  • 仮歯:5,000~20,000円(税込)
  • 人工歯:50,000~200,000円(税込)
  • メンテナンス:1,500~10,000円(税込)

歯科医院や大学病院などのホームページにインプラントにかかる費用が記載してあることがあります。相談する前に確認しておくとおよその費用を予測できるかもしれません。
高額になってしまう理由は、インプラント本体の価格、素材によっても金額が異なるためです。
また、検査においても繊細な治療を成功させるためには、高度な設備が必要になるためお金がかかります。
その分、審美性や機能性に優れた歯は評価も高く需要も高い傾向にあります。

編集部まとめ

ミドル女性のビューティー
40代で歯を失うことはショックなことでしょう。残念ながら40代からの歯周病リスクは高く、すでに大半が罹患しているのが現状です。

特に女性はホルモンの影響から、リスクが高まるため予防が大切になります。歯茎の腫れや出血、口臭などの初期症状を感じたら早めに歯科医師に相談しましょう。

もし、歯を失ってしまってもインプラントやブリッジ、入れ歯の3つの対応手段があり、なかでもインプラントは、審美性と機能性に優れ天然歯に近い使用感が特徴です。しかし、保険適用外のため高額になってしまいます。

しかしながら、インプラントは寿命が長く日頃のケアと定期的なメンテナンスを行えば、第2の永久歯ともいわれるほどに長期間機能を維持できます。

参考文献

この記事の監修歯科医師
岸 民祐歯科医師(医療法人 Teethプラザ歯科 院長)

岸 民祐歯科医師(医療法人 Teethプラザ歯科 院長)

1981年日本歯科大学新潟歯学部卒業 / 1981年~1983年横浜 有楽歯科勤務 / 1983年広島市西区にて岸歯科医院開業 / 1998年中区へ移転、(医)ティース プラザ歯科開業,現在に至る / 所属協会・資格: / (公社)日本口腔インプラント学会 理事・指導医・認定医 / (公社)日本歯科先端技術研究所 指導医・認定医 / ピエールフォシャールアカデミー国際歯学会 会員 / 昭和歯科大学歯学部 外部講師 / その他:瀋陽医学院(中国) 客員教授 / ティースアート広島店

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